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強い馬づくり研修会が開催~DOD予防やライトコントロールについて

2006年03月10日 | 馬産地情報
8日と9日、新冠町と浦河町で<強い馬づくり研修会>が開催された。
これは北海道日高支庁が、軽種馬経営体育成促進事業として実施しているもの。

内容のポイントは下記のとおり。

1、強い馬づくりのための飼養管理
 講師:日本中央競馬会日高育成牧場
 副場長 朝井 洋 氏
 内容:
 ■分娩前の繁殖牝馬には
 ・カルシウム、リンなどを十分与える。
 ・同じく、銅、亜鉛、マンガン、鉄などの微量元素も必要。
 ・ボディコンディションスコアにも注意する。

 ■当歳馬には
 ・生後2~3ヶ月から、カルシウム、銅、亜鉛、タンパク質を補給。
 ・哺乳期の子馬に母馬の飼料を自由に食べさせない。
 ・クリープフィーディング
 ・これは、発育のコントロールと胃潰瘍の防止につながる。

 ■DODを抑えるには
 ・DOD(発育時期の運動器疾患)を抑えるには下記注意必要。
 ・粗タンパク質、カルシウム、銅、亜鉛の欠乏馬に多い。
 ・銅は飼料(乾物)1kgあたり30mg必要
 ・亜鉛は飼料(乾物)1kgあたり100mg必要(過剰摂取注意)
 ・高たんぱく摂取は骨疾患の発症要因ではない。
 ・デンプンの過剰摂取がDODの要因に。
 ・なぜなら、インスリンの感受性が悪くなるから。
 ・そうなるとインスリンが過剰に分泌される。
 ・過剰のインスリンは、甲状腺ホルモンT4の分泌を低下させる。
 ・低T4になると正常な骨形成を阻害する。
 ・インスリン感受性は成長とともに増加するが、飼料によって影響あり。
 ・高デンプン飼料ではインスリン感受性が低い。
 
 ■放牧が骨発育に及ぼす影響は
 ・当歳~1歳馬の放牧は、骨と腱を丈夫にする。
 ・放牧時間は1日12時間以上。
 ・舎飼いされている馬は、放牧馬に比べ骨吸収が亢進し骨密度が低い。
 ・最大酸素摂取量にも差が出る。


2、効率的な飼養管理をめざして
 講師:日本中央競馬会日高育成牧場
 生産育成研究室 主査 南保 康雄 氏
 内容:
 ■ライトコントロールについて
 ・ライトコントロールにより繁殖シーズンの初回排卵が早まる。
 ・非妊娠馬に冬至点から昼14.5時間、夜9.5時間の環境を。
 ・100ルックスのライトコントロールが効率的。
 ・これにより、2月の初回排卵の割合が大幅にアップする。
 ・十分な栄養が与えられていることが、効果の有無を分ける。
 ・発情の確認にはプロジェステロン濃度の変化を見るのが有効。
 ・妊娠馬の場合、2月分娩であれば分娩1ヶ月前からライトコントロール。
 ・分娩後も継続する。
 ・初回排卵は順調に起こるが、排卵時期が早いときは交配を見送る。
 ・3月以降分娩の場合は、基本的にライトコントロールしない。
 ・これは、分娩後初回発情での交配に有利。

北海道日高支庁では、3月23日(木)に<強い馬づくり>シンポジウムを静内で開催する企画をしている。詳細は改めてご紹介する。

by umaichi.com

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