テストマッチに先立って行われるのが両国の国歌斉唱です。
NZ代表のテストマッチを数限りなく(テレビで)観てきましたので、珍にとってのNZ国歌は覚えてしまうほどのお気に入り。もちろん日本人である珍のアイデンティティは「君が代」にあるわけですが、NZ国歌“God defend New Zealand”はその力強くも厳かな旋律とマオリ語(1番)の美しい響きが印象深く、世界の国歌の中でも屈指の名曲ではないでしょうか。
>>God defend New Zealand(YouTube)
2011年ラグビーW杯決勝戦から。
いやぁ、斉唱するヘイリー・ウェステンラ(Hayley Westenra)もお美しい。美貌だけでなく、美声も素晴らしいですな。

ヘイリーは1987年4月10生まれですから29歳、珍と同い年(笑)でして、アイルランド系ニュージーランド人。日本でもテレビ出演やCDリリースもあってそこそこマニア(何の?)には知られています。
ネットで1番マオリ語と2番英語の歌詞を見つけましたので、引用させていただきます。
[マオリ語]
E Ihowā Atua,
O ngā iwi mātou rā
āta whakarongona;
Me aroha noa
Kia hua ko te pai;
Kia tau tō atawhai;
Manaakitia mai
Aotearoa
母音と子音がはっきりしているので、日本人には発音しやすいですね。
最後の「aotearoa」というのはニュージーランドのことでして、もともとは「白く長い雲のたなびく地」という意味なんだとか。
[英語]
God of Nations at Thy feet,
In the bonds of love we meet,
Hear our voices, we entreat,
God defend our free land.
Guard Pacific’s triple star
From the shafts of strife and war,
Make her praises heard afar,
God defend New Zealand.
英連邦らしい歌詞ですな。これはこれでいいのですが、やはりマオリ語のほうがしっくりきますし、このあとに続くオールブラックスによる「ハカ」(マオリ族に伝わる戦いの前に行う相手を威嚇する踊り)への流れを考えるとマオリ語がよろしいな。

オールブラックスによる「ハカ」です。

試合ではこうなります。
NZ代表チームに惹かれるのは何といってもその圧倒的な強さです。
2016.6.25 現在(同日のウェールズ戦終了時の最新データ)
541戦416勝106敗19分 勝率.769
珍が記憶している間(平成元年以降)でも多分10も負けていません。W杯開催の昨年はW杯前の豪州代表戦で1つ負けただけのはず。それもW杯本番に向けて、連勝のプレッシャーがかからないようここらで一つ負けとけ、みたいな。
ちなみに、NZ代表が過去にテストマッチで敗れた代表チームは、豪州、南ア、ウェールズ、フランス、イングランド、ブリティッシュ&アイリッシュライオンズ、世界選抜だけです。最後二つは選抜チームですけどね。
ついでに書きますと、通算勝率7割7分という神の領域のNZ代表がもっとも勝率の悪いチームは南ア代表でして、53勝35敗2分 勝率.582です。なのでその南ア代表を予選リーグとはいえW杯で下した日本代表がいかに凄いことだっか(てゆーか、世界が驚いた人類スポーツ史上最大の番狂わせとまで言われた)がお分かりいただけるかと。
また、もっともNZ代表にとって負け数の多いチームは豪州代表でして、106勝42敗7分 勝率.684です。お隣同士の強豪ですから試合数が多いので負け数も増えます。だいたい南アや豪州クラスでしたら、いかに最強を誇るNZ代表でも3戦連続で試合すると1つは負けると言われています。実際NZ代表がテストマッチ50連勝超えだった1990年前後(空前の強さを誇っていた時期)連勝がストップしたのは対豪州代表3連戦(当時でも同一チーム同士の3連戦は非常に珍しかった)の3戦目でした。
加えて、世界のラグビー強豪チームにあって、いまだにNZ代表に勝てていないチームが2つありまして、スコットランド代表28敗2分、アイルランド代表21敗1分。NZを負かせば地元じゃその大金星に対し確実に号外が出そうです。ちなみにウェールズ代表が最後にNZ代表に勝ったのは確か60数年前です。
さて、ニュージーランド国歌はいかがでしたでしょうか。珍は仕事で気合入れる必要がある日には、出掛けにこれを見て聴いて自らを奮い立たせて出発しています。