前回までの鰻重ネタの余勢をかってのオマケです。大阪梅田の阪急三番街『江戸川』から。年末年始に二度も行く機会があったのでメニューも多彩です。
肝焼き。焦げ気味の表面の歯ごたえは申し分なし。瓶ビールによく合う。
記録を見ると12月13日に行っているが、このときの鰻重(松、2,400円)にはデザートが付いていた。寒天のようなものにきな粉がかかっているけども、特にいらないような気はする(笑)
ここの鰻重は養殖ものと思われるが(値段からして多分そう)悪くはない。味は平均的だが、しっかりとした鰻重を安心してそこそこの値段で食べれるので、たまに行きたくなる。
ここからは今年1月3日に行ったときの記録。肝煮550円。肝焼きがなかったのでこの日はこちらに。
実は年末の三番街くじ引きで1000円の商品券が当たったのだが、引き換え期間が短いうえに、使用期限が1月末だったのでもらったその日に使っちゃえってことで選んだのがまたまた『江戸川』だったというわけ。

焼きとは違うしっとりとした食感は、これはこれでいいかも。
白焼き。1,580円。量は多くなく、柔らかな身は特別上等ではないけれど、プチ贅沢な気分にさせてくれる。これまた瓶ビールがよく合う。
接写するとよくわかる。きめ細かさは箸をつけるのが惜しいぐらい。わさびを身につけてから醤油を少しつけていただく。
2日とも一人で行ったのだが、40分ほどの至福の時間を満喫。
そして鰻重(松)。蓋を開ける直前はやはりシビれる。
開けた瞬間。1か月に2度来てもこの瞬間は気持ちが高まる。
肝吸も及第点。つまり、びっくりするほどの店ではないが、百貨店に入っている無駄に高い老舗の鰻屋へ行くなら、こちらのコストパフォーマンスを取るということ。
どうです?この肉厚の鰻。
どの部位の接写も相変わらずグロい鰻だが、記録が記憶を刺激する。
ただ、ここの店の減点要素はフロア係の気の利かなさ。一人、ハイレベルなオバチャンがいるのだが、それ以外はアンドロイド系。AIぐらいは積んどけよと言いたい。例えば、注文時に鰻重は後にしてと言うと、何度も呼ばないと来ない。これはイタイ。普通は白焼きがなくなれば聞きに来ないといけない。その際の気分で「お願いします」「少し後にして」を使い分けるのが鰻屋式。デキるオバチャンは瓶ビールを出すタイミングもちゃんと計っているが、このオバチャンが忙しいと、その他大勢は基本呼ばないと来ない。それって鰻屋ではあかんでしょう。
でも、珍はこの店にそれを期待してはいない。そもそも地下街の鰻屋ということで、設え、空気感はある意味マイナスでしょう。ここは鰻屋独特のプロセスやトキメキを愉しむのではなく、ただ鰻重を一人がっつり食べたいときに来る店なのである。それはそれで贅沢なのかもしれない。
(おわり)