古代の仏像「奇跡の再会」、大津で展示 重文と新発見の菩薩立像2体
眞光寺(大津市下阪本4丁目)の重要文化財・観音菩薩(ぼさつ)立像と、奈良時代にひとそろいで作られたとみられる新発見の勢至(せいし)菩薩立像を並べた展示会が、同市御陵町の市歴史博物館で開かれている。離ればなれだった古代の仏像の「奇跡の再会」を間近に見て、来館者は歴史のロマンを感じている。
勢至菩薩立像は高さ26・8センチの金銅仏。所有する東京都の個人から、眞光寺の観音菩薩立像と似ているとの相談を受けた同館が調査し、国内の同じ工房で作られた可能性が高いと6月発表した。
同館によると、発表以来大きな反響があり、遠方からも仏像愛好家らが鑑賞に訪れているという。報道で知り、訪れたという女性(67)=大津市=は「きれいな姿で残っていたことに感動した。仏さまが再会させてくださったのかも」と思いをはせていた。
2体が離ればなれになった時期は不明だが、同館によると1300年前の像が再会するのは極めて珍しく、もともとは阿弥陀如来坐像(未発見)の脇侍とみられるという。
「速報展示 眞光寺観音菩薩像とその一具像」は27日まで。午前9時〜午後5時。月曜休館。同館077(521)2100。
こんな偶然は珍しい南無阿弥陀仏