サニー 永遠の仲間たち

タマフルの年間ランキングを聞いて、あー俺はこの1年に見とくべきだった映画をまだ見ていないんだなぁと、とても残念な気持ちになった。

MIB3も、宇多丸さんが言うにはかなり面白いみたい。
なーんかあんまり評判が良くなかったから見てなかったよ。
サニーも見なくちゃ。

今日は、巣鴨のとげぬき地蔵に行って、そのまま実家に行こうと思ってた。
どうせ行くなら、電車の中で映画を見よう。
選挙の投票に行ったその足でツタヤへ。
MIB3、裏切りのサーカス、サニーの3本を借りた。

さてどれを見るか。
うーん、やっぱりサニーだな。これが一番見たい。

よっしゃ準備万端。いざ巣鴨へ。

…という長い前置きはこれぐらいにして映画の感想を書かなくちゃ。

とにかく面白かった~。
ラ・ブームを(2だけど)、中学生の時に映画館に見に行って良かった。
2はそれほど面白い映画じゃなかったけど、でも、あの曲、ヘッドフォンをかけて聴くということ、それを知っているのと知らないのとでは、この映画の面白さが全然ちがうと思うから。

あと、やっぱりシンディ・ローパーのタイム・アフター・タイムだ。
大好きな曲。原曲ではないんだけど、でもこの曲が体に染み込んでいるかどうかでこの映画の評価は分かれるんじゃないかって思う。

彼女たちと同じ時代に青春時代を過ごしたからこそ、この映画を楽しく見られる。

という意味では、きっと韓国の人は僕らの数倍もこの映画は楽しいにちがいない。
あのナイキじゃないメーカー(ブランド?)のスニーカーとか。
知ってたらたまらないんだろうなぁ。
きっと、字幕にするほどでもない風景のなかの看板やお菓子のパッケージとか、全てがきっと、韓国の40代の人が見たら「そうそう!あの頃ってこれだったよね~」という懐かしいものだらけなんだろう。うらやましいなぁ。
アメリカの映画を見て、登場人物たちが明らかに日本人にはわからない「あるあるネタ」で楽しんでいるのを見ると、それが理解できるアメリカ人がすごくうらやましんだけど、この映画はもう韓国でこの時代を過ごした人達がうらやましくてたまらない。

あの学生運動なんかもきっとそうなんだろうなぁ。
僕は知識として当時韓国では学生運動が盛んだったということを知ってはいるけど、その中で青春を過ごして今40代になっている人とはきっと、あの学生運動の映像に対する楽しめ方が全然ちがうんだろうから。うーん、うらやましい。

まぁ、今、Facebookのおかげでたまに高校時代の友人(当時は友人ではなかった人も含む)に会っているんだけど、そんな今この映画を見ているっていうのが、すごくツボ、というか、どストライクというか、もう、本当にたまりません。

だって、タイム・アフター・タイムだよ、ラ・ブームだよ。

あの時たまたま同じ高校で3年間過ごしただけだから、当時みんなが一緒のような気がしていただけで、20年以上も経って今会えば、今の状況は全然ちがっているのは、そりゃあ当たり前なんだけど、すごく残酷なんだよなぁホントに。
Facebookで楽しくやっていて時々思うのは、Facebookに出てこれる人っていうのは、そこそこ今幸せな人だけだろうってこと。
今どん底って感じの人はFacebookを楽しめないと思う。
僕もきっとどん底だったらあそこに顔を出さないだろうから。
それは、高校時代がキラキラしていたからこそ、それとのギャップが自分で受け入れられないってことだと思う。

で、女性の場合もっとキョーレツだと思うのは、服装とかに今の状況がはっきり表れちゃったりすることかなぁ。男は服装に金かけない金持ちってのがたくさんいるし、そもそもスーツなんて制服みたいなもんだから。

だからのこの映画のラストがとっても上手いって思うのは、みんなが喪服だってことだ。
みんな真っ黒な服を着ているからそんなに今の経済状況とかによる差が現れない。
みんながカッコよく見える。ダンス。あれがすごくカッコいいからの高揚感なのだから。
上手いなぁ。

こんな都合のいいエンディングはあるわけ無いって思う反面、やっぱり映画なんだから最後に楽しい夢を見させてくれて終わるこのエンディングでいいじゃん!最高じゃん!って思う。
うん、このエンディングでいいんだよ。

最後のダンスがほんとカッコいい。
楽しい。

スジの過去。顔の怪我。自殺未遂。
やっぱり全員集まるのは無理だったかぁ…、でも集まれたみんなで楽しくダンスだ!
からの…、っていうのも上手いなぁ。
最高じゃないですか。

高校時代サイコー!
って、自分自身の高校時代はそれほどキラキラしてなかったのに、そう思えてしまう、素晴らしい青春映画。

高校時代サイコー!



























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愛する人

アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ関連作品をまとめて借りた一本。
これはプロデュース作品。
監督は、ロドリゴ・ガルシアって人だ。

うーん、これは良い映画だった。

3世代にわたる母と子の物語。養子をめぐる物語。
養子っていうのは、子供を養子に出す側にも事情=物語があるし、子供を養子として欲しがる側にも事情があって、その上、養子として育った人にもその人だけの特別な物語があるわけで、全ての登場人物が深い深い事情を抱えているわけで、結果としてすごーく深い話になっているわけですが、うーん、良かった。いい映画だ。

基本的には、やっぱりカレンの物語と思う。
ナオミ・ワッツが演じたエリザベスも、養子を熱望する黒人女性も、素晴らしい演技だし、描かれる物語もとても良いのだけど、やっぱり14歳で産んだばかりの子供を取り上げられてから、ずっとずっとその子のことだけを考えて生きてきたカレンの物語だった。
あそこに住んでるなんてなんという偶然だろう。これこそ運命だ。
ちょっと歩いて行けるところなんて!
良かったねぇ。
たまに会わせてくれそうだし、そうでなくても遠くから眺めるぐらいはいつでもできる場所。

最初にカレンをギスギスした神経質で怒りっぽい性格としてきっちり演じているからこそ、後半おだやかになっていく過程を見て嬉しく思える。

最後の手紙と、そして枕元にかざったエリザベスの写真、すぐあそこに住んでるあの子、そっとライトを消す、14歳からずっと迷い迷い歩いてきたカレンの人生がやっとあるべきところに納まった瞬間。素晴らしいエンディング。

良かった。

良い映画だった。

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ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q

見てきました。
うー、疲れたー。

感想は、もうやっぱりネタバレ無しでは書けないので、情報を入れたくない方はここから下は読まないようにしてくださいね。


★★★ 以下ネタバレ ★★★

見ている間、思っていたことといえば、「なんだよ! どういうことだよ! テレビシリーズよりも登場人物たちが幸せになって、観客にとってもわかりやすい、シンジとゲンドウの関係がうまくいってみんなが成長して、そういう序破Qじゃなかったのよ。シンジの心の成長こそがこのシリーズのテーマで、シンジが成長することで人類が救われる、そういうことじゃないのかよ。父さん! どういうことなんだよ! どうしてだよ! どういうことなんだよ、父さん!」
という感じ。

それに対して監督から「子供がダダをこねるのに付き合っている暇はない」と一蹴されたような、そんな感じ。

はい、すみません。子供で。

でも僕は、勝手に上記のような妄想を膨らませていたわけです。
「破」ではそこが強調されていたように思えたから。
「行きなさい、シンジくん、誰のためでもない、あなたの願いのために!」ってミサトが「破」の最後に叫んでいたじゃないですか。
誰かのために嫌々ではなく、人から言われたからしかたなくではなく、自分の意思で、自分の願いのために決断し行動する、シンジが精神的な「ガキ」から卒業すること、それがこのシリーズのキモだと思っていたのだけど…。

テレビシリーズをむりやり終わらせるために取った「マジック」というか「まやかし」「ごまかし」をもうしたくないっていう決意なのかもしれないなぁ。

テレビシリーズでは(おそらく)、広げ過ぎた風呂敷をたためなくなって、最後ああいう形で「逃げた」けど、それが逆に話題になって一気にブレイクしてしまったわけだけど。
あれはあれで見事だったとはいえ、やっぱり「人類補完計画ってなに?」「使徒ってなに?」「ゼーレって?」「シンジの母親とエヴァの関係は?」「綾波って結局何者?」という疑問は何も解決しないまま宙ぶらりんだったわけだから、今回のこの映画シリーズではちゃんと落とし前をつけようという、そういう監督の決意なのかもしれない。それが良いか悪いかは別として。

けどそのために、「破」にあったエンターテイメント性はもう、「Q」には一つもない。
ビール缶での大事なとこ隠しも、女性キャラの不必要なエッチなポーズも、もう何もない。
そもそも「Q」では誰一人笑っていない。微笑みさえも。

だからね、僕が観客としてお子ちゃまなのかもしれないけど、「楽しかったー!」とは思えなかったわけです。
「そんな甘えた気持ちならば、もうここから出て行け!」と言われているようでしたよ、監督から。

で、まだまだ続くのね…。
はいはい、そうですか。

もうここまで来たら最後まで付き合うしかないけど、とにかく、見終わった感想は破の時のような「うわー、楽しかった―」っていうようなノーテンキなものではなく、「うーん…」って感じ。
まだエヴァにハマっていない人に「すっげー面白いから見てみなよ」とはとても言えないシロモノになってしまったよなぁー、っていう感じですよね、これ。

とはいえ、面白くなかったのかと言えばそうでもなく、やっぱり面白かったわけですけどね。


はぁぁ。


なんかもう、ゼーレとかリリス(だっけ?)とか色々とセリフで早口で言われても理解できないところが多々あって…。
とにかく情報量が多すぎなんだよなぁ。映像の情報と、ストーリーや状況に対する情報とがもう一気に滝のように降ってくる感じだからなぁ。
うーん、もう一回見てみるかな。
まぁ、そうなるんだろうなぁ。


おしまい。






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ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破

映画館で2回見て、ブルーレイまで買ってしまった「破」。
結局買った割には家では1回しか見ていない。
つまり今までに3回見てて、これが4度目だ。

3回見たのは、だいぶ前なのでかなり忘れていた。
「Q」を見る前に見ておいて本当によかった。

正直、覚えていたのは、あの水族館みたいなところに行くところで入るために消毒(?)のために色々ある楽しいところ、綾波が弁当食べて(だと思い込んでた。そうだった味噌汁だった。)笑うところ、面白いキャラのメガネ少女が出てくるところ、…ぐらいだった。
3回見てて覚えているのがこれだけとは。我ながら情けないけど、おかげで楽しめた。
見ながらずっと、そうだったー、そういう展開だったー、そうだったー、アスカー、そうだった、ラストはそうだったー、そういう終わり方だったー、ともう本当に楽しく観れました。

やっぱり「序」とはレベルがちがう。
さすがに映画館で2回見てしまっただけのことはある。
これはすごい。
4回目だってのに楽しい楽しい。もう一度見たいぐらいだけど、いやいや、それよりも「Q」鑑賞に向けて体力温存、早く寝よう。

いやー、それにしても、「破」はすごい。
「Q」はこれ以上なのだろうか。
あえてあらゆる情報を入れないように入れないようにしているので、勝手に期待が膨らみまくっているけど、これでつまんなかったらどうしよう。

とにかくワクワクドキドキですね。「Q」が早くみたい!
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ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序

ついに11月17日に「Q」が公開ってことで、復習しておこうと思ってツタヤでレンタル。
公開時に映画館で見ているし、「破」を見る前にも復習のために見ているから、これが3回目ってことになる。
「序」がテレビシリーズとストーリー的にはほとんど変わらないことは知っているし、見なくていいかなって思ったけど、「破」を知っている上でもう一度見直すと、「破」での路線変更に向けた伏線がところどころに見えるように思えた。また、テレビシリーズに比べると余計なエピソードをはぶいているため、シンプルにシンジとレイとゲンドウの関係だけに焦点が絞られていて見やすい、というか理解しやすい。
あと、映画館で見て感動したCGによる使徒の映像的なすごさも、久しぶりに見るとちゃんと楽しめた。
やっぱあの、わけわかんない感じ、とても人型ロボットが戦う敵の姿とは思えない形の面白さは、CGによってパワーアップしていると思う。

というわけで、「Q」に向けた復習のためには「破」も見ないといけないのだけど、家にあるのはブルーレイ。
持ち歩いているパソコンでは見れないんだよなぁ。。。
調子に乗ってブルーレイ買っちゃったツケが。
所有しているのにツタヤでDVDを借りるってのもシャクだよなぁ。
ま、100円なんでけども。

おしまい。

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黄金を抱いて翔べ

井筒監督作品。

こないだのタマフルにゲスト出演して、その時に「強盗アクション映画」特集みたいな特集で、5つの映画を紹介してた。
そのおかげで、ツタヤでいろいろ借りて見ているわけですが。
それで「突破口!」を見ているので、この映画を見ても、なるほどあの大阪弁のおっちゃんはこれをしたかったんだなぁっていうのはわかるんだけど、「したかった」と「できた」はちがうんだよなぁ。
そう思いましたね、正直言って。

やっぱりごちゃごちゃしすぎでしょう。
複数の人間が組んで強盗をする、主要な登場人物が6人いる、それだけでごちゃごちゃになりやすいのに、北朝鮮のスパイだの、大阪のワルイ奴らだの、左翼だの、子供の時の教会がどうしただの、わざわざごちゃごちゃした要素を付け足しちゃって、見ていても今誰が何のために誰を狙っているのかっていうのがよくわからないんだよなぁ。
せめて、北朝鮮の人たちはモモを、大阪のワル達はあの破滅型の男を、それぞれ狙っているというだけにしてくれたら良かったんだけどなぁ。狙ってきてる奴らが途中でくっついて、もう何が何やら??

銀行の地下金庫から金塊を強奪する、ってだけだとさすがにシンプルすぎてつまんないから、ちょっと各登場人物のそれぞれの事情を付け足して、人によってはヤバイ奴らに命を狙われているっていう設定にして…、ってぐらいが限界じゃないかなぁ。

でさぁ、待ちに待った銀行強盗部分は雑過ぎ。雑っていうか強引すぎ。計算もトリックも何もなし。ただただゴリゴリと強引にやっていくだけ。つまんねー。
あんな歩くのもギリギリみたいな状態の妻夫木くんが最後まで仕事できちゃうってのがなぁ。

でね、最後いい感じなことになってしまう西田敏行の件ですけどね、そんな偶然あるわけねーだろ!と思うわけですよ。
なんでたまたま見つけてきた、今は公園の清掃係のおっちゃんが、ちょうどその人なのよ、そんなことあるわけねーだろ。

いや、その前にさ、妻夫木とモモとの出会いっていうか、この二人の関係もホントよくわからないんだよなぁ。
似たものどおしだとか、そういうのはいいけどさ、最初はどうしてモモが妻夫木をつけてたの?
その説明無いし。
たまたま浅野が妻夫木のために借りたアパートのベランダからモモのアパートが見えるっていうのもなんでなの?
もう、ほんと、説明無さすぎでしょ。
説明が無いっていうか、設定が強引すぎるんだよ。
そんな偶然出会わないっていうんだよ。
大阪ってすっごい広い大都市なんだからさ。

というわけで、ごめんなさい、この映画、僕はつまらなかったですね。ダメでした。

宇多丸さんも、あのラジオでの「すげー面白かった」発言は、もうお友達になっちゃったし悪口言えないや、ってことでしょ。
いつものシネマハスラー基準で評価するなら、やっぱり、「やりたいことはわかるし、ところどころすごく良いところもあるけど、それほどよくできた映画ではない。いや、嫌いじゃない。むしろ好き。愛すべき映画。今の日本でこれを作るのはすごい。けど、やっぱり、うまくないんだよなぁ。というわけで、『突破口!』を見るのがオススメです!」といったあたりではないでしょうかねぇ。

妻夫木くんはほんとよく演ってましたけどね。


残念!



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ザ・クラッカー/真夜中のアウトロー

マイケル・マン監督の1981年の作品。
ツタヤの昔の隠れた名作を紹介している例の棚で見つけて借りてみた。

渋い。カッコいい。そして、金庫破りの細かいところが妙にリアル(に見える)で面白い。
冒頭の、アイロンみたいなのを電磁石にして金庫にガッチリ固定してドリルで穴を空けていく映像だけで、あの妙なリアルさだけで、すっかり心を掴まれてしまった。面白い。

主演のジェームズ・カーンがカッコいいんだよなぁ。
ほんとカッコいい。
あの女性を口説くところの強引さとか、最初見ていると「なんだこの男は?」と思うんだけど、でもだんだんと口説かれていく、あの女性も、見ている俺も。

で、でかいヤマの金庫破りしているときのドキドキ感。

そしてそして、超渋いラストへと向かっていく。
全てを捨てて立ち向かう。守るべきものなんてあったら男は戦えないのだ。全てをあえて失い、もう何も無い状態で敵に挑む。
男だねぇ~。
カッコいいねぇ~。

いやー、マイケル・マン、かっこいい男の映画、いいねぁ~。


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ブラック・アンド・ホワイト

なんだかとっても大味なアクション、コメディとしてもやっぱり大味で、でもなんだかまぁ、そもそもそういう映画を見ようと思って借りてきたDVDなわけで、なんの文句もありません。楽しかったです。
映画館で3度ぐらい見た予告編も、DVDのジャケも、観る前からほとんど知ってしまったストーリーも、ぜーんぶ、「そういう映画ですよ~♪」と言っていたわけですから、この映画を見て、アクションシーンが雑で計算されていない、とか、コメディとしては会話にセンスが無い、とか、そんなこと言っちゃいけないと思いますよ。

最近、映画のほんとうの中身とは全然ちがう雰囲気のポスター、予告編、邦題をつけて、詐欺みたいな映画(もとの映画には罪は無く、日本の配給会社に罪があるわけですが)がちらほらあるので、そういう意味じゃあ、この映画は正々堂々と、「はーい、大した映画じゃありませんよー」「大作なんて期待しないでくださいねー」「気楽に見るためのコメディですよー。アクションシーンも、だから大したことありませんよー」と言ってくれているので、変な期待をしないで見られましたので、もう全然OKです。
期待どおりです。
期待どおりの映画を期待どおりに楽しみました。

偶然にも、この映画もヒロインがリース・ウィザスプーン。
同じ女優さんがヒロインの2本、それも制作年は10年以上ちがう2本を続けてみてしまったわけですが、もともとしゃくれアゴ、おでこの半円形シワという、美人とはやっぱり言えないお顔でしたが、いや、だったからこそ、10年の歳月を経てもそれほど老けた感がないというか、若い頃からそれほどきれいじゃないからそれほどガッカリ感がないというか、まぁ、ぜんぜんほめてないですね。

でも好きな女優さんです。やっぱり「ハイスクール白書/優等生ギャルに気をつけろ! 」も「キューティ・ブロンド」も「恋人はゴースト」も大好きな作品ですからね。

この映画は、とても「大好きな作品」にはなりそうもないですが、いや、なりそうもないどころかすぐに内容を忘れそうですが、でも楽しめました。

楽しかったです。

おしまい。




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カラー・オブ・ハート

トビー・マグワイアとリース・ウィザスプーン。

リース・ウィザスプーンのあのしゃくれたアゴも、おでこの半円形のシワも、たっぷり見ることができる。
もうリース・ウィザスプーンがコミカルな表情を見せるだけで、「ああ、この映画は落ち着いて楽しめるコメディなんだなぁ」とすっかり安心できる。天性のコメディ女優だよなぁ。

で、すっかり安心してのんきな気持ちで見ていると、なんとなんと、なかなか深いテーマをえぐり始めるんですねぇ、この映画。ビックリしちゃった。
特に「カラードお断り」の看板は、なるほど!そして見事!と思ってしまいました。

表現する自由、考える自由、新しいことにチャレンジする自由、自由な心を持つ自由、それらを規制することがいかにひどい事かを丁寧に描き、それだけでなく、人種差別にまでテーマを広げる。

いやぁ、これは拾いものでした。

新作だと思って見始めて、妙に主演二人が若いなぁって思ったら10年も前の映画だったんだな。

いや、これはホント、よく出来た映画でした。
あの村の人たちが「目覚める」きっかけがセクシャルなことが多すぎる気はするけど。

でも、一番そういうことをしていたリース・ウィザスプーンが目覚めるきっかけは本を読みとおすことだっていうのもトンチがきいてて大変よろしい。

面白かったです。
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現金に体を張れ

キューブリック。
実はキューブリック作品て、ちゃんと見てないんですよね。
「いつか、きちんと見よう」なんて思っているうちに、こんな年齢になってしまったわけです。

で、宇多丸さんが、同じ時刻を異なる登場人物を中心に何度も何度も繰り返すタイプの映画を語るときに必ず挙げるこの映画、やっと観ました。

こないだの井筒さんの犯罪映画特集を聞いて、出てきた映画をひとまず全部見ようとおもってツタヤに行ったんだけど、これも借りてしまったのだ。

で、見てみた感想としては、ちくしょー面白ぇーじゃねーか、って感じです。

やりやがるなぁ、キューブリック。さすがだな。

ただ、宇多丸さんがまるで「お手本」のようにこの映画を語るんだけど、この手の映画の最新形を見慣れている目からすると、「なんだよ結局ナレーションで説明してるんじゃねーか」とか、「なんだ、同じ場所を別の登場人物の視点で描いてるわけじゃなくて、それぞれの登場人物が異なる場所でそれぞれに行動しているだけじゃねーかよ」と思いました。

つまり、「桐島…」とか、「11:14」とかのような計算され尽くされた、「同じ場所での一つの出来事を別の登場人物を中心に何度も何度も見せる」という映画ではないんだよなぁ。
なーんか、それが納得いきませんでしたねぇ。
「お手本」になってないじゃん、という気持ちでした。
「この手の映画は今、もっともっと進化してるぜ。それにナレーションで説明したりしないぜ。映像だけでスマートに見せるぜ。」と、まぁ、そういう風に思ってしまったわけです。

が、映画としては大変面白かったです。
終わり方が素晴らしいねぇ。
このエンディング以上のエンディングは無いでしょう。
素晴らしい。

とにかく、一度は見ておくべき映画、でしたね、やっぱり。

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イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ

すごーく面白かった。
示唆に富んだ映画だ。

ティエリーをどうとらえるべきか?
にせもの? まがいもの?

でも、そこいらのアート、特にポップアートなんて呼ばれているものはほとんどが、アートなのか落書きなのか明確な区別なんてつかないものばかりではないか。
少なくとも作品1つだけを取り出して「これは芸術ですか?」と問われれば、ほとんどの人はその答えに窮するはずだ。
バンクシーにしても、キース・へリングにしても、アンディ・ウォーホールにしても、それぞれのアーティストの一貫したスタイルがあって、その確立されたスタイルによって彼らがアーティストとして認められているだけのこと。
1つの作品だけを抜き出してそれをアートと言えるかどうかというととても曖昧なものでしかない。
明確な基準なんてないのだ。
ある一定の評価を一度得てしまえば、その彼がカフェのコースターに10秒で書く落書きでさえアートと評価されてしまう。
つまり、そこでのアートかアートではないかの基準は、そのコースターに書かれた絵そのものに価値があるかではなく、それを描いた人が芸術家としてすでに確立された評価を得た人物であるかどうかでしかない。

逆に言えば、なんらかの手段で「評価」を作りあげてしまえば、落書きだろうが人の真似だろうが、もうそれは「アート」となってしまうわけだ。この映画のティエリーのように。

ポップアート、ストリートアートを評価する難しさがそこにある。
作品そのものは落書きであったり、ちょっとした思い付きで誰でも作れてしまうものだけに。

この映画を見ると、こんなんでいいのかよ?と思う。
こんなんでアーティストとして評価されちゃっていいのかよ?と。

問題は評価する我々側にある。
なにをアートと認め、誰をアーティストと認めるのか、それは我々側の問題だ。
アートなんていう基準のはっきりしないものには、いつでもこの問題が横たわっている。

さて僕らにはちゃんと自分なりの基準で良し悪しを評価することができるだろうか。

だいぶ昔読んだ坂本龍一と村上龍の対談で、坂本龍一が面白いことを言っていた。
音楽については、自分が音楽面で尊敬する人が「この曲はこうこうこういうところがとても素晴らしい」とさんざん説明されてから聴くと、どんな音楽でも「すばらしい」と思ってしまう、というようなことだ。(20年ぐらい前に読んだのでテキトー)。
だから、ど素人がめちゃくちゃに弾いたものであっても、自分の師匠みたいに認めている人から「アバンギャルドな演奏法で独自のスタイルを確立した1960年代の天才演奏家」なんて説明を受けてから聴けばそういう風に聴こえてしまうらしいのだ。

で、レコード会社ってのは、その手法をいっつも使って宣伝をしているように思う。
「ニューヨークが認めた奇跡の美声」とかさ、「あのスティービー・ワンダーが唯一共演を願った歌姫」とかさ、なんかそういう、権威が認めた素晴らしいアーティストですよ~、っていう宣伝。

だからまぁ、音楽でも絵でなんでもそうなんだけど、絶対的な良し悪しの基準なんてなかなか持つことはできないんだよね。

少なくともそれを理解したうえで、本を読んだり、絵を見たり、映画を見たり、音楽を聴いたりしたいよね。

これが本当にいいものかはわからない。これまでに読んだ記事や人から聞いた評判で「いいもの」と思い込んでいるだけかもしれない。でも、そうかもしれないけど、少なくとも僕には良いものに思える。
というぐらいのスタンスでいないと、だめなんだろうなぁ。

音楽を選ぶときに雑誌を読んだり、店頭のあの店員さんが小さい字で書いた紹介文を参考にしたり、そういう時点でもうダメなんだろうね。
「権威」のお墨付きのせいで、音楽を聴く耳にフィルターがかかってるんだろうね。



…というようなことをどうしても考えてしまう映画。

よく出来てる。
示唆に富んでる。

アートがどうだ、芸術がどうだ、あいつは天才であいつはクズだ、などなどほざいている若造(過去の自分)に見せてやりたい映画でした。
























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突破口!

こないだのタマフルで井筒監督(あの大阪弁のおっちゃん)が、犯罪映画特集ってことで5本挙げていた中の最初の1本。
「突破口」と聞いても…??? 見てませんねぇ。
「ダーティハリー」の監督で、「アルカトラズからの脱出」の監督なんだな、ドン・シーゲルって人は。
こりゃあ、やっぱり面白いんだろうなぁ。
あの大阪弁のおっちゃんは好きじゃないけど、あのおっちゃんが5本だけ挙げた中の1本なのだから。
宇多丸さんも「素晴らしい犯罪映画」というスタンスで終始話してたしなぁ。
こりやあ見てみないとなぁ。

と言うことでツタヤでレンタル。

日曜日の夜、まだ妻がいろいろやってるけど、リビングルームを真っ暗にしてホームシアターで上映スタート。

見始めると、最近のくっきりはっきり隅々まできれいに映ってるDVD(時にはブルーレイ)の映像に慣れてしまった目には、きったない映像としか思えない映像がスタート。
オリジナルのフィルムからのデジタル化とかじゃなく、現存する比較的きれいなフィルムからの処理なんだろうなぁ、きっと。
きったないんだよなぁ…。

しかし人の目っていうのは不思議なもので、30分もすると慣れてしまうんだよなぁ。不思議なもんだ。

冒頭から、緊張感のある展開。
余計な説明がされないっていうのが、確かにいい。
これは井筒のおっちゃんが他の映画について言ってたのか、この映画について言ってたのか覚えていないんだけど、とにかくこの映画でも、余計な説明は出てこない。
こいつらの会話を聞いてれば、大体のことは理解できるだろ、という姿勢。
そう、たしかにこれで十分よくわかる。わかるように作ってある。

警察官を殺してしまい、仲間の一人が死に、妻が死に。
とても「うまく行った」とは言えない展開なのに、「やったぜ!」と大喜びの頼りない相棒。
警察とマフィアの両方に追われ、八方ふさがり。

その状況で、主人公のウォルター・マッソーが危機を切り抜けていく。
とても主役をやるような顔じゃない男が、冷静に、頭を使って。

いや~、面白い。

歯医者のカルテの歯型が焼死した人間を判別する唯一の手段だった時代に、それをうまいこと利用して見事なトリックを成功させるんだな。面白いなぁ。

というわけで、あの大阪弁のおっちゃんは好きじゃないですが、この映画はやっぱり面白かったです。



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アルゴ

「ザ・タウン」の監督・脚本で、その手腕を見せつけたベン・アフレックの監督としての最新作。

実話っていうんだから痛快だ。

いや、痛快っていうかもう、ピリピリピリピリ緊張の糸が張りつめる展開で、生唾ごっくん飲み込みながら「この後どうなるんだ???」とハラハラドキドキ。面白かったなぁ~。
どうなるか知って見ているんだけど、それでもドキドキしっぱなしでした。

いかにもあの時代のメガネやらファッションやらもよくできてるよなぁ。
とか言いながら、この事件、当時まだガキで新聞も読んでいなかった僕は記憶にありません。
カーター時代っていうのは、僕にとっては自分の過ごした歴史より過去って感じ。生きていたけど、世の中知らずにただ暮らしてたガキだったので。
なので、冒頭の数分でざっくり歴史を説明してくれるのは大変ありがたかった。あれが無いとやっぱりつまんないよね。事件の背景を知った上で見ないとなぁ、こういう事実に基づく映画は。

いや~、面白かった。
120分ぐらいだと思うんだけど、あっと言う間だった。
編集がキビキビしてるからぜんぜん飽きない。
あえて言うならば「息子」のくだりだけは余計だったような。
この映画とはあんまり関係ないもんなぁ。
本当のトニー・メンデスが映画化の条件として入れさせたのかなぁ?
脚本家(今回はベン・アフレックではない)の思い入れだろうか?
余計な気がしたなぁ。

それだけかなぁ。
それ以外は必要最小限のカットをタイトにつないで大変スリリングな映画に仕上がっていました。

いや、ほんと、「ザ・タウン」でもビックリしたけど、ベン・アフレック、監督としてほんとすごいとこまで来ちゃってるよなぁ。
次回作も絶対に見たい。

面白かったです!
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恋はデジャヴ

ラジオで町山さんが他の映画の紹介をしている中でこの映画についてしゃべってた。
たしか、町山さんは別の映画について語っているときにもこの映画を例に挙げたと記憶している。
宇多丸さんもたしか何度かこの映画の名前を口にしているはずだ。

見たことあるような気がするけど、もう一度見てみたい。
というわけで、ツタヤで借りて見てみた。100円だ。安くなったよなぁレンタル料金。

この映画、おそらく学生の時に、ヒマな日曜日なんかに1日に3本映画をレンタルビデオで見たりしていたときに、一度見た、と思う。
けどさすがにもう20年前のことなのですべてを忘れていた。
そして、おそらく、学生のときには感じられなかったいろんなことを感じられることができたと思う。
さすが、大人である。
ハタチそこいらの若造とは感じることがちがうのである。
いろんな経験を積んできて、いろんなことを考えながら生きてきたからこそこの映画から感じられるものがあるのである。大人になったのである。

ま、一番思ったのは、どうせならば有意義に生きようってことだ。
この主人公のフィルが最後の最後にたどりついたように。
自分のために、そして周りの人のために、この一瞬一瞬を無駄にせず生きないと!ってことだ。
永遠の時間があるからこそ。

よく、明日死ぬとしたら何をする?という問いがあるけど、一生ほぼ同じ毎日を過ごすことになったら何をする?というもう一つの問いがこの映画の問いかけていることだ。
そして、この映画ではその答えとして上のような結論を描いて見せている。
すごく共感する答えではないか。

毎日毎日、ほとんど同じような日々を過ごしているのならば、そうならば、だからこそ、有意義にその日々を過ごしていかないと。

毎日ちょっとずつでも努力すれば、ピアノだって10年後には「10年やってる人」になれているはず。
気が付いた時にちょっとずつでも周りの人に親切にしていれば、10年後には周りの人全員から愛される人になれているはずだ。

気が付けば5年、10年経っちゃった。
それが大人の時間間隔かもしれない。
だからこそ、毎日ちょっとずつ何かをしよう。
気が付いたら過ぎた5年、10年が、「経験5年」「経験10年」の経験者にしてくれるんだよなぁ。
なるほどなぁ。

ということを一番思いました。

他にもいろいろ思ったけども。

たしかに見て良かった。

見るべき映画だった。

さあ、明日から何をしよう。
楽しみだ。
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エクスペンダブルズ2

1に続いて2も見てしまった。

平日の昼間だけど、けっこうお客さん入ってたなぁ。
もちろん若者はいないんだけど。
この映画を見る人たちは、当然だけど、80年代に彼らのアクション映画を見てきた世代。

1がどんな内容だったかあんまり覚えていない(笑)んだけど、まぁ、なんというか、こういう映画だよなぁ。

シュワルツェネッガーとブルース・ウィリスとスタローンが3人そろってしゃべっている絵を見られるだけで、まぁ、僕としては「ごちそうさまです」って感じです。それはもうしょうがないわけで。

あのアジア系女性を評価するかどうか、そこがなぁ…。
あんまり美人でもないし、「真剣な顔」をしているつもりんだろうけど、くちびるを突き出した表情が「仏頂面」っていうか、「ふてくされ顔」に見えてしまって、どーも僕としては気に入らない感じでしたね。
むさくるしいおっさんが大活躍する映画だから、あえて若い美人にはしなかったんだろうけど、それにしても僕としてはもっと別の人であってほしかったなぁ。

あと、チャック・ノリスですかね、今回の見どころは。
なのですけど、僕はチャック・ノリス映画というのを見たことが無い。
いや、見たことが1本ぐらいはあるのかもしれないのですが、記憶にない。
なので、「チャック・ノリス、キターーーーーーーーーーーーーーーーー」とは思えなかったのですよねぇ。残念なことに。
アマゾンで検索してみると、見事に「B級」って感じの映画がたくさんあるんですよねぇ。
今度見てみようかなぁ。面白そう。 でもB級そう。

まぁ、とにかく、良くも悪くもエクスペンダブルズの2作目であり、良くも悪くも期待を裏切りません。
なんでこっちも武器を捨てて素手で闘うんだよ??なんてツッコミは無用です。
それが男だから、それが80年代アクションヒーローの生き様だから、そうとしか言えないのです。

期待どおり!
いろんな意味で、期待どおり! でした。
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