アサリ産地偽装防止 QRコード導入へ 流通経路を追跡 熊本県
中国などから輸入されたアサリが「熊本県産」と偽装されて流通した問題を受け、熊本県は10日、産地偽装の防止に向け、県産アサリの流通経路をQRコードで追跡できる新たなトレーサビリティー(生産流通履歴)制度を導入する方針を明らかにした。
10日に熊本市内であった水産関係者でつくる「県産アサリブランド再生協議会」で提示した。新制度は現在停止している県産アサリの出荷が再開された後の4月中旬〜5月に試験導入し、6月の本格運用を目指す。
県によると、アサリは▽漁協▽砂抜きや選別をする加工場▽流通業者――の各段階で、県が設けるデータベースで流通経路を管理する。県漁連が認定する加工場では県外産の混入を防ぐために網に入れたアサリを封印し、県も抜き打ち検査をする。販売店はQRコードを基に産地証明書を入手し、証明書に付けたQRコードを読み取れば消費者も出荷元などを確認できる。
協議会会長の逸見泰久・熊本大教授は会合後の報道陣の取材に「袋ごとにアサリを把握して確実に消費者に届ける良い仕組みだ」と制度導入に前向きな考えを示した。【吉川雄策】