うりぼうのシネ煉獄

映画・ゲーム・テレビ・本の感想をまったり書きます。

ほえる犬は噛まない

2012年04月06日 | 日記
 ちょっと前に同じポン・ジュノ監督の「殺人の追憶」を観て、前々からの評判がウソではないことを痛感したわたくしは続いて長編デビュー作でもある「ほえる犬は噛まない」を借りてきましたよ!2001年公開の映画。


 原題は「フランダースの犬」らしいんですが、監督が適当につけた(エンディングでアニメ「フランダースの犬」の曲を歌っているため)らしくテーマとは関係ないそう。で邦題の方はアメリカ?のことわざです。こっちも微妙に作品のテーマとは合致していないような気はしますが。


 マンモス団地が舞台。
 大学教授になれずに焦る恐妻家の男はある日、団地内の犬の鳴き声に辟易して見かけた犬を地下室に閉じ込めてしまいます。その頃、団地の管理事務所で働く正義感の強い女・ペ・ドゥナは相次ぐ犬失踪事件に注目しています。そんな時、団地の屋上から犬を投げ捨てようとしている男を目撃するのですが…


 いや~面白い!!
 これが長編のデビュー作だとはそりゃあ才能が評価されるわ!という作品。
 やっぱりどこか抜けていてとぼけた魅力は健在。
 映画的なものではなく、日常の正義と悪とはみたいなテーマの作品ですね。
 悪行にもそれぞれ事情があり、正義の側にも事情がある。それらが絡み合って日常が存在している…みたいな感じでしょうか。
 それをドラマティックではなくてすごく素朴に自然に描いているのがいいですね~
 登場人物もそれほど多くなくて話複雑じゃないし、これはけっこう掘り出し物です。この監督の作品が気に入った方はぜひ原点として観てみてほしいですね~