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プラムフィールズ27番地。

本・映画・美術・仙台89ers・フィギュアスケートについての四方山話。

< 悪役令嬢転生おじさん >

2025年05月20日 | ドラマ。
近年は死ぬほど転生ものばっかりなので、普段は転生ものというだけでスルーなのだが、
これは何の因果か1話をyoutubeでやっているのをうっかり見て、
なかなか面白かったので録画して見た。面白かった。

みんないい人でいいですよね。
なにしろ「おじさん」がいい人。創作物において、おじさんというと立ち位置的に
不遇な場合が圧倒的に多いが、この作品では善良で柔軟な考え方を持ち、世間知もあり
経験値も高く、オタクで、同じくオタクである妻子とも仲が良く、
……まあ不遇だといえば、頭髪部分がバーコードということぐらい。

話としては毎回毎回ばっつり切れてるので、え?もしかして1話見逃してる?と
毎回思っていたが、まあそういう仕様なら仕方がない。
欲をいえば、もう少し話に内容があったらもっと好きだったが。

キャラはみんな良かったよ。
王子と生徒会役員たちも。……5人もいる必要はなかったよね、とは思うが。
3人程度で良かった気が。

途中、妻と娘が話にコミットしてきた時はあれれ~?こういう方向にしちゃう~?と
多少疑問に思ったが、結局比重はそちらにはあまり行かなかったね。
……まあストーリーについて言及すると、話の浅さをあげつらわずにはいられないので
触れないことにしましょう。


M・A・Oという人の声と喋り方が好きだった。女性声優って、いわゆるアニメ声の人が
多いじゃないですか。この人は落ち着いた声で差別化が出来ている気がする。
歌もお上手ですよね。

井上和彦は、大ベテランなことは知っているけどあまり作品は見てないと思う。
上手だと思います。「※親目線」がすごく似合う。心温まる。

期待ほど台詞量はなかったが、「ハイキュー!!」で贔屓の石川界人が出てたのも嬉しい。

あんな台詞で終わったんだから次あるよね?ないわけないでしょう。
もう少し中身のある内容にして欲しいけどなー。まああんまり望んじゃいけないんだろな。
楽しみにしておく。

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< クジャクのダンス、誰が見た? >

2025年05月14日 | ドラマ。
前半部すごく面白くて引き込まれたんだけどね?ぞくぞくしたんだけどね?
しかし風呂敷広げるだけ広げて、上手に畳めませんでしたね。
これはまさに「あなたの番です」と同じパターン。
最後に盛大に大コケするのも同じ。

いやいやいや。さすがに無理ですねー、話が。
なんかもう話を広げすぎて何がなんだかわからなくなっているが、






……って、ネタバレ今さらだよね?







とにかく西田尚美が意外な犯人!ってだけの結末だった。
しかもその意外さは、「まさかこの人が犯人なのは無理だろう」ってのを含んでの
意外さだから、決して誉め言葉じゃないですよ。

まあいろいろ無理。西田尚美が犯人なのは、なんというか、
物理的に不可能じゃないかもしれないが、サイコパスじゃない悪意の人じゃない立場での
犯行は絶対に無理で(だからって「あなたの番です」のサイコパス設定もヒドイが)。
まあ~~~いろいろいろいろ無理。

いちいち上げるのが面倒なほど「無理」だから部分への言及は省略するが、
(10個どころでは済まない気がする)
別方向からいうと、ああいう真相でお父さんが娘にああいう手紙は書かないよ。
そんな重荷は背負わせないよ。だいたいただの大学生じゃん。
警察官である自分が調べても難しいのに、捜査を娘に託すって……。
もっとはっきり書け!
心麦にあんな手紙を書くくらいなら、屋台のおじさんに捜査一課宛の手紙を
託すしかないでしょうよ。

あとね、あのお父さんの立場であの5人?6人?を「冤罪です」とは書かない。
「犯人ではない」と書く可能性はあり得るが、冤罪とは書かない。
意味は同じことになるが、書き手の立場ではそうは書かない。

あと、西田尚美が犯人でいいならば、別に廣島育美が犯人だってかまわないんだよね。
無理さ加減においては。廣島育美が8話?9話?でようやく出て来るのもヤレヤレだよ。
不要でしたよ。

刑事が担当事件の唯一の生き残りを養子にするっていうのも倫理的に見れば問題がある。
特に遺産付きの赤ちゃんの。法律で禁止されているかどうかは知らないが。
あのシンガポールにいるウタちゃんの伏線は回収されないままでしたね。
ってか、遺産はどうしたんだっけ?イトコが使い込んだとはされていたけど、
ウタが養子に行った時点で、そういうところはちゃんとするものでは?

父検事は、あの話の流れで登場したら、どうしたって黒幕なのよ~~~~~。
なんであのタイミングで出そうと思ったか。もう少し早くか、せめて遅く出しとけば
もう少しごまかせたかもしれないのに。

いろいろ周到な松風先生が、父検事だけは全然文句を言わず案件内容を共有しちゃうのって。
弁護士としても職業倫理的にどうかと。
悪事をやりなれている感ばりばりで、いうたらマフィア感しかないのに、
長い人生の大半を検事として生き、実は悪人ではないですよと言ったって無理。

なんで赤ん坊を赤沢夫妻が連れてくるかね。
普通は――というより、本人が施設なり児相なりと直接交渉しないと無理だよね?
書類のやりとりなんかもあるだろうし。

赤沢妻もなんで1億円の通帳を突然出すかね?完全にやぶへびですが。

あの段階で元産婦人科医を殺してなんかいいことあった?
その前に殺すならまだしも、心麦が接触したあとで。
ちなみに心麦と書いて「こむぎ」と読ませるのはDQNで嫌だ。


話がダメダメなのでとにかくドラマとしてダメダメ。




まあそれはそれとして、役者たちは達者な人たちでおおむね良かった。

広瀬すずは初。お姉さんの広瀬アリスはすごく好きなので、妹の方も見てみたいとは
思っていたが、今回見られて満足。きれいな子ですね。時々すごく北川景子に見えた。
役名に引きずられたのか、北川景子と門脇麦の中間に見えていた。
門脇麦がもう少し若かったらこの役ぴったりでしたね。

思ったよりも演技が上手いと思ったんだけど、とにかく「父」の発音が……。
たまーに(10回に1回くらい)ちゃんと言えてた時もあったから、
演出側が指摘しないとダメじゃんと思うんだが、なんで直さなかったんだろう。
あれで途端に入ってこなくなる。

ただ、このシリアスめなサスペンスにおいて、広瀬すずと松山ケンイチのかけあいは
ちょうどよくコミカルで良かった。この組み合わせは良かった。
松山ケンイチも初かもしれない。この人、わたしが見たいと思うドラマに出ないのよね。
このドラマでは好きな役だった。

藤本隆宏なる人。顔はちょくちょく見てたんだけど、名前は知らなかった。
今、こないだ(?)再放送した「坂の上の雲」をゆっくり見ていて(初見)、
ちょうど広瀬中佐が戦死した回を見た直後に本作を見始めたので、
ものすごいいい役から10分後に暴力刑事として見ることになった。
「わたしの涙を返せ」と苦笑いした。

あ、そうそう、今回の収穫は瀧内公美。字面では見たことあるけど、顔は認識してない
女優さんだった。今回のドラマでは良かったですねえ。いい「悪~い」感じ。
今後も見たいものです。

最近やたらとあちこちに出ていると思う磯村勇斗。
まさにこういう曲者役で伸びると思ってたのだが、意外に爽やかな、真面目な系統で
見ることが多く、こういう普通の方向かあ……と釈然としてなかった。
今回の役のようなのがまさに、という気がする。

でも、成田凌と役柄逆の方がいいのでは?とは最後まで思っていた。互換可能。
成田凌が記者の方がわずかにハマり率が高かったように思う。
でも息子感は磯村勇斗は若干薄いか。
まあ現行でも悪かったわけではないが。

森崎ウィンの役柄がもう少し本筋に関わって来ると、よりコミカルで好きだったかもな。
松風先生のお父さんの話はがっつり削っても良かったんじゃないかなー。
ここらへんは風呂敷を広げすぎたと感じた。サスペンスでミスリードは必要だが、
やりすぎると回収できない、しても無理くりになっちゃいますよね。


まあ、そうですねえ、たとえ前半がものすごく面白くても、上手く収束出来ないと、
とにかく最後は不満ですからねえ。
原作をちょっと刈り込んでもドラマはドラマでサイズに合わせるべきだったと。




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< べらぼう ~蔦重栄華乃夢話~ 10話くらいまで >

2025年05月06日 | ドラマ。

6話までは面白く見ていたのに、7話でなんだか急激につまらなくなった印象。
6話?7話?でおっさんたちが蔦重の味方になって、やれやれ、ようやくかと思ったのに、
その後も蔦重を盛り上げるわけでなく、相変わらず顎で使うだけ。
この状況がずーっと続いてますからね。そろそろ飽きるよね。絵柄も同じだしね。

9話?10話?で瀬川の身請け話があったでしょう。
あれがすごく納得できないのよねー。今まで蔦重と瀬川は幼馴染で、瀬川は蔦重が好きだが
蔦重は自分の気持ちに気づいてないというのをずーっと続けて来たわけでしょう?

それがさあ。たった一話、それも正味30分くらいしか使わずに、
身請け話が出る→蔦重が自分の気持ちに気づく→二人が気持ちを確かめ合う→
足抜けの話を持ち掛ける→その気になる→別の女郎の足抜け失敗を見て正気に返る→
諦める→瀬川は身請けへ。
……って、変過ぎない?

短いのも短すぎるし、吉原のために吉原のためにってお題目を唱えている蔦重、
根っから吉原の水に浸かった蔦重がそんなに安易に足抜けなんていうわけがないよ。
失敗したらのリスクが高い。井之脇海の恋人の花魁、足抜け失敗したら
花魁じゃいられなくなって、どぶ板女郎ですからね。
このドラマではそうなってないようだけど。これは地獄だと思う。
折檻もまだまだ甘い。(大河だからだいぶ甘くしたのだと思う)

そのまま最後の花魁道中……嫁入り道中も尺を取るから、恋愛部分のストーリーは
正味20分いくかいかないかでしょう。この話数まであんなに話を動かしてないんだから、
もっと恋愛部分を時間かけて描いとけばよかったのに!

ここ関連がすごく納得できなくて、現在の印象はずいぶん悪くなっている。
6話まで面白く見ていたんだけどなあ。かなり転落した印象。
あと2、3話は見るだろうが、その時点で面白くなってなかったら止めちゃおうかなあ。


水野美紀、出てたんですね。眉毛がないとけっこうわかんなくなるもんですね。
そして、いい造型だなーと思っているのが市原隼人の検校。
怖さもあるし、艶っぽさもあるし、いい男風だし。
またつるっつるの坊主が似合うわ。美形だったんですねえ。

ずーっと思っているが、とにかく吉原のおっさんたちがほぼモブでしかないのが惜しい。
いい役者揃えているのに、もったいないねえ。




(その後12話くらいまで見て、視聴中止にいたしました)

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< らんま1/2 >(第一期)

2025年04月18日 | ドラマ。
わたしの知らんうちにワンクールで終わっていた。録画で特に失敗もなく見てたのに、
クールの最後だということに気づかなかったわ。なんの話が最後だったかな?
てっきり特番かなんかで1週か2週飛んだんだろうと思ってずっと待っちゃったわー。

「らんま」は実は初めて見た。マンガを読んでもいない。
だから今回のアニメが初らんま。

ゼロの状態から見ましたが、面白かったですねー。予想外に。
こないだの「うる星やつら」のリメイクより面白かった。ラブコメ要素が多めだからかな。
登場人物がみんな可愛く見えて。……まあいつもの高橋留美子ワールドの気はするのだが、
(何しろ顔がみんな一緒だからね)
設定も話も好きだった。2クール欲しかったねー。

あと、とりわけオープニングがお気に入りだった。
歌も好きだったし。歌い手が好きというわけではないんだが、曲と歌い方が合ってたね。
そしてオープニングの画が好きだった。ふだんオープニングとエンディングは
2度目以降飛ばすんだけど、けっこう何度も見た。
告白するのはちょっと恥ずかしいが、体格のいいらんまとそれと比べるとちんまりと
女の子らしいあかねが同じ格闘ポーズで動いてるのがハマったのよね。

これ、シャンプーが登場した回でシーズン1終わったのか。
終わるところじゃないよねー。続けてシーズン2もやってくれたら良かったと思うし、
それが無理でも、せめて翌々クールだろう。
今公式サイトに行っても、シーズン2が決定しました!としか書いてないから、
早くても今秋とか?それは遅い。話忘れちゃうよ。

昔のアニメではすごい話数をやってたんだね。18話+143話。
原作407話らしいが現代では何クール出来るんだろう。
36?48?まあ長くても48話だろうなあ。
ストーリーのある話で、コナンほど続けるのもどうかと思うんだが、
原作407話の話を10分の1に縮めるのも乱暴。

制作サイドの状況も今と昔では全く違うんだろうが、2年くらいのボリュームが
ちょうどいい気がするな。といって、2年間飽きずに見られるかというと自信がない。
2クール連続→1クール空け→2クールというサイクルでどうでしょう。
数打ちゃ当たるの薄い作品群に良コンテンツが埋もれてしまうのは惜しい。


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< ホットスポット >

2025年04月12日 | ドラマ。
最終話の34分で録画が切れてるのはナンデヤ!?
残りの15分はTverで見ましたよ。ありがたかった。
さすがに15分見残したら嫌でしょー。

三谷幸喜、宮藤官九郎に次ぐ第三勢力としてバカリズムが来てます、わたしのなかでは。
まあまだ見たのは4作目かな。「ウェディング・ハイ」からだから。

正直言ってね。前半のひたすらな日常会話は――ここがバカリズムの武器だとはいえ――
少々飽きました。好きですよ、これは。大変楽しい。
……しかし何事にも適度な量というのがあります。アイスは美味しいが、一度に3個以上
食べるもんではないでしょう。前半ずーっと日常会話「だけ」なので、
3話目見終わった頃には「これでずっと行くの?」と思った。

若干話が動くのか?と思ったのはテレビ局の回でしたが、
実はそれほど絶体絶命にもならずに収束するんですよねー。
ここもうちょっとハラハラさせても良かった気がするな。

そして真打の事件はまた別に起こるけれども、これは9話と最終話で始まり終わる話では
なかったのではないか。せめて8話の最初から、小日向さんの話は進めとかなきゃ。
もう少し尺が欲しかったよねー。ここにエピソードもう2つくらい入れ込んで。
書けたもんねえ、市長の悪辣さとかオーナーのいやらしさとか。
証拠を集めるシーンをもう一つくらい作ってくれても良かった。

それがあってあの車閉じ込めのシーンだったらもっと面白かったでしょう。
むしろガソリンスタンドを、関係者全員が四方八方から取り囲むくらい派手な場面を
作ってくれても。バカリズムの特徴であるゆる日常を優先したのかもしれないが、
そこは「刑事ドラマっぽく」ノリノリで張り込みしたら、別方向の面白さもあったであろう。

まあ聞いた噂で、バカリズム自身も6話でようやく話の方向がわかったとか言ってんだから、
……それはちょっとと思うよ。1話、もっといえば2話分くらい前倒しで話を進めれば、
もっと内容の密度が高かったと思う。




まあそれはそれとして、楽しめました!

何しろ役者のラインナップが。
市川実日子←大好き。
平岩紙←大好き。
鈴木杏←けっこう好き。達者な役者だと思う。
木南晴夏←かなり好き。
野間口徹←かなり好き。出て来て嬉しかったー。
もうここらへんだけでたっぷり!ですよ。

あの3人が同じテーブルでグダグダ喋ってるだけでニヤニヤしちゃう。
前回の「ブラッシュアップライフ」と関係性は丸被りというのは吉凶混合だが、
実際に見るとやっぱり楽しいのよね。

田中直紀が役柄にぴったり。最初から最後まで単純にいい人だったのは嬉しかった。
いい人だけど日和見、というのと、いい人は似ているようで違う。

角田晃弘……は正直、何度も見ているが名前は憶えてない人。字面はわかる。上手い人。
今回この役まわりで、なかなか世界を作ってましたねー。難しそう。
絶妙にうざく。絶妙な微かさでかっこよく。微量にいい人で。
最後全然年取ってないの、可笑しかったなあ。

それでどうやって普通に同じところに勤めてんねん、と思ったが、
なるほど。そういうことね。その後、末永く幸せに暮らしました。
これはほんとに「ブラッシュアップライフ」と同パターンなのだが……

井之脇海はここ1年ほど気になっている役者だから、ちょっとの顔出しも嬉しかった。
ちょっとの顔出しといえば、山本耕史は一体何しに出てきたのか……
面白いことは面白かったんだけど、作品としては蛇足かなー。
こういうことをすると若干安っぽくなる気がする。しかもいかにも思わせぶりに
ちらっと映してたりしてたから、もう少し大きい話になるかと思ったが。
もう少し凝った設定にしてくれればオシャレだったけどな。

誰も悪い人がいないのがいいよね。……って、市長とオーナーは悪い人か。
でも演じている役者がぽわんとやっているので、全然心が痛まない。
筒井真理子、いい役者ですよ。菊地凛子はいま一つ認識は薄いが、淡谷のり子をやった人。
ええ!染谷将太の奥さんですか!けっこう年上ですね。

登場人物の洋服の色を揃えているのが好きだったな。
特に市川実日子親子の。最後ああなるとは……

バカリズムには今後も期待したいですねー。
が、やっぱり今作は前半のグダグダぶりが気になったので、次回はもう少し締めて欲しい。
高橋さんの正体が絞り込まれていく過程とか、中本さんから始まって市長とオーナーの
関係とか、畳みかけが面白いんだからさ。(まあ汚職の話はとんとん拍子に行きすぎて、
もうちょっとリアリティを加味して欲しいけど)

やっぱり脚本って、練る時間がないといいものにはならないと思うんですよ。
数を書いて欲しいとは言わないから、60%で出して欲しくはない。
年に1本でも85%の作品を見たいねえ。



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< 第三の時効 >

2025年04月06日 | ドラマ。
いやー、まあまあ面白く見終わって、後で情報を見たら2021年のドラマなんですか!
なんと古めかしい!
見ている間は十数年前に放送されたドラマだと思っていたよ。
でもよく考えてみれば、各役者は相応に年を取っていたし、スマホは普通に流通してそうな
型番のものが出て来るし、こちらが思い込んでいただけですね。






原作小説が多分優秀なんだろう、最後のどんでんはなかなか面白かったけど……












ネタバレあります。













とにかくねー、ともさかりえをキャスティングした時点で「犯人はコイツ」なのよー。
そこ以外は普通にうまくミスリードしていただけに(映像的嘘は混じるけれども)、
ともさかりえじゃなければ騙せたのになーと残念。

わたしは彼女はどっちかいうと好きだし、力量のある女優さんだと思うが、
だからこそ通り一遍の役をするわけはなくて、登場した時点で
「犯人(少なくとも怪しい関係者)」認定をされてしまう。

もう、ともさかりえをミステリドラマで使う時には、いかにも怪しい関係者で、
犯人か?と思わせておいて、実は違うという当て馬的に使う限定でいいんじゃないか。
意外な犯人にならないのよ。

視聴時は、昨今の「孤独のグルメ」の印象が強すぎて、「(孤独のグルメ前の)昔の松重は
こんな役もやっていたんだなあ」という見当はずれな感想を持ちつつ見ていた。
そう思っていたので、演技への感想がズレてしまった。

うーん、冷酷な役を冷酷にやろうとしすぎて薄くなった気があるかな?
西田敏行なんかもそう感じていたけど、シリアスをやってもユーモラスな過去の役柄に
引きずられて見てしまうというのはあるからね。

あと、この程度の役で仲村トオルと岸谷五朗は無駄に豪華すぎない?と思ったが、
シリーズの中の一本として作られたからこうなったんですね。納得納得。
彼らは他の話で主役を張っているようだ。今回はチョイ役。


吉沢悠はわりと変な顔になりましたね。なんともいえない顔。いいのか悪いのか。
個性派俳優だが、最近はわたしの見る作品ではあまり見てない。
今回は微妙な狂言回し。主役ともいえないだろうが、主役じゃないとも言えない微妙な線。
女性にだまされるエピソードがもっと深まるかと思ってたから、
「だまされた~」で終わるのがちと不満。それだけなら、そこを無くしてもう少し明朗な
キャラクターにした方がむしろ良かったんじゃないかな。
まあ吉沢悠を使う意味がなくなるかもしれないが。


松重がともさかりえを犯人だと断定する根拠が薄弱すぎるのが結構大きなマイナス。
自分が疑われたから別に犯人がいるに違いないと直感して調べてみた、まではいい。
が、もしともさかりえが週刊誌にリークしたところまで明確になったとしても、
それは犯人だという断定にはなり得ないんじゃないか。

ともさかりえが犯人で動かない(起訴状に名前を書けるほどに)証拠はなかったと思うのよね。
ここがちゃんと、なるほど!と思える一点があったらかなり鮮やかさを感じたと思うけど。

裁判官の脅迫工作も……なんとなくそれっぽく、程度でしたね。
他人のする事務作業を裁判官本人が遅らせられるかどうか。
自分の手元に置いておくのも限度がありそうな気がする。
裁判所は法律の範囲内なら動きは鈍いが、さすがに殺人事件に対する手続きを
のろのろやっているわけにはいかんだろうし。責任問題になる。


全体的には面白かったが(だから感想も書いてる)、少々ひっかかる部分はあったね。

あと冒頭に言ったが、ドラマとしての雰囲気はかなり古風。
横山秀夫の小説が……ええ?2003年!?1980年代、せいぜい90年代だと思った!
小説の発表時代に合わせて古風に演出したかと思ったのに!
20年以上前と思えば古風という表現も出来るのか……しかしわたしにとっては
2000年以降は最近の話だ。まあ最近とはいわんでもそう昔の話ではない。

(個人的に)いろいろ裏切られた小説・ドラマでしたね。


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< おらが春 小林一茶 >

2025年03月18日 | ドラマ。
先日亡くなった西田敏行追悼のためのドラマの再放送。
2002年だからもう20年以上前。西田敏行が一番脂がのっていた頃かな。
まあ西田敏行は相当に長く脂がのり続けた人だから……ピークが長い。

まあさすがに20年以上たったドラマは多少現代とは感じが違いますわね。
このドラマはあまり濃くない内容をサクサクと進めていたイメージ。
それはそれで潔くて良かった気がする。それが最上だとは思わないけど。

小林一茶のことはよく知らない。
このドラマは田辺聖子の「ひねくれ一茶」をベースにしているらしい。
わたしも田辺聖子の古典エッセイで読んだ範囲での一茶しか知らないかもしれないなー。

一茶は憎さげな人だったんだろうと思いますね。実生活では付き合いにくいタイプ。
今回のドラマでは西田敏行の雰囲気がちょうど中和して、狷介さと若干の可愛げが
上手に同居していたけど、実際は気が合う人としか付き合えなかった人じゃないかと。

それなのに句は可愛いですよね。
わたしは有名な句しか知らないが、この小さきものたちへの温かい視線は
やはり他人にはない、独自の個性だと思う。
あれですよね。鳥獣戯画に通ずるような感性を感じる。

今回のドラマでは、知ってる句以外のものも豊富に出て来て良かった。
そして句を書いたフォントというか、文字も温かみがあって稚気があって良かった。

イメージより生活には苦労してなかったのかな。
家と土地を継母と異母弟と争ったエピソードはあったが、そんなに大きな家と土地である
ようには思ってなかった。暮らすのにかつかつくらいの自作農かと。
俳句の宗匠が本業だとしても、当時の信濃で人を雇って耕させるくらいなら
けっこう余裕がありますよね?

家族と喧嘩して、晩婚で、子供と最初の奥さんをみんな亡くして、
その後も若い後妻をもらい……というアウトラインだけを見ると、
わりと殺伐とした人生を想像するのだが。
でもドラマでは最初の奥さんとも二番目の奥さんとも仲睦まじく……
こういう風に描いてくれると平和でありがたい。

が、「何人おらの子供を殺せば気がすむんだ!」……は、これを言ったらもう終わりだと思う。


20数年前のドラマ。
石田ゆり子も寺島しのぶも若くて可愛かったねー。洞口依子も地味だがいい役だったね。
継母は三林京子という人。正直見覚えはないのだが、上手でしたね。
かたせ梨乃もあっさり退場しちゃったけど、こういう役でよく出てましたね。
杉浦直樹なる人は、名前は憶えてなかったけどいろんな作品で見ていた気がするよ。

あとは自然描写が美しくて良かった。
信濃の山。菜の花畑。空の青。蛙の緑。
折にふれてたっぷり自然描写を入れてくれて目に優しい。
願わくはこれが実際の信濃の山々であらんことを。

旅の途中で立ち寄った滝は、北斎の絵にある阿弥陀が滝だったりしますかね?
あの丸い滝口がそれっぽいと思ったのだが。
信濃と江戸の往還には通らない位置関係であるようだけれども。



近頃、昔のドラマ見てしみじみとするなあ。
以前にはなかった感覚な気がする。歳ですねえ……。


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< べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~ 6話くらいまで >

2025年03月09日 | ドラマ。
ま、話が地味。大河っぽくない。
――とはいえ、今まで知らなかったことを知れるのは面白い。
大河と思いすぎなければ、こういうやり方はありだなあ。
何度もこすられまくった戦国時代よりもずっと興味深く見ている。

6話くらいまで見たかな。この時点でそんなに話が動いていない。
通常、大河の最初の数話では子供が大人になったりして大きく動きますからね。
今回の主役、蔦重は最初から大人。というか、若者。演じ手は横浜流星。
比較的狂言回し的な役割の主役なので、話自体も地味めだし、主役としても地味。

だが当時の出版業界についてって初めてくらいに見るドラマだし、吉原は映画やドラマに
それなりに取り上げられているけど、裏側を描いたものは比較的少ないし、
なるほどなるほど、と思いながら見ている。

ただ吉原の顔役たちが頻繁に集まっているわりには
何にもしてないのがちょっとつまらない。蔦重だけが孤軍奮闘している。
大人たちは大人たちで何かはしているように見せた方が面白かっただろう。

納得できない部分は、高橋克実が、もっと花も実もあるおとっつぁんが出来るはずなのに、
なんでこんなにきつく当たる?ってキャラになっていることだなあ。
血は繋がっていないとはいえ、実は蔦重に期待している……らしいのだが、
あの高橋克実の演技では、憎しみにしか感じない。厳しいけれども、実は温かみのある父、
なんて大得意の役だろうに。

あとこれはわたしの好みの部分だが、数ある花魁役の中で、一番中心になる花ノ井が
小芝風花では物足りない……。
わたしは「美食探偵」で彼女を見て。これはそもそも台本がつまらないドラマだった。
なので彼女だけの責任ではないのだが、正直今三つくらいの満足度。
今回の役柄も、太夫を張るような花魁の迫力には欠ける。

可愛い役柄なら良かったと思うのよ。たとえば同じように蔦屋に拾われた、
茶屋の女中の一人などという役柄ならば。
花魁のあでやかさはないもんねえ……。この人だけはずっと納得できずに見ている。

あ、納得できないといえば、もう一人いた。
田沼意次を渡辺謙にしなくても良かったんじゃないかと。
近年、田沼の見直しが進んでいて、彼を善役に描くのは大いにありだが、
そこはもうちょっと洒脱な味を出しても良かったんじゃないか。
現行の渡辺謙では重厚な切れ者でしかない。田沼は切れ者一方で出世したわけじゃなく、
人間関係を上手く泳いで、というイメージがあるんだよなあ。

渡辺謙もそういう演技指導が入れば、軽さを入れることは可能だったと思うが、
演出は重厚一方の田沼で良かったのかね?


横浜流星は「あなたの番です」だな。当時は単にイケメン枠な感じ。
先日NHKのトーク番組を録画してたものを見たが、
6年経ってずいぶんスカした感じになりましたね。まあそんなに悪い意味ではなくて。
今の方が素に近いという可能性は大いにある。

狂言回し的な主役は難しいもんだと思う。そんなにメリハリないから。
でも出すぎず、ひっこみすぎず、嫌味なくやってるなーって感じ。
中盤、終盤ともっと蔦重の話になっていくんだろうし、けっこう良さそうな気がします。
中年くらいの蔦重の話が一番密度高いだろうから。期待している。

特に脚本の失速などがない限り、最後まで見続ける予定ですー。
でももうちょっと派手なところも欲しいかな?蔦重の周知のエピソードは、
多分放映でいえば9月10月というあたりだろうから、そこまでどう繋ぐのかですよね。
まあけっこう先は長い。



――その後7話を見て、「おっさんたちの蔦重虐めっていつまで続くの?」とちょっとげんなり。
ここらへん話動いてませんよねえ。本屋仲間はわかるが、
吉原の大人たちはもうとっくに蔦重の味方になっていてもいいころだが。
この構図にはそろそろ飽きたよ。
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< 十角館の殺人 >

2025年03月03日 | ドラマ。
絵柄の古さから昔撮ったドラマの再放送かと思ったが、そうではなく
単に1986年が舞台というだけだった。
執筆時の時代設定にした方が納得感は増すのかね?
まあ現代を舞台にすると、スマホは絶対に登場させる必要はあって、
ストーリーにだいぶ影響するだろうが。

――しかし冒頭のシーンはかなりツラかった。
演技力がなあ……。役柄が大学生だから若い役者が出て来るのは仕方ないけど、
ああいうところから物語がスタートしてしまうのはかなりマイナス。

演技ってさ。距離が遠ければ遠くなるだけ力んで無理が見えてくるのよね。
1メートルの距離での会話はそれらしく演技出来てもそれが3メートルになると、
途端にハードルが上がる。
室内と屋外でも違う。屋外での演技って白々しくなりがち。
人工物に囲まれてないからでしょう。

それを、冒頭ボートに乗って波の音に声をかき消されながら演技しろというのは……
演出も脚本も考えなかったのだろうか。上手い役者だって厳しい状況だと思いますよ。
しかもそもそもの話からして、あだ名が「オルツィ」だの「エラリー」だの、
けれんみたっぷりの設定なんですから。
慣れてなさ過ぎて。絶対こんな呼び方しとらんやろ。
「自然な演技」を学んでいる最中な若者たちには難しい。



ネタバレあります。













これ、4話の最後で犯人が判明するが、全5話のドラマにおいてそのタイミングで良かったか。
と、疑問に思ったが――まあ仕方ないのか。

これは原作の責任でもあるしなー。原作の瑕疵は原作の瑕疵としてドラマを責めるのは
止めよう。あ、ちなみにわたしが原作を読んだのは数十年前で、内容については
欠片も覚えておりません。

最後の5話は犯人のナレーションで終始する。これもどうかと思ったんだが、
無理めの動機を心情描写で何とか乗り越えなければならないんだから、
この形式しか無理だったかもね。

この作品は綾辻行人のデビュー作だそうだ。
そうするとねー。この人はねー。新本格のかなり初期の人だから、
リアリティよりも推理のパズル性を重視するのよね。
わたしはそれは好きなんだけど、ドラマにするのはねー。難しいよねー。

ドラマだとね。小説だと使えた目くらましがあまり効果的に使えないという弱みがある。
早い話、ストーリー上でいうと十角館にみんなを招いたのはあの人なんだし、
極力目立たせないようにしていることもあるし、
メタ的に言えば、一人だけ役者の力量がありそうなキャスティングだったこと、
機動力をさりげなく映すこと、――で、犯人はあの人かあの人しかあり得なくなるのよね。

説明された殺人の事実も――いろいろ無理があると言わざるを得ない。



青木崇高と角田晃広がいるシーンは快適。とはいえ、青木の方は
そんなに美味しい役柄じゃなかったわね。
探偵役じゃないよねえ?そして、若い方の子も主人公じゃないよねえ?
二人のうち一人で良かったのに。
でも若者にすると演技的に心もとないし、青木にするともう一人との連絡が出来なくなる。
うーむ。

最終盤、あんなに古めかしい画面作りにしたのは吉と出てるのか凶なのか。
ちょっとこだわりすぎだと感じた。映すものは事件当時のものでいい気がするけど、
それに合わせて構図まで昔に戻すことはなかった気がする。
まあこだわりがあったんだろうね。

腹は立たないし、今後ミステリの名作のドラマ化もどんどんやって欲しいが……
やっぱり難しいんだろうねえ、と言わざるをえない。
今度は島田荘司の「占星術殺人事件」をやってみて欲しい。にやり。



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< 結婚するって、本当ですか >

2025年02月19日 | ドラマ。

4話か5話まで全然ひっかかることなく面白く見ていたのに、
それ以降、あれ?と思う話が続いて。
うーん。ふわふわして、いいところはいいんだけど、
納得できないところは納得できないというアニメ。

王女の話も、あれ?ではあったけれど、まあこういう話ではありがちだよね。
でも愛妻家の同僚の話はなあ。すっごい適当じゃなかったですか?

まず一人が休んだからってそんなに電話が鳴りっぱなしになるわけないじゃないか。
突然の病欠なんかはどうしているのだ。
そして朝っぱらから年少さんが職場に押しかけて来て「パパは!?」とか
おかしいっしょ。こっちが聞きたい。お母さんに連絡しろ。

職場放棄で総出で探すのもおかしい。
夜になるまで子供を引っ張りまわしてるのもおかしい。
そしてチンパンジー(ゴリラだっけ?)に変わった愛妻家には納得出来なかった。
出社せずに居場所をくらまし、昼間っからバーで飲んでいて10時間くらいそこにいたの?
それも奥さんの方の事情はまったく語られないから、それ以上話が深まることはなく。
ナニコレ?って話でした。

権田くんの話は(ありがちとはいえ)まあいい話。
でもあの二人は結局離れてしまうのか。もう少し話が続けばくっつく未来もあったか?
心の準備もさせずに突然保育園に連れて行って子供に会わせるなんて、
女性の方は鬼畜ですな。

幼馴染の女の子も、単に出て来ただけ……。そりゃ彼女のおかげで状況が進んだのは
事実だが、その前がいろいろ無理なのでムリなのよ。
まず東京で心細かったら、幼馴染である大原君に訊け!
偶然隣に引っ越しました、は創作的にあり得るが、それで突然「リカさんの部屋で
飲みましょう!」は図々しすぎる。

図々しいといえば、こういうぐるぐる考え込むタイプの女性主人公が悩みに悩んだ結果、
どう考えても失礼な行動に走ってしまうのは創作物あるあるですよね。
でもリアルでこんなに失礼なことをしますかね?
玉川上水のシーンとかさー。
呼び出しておきながら「わたしはわたしで勝手にします。あなたも勝手にどうぞ」って
わけがわからないよ。

「リアリティがない!」とはわたしが何度も文句をいう点だが、
創作物にどれだけのリアリティを求めるかは人それぞれだろう。
わたしはそういうの気になるのよ!気になってしまうのよ!


人間が適当に描かれている部分が気になったのに対して、風景や行動は良かったですね。
ガラス職人の仕事にここまで尺を使う必要があるのかという疑問はあるが、
そういう部分は好きなので見てて楽しい。
阿蘇の自然や佇まいも好き。玉川上水も丁寧に描いていて好き。

早見沙織は人間として好きなので、主役の作品が見られて良かった。
落合福嗣の声を作品で初めて聞いたかもー。ファイルーズあいも初めてかもー。
後者ふたりは見ている間は知らなくて、全部見終わってから知った。
見ながら味わいたかったのもあるけど、それはそれで気が散る気がするから、
あとで知って正解なのかも。
小清水亜美もこないだトーク動画に出てて、ふわっとした人で印象が良かった。


まあでも。最後は甘々で超特急の締めながら、全体的には楽しく見たので良しとする。
出来ればネコをもう少し活躍させて欲しかったけどねー。
ネコが縁結びの役割をする……などはそれこそ擦られ倒したネタだろうが、
そういう話運びでも良かったな。





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