【自民党総裁選】ここに来て急浮上する「小泉進次郎」 麻生氏が「石破を阻止」のためなら「乗れないでもない」候補
主流派争い
岸田政権への支持率が“危険水域”で停滞する中、今年9月までに行われる自民党総裁選に複数の候補の名があがるが、決め手にはなかなか欠けるようだ。岸田文雄首相(総裁)が再選する可能性も噂され始めている。が、その一方で「岸田首相だけはダメだ」という勢力からは、「ある候補」が取り沙汰されつつあるのだという。
「8月半ばまでは表立った動きはなさそうです。岸田首相が出馬するか否かで状況が一変するので、それを見極める必要があるということですね」
と政治部デスク。
「今回想定される、候補が何人か出馬して決選投票に進んでという流れなら、2回目の投票がかなり重要になってきます。今回はその可能性が少なくありませんからね。2回目の段階で自身の判断で投じた票によって総裁誕生ということになれば晴れて主流派になるわけで、その辺りまで見据えるにはまだまだ時間が必要なのかもしれません」(同)
疑似政権交代
今回の自民党総裁選がこれまで行われてきたものを踏襲するなら、1回目の投票は衆参両院の372(8月1日現在)の議員票と110万余の党員投票で、ということになるだろう。各候補の党員票は議員票と同じ372に換算されて配分となるので総数は744票。1回目の投票で過半数を誰も獲得できなければ上位2人による決選投票へ。
決選投票では国会議員が改めて投票し、これに都道府県連の票が加算される。それぞれ372票と47票で、合計で419票。都道府県連の票は1回目の党員投票を都道府県別に集計し、候補2人のうち多く取った候補が1票を得ることになっている。
自民党はこれまで、主流派と非主流派とがシノギを削ってその立場を目まぐるしく逆転させながら、疑似政権交代と呼ばれる形を繰り返して政権を維持してきた。その原動力となったのが派閥だが、今回は東京地検特捜部の捜査を受けて岸田首相自らが解散を率先して行うなどした最初の総裁選だけに、これまで以上に注目が集まっているようだ。
菅vs麻生
「派閥がなくなったと言っても票読みは派閥単位で進んでいます。首相が派閥解消を訴えた際には“あくまでも人気取りでしかなく、自身の再選戦略は自派閥を基盤に練られている”などといった指摘がありましたが、その通りに進んでいますね」(同)
派閥のみならず主流派争いもまた残っており、菅義偉前首相と麻生太郎副総裁という2人の首相経験者がツバぜり合いを展開している状況だ。
「現時点では、『小石河』と称される小泉進次郎元環境相、石破茂元幹事長、河野太郎デジタル相を手駒に持つ菅氏が有利とされていますが、河野氏に関しては麻生派所属であり、ややねじれた状況ではあります。一方で、新聞・テレビの世論調査で『首相にふさわしい人』ランキングの上位は常に石破氏、小泉氏という順序です。麻生氏は首相時代に石破氏に「麻生おろし」を展開されたことを恨みに思っており、石破氏が勝ち切るシナリオを阻止するために動いているとも言われていますね」(同)
いつかは首相になる
本命不在の中、その他にも加藤勝信元官房長官ら折衷案的に候補の名が上がっているが、ここに来て、小泉氏の名を上げる人が多くなっているという。
「本当に自民・公明の与党が危機的になった時には河野氏が台頭してくるのではないかと言われているのですが、まだそこまで“危ない”と党内では共有されていないのかもしれないですね。小泉氏は菅氏か麻生氏かで言うともちろん菅氏側の候補ですが、麻生氏が最終的に乗れないものではないと見られます。重要閣僚や党幹部を経験していませんが、父の純一郎氏と違って、“いつかは首相になる”ことが約束されてきたこともあり、党内でそれほど拒否反応が出ないのかもしれません。ただ、小泉氏自身は無派閥ですが、結局、派閥をベースに支持が固められていく構図が透けて見えるようだと、“自民党は裏金問題の反省を何らしていない”との指摘を受けかねませんね」(同)
首相になるまでに「経験」は必須だが、「タイミング」こそが重要との指摘もある。父、小泉純一郎氏の勝負勘の鋭さは誰もが認めるところだったが、8月のどこかで小泉氏の決断が見られるのだろうか。
デイリー新潮編集部
こ奴が総理になれば世界中大注目するだろう