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語り得ぬ世界

現実逃避の発展場 Second Impact
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鰻も解禁_05

2021-10-13 07:18:03 | 鰻重
大間まぐろの刺身なら、鰻重の前にオーダーしてもいいメニューですけど、そこはビールと日本酒の使い分けですね。



どうスか?大間まぐろ。脂の乗った赤身ですので、ビールよりさっぱりした『黒龍』に合います。

「大間まぐろ」とは本州最北端下北半島にある大間港(青森県大間町)で水揚げされたクロマグロ(通称「本マグロ」)のブランドでして、「黒いダイヤ」と呼ばれるなど、日本海流(黒潮)、対馬海流、千島海流の3つの海流が交差しプランクトンも豊富で潮の流れの速い津軽海峡を回遊する最高級のまぐろとして名を馳せています。大間まぐろには、ちゃんとシリアルナンバー入りのブランドシールが貼られています。例年8月から翌年1月まで獲れますが、やはり旬は秋から冬のようです。大間町観光協会によると、令和元(2019)年には一匹3億3,360万円という空前絶後の値の付いたマグロもあったようです。そりゃすげぇー。



そんな大間まぐろを京懐石の老舗『美濃吉』にて福井の地酒「黒龍」でいただく贅沢。



さすがに「黒龍」は1本だけに留めましたが、黒龍から大間まぐろ完食までは、これまた至福の30分でした。



『美濃吉』の創業は享保元(1716)年三条大橋の袂での「腰掛茶屋」(豆腐田楽等の軽食や酒を提供した仮設の屋外店舗)とのことですので、現在300年を超えるわけですね。初代店主は、美濃国大垣から京へ出てきた、秋田佐竹家(常陸源氏の嫡流)の流れを汲む佐竹十兵衛でして、その後代々店主は美濃屋吉兵衛を名乗っていたそうです。お店としてはその後川魚生洲料理屋として発展し、江戸時代後期には京都所司代から営業認可を受けた川魚生洲八軒のうちの一軒に数えられ、川魚主体の料理屋として確立されたようです。「美濃屋吉兵衛」が詰まった読みの『美濃吉』を店が名乗るのは明治時代に入ってからのこと。すでに明治9(1876)年出版の旅行案内本「京都みやけ」には川魚生洲料理屋として紹介されていたというから、さすが老舗料理屋ですな。

三条大橋袂にあった店舗(鴨川に張り出した三層の川床を設えた大店)から「京の七口」の一つ、京都粟田口(南禅寺畔粟田口)に本店を構えたのは、戦局の悪化に伴う閉店期を経た戦後の昭和25(1950)年です。平成4(1992)年にはさらに本格料亭『京懐石美濃吉本店 竹茂楼(たけしげろう)』として改装され、その建物は平成6(1994)年には京都景観賞を受賞されています。
『美濃吉』と言えば、「みのきっつぁ~~ん」「へぇ~ぇ~」の昭和CMを珍は記憶しています(間の長さが何とも言えませんでした)。珍@小学生or中学生のときによくネタにしたものです。CM自体は関西ローカルだったと思いますが、確か当時のご当主も出演されていたと思います。あの頃のCMって、どこの会社もやたら社長が出演していましたよね(苦笑)



1時間の贅沢でエネルギーを充填。正直言いまして(悔しくも)大阪・関西の鰻は東京・関東の後塵を拝していますけども、まだまだ行けていない鰻屋がありますので、これからも機会を見て行ってみたいと思います。



鰻重「特上」も食べてみたいですけどね。何かしらの贅沢をしたくなるタイミングで(だいたいストレス過多のフラストレーション解放欲求時ですが…苦笑)食べたいですな。



300年オーバーの老舗、鰻探訪レポートでした。半分鮪でしたが(苦笑)



余韻に浸りながらシティモール8階からエスカレータで階下へ。次の鰻屋はどこへ行こうかな。
(おわり)
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鰻も解禁_04

2021-10-12 07:22:32 | 鰻重
「黒龍」は美味しいですなぁ。



小粋な手ぬぐいも置いて行かれまして、なかなか雰囲気はよろしいな。
さて、大間まぐろ刺身が登場するまでの間、何気なくテーブルの上を眺めると、ツッコミどころ満載。



さすがにもうそんなガラケーは滅多におまへんやろー(笑)
ガラケー通話はNGながらスマホでの通話はええねんな…と取られかねないですし、そもそもガラケーなら通話とわかりますが、スマホ操作はどこまでがOKで、通話がNGなのかどうかもよくわからんやん!



『餃子の王将』にも登場していたアサヒビールの新しいノンアルビールが『美濃吉』にもありました。税込@825円って高っ。王将では@418円でした。それでも(小瓶サイズで)高いなぁと感じましたけど、ほぼ倍するやん。スーパードライ中瓶が税込@990円ですから、かなりの割高感があります。緊急事態宣言が解除になって、酒類飲める人なら普通にビール頼むでしょ…酒類飲めない人は烏龍茶を頼むのでは…飲む人いてんの?と思っていたら、珍の隣のテーブルで(衝立越しに聞こえました)オーダー入っていました(苦笑)



コーヒー高っ。しかも少なっ。@715円も出すなら、珍は瓶ビールをもう1本オーダーしまっせ。って、意味ちゃいますけどね(苦笑)



そうこうしているうちに大間まぐろが登場。醤油か岩塩でいただくようです。税込1,980円也。
(つづく)
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鰻も解禁_03

2021-10-11 07:22:05 | 鰻重
久々の鰻重を堪能している珍之助であります。



蒲焼のおこげ部分の周辺がこれまた香ばしくて旨いんですよねぇ。



鰻は小ぶりですけど、十分な存在感。鰻重に関しては、鰻の品質が同等なら食後の満足度に差異はさほど感じない珍之助です。よっぽどタレが甘いか、醤油辛いか、ごはんが柔らか過ぎるかでなければ別ですけどもね。今のところ珍の鰻履歴に味で「金返せ」の店はありませんでした。あとはおもてなしの接客、設えを含む店内の雰囲気ですね。味以外の最重要要素とも言うべき接客では「二度と来るかっ、ボケ」みたいな店は一店舗だけで(昔珍ブログ記事にしました)加点方式でベスト3を決める楽しみを見いだすところばかり。『美濃吉』は珍ベスト3にこそランクインしていませんが、さすが老舗という安心感、安定感を覚えました。



ほぼ15分で完食。早っ(苦笑)
お蔭さまで珍は至福の時を過ごすことができました。ご馳走さまでした。
でもって、この写真をご覧になられて「完食ちゃうやん」と気づかれたアナタ様の観察力は凄いです。
そう、香の物が写ってないやんと。
鰻重終盤で、このままで終わるのはちょっともったいないなぁ…と思いまして、香の物を残しておき、こうなりました。



福井県の「黒龍」です。純米吟醸だったと思います。一合です。酒類のメニューは最初のオーダー時点で下げられていましたが「黒龍あるやん」としっかりチェックを入れてありました。税込1,430円也。高っ。「黒龍」は元々安くないですけど、これはさすがに高い…。
その「黒龍」もやはり昭和のロボットが持ってきて、ビールに続いて注いでもらいましたが…そこは女子ホール係でしょ!と言うてまんがな!
併せてくだんのロボットは「一品のメニューもお持ちしましょうか」と言うのでお願いしました。



一品メニューは多くありません。土瓶蒸しとか松茸の焼き、天ぷらなど。でも辛口端麗の黒龍に合いそうなのはやはり海鮮系ということで、思い切って「本日の限定」に一品だけ書かれた「青森県産大間まぐろ赤身」をオーダーしました。
(つづく)
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鰻も解禁_02

2021-10-10 07:57:31 | 鰻重
さあ、『美濃吉』の鰻重「松」はどんなもんかいな…。開蓋の儀!



御開帳ぉ~。
鰻は3枚、一尾分ですね。蒸らしてある分ふんわり厚みがありますが、鰻自体は小ぶりです。タレの邪魔をしない程度に実山椒を散らしてあります。メニューにはどこ産かまでは書かれていませんでしたが(聞けばよかったかな)もちろん国産鰻です。蓋を開けると湯気とともに香ばしい匂いが広がり、鼻腔をくすぐります。なお、「特上」は見本写真を見る限り5枚でしたので(もしかして1枚隠れているのかも)二尾分弱ってところでしょうか。



全景です。鰻重+ごま豆腐+香の物+肝吸いで一式。それならごま豆腐を先に出して欲しかったですな。瓶ビールを注文した時点で聞いてくれていたら完璧でした。そういう融通を利かす機転は老舗高級店ならではだと思うんですけどねぇ。昭和のロボットにはハードルが高いでしょうか。常連になればやってもらえるんでしょうが(そもそも珍が常連なら昭和のロボットが担当することなかったでしょうな)。なお、メニューには、税込330円で薬味+だし汁のお茶漬けセットが追加可能、さらに税込880円で刺身も追加可能(何の魚かは不明)、極めつけは税込1,320円で肝吸いを松茸土瓶蒸しに変更可能です。でも珍は鰻重には肝吸いです。え?負け惜しみ?(笑)



関東風に焼いて蒸した鰻は柔らかくて箸で割けますけど、もうちょい歯ごたえというか、蒲焼に力感があってもいいのかなと。好みですけどね。ごはんは柔らか過ぎるほどではありませんが、これもまた好みで珍はもう少し固めが好きです。蒲焼のタレは醤油が勝ち過ぎ得ていない程よい甘辛さ。都度粉山椒を加減しながら掛けていただきました。



香の物は奈良漬け、しば漬け、菜っ葉の漬物という鰻重香の物黄金トリオ。右側が粉山椒です。うるさくなく上品な山椒。一番右側は鰻重のタレです。蒲焼には掛け過ぎないようするのがミソですね。ごはんには掛けました。タレをまぶしたごはんはビールと合いますね。



上段左端がごま豆腐。特にびっくりするようなものではないですが、やはり鰻、蒲焼タレの邪魔をしないよう(京都の店ですから)くどくないようほんのり薄味に仕上がっています。なので醤油ではなくタレが掛かっています。



肝吸いの出汁は昆布だしでしょう、これまた上品な薄口。昆布は羅臼産の高級品かも。肝はぷっくりときれいな形をしていました。味はありませんから、歯ごたえを愉しむものですよね。柔らかい鰻蒲焼との対比みたいな。
(つづく)
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鰻も解禁_01

2021-10-09 07:45:14 | 鰻重
緊急事態宣言解除により制限付きとはいえ酒類提供が再開されましたので、珍的には鰻重も解禁しました。時計を巻き戻しますけども10月3日(日)のことであります。翌4日から決算委員会3連投が控えていましたので、エネルギー充填と自分への先行ご褒美(笑)ってことで。



今回訪れたのは天満橋駅上シティモール8階にある京懐石の料理屋『美濃吉』です。少し前に同階にあるカフェ『シュハリ』でハンバーグ・トッピングのナポリタンを食べた際、同店を探していたとき、すぐ近くの「うなぎ」の幟に気がつき一瞬心が揺れましたが、瓶ビールのない鰻重はやはり珍的にはあり得ません。



そして10月に入り、満を持しての『美濃吉』でした。鰻屋(専門店)って日曜に定休日が多いんですよね。こちらは鰻屋ではなく懐石料理メインですが、鰻はお持ち帰りもあって(鰻の押し寿司はテイクアウトのみ)二番手には据えているようでした。元々は川魚料理屋として京都所司代に営業許可をもらったのが『美濃吉』のルーツらしく、料理の系統として鰻料理はまっとうなものですね。



有名な高級料理店ということで、珍は初めての入店です。12時を少し過ぎていましたので、グループ客、おもに家族らしき集団が多かったです。珍は鰻目的のおひとり様ですので毛色が違いますけども、けっこう値の張る懐石料理(ランチ@5,000円~)をそこそこの人数で食べるって、まあまあハイソな人たちですよね。



まずは当然こうなるわけですね。中瓶税込@990円也。高っ。

ジーパンとポロシャツ、リュックで行くのが少し場違いな感じもしましたが、まあそこはシティモールですからね。眺望のいい窓際はすでに満席、密ということもあり、通されたのは2テーブルだけの窓のない小さな部屋(廊下側扉は全開)。テーブル中央、向かい側とのセンターラインにアクリル板。透明とはいえ圧迫感はありますし、和テイストの雰囲気ぶち壊しですけど、新コロ対策で慣れてきていますよね。そして、ほどなくもう一方のテーブルには座ってからは銭金の話題の多かった、やや下品な中高年夫婦が通されてきました(常連っぽい)。

鰻重が出てくるまで20分ほどかかると言われましたけども、待たされるワクワク感も満足度に直結するといつも書いていますし、多少の時間待ちは珍には問題ありません。ただ、鰻屋ではありませんので、肝焼きや白焼きなどの一品はありません。やや手持無沙汰。ビール中瓶が@990円もするならお通し(加算なしで)ぐらい付けてほしいものですな。

なお、フロア係のスタッフさんたちを観察していると、そこはさすが高級懐石料理店、特に女性スタッフさんは社員教育が行き届いている手際と愛想の良さでしたけども(アレルギーの有無も聞かれます)珍を担当した野郎フロア係は、昭和のロボットみたいなぎこちなさ(苦笑)急かしてはいけませんが、流れというか、テンポの良さ、臨機応変さは不可欠なのに、マジメさだけ…みたいな。ノッキングしまくりみたいな。ちなみに、鰻屋では不可欠なアトラクション<瓶ビール一杯目はお店の人が注いでくれる>がここでも再現されましたけど、注いでもらったのは、その昭和のロボット。瓶ビールを持ってきた流れで、相変わらずぎこちなく注いでもらいました。でも、注ぐ役は女子ホール係でしょ!かおりちゃん@赤羽を出せ!



はい、ドン!
20分かかると言われましたが、実際は10分ほどで出てきました。お通しやアテがあるなら30分でも待てますけどね。逆に珍にはちょっと早過ぎたぐらい。

鰻重は原則一番上のクラスをチョイスするという珍ルールに則り「松」をチョイス。税込4,840円也。この時点で瓶ビールをもう1本追加(また昭和のロボットが注いで行きました)。なお、『美濃吉』では「松」の上に「特上」が存在するのですが、税込6,380円なのでさすがにビビりました。今回は勘弁してください(苦笑)
(つづく)
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青い鰻(後篇)

2020-09-07 07:26:14 | 鰻重
鰻屋では通常焼き肝はあったりなかったりですが、ここではあっさりオーダーが通りました。



なかなかのボリューム感ですな。ここでは箸ではなく爪楊枝で食べるのが作法のようです。税抜550円也。
タレは甘すぎず、炭火焼での香ばしさ、歯ごたえもバッチリでした。めちゃビールに合います。鰻重が運ばれてくる前に瓶ビールは2本目を追加オーダー。



鰻重「極上一匹重」の登場です。それでは御開帳ぉ~。



おおっ。びっしり敷き詰められた鰻蒲焼。一匹重だけあって尾頭付きです。ん?さすがに尾はないか。税抜4,100円也。メニューには「ボリューム満点当店自慢」とありましたが、確かに鰻は一匹なのでボリュームはありますけど、特に大きい身ではありません。関東では一匹半のところもあるぐらいですしね。ごはんは見た目以上に少なめです。大盛を頼めば+100円ぐらいでやってくれそうですけどね。まあ瓶ビールを飲んでいる珍ですので、ごはんはこれぐらいでいいかも。



アップで撮るとめちゃボリューミーに見えますね。蒲焼はそこそこ分厚いです。タレはやはり甘すぎず、蒲焼とよく馴染んでいます。たまに醤油が勝っているタレもありますが、バランスはいいと思います。
なお、前篇で書きましたが、珍の目前にある熱帯魚水槽のLED照明が水槽の水に反射して、珍の手元、ちょうど鰻重あたりが青く光っていました(前篇のメニュー写真手元を参照してください)。なので掲載画像はほぼすべてPhotoshop ELでブルー系の明度をマイナス全開にして消しています。オリジナルだとこんな感じ。



蒲焼の身の凸凹に溜まるタレや重箱の縁が青く発色しています。料理に寒色ライトはなかろうということで(食欲減衰ですよね)色加工したしだいです。熱帯魚で鰻が青くなるって、皮肉な話ですな。青い焼き肝なんて、これまで以上にエイリアンのはらわた状態に見えました(苦笑)
今後の撮影対策ですが、まず座る位置をカウンターなら水槽がギリ掛からない右端へ、料理を撮る角度も考えないといけないですね。スマホではなく、せめてコンデジで。



フルオープン。吸い物は赤だしです。次回からは追加料金で肝吸へバージョンアップします。あと、贅沢を言えば、香の物はたくあんではなく、ここは奈良漬けでビシッとキメてほしかったですな。



ごはんの量は少ないと書きましたが、炊き方は柔らかくはないです。そこはちゃんと考えておられるなと思います。タレと絡みますからごはんが柔らかいとべちゃっとしますしね。硬いとまではいきませんが、ほどよい加減だと思います。カレーと鰻重は硬めの米が好きな珍は、もう少しだけ硬くてもOKです。

というわけで、念願のN市地元の鰻屋『うなすけ』でした。お味は大阪・京都の鰻屋には決して負けていません。贅沢ですからたびたびというわけにはいきませんけども、たまに行こうと思います。鰻屋、寿司屋の常連になれたらオトナですよね。ご馳走さまでした。
(おわり)
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青い鰻(前篇)

2020-09-06 11:56:04 | 鰻重
日にちを遡り、8月29日(土)のランチのレポートを記しておきたいと思います。久々の鰻重です。無性に鰻が食べたくなったので。



『うなすけ』はN市でおそらく唯一の鰻料理専門店です。N市駅から徒歩5分ちょい。しかも知る人ぞ知る隠れた人気店。珍はずっと前から気になっていましたけども、初めて食べに行きました。



店内はこんな感じ。狭くて奥に長い造りです。手前にカウンター席、奥にテーブル席があります。奥に何だか不気味な大黒様も…。
11時半頃に入店しましたが、すでにテーブル席には3~4人ほどのお客さん。珍は5席あるカウンターに鎮座。最初座った席の隣、カウンター席右端2席(つまり左端から4番目と5番目)は「予約席」とありまして、一つ空けて座ってくださいと言われ、横移動して左から2番目に座ったら、すぐに今度はその左端に一人客(若いのに常連っぽい)が来たので、さらに横移動で結局最初に座った席へ。ソーシャルディスタンスに振り回されるってのもねぇ。
なお、カウンター席の前には横長の熱帯魚の水槽があります。鰻屋に熱帯魚の水槽っても…まあ鰻の水槽よりマシですかね(苦笑)
だた、この水槽が撮影に影響を及ぼしてしまいました。



鰻屋でもまずはコレですよね。テイクアウトで蒲焼きを求めに来るお客さんが次々と。さらに店内で食べるお客さんにも待ちが出始めました。早めに行かないといけませんな。



鰻屋ではそのお店の一番上物のものを食べるのが珍流。なので、贅沢に「極上一匹重」をチョイス。



肝焼き(ここでは焼き肝)もあったので追加オーダー。



あとでわかりましたが、鰻重には肝吸が付いているのかと思いきや、赤だしでした。作法がわからなかったのですけども、肝吸にチェンジしないといけないのを学習しました。次回からは肝吸で。ちなみに錦糸卵やもみのりは珍には不要です。
(つづく)
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裏・土用の丑の日

2016-07-31 16:06:33 | 鰻重
7月も終わりですなぁ。毎月書いてますけど…早っ。
今夏はなぜか珍宅の前庭で空蝉を見かけません。ちらほらです。普段はもっといっぱい見かけるんですけどねぇ。しかも世間じゃ蝉は鳴きまくっているというのに。

さて、昨日7月30日は土用の丑の日でした。土用の丑といえば鰻ですよね。珍ブログの読者のみなさんは珍が超が付くほどの鰻好きなのをご存知だと思いますけども、珍には土用の丑の日に鰻を食べることへのこだわりはありません。鰻屋は混んでますし、いい鰻はスーパーでも高いですし(昨日はその場で焼く一尾3,500円ほどの鰻を売ってました)かといってお安い中国産は食べたくないですし…。とはいえ、スーパーで鰻の特売を見ると正直ムラムラはします。

そこで昨日K園駅前のスーパーでたまたま見つけた国産鰻の肝焼きを見つけたので、蒲焼きは買わずにこちらを買って帰りました。これもご存知のように珍は肝焼きにも目がありません。ちなみにこのスーパーでは肝焼きパックはけっこうな量が用意されていました。



ホイルで包んでオーブンで温めて山椒を振りかけました。税抜380円也。



肝焼きの苦みにはやっぱりビールの苦みが合いますな。



近接撮影は相変わらずグロい鰻の肝焼きですけど、この量で380円は安いです。普段でもスーパーでは滅多に売っていない肝焼きは、あっても値段はそれぐらいで量はこの半分から2/3ほどです。1尾に1個ですからこの量ですから20尾以上分はありました。
ただし、当たり前ですが鰻屋で出てくる肝焼き(串1本500円前後)ほどのクオリティはありません。焼いて時間が経過していることもあるでしょうし、焼き方も炭火かどうかもわかりません。さらに国産鰻(ホンマやろな~)とはいえ、いろんな地域のいろんな大きさの鰻が混じっているからでしょうな。

それでもこれだけの量が供給されるのは、土用の丑の日に合わせ、需要と供給それぞれが相当高まるので当然肝も相当量出てくるからでしょうね。それでも土用の丑の日にスーパーで鰻を買う人で肝焼きを食べたがる人はそんなにいないでしょうから(鰻屋でもそんなに食べられません)相当量が廃棄されているような気はします。毒成分が体内に蓄積されているであろう中国産鰻の肝を食べるのは躊躇しますけど(苦笑)この値段でこれだけの国産鰻の量を食べられるのは、土用の丑の日ならではですね。これぞ珍にとってまさに裏・土用の丑の日でありました。
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土用の丑の日の鰻とは…

2015-07-25 12:49:06 | 鰻重
昨日は土用の丑の日でしたが、昨日はもちろん今日も全国の鰻屋は大忙しでしょうな。
それでは昨日の珍のランチでもある鰻をご紹介。N市にあり、N市役所からも近い『喜多八』(実際の商号の漢字は箸袋をご参照ください)という寿司メインの割烹・居酒屋の品。N市役所でも普段から出前をよく取っているお店。前日に予約してもらっていました。



奧の大きいほうが珍がオーダーした上鰻丼。手前の小さいほうがうっとこのグラサン課長がオーダーした鰻丼(並)。価格は上が1,100円也、並が750円也なので、圧倒的な優越感を覚えるほどの差でありません(苦笑)
なお、写真を撮るにあたっては「ブログ用に…」とも言えず「証拠写真用に…」とわかったようなわからない理由で課長にお借りしました。そこに居合わせた、真の目的にお気づきのどーたー様は一人だけ笑い方が違っていましたが…。



鰻丼(並)には鰻が2切れ。そもそも果たしてこれは鰻重なのか鰻丼なのか定義が難しいグレーゾーン。器はプラスティック容器ですが重箱風。鰻の切り身が入っているのは鰻丼。鰻弁当と言えなくもないですが、器(と呼ぶほどのモノではありませんが)よりもやはりコンテンツ優先ですから、これは鰻丼ですな。4~5年前なら500円玉1枚で20円のお釣りが来るといったところのコスパですな。



珍の上鰻丼をいよいよ御開帳。並が鰻2切れですから、上は当然3切れですわな。
ちなみに、鰻屋のほとんどは鰻丼・鰻重のランク分けを鰻の大きさや量で区別していますが、東京の店ではたまに大きさでななく、鰻の質(プラス量の場合も)で区別しているところもあります。その場合は上と特上でも値段の差が千円以上あったりします。



予想どおりです。結局並との違いは
・鰻が1切れ多い
・ごはんが大盛り
ということで、その差350円はこういうことだったのですか。ごはん分が+100円としたら、鰻1切れ250円ですね。



鰻の切り方がもう完全に寿司屋(笑)
鰻屋ではまず見かけない切り方ですな。寿司屋でも鰻丼を出すお店は決して珍しくはないですが、寿司ネタ状の切り方よりもここはざく切りのほうが厚みを強調できると思うのですが…。寿司屋の切り方って薄く見えるんですよね、鰻が。まあもともと肉厚な鰻ではなく、やはり寿司ネタ用だと思いますけどね。



職場とはいえ瓶ビールが欲しかったですが(鰻を食べるのにビールを飲まないというのは記憶にないほど!)肝心の鰻はと言いますと、値段からして明らかに鹿児島や三河あたりの国産のはずもありません。肉薄、平坦な歯ごたえからしても輸入モノと断言できます。タレはやや甘め。ごはんはもう少し硬めに炊いて欲しかった。あと無駄にごはんを大盛りにしなくて並鰻丼と同じ量にして鰻3切れで1,000円でもよかったのでは?(鰻1切れだけで+250円だとお得感がないからでしょうな)血糖値の高い者にとってもそのほうがよかったですな(苦笑)

まあ土用の丑の日に食べる鰻って、ボージョレヌーボー解禁日に飲む新酒か大晦日の年越しそばみたいなもので、よっぽど高級鰻屋で特上を食べるならともかく、イベントというか記念日というか、この日に食べることで夏バテせずに暑さを乗り切るための験みたいなもので「食べることが目的」すなわち「手段が目的」のイベントですわな。結果的にはやや残念な部類の鰻丼であったことは否めませんが、値段や出来ではなくこの日に食べることができた鰻そのものに感謝すろこととしましょう。ご馳走さまでした。
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鰻屋文化の危機

2014-09-18 08:10:26 | 鰻重

鯨に続いて鰻もいよいよ規制時代に突入ですな。昨日東京都内で、ここ数年ではありえない(苦笑)枠組みの日中韓台で続いていた協議の結果、ニホンウナギの養殖量を2割削減することで同意したとのこと。稚魚の乱獲を防ぐことが目的です。(しかし中国が、というか商業モラルの低い中国人がそんなルールを守りますかねぇ)

日本向け輸出量の増加や中国国内での需要増などによる昨今の乱獲状況に鑑みて、超鰻好きの珍としましても規制は致し方ないとは思いますが、また鰻重の値段が上がりますな。正直言いまして鰻重の値段は多少上がってもいいと思っています。珍は鰻重でも品質重視、常に特上をオーダーする鰻人であり(字面は半魚人みたいですので「うなぎびと」と読んでください)そもそも食べられなくなるぐらいなら超高級希少食材でいいから、本格的かつ良心的な鰻屋ともども生き残ってほしいです。

低価格とはいえ、どんな水質の養殖池でナニを餌にされているかわからない(しかも身が細いのに固い)中国産養殖鰻は食いたくもないですし、日本人は手を出さないほうがいいです。まあ国産養殖鰻でも稚魚の段階から中国から輸入されているのも多いですが。

だいたい、スーパーや牛丼屋で鰻を売るようになったのがいけないと思いますね。あと有名鰻屋でも行列して一番安いのを食べる…これもやめてほしい。日本人は鰻が好きですけど、鰻はそんな身近なものになってはいけません。そもそも大量大衆消費食材ではないのです。ハレの日、旅先などとっておきの時に食べるものです。なので「土用の丑の日」については珍は断固反対です。最近はなんだか鰻のバレンタインデーみたいなことになってますよね。大量消費にさらすと供給量が減るのは至極当然です。そうなると荷馬まで食って荷物が運べなくなったという本末転倒になりかねません。

鰻の生態自体が解明されていないこともあり、鰻の完全養殖(卵→成魚→卵の循環)はいまだ実現しておらず、養殖技術的にも極めて難しいとされていますが、少しずつ進歩はしているようです。そこに期待しつつ、鰻の数を減らさない努力の結晶が今回の制限合意だと思いますし、このまま放置していたら鰻や鯨を食わない食文化かつセンチメンタルで妄信的動物愛護主義の欧米各国の圧力によりワシントン条約での禁輸・禁漁になりかねません。

でもね、珍は思うのです。日本人にとってもっとも考えておかないといけないのは、鰻の供給量や低価格の維持ではなく、鰻減少は「鰻屋」という日本固有の食文化の存亡に関わることであるということです。マクドの統一的味覚に幼児期から慣らされるのと同じで、安いが細く固い鰻に変に甘辛く醤油っぽいタレをかけて食べるのが鰻だと思ってはいけません。上に書いたように鰻は大量大衆消費食材ではないのです。なぜ鰻が美味しいかというと、高品質で新鮮な鰻を炭火で焼き、継ぎ足し秘伝のタレをくぐらせ、あるいは刷毛で塗ってまた焼き、そして絶妙な硬さのごはんに載せて食べる…のを想像しながら鰻肝焼きでよく冷えた瓶ビールを飲んで待つ…そして待つこと30分以上、想像どおりもしくは想像以上の鰻が登場する…そんな鰻屋文化があってこそ鰻は美味しいはずです。

珍ブログ読者ならお分かりだと思いますが、珍の鰻重は出てくるまでのワクワク感もお店評価の要素です。タレの好みは人それぞれですから味つけを評価してもあまり意味がありません。評価の対象は大きな差のない鰻よりも、フロア係の気の利いたサービスや手抜きのない付きだし、空間・器の演出をも含めたワクワク感が重要だと思っています。そのワクワク感があってこそ鰻のカタルシスを味わえるのであり、鰻重はオペラのごとく食の総合芸術です。鰻人には鰻屋で鰻重を食べるというのは最高に贅沢なひと時です。お昼時にはあらかじめ焼いておき出すのが早けりゃいいってぇ食べ物ではありません。(だからこそ鰻屋だけは大阪は東京に負けていると認めざるを得ません)

そんなスローフードな鰻屋文化こそ日本人は守るべきだと思います。稚魚規制はあくまでそのための手段なのです。このままでは鰻重が3段階最低の梅クラスで3千円を超える時代が到来するかもしれません。そんな中で抜け駆け低価格化に舵を切れば自分の首を絞めますし、産地偽装なんてするとバレた瞬間お店は瞬殺されます。でもさすがに高すぎると客は来ない。いずれにしても老舗であろうと鰻屋そのものが絶滅します。

いまこそわが国伝統の鰻屋文化を守るときです。日本人よ、いま少し鰻を食べるのを辛抱しよう。

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