劇団ひとり/都会のナポレオン

今年の正月、ほとんどどこにも行かず、普段は見る時間が無くて全く見ていないテレビ番組を朝から晩まで見ていた。お正月ということで、いわゆる「初笑い」ものの番組が多く、いろいろな芸人さん達の本来のネタを見ることができた。その中で、ダントツに気に入ったのが劇団ひとりだ。

このDVD、最高ですね。彼のネタをたっぷり見ることができて大満足です。やっぱり最高ですよ劇団ひとりは。もう、もっともっとネタを見たい。ライブに行きたいなぁ。単独のライブやらないのでしょうか。バラエティー番組に出まくってるし、このお笑いブームの間は、そっちで楽にガッポリ稼げるからライブとかやれないのかなぁ。残念だよなぁ。

高校生の時、渋谷のジャンジャンというライブハウスでイッセー尾形のライブを見た。大学に入ってからも2回、紀伊国屋ホールでのイッセー尾形ライブを見に行った。イッセー尾形は大好きだ。彼はあの時代にはすでにある域に達していたように思う。今現在のイッセー尾形の芸は、あの頃とあまり変わらないように思う。それぐらいすでに完成していたってことだと思う。

20年も前に完成していたイッセー尾形と劇団ひとりを比べるのはムチャかもしれないが、芸のレベルではなく自分にとっての面白さで比べれば、僕はむしろ今は劇団ひとりの方が面白い。劇団ひとりの芸(演技力、シナリオなど)はまだまだ未完成、成熟の度合いで言えば、イッセー尾形が98ならば、劇団ひとりはせいぜい60ってところだろう。でも劇団ひとりの方が面白い。なぜだろうか?

やっぱり、イッセー尾形と自分との歳の差が大きいように思う。思えば「お笑いスター誕生」の頃から、高校時代、大学時代と、ずっとずっとイッセー尾形の演じるさまざまな人達は、僕にとって「おじさん」だった。自分よりもずっと上の世代の「いそうな人」、そんな感じ。そういう人いそう、って思うけど、そう思いながらもなんか実感が沸かないというか。で、自分自身もすっかりおじさんになった今、どうかというと、やっぱりあいかわらずイッセー尾形の演じる人は、自分よりもずいぶん上の人って感じがする。年の差は埋まらないんだよなぁ。

その点、劇団ひとりの演じる人達は、「そういう人っていそういそう」っていうよりも、「そういう奴、いるいる」って感じで楽しめる。このDVDの中に出てくるたくさんのキャラクターも、いかにもいそうな感じがとてもいい。親近感というのか、なんというのか。とにかく劇団ひとり、良いのだ。もちろん劇団ひとりは、僕よりもちょっと年下ですけど。

あ、あと、やっぱり劇団ひとりは「お笑い」ってところが良いかな。イッセー尾形は「笑える演劇」というように思うけど、劇団ひとりは「お笑い」。かなり無理やりにでも笑わせに行く感じ。そこが逆に素直に笑えて良いように思う。このDVDの中の後半のドキュメンタリー(各劇団員の生活をドキュメンタリータッチで演じている)なんて、ネタじゃないから、もうあくまでもその劇団員になりきっての瞬発力で、各劇団員として強引に笑わせに行く、そこが良いのですよね。安心して大笑いできるというか。ま、そもそもイッセー尾形と比べるな、ってことでしょうが。

でも、とにかく、最近バラエティー番組にばっかり出てて、このDVDに入っているようなネタをなかなか見ることができないのが非常に残念です。早くこのお笑いブームが去ってくれれば、彼の芸の真髄であるこういうネタをしっかり見られる日がやってくるのではないかと思い、お笑いブームの終焉をいつかいつかと楽しみにしている今日この頃です。

ライブ行きたいなぁ。単独のやつ。
情報あったら誰でもよいので教えてください。頼みます。
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