うりぼうのシネ煉獄

映画・ゲーム・テレビ・本の感想をまったり書きます。

GAMER / ゲーマー

2012年04月02日 | 日記
 2009年のSF映画。

 ゲームのプレイヤーとゲーム・キャラクターをテーマにした映画はいくつか思い出せますが、この作品はいろいろと突っ込みどころもあります。
 報酬と引き換えに志願者の脳をコントロールしてプレイヤーに遊ばせるという画期的なシステム”ソサエティ”に続く新しいゲーム「スレイヤーズ」が本作のテーマ。今度は死刑囚に「30日間生き延びられれば釈放」という報酬と引き換えに実弾を使った”戦争ゲームのキャラクター”をさせるというもの。
 無敗を誇るキャラクター「ケーブル」が主人公で、彼を巡る陰謀がベースになっています。


 実在の人間をコントロールすることの倫理的問題であるとか(「ソサエティ」ではキャラ同士のセックスもさせられるみたいだし、「スレイヤーズ」ではもちろん実際生き死にが掛けられている)そんへんの世論的なものは一切描かれていません。
 予告編を見る限りではもっとバーチャルなSFっぽい感じだったのに、ゲーム世界とは言っても実際は”本当の戦闘”なのでそういう面白みはなかったですね~。死というリアリティの希薄化みたいなテーマではないのは確かです(それをテーマにしたければキャラクターはデジタルデータの方が都合がいいし。何度死んでも何事もなかったかのように再スタートするマリオの方がよっぽど死が希薄化している)。

 ちなみに主人公ケーブル役は「300」(2007年公開)の主人公役のバトラーですが、同じような戦いの映画でも一転してこちらには死の臭いがない野がなんとも皮肉です。

ライフ・オブ・デビッド・ゲイル

2012年04月02日 | 日記
 死刑廃止論の是非を扱った2003年の映画。演技バカ一代のケヴィン・スペイシーと「タイタニック」のケイト・ウィンスレット主演。

 死刑廃止運動の同僚をレイプ殺害したとして死刑判決が出ているケヴィン・スペイシー。彼は死刑執行の直前になって記者であるケイト・ウィンスレットを指名して手記のためのインタビューを許可します。
 各2時間3日間のインタビューでケヴィン・スペイシーはケイト・ウィンスレットに身の上を語るのですが、ケイトはスペイシーが何者かにハメられたのだと疑うようになるのでした…


 ケイト・ウィンスレットは好きな女優さんなので(「タイタニック」除く)、こういうシリアスな映画で評価されればもっと嬉しい。
 一方ケヴィン・スペイシーはほとんど注目されていなかった時期の「ユージュアル・サスペクツ」はたいへんびっくりしたものですが、いまや演技派としても有名だし何か陰謀めぐらせててもおかしくなさそうな面構え。


 こういう映画って俳優冥利に尽きるというか、演技派にとっては演技しがいがあるんだろうなぁという感じがして、なんというか話が頭に入ってこないというか妙にリアリティがないというか…
 話は面白いしよく出来ているとも思うんですけどね~。切羽詰った緊迫感が出ていないような気がしました。これはケヴィン・スペイシーに助かりたいという生への執着みたいなものがない、という設定のせいかもしれませんが。