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【岡山大学】日本列島の過去1億1000万年間の大陸移動を明らかに:災害に強い地域を検討する上で重要な知見について

2021-08-01 23:48:26 | 理工農系

2021(令和3)年 8月 1日
国立大学法人岡山大学
https://www.okayama-u.ac.jp/
 


<発表のポイント>

  • 日本列島西部、西南日本の過去1億1000万年間の地殻変動(プレートテクトニクス)の歴史を明らかにしました。
  • 約1億1000万年前の吉備高原で堆積した地層が有する磁化情報を分析した結果、吉備高原を中心とする西南日本が、少なくとも約4000万年間に渡り、地殻変動の観点から安定的であったことが示されました。
  • 災害に強い地盤を有する地域を検討する上で非常に貴重な知見となります。


◆概 要
 日本列島は地質学的には「変動帯」に位置していて、地震の発生や火山の噴火などプレートテクニクスに起因する現象が数多く発生する地域です。そのような位置づけの日本列島の中から、地質学的時代を通して安定的に振る舞ってきた地域を検討することは、防災・減災上の重要な課題となります。最近の約3000万年間については、西南日本 の中央部に位置する吉備高原がそういった地域の候補であることが近年の研究で示唆されてきたことから、本研究ではより古い年代である白亜紀(1億1000万年前)以降の吉備高原とその周辺地域に焦点を当てた研究を行いました。

 国立大学法人岡山大学(本部:岡山市北区、学長:槇野博史)学術研究院教育学域の宇野康司教授(地球科学領域)、愛知大学経営学部の古川邦之教授らの研究グループは、地質学と物理学に基礎を置いた古地磁気学とよばれる手法からのアプローチで、約1億1000万年前の吉備高原で堆積した地層が保持する磁化情報の分析を行い、西南日本の古地磁気極移動曲線 を確立しました。そのデータと安定なアジア大陸内部のデータとの比較を行った結果、吉備高原およびその周辺地域が約1億1000万年前以降4000万年間にわたり地殻変動の観点から安定的であったことが示されました。災害に強い地盤を有する地域を検討する上でも非常に重要な発見であると言えます。

 本研究成果は2021年6月22日、 国際誌「Earth, Planets and Space」に掲載されました。

西南日本の白亜紀(1億1000万年前)以降の古地磁気極移動曲線

西南日本の白亜紀(1億1000万年前)以降の古地磁気極移動曲線



◆宇野康司教授からのひとこと
 プレートテクトニクスを解読するための基本データである「古地磁気極移動曲線」。各地域の地質学的歴史を知るための重要な基礎的データであり、大きな大陸のみならず、日本列島のような小さな陸地についても確立される必要があります。今回の研究で、西南日本の1億1000万年前以降のプレート運動が明らかとなりました。

宇野康司 教授

宇野康司 教授


◆論文情報
 論 文 名:An improved apparent polar wander path for southwest Japan: post-Cretaceous multiphase rotations with respect to the Asian continent
     「西南日本の見かけの極移動経路:白亜紀後に生じたアジア大陸に対する多段階の回転運動」
 掲 載 紙: Earth, Planets and Space
 著   者: Koji Uno, Yuta Idehara, Daichi Morita, Kuniyuki Furukawa
 D O I: https://doi.org/10.1186/s40623-021-01457-6
 U R L: https://earth-planets-space.springeropen.com/articles/10.1186/s40623-021-01457-6


◆詳しいプレスリリースについて
 日本列島の、過去1億1000万年間の大陸移動を明らかに災害に強い地域を検討する上で重要な知見
 https://www.okayama-u.ac.jp/up_load_files/press_r3/press20210729-2.pdf


◆参 考
・岡山大学大学院教育学研究科・教育学部
 https://edu.okayama-u.ac.jp/
・愛知大学経営学部
 https://www.aichi-u.ac.jp/college/busi


◆本件お問い合わせ先
 岡山大学 学術研究院 教育学域 教授 宇野康司
 〒700-8530 岡山県岡山市北区津島中3-1-1 津島キャンパス
 TEL:086-251-7641
 https://edu.okayama-u.ac.jp/~rika/

<岡山大学の産学連携などに関するお問い合わせ先>
 岡山大学研究推進機構 産学連携・知的財産本部
 〒700-8530 岡山県岡山市北区津島中1丁目1番1号 岡山大学津島キャンパス 本部棟1階
 E-mail:sangaku◎okayama-u.ac.jp
             ※◎を@に置き換えて下さい
 TEL: 086-251-8463
 https://www.orsd.okayama-u.ac.jp/

 岡山大学メディア「OTD」:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000011.000072793.html
 岡山大学SDGsホームページ:https://sdgs.okayama-u.ac.jp/
 岡山大学Image Movie (2020):https://youtu.be/pKMHm4XJLtw
 産学共創活動「岡山大学オープンイノベーションチャレンジ」2021年8月期共創活動パートナー募集中:
 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000197.000072793.html

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 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000122.000072793.html
 岡山大学『THEインパクトランキング2021』総合ランキング 世界トップ200位以内、国内同列1位!!
 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000070.000072793.html

国立大学法人岡山大学は、国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」を支援しています。また、政府の第1回「ジャパンSDGsアワード」特別賞を受賞しています

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精密な分子標的型抗がん剤の開発 -より副作用の少ない、より効果的な抗がん剤治療のために-

2021-08-01 23:30:50 | 医療系
理化学研究所、岡山大学、埼玉大学の共同研究グループの研究成果です!
 
 
2021(令和3)年 7月 30日
国立大学法人岡山大学
https://www.okayama-u.ac.jp/
 


◆概 要
 理化学研究所(理研)開拓研究本部伊藤ナノ医工学研究室の宮武秀行専任研究員(埼玉大学連携准教授)、伊藤嘉浩主任研究員、岡山大学大学院医歯薬学総合研究科(医)病理学(免疫病理)の松川昭博教授らの共同研究グループは、がん細胞中で異常に働くプロテインキナーゼ(タンパク質リン酸化酵素)をピンポイントで阻害し、がん細胞の増殖を阻害する化合物を発見しました。

 本研究成果は、より副作用の少ない、より効果的な新しい抗がん剤の開発につながるものと期待できます。
多くのがん細胞では、プロテインキナーゼの一種である「mTORC1」が異常に活性化されているため、その阻害剤は抗がん剤として有望であると期待されてきました。ところが、従来のATP競合結合型阻害剤では、mTORC1以外のプロテインキナーゼにも作用するため、思わぬ副作用や薬剤耐性が問題になっています。

 今回、共同研究グループは、コンピュータを用いたドッキングシミュレーションと細胞内相互作用アッセイを組み合わせた化合物スクリーニング法により、約70万種類の化合物の中からmTORC1の活性を抑える化合物「WRX606」を同定しました。WRX606の効果を調べたところ、がん細胞にだけ選択的に作用し、正常細胞には影響を与えないこと、ラパマイシンよりも優れたがん抑制効果を示し、がん細胞の転移も軽微であることが明らかになりました。

 本研究は、科学雑誌『Journal of Medicinal Chemistry』(2022年1月号)の掲載に先立ち、オンライン版(6月30日付)に掲載されました。
 

WRX606はFKBP12と結合後、mTORのFRB部位に結合し、mTORC1活性だけを精密に阻害する

WRX606はFKBP12と結合後、mTORのFRB部位に結合し、mTORC1活性だけを精密に阻害する



◆論文情報
 タイトル:In Silico and In Cell Hybrid Selection of Nonrapalog Ligands to Allosterically Inhibit the Kinase Activity of mTORC1
 著 者 名:Raef Shams, Akihiro Matsukawa, Yukari Ochi, Yoshihiro Ito, and Hideyuki Miyatake*
 雑 誌 名:Journal of Medicinal Chemistry
 D  O  I:10.1021/acs.jmedchem.1c00536
 https://pubs.acs.org/doi/full/10.1021/acs.jmedchem.1c00536


◆詳しいプレスリリースについて
 精密な分子標的型抗がん剤の開発 -より副作用の少ない、より効果的な抗がん剤治療のために-
 https://www.okayama-u.ac.jp/up_load_files/press_r3/press20210730-1.pdf


◆本件お問い合わせ先
<発表者> ※研究内容については発表者にお問い合わせください。
 理化学研究所 開拓研究本部 伊藤ナノ医工学研究室
 専任研究員 宮武 秀行 (みやたけ ひでゆき)
 (埼玉大学 連携准教授)
 主任研究員 伊藤 嘉浩 (いとう よしひろ)

 岡山大学 大学院医歯薬学総合研究科(医) 病理学(免疫病理)教室
 教授 松川 昭博 (まつかわ あきひろ)
 https://www.okayama-u.ac.jp/user/byouri/pathology-1/HOME.html

<機関窓口>
 *今般の新型コロナウイルス感染症対策として、理化学研究所では在宅勤務を実施しておりますので、メールにてお問い合わせ願います。

 理化学研究所 広報室 報道担当
 E-mail:ex-press[at]riken.jp

 岡山大学 総務・企画部広報課
 TEL:086-251-7292 FAX:086-251-7294
 E-mail:www-adm[at]adm.okayama-u.ac.jp

 埼玉大学 広報渉外室
 TEL:048-858-3932 FAX:048-858-9057
 E-mail:koho[at]gr.saitama-u.ac.jp

 ※上記の[at]は@に置き換えてください。

<岡山大学の産学連携などに関するお問い合わせ先>
 岡山大学研究推進機構 産学連携・知的財産本部
 〒700-8530 岡山県岡山市北区津島中1丁目1番1号 岡山大学津島キャンパス 本部棟1階
 E-mail:sangaku◎okayama-u.ac.jp
             ※◎を@に置き換えて下さい
 TEL: 086-251-8463
 https://www.orsd.okayama-u.ac.jp/

 岡山大学メディア「OTD」:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000011.000072793.html
 岡山大学SDGsホームページ:https://sdgs.okayama-u.ac.jp/
 岡山大学Image Movie (2020):https://youtu.be/pKMHm4XJLtw
 産学共創活動「岡山大学オープンイノベーションチャレンジ」2021年8月期共創活動パートナー募集中:
 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000197.000072793.html

 岡山大学『企業の人事担当者から見た大学イメージ調査2022年度版』中国・四国1位!!
 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000122.000072793.html
 岡山大学『THEインパクトランキング2021』総合ランキング 世界トップ200位以内、国内同列1位!!
 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000070.000072793.html

国立大学法人岡山大学は、国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」を支援しています。また、政府の第1回「ジャパンSDGsアワード」特別賞を受賞しています

国立大学法人岡山大学は、国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」を支援しています。また、政府の第1回「ジャパンSDGsアワード」特別賞を受賞しています

 

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