空腹の昨夜は映画館(ブルク7)入館前の少しの時間を利用して、ブルクのビルのB2「花卯」でそばを食べることができた。満腹になると眠くなるのでそばってことで(笑)
さて、「キング・コング」。
まず、本編上映に先立つ予告編が長いというか多すぎ。これで眠くなるパターンが多いけど、今回特に予告編の本数多いぞ。15分近くいろんな予告編を見せられた。という状況で、慢性寝不足のうえに本編3時間超の長尺はさすがに辛い。
しかし、キング・コングみたいな顔したオッサンて、大阪城西の丸庭園入口前のベンチで爪切りながら鳩にかっぱえびせんやってるやん。
ところが、この映画全然眠くなれへんかったで。監督は「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズのピーター・ジャクソンということで、オリジナル(1933年作品)への憧憬を込めた全編ファンタジーの香りムンムンで、スペクタクルビシバシのアトラクション状態の快作やったわ。LOTRがお気に召した人ならきっと満足できると思うで。(「オーリーが好き!」の松牛に警告:イケメンおらんで)
オリジナルは観てないけど、時代設定は大恐慌の頃の1933年のニューヨーク、ストーリーもオリジナルをかなりトレースしてるらしい。セットや衣装もオリジナルへのオマージュあり。かなり凝ってます。
舞台を現代にしていないのは正解やね。ファンタジーの要素が損なわれていない。まあ、そもそも現代に置き換えると、エンパイアステートビルのてっぺんでキング・コングを複葉戦闘機が機関銃で繰り返し攻撃するところも、F15イーグルがピンポイントで空対地ミサイルを1発発射すれば一撃で映画が終わってまうもんな。
SFXも半端やないで。LOTRシリーズ合計の倍以上というCGデータ量。恐竜(巨大なブロントサウルス)の群れが暴走するシーンは圧巻。とにかく人間(これもCGやろけど)を交えた複雑な動きと恐竜の肌の質感、肉感はジュラシック・パークを遥かに凌駕してる。ティラノザウルスを元に、映画の設定上スカル島の固有種とされた「バスタトサウルス」とコングの戦いはわかってても絶対CGには見えへん。そうそう、恐竜以上にリアルなのが虫。蚊に始まり、ムカデにクモ、バッタにミミズ、サソリ…全部「巨大」が付きます(笑)ほとんどがCGと思うけど、あのムカデの動き見たら夢に出るで、ほんま。マジでさぶいぼ出る。
それにしても、これらのクリーチャーは、眼を含む細かく自然な動作、動物特有の予測不可能な動き、計算し尽されてても演出とは思えない「偶然」。空想であればあるほど、最新のテクノロジーで生まれるリアリティが逆にファンタジーとして成立させるというパラドックス。
映画の前半だけで2本分のエンタテイメントが詰まってるわ。ちなみに、キング・コングが登場するまで1時間以上かかる(笑)
クライマックスのエンパイアステートビルのシーンがクライマックスでなくなってる(笑)それくらい贅沢な映画。LOTRがDVDで1編あたり30分以上長くなったディレクターズ・カット版やったんで、キング・コングも劇場版でカットされたシーンが復活して4時間近くになるやろ(笑)
それから、ヒロインであるアン・ダロウ役のナオミ・ワッツがきれい。ニコール・キッドマンとキャラかぶってるとこあるけど、珍はナオミ・ワッツのほうがずっと好き。この映画ではゴリラに握られたリカちゃん人形状態(笑)
ちなみに、LOTRのゴラム役(吹替、モーション・キャプチャー、撮影時のダミー)の怪優アンディ・サーキスがやはりコングのモーション・キャプチャー(体に電極付けてCGの元となる線画を作成するモデル)を担当し、本編でも怪しいコック役で出演。また、野心家の映画監督カール・デナム役のジャック・ブラックはあややのモノマネで有名な前田健にそっくり(笑)
それにしてもキング・コングの表情はよくできてる。目が語るねん。表情が切ない。ピーター・ジャクソンがあえてキング・コングの顔を恐い顔にしたとインタビューで言ってたけど、それがアンとの心の触れ合いに生きてくる。うまい演出やね。
ラストの「美女が野獣を殺した」というカール・デナムのセリフは、オリジナルを踏襲してるらしい。この意味は観た人なりにそれそれで解釈できる。
オマケやけど、アホほど長いエンドロールでは映画の余韻に浸れるで。
珍的にはオススメの映画でした。
映画のあとは、一滴の酒も飲めないミッキーマウス顔のSTと新梅田食堂街の中華「平和樓」(友人Fや肉食エロ店と行く春巻がめちゃ旨い店)で天津麺食って帰った。デカい指はちゃんぽんを食べるST。というわけでもちろん昨夜はシラフ。文句あっか、コラ。