うりぼうのシネ煉獄

映画・ゲーム・テレビ・本の感想をまったり書きます。

ライフ・オブ・デビッド・ゲイル

2012年04月02日 | 日記
 死刑廃止論の是非を扱った2003年の映画。演技バカ一代のケヴィン・スペイシーと「タイタニック」のケイト・ウィンスレット主演。

 死刑廃止運動の同僚をレイプ殺害したとして死刑判決が出ているケヴィン・スペイシー。彼は死刑執行の直前になって記者であるケイト・ウィンスレットを指名して手記のためのインタビューを許可します。
 各2時間3日間のインタビューでケヴィン・スペイシーはケイト・ウィンスレットに身の上を語るのですが、ケイトはスペイシーが何者かにハメられたのだと疑うようになるのでした…


 ケイト・ウィンスレットは好きな女優さんなので(「タイタニック」除く)、こういうシリアスな映画で評価されればもっと嬉しい。
 一方ケヴィン・スペイシーはほとんど注目されていなかった時期の「ユージュアル・サスペクツ」はたいへんびっくりしたものですが、いまや演技派としても有名だし何か陰謀めぐらせててもおかしくなさそうな面構え。


 こういう映画って俳優冥利に尽きるというか、演技派にとっては演技しがいがあるんだろうなぁという感じがして、なんというか話が頭に入ってこないというか妙にリアリティがないというか…
 話は面白いしよく出来ているとも思うんですけどね~。切羽詰った緊迫感が出ていないような気がしました。これはケヴィン・スペイシーに助かりたいという生への執着みたいなものがない、という設定のせいかもしれませんが。

殺人の追憶

2012年04月01日 | 日記
 「最後まで結末が分からないオチが完璧な映画」というまとめサイトを元に旧作の傑作映画を見返しておりまして、本作もその1本。

 80年代に韓国で起こった実在の未解決連続殺人事件を元に脚色されたサスペンス映画。2003年の映画です。
 この監督ボン・ジュノという人は韓国映画の監督としてはもっとも期待のハードルが高い監督とされていて作った4本の長編映画すべてが評価が高いという稀有な存在でもあります(「ほえる犬は噛まない(2000)」「殺人の追憶(2003)」「グエムル(2006)」「母なる証明(2009)」)。

 怪獣映画である「グエムル」は別としても他の3作品は殺人事件を扱った作品でもあり、いままで観たことはなかったんですがとても楽しめました。

 田舎の刑事ソン・ガンホと都会から来た刑事キム・サンギョンのバディムービーでもありなかなか決定的な証拠が手に入らないとかかなり慎重にというか定番と思われる展開をしていてしっかりした作りで安心して見られます。
 作品がいい出来なのは言うまでもないんですが、

 この作品に何度も出てくるモチーフがなぜか気になりました。気のせいかもしれないし、もしかすると何か隠喩があるのかもしれませんがそこまでは考えませんでした…
 1つは拡声器。たぶんシーンを変えて3度ほど出てきます。
 もう一つはとび蹴り(笑)
 ドロップキックというものはかなりの大技で実践向きじゃないし、見た目が滑稽なんですが、そのせいでこの映画内ではちょっとした笑えるシーンになってます。陰惨な暴力(殺人)と対比させるために笑えるバイオレンスとしてのドロップキックがあるのかもしれません。

 ということで、
 なんとなく緻密に脚本を練っている監督のような気もするので分析するといろいろと面白そうなんですが、とりあえずは普通にサスペンス映画として楽しめました。他の監督作もぜひ観てみたいですね~