プラムフィールズ27番地。

本・映画・美術・仙台89ers・フィギュアスケートについての四方山話。

せんくら 仙台クラシックフェスティバル2023。

2023年10月04日 | その他映像関連。
せんくらは初期に1、2回行ったような気がするが、それ以来行ってなかった。
いつでも行けると思うとなかなか行きませんね。
今年はようやく重い腰を上げました。

その気になってプログラムを見ると、行きたいプログラムがたくさんあって迷った。
興味が湧くものは5つ6つあったけど、3日間詰めるのもちょっと面倒で、
2日間で3つに収めた。まあ6つも行くと金額が万を超すというのも理由だった。
気軽さがなくなる。

久々に。音楽を聴いて、良かったですよ。

せっかくなので軽く感想を残しておく。
子どもの頃にピアノを習っていた、若い頃に仙フィルの定演に何年か通った
(もらったタダ券により)というだけの人の感想。念のため。


9月30日 16:45~17:45 4人のピアニストによるガラ・コンサート。

松田華音
ラフマニノフ「12の歌」より第5曲「リラの花」
ラフマニノフ「音の絵」より第6曲「赤ずきんちゃんと狼」
ラフマニノフ「楽興の時」より第6番

「リラの花」の冒頭がオーガンジーのようにふわあっと始まる。
この人はペダルの使い方が上手いんじゃないかな。響きが柔らかい。
久々のピアノ。トップバッターの弾き手だからそこまで期待値は高くなかったが、
思いのほか満足度が高かった。

小井戸文哉
スクリャービン 2つの詩曲
スクリャービン ピアノソナタ第4番

硬い弾き方で、あまり好みじゃなかった。スクリャービンの曲というのも馴染みがない。
指がよく動いていた。

牛田智大
ショパン バラード第2番
ラフマニノフ ヴォカリーズ

少年の頃のヴィジュアルしか記憶にないので、大人になったなーと思った。
小さい音の繊細さ。メロディを単音で弾く時の左右のバランスが良かった。

福間洸太郎
ショパン 英雄ポロネーズ
ラフマニノフ 「楽興の時」より第3番、第4番

この人は最年長らしくて司会を任されていた。素人っぽさもありつつ、
一所懸命喋っていて好感が持てた。
演奏は、軽やかなところはすごくいい。反面、ガツガツいく時にもっと音の
エッジが立って欲しいような気がした。だから「英雄ポロネーズ」は
選曲としてはあまり似合わなかったように思う。

演奏には、お喋りをするような親しみやすさを感じる。
本人にとっては不本意かもしれないが、映画音楽なんかを弾いてくれると似合うと思う。


9月30日 19:45~20:45 仙フィル歴代コンマス・主席演奏者による8人演奏。

渋谷由美子
森下幸路
西江辰郎
神谷未穂(以上ヴァイオリン)

佐々木真史
井野邉大輔(以上ヴィオラ)

原田哲男
吉岡知広(以上チェロ)

モーツァルト ディヴェルディメントK137
メンデルスゾーン 弦楽八重奏曲 変ホ長調 作品20

演奏前に10分ほど仙フィル事務局の方らしき人によるトークあり。
相方として演奏者のうちの誰だかが出て来てくれて、
「渋谷さんと森下さんの音を久々に聴いて、当時の音を思い出し感涙した」
という感動的なお話をしてくれたんだけど、残念ながら名前を忘れた……

わたしは渋谷さんが懐かしくてねえ。
演奏家としてどうこうということはわからないんだけど、その佇まいが好きだった。
当時のコンマス。定演でスカートの裾を翻してツカツカと歩いて来る姿を見るだけで
テンションがあがった。
ごくまれに、曲の(コミカルな)演出で、しっちゃかめっちゃかなステージ上、
渋谷さんが指揮者の腕をひっぱったりしていた。
コンマスが森下幸路に交代した時は釈然としなかった。

お変わりなくて嬉しかったですよ。相変わらず裾を翻してツカツカ歩いていた。


演奏は、可愛くて、明るくて、まろやかな音。
コンマス・主席奏者の集まりだから、技量的には何の不安もない。
柔らかな音に心をマッサージされているようだった。

だが8人に対して青年文化センターのコンサートホールは少し広すぎたかもね。
わたしが聴いてたのは中央の席で、バランスは多分良かっただろうと思うが、
やはり少しボリュームが物足りない。
だからこそオーケストラが聴きたくなった。

曲の合間に現コンマスの神谷未穂がMCで、各人のミニインタビューをしてくれたのが
楽しかった。時間がなかったので各人ちょっとずつだったけど。
当然渋谷さんはトップで、楽しそうに喋っていた。
MCも上手だったですね。音楽業界の横の繋がりはけっこう広いんだなあと思った。


10月1日 19:45~20:45 グランドフィナーレ

仙台フィル 
ピアノ独奏 福間洸太郎
指揮 松本宗利音(まつもと・しゅうりひと)←どんなDQNネーム、と思ったが、
ドイツの指揮者・シューリヒトの夫人が名付け親というから文句をつける筋合いはない。

実はグランド・フィナーレの一つ前の「フィンランディア」を聞きたかったんだけど、
手違いによりこちらのチケットが来た。まあしょうがない。

……しょうがないが、昨日もけっこうラフマニノフを何曲も聴いて、ここも3曲
ラフマニノフで、まあ曲自体個別識別が出来ているわけじゃないからいいんだけど、
やはりわずかに食傷気味。フィンランディアが聴きたかったなあ。

ピアノは前日に聴いた福間洸太郎。燕尾服?でよりフォーマルに。

仙フィル。
当時の音なんて覚えてないが、こんなにまろやかだったかなあ、と思った。
多分人数増えましたよね?全体を見渡せる位置ではなかったので、
どの楽器がどのくらいいるかはっきりわからなかったが、
とりあえずヴァイオリンは相当増えた印象。当時は十数人じゃなかったか。
今、20人くらいいる?

そりゃ舞台上にバルコニー置いている場合じゃないよなあ。
バルコニー取った今の状態でも狭く見えたもの。

シンバルをあんな使い方するなんて初めて聴いた。

現コンマスの神谷未穂が、渋谷さんとの前日にはなんだったら若手感まで
出していたのに、この日は肩で風を切るように姉御的に入って来て笑っちゃった。

福間洸太郎。
穏やかにお話をするような弾き方は昨日と同じ。
そしてもうちょっとエッジを立てて欲しい気がするのも昨日と同じ。
オーケストラとピアノが似た音域を出す場面でオーケストラが盛り上がると、
ピアノが聞こえなくなる。
わたしの席は反響板の恩恵をあまり受けない席だったせいかな。
軽やかな音は気持ちがいい。手首の柔らかな、優しい音。



楽しかったよ。ずっとニタニタしながら演奏を聴いていた。
やっぱり生演奏の功徳はありますねえ。音の波がマッサージしてくれる。
まろやかな音で。

ありがとう。楽しかった。

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