
江利チエミのスター誕生はもともと一時休業状態だったチエミさんを清川虹子さんが1時間もののテレビドラマを企画し、チエミさんに主演させた音楽劇。
その時の写真は...
http://blog.goo.ne.jp/udebu60827/e/9e43e9aca22c8e49f97f4795d29e9b13
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ここに掲載しています。
それを菊田一夫先生の手直しで昭和36年、歌手としての初めての1月の座長公演の演目に上げた記念すべき作品です。
松竹で映画化されましたが、私は映画もこの舞台も観たことがありません。
この公演について書かれている記事からあらすじが判明しましたので、掲載させていただきます。
谷崎カオル/江利チエミ
その母谷崎八千代/清川虹子
カオルの天才を見出して指導者となり、交通事故のためにスターの座を失う歌手/藤田博に小林旭...
旅回りの一座で「どんどろ大師」のおつるの役で倉敷の小屋に出ているとき、同市の市民会館に出演しているスター藤田に面会に行ったカオルは強引に歌を歌って聞かせ認められ、母親の反対を押し切って内弟子として上京する。
旧知を訪ねて都劇場を訪ねたカオルは偶然オーディションが受けることができ、母親仕込みの民謡で、菊田一夫にミュージカル女優として認められる。
※しかし、菊田さんというひとは「放浪記」でもそうですが、本当に自己顕示欲が強いというか奥ゆかしさという部分はない方だったのですね(笑)。
その芸達者ぶりが「芸者道中膝栗毛」で長々と展開されるのが第一部の終わり。
※チエミさんが前にラジオで「スター誕生のテーマは“新相馬節”だった」と話していた記憶があって、「スワニーじゃないのか??」と思っていたのですが、ジュディー・ガーランドのスター誕生をそっくりそのままに変えたものではなかった... 民謡がふんだんに使われていた... ということで納得がいきました。(もちろんジュディ・ガーランドばりにタキシードとステッキでスワニーを歌うシーンはあったそうです。そのことはこのときのスワニーが収録されているEPジャケットと公演の有料パンフでも確認でします。しかしこの姿...美空ひばりさんの「悲しき口笛」とかぶるので、チエミさん本人はあまり好きでなかったようです。)<---初演の時の「スワニー」を歌い踊るシーンと思われます。
<---昭和37年/新宿コマの公演でも好評だった I've・・・のイントロ部分がカットされた「スワニー」の短いバージョンが収録されたEPレコード。
途中、落ちぶれてカオルのアパートに隠れていた藤田が、インチキ興業社に移った藤田の元マネージャー(立原博)にだまされ窮地に陥ったときにカオルに助けられる...
カオルのおかげで母の一座も都劇場に出演できるようになる... と、四方八方ハッピーエンドで終わります。
たしかにオリジナル「スター誕生」とは、かなり違う「日本的な物語」になっていたようです。
オリジナルは...
>名な映画スターとして活躍していたノーマン・メインは、映画基金募集ショーの舞台に酔って飛び出してしまう。醜態をさらすと思われたが、出演していたジャズ歌手エスターが機転を利かせて上手くとりなしてくれた。その夜、エスターに映画出演を勧めたノーマンは、翌日、彼女を相手役に抜擢。出演した映画も大ヒットしエスターはスター女優の切符を手にした。そして、ノーマンと結婚。すべてが順調に行くかと思われたが、エスターが名声を得る一方、ノーマンの人気はかげりはじめ、酒におぼれる日々が...。
ジュディ・ガーランドとジェームズ・メイスン共演で描かれたミュージカル色も強く押し出された映画でした。
ノーマンはどんどん落ちぶれていき、ついには入水自殺してしまう・・・というというシーンが印象的でした。
どんな苦悩も乗り越えて、エスターがスワニーを歌う...といった場面があったように記憶しています。
また日本版映画/スター誕生(昭和38年/主演:江利チエミ)のほうのストーリーもこれまた少し違います。
>信濃路を行く旅廻りの谷崎八千代一座は不入り続きで三度の食事も事欠く始末、娘のカオルはその原因が時代離れした演し物にあることは知っていたが、八千代は耳を貸そうとしなかった。ストリッパーの花子と浪曲師の曇月、タップの中野兄弟が泣く泣く逃げ出し、あとに残ったのはアコーデオン弾きの久八など数人。
哀しい思いを歌っていたカオルの歌が余命少ない子供の心を捉え、彼女はその子供の父親海老谷と知り合った。芸能人の世話を道楽にしているという彼との再会を約して次の公演地に向ったカオルはそこで出演中の歌手、藤田博に強引な売込みを計り、認められて上京することになった。
念願の東京でカオルと久八は花子・曇月夫婦にめぐり逢いおんぼろアパートに住込んだ。藤田の弟子になったカオルの毎日は、劇場やスタジオに付き人として働いているだけで歌を教えてもらうどころではなかった。ある日突然、舞台の上で藤田の声が止まり、病状が長びくにつれてスターの座も崩れて行った。再起不能の彼を見捨てて弟子たちは去って行き、やがてマスコミからも見離された彼を優しく看護するのはカオル一人になってしまった。
カオルの愛情に心うたれた藤田は、レコード会社の浜村専務に手紙を託して、自らの姿を隠してしまった。失意のカオルは久八に励まされ、めぐり会った海老谷の口添えでレコード会社に赴いた。やがてカオルの華々しいデビュー。次々にヒット曲を発表した彼女は見事新人賞を獲得した。
数日を経て、地方公演に出かけたカオルは艶歌師となった藤田とめぐり逢い、二人は再び強い愛情で結ばれた。作曲家として再出発を期した藤田は、やがてカオルのリサイタルの演出を担当するほど自信を取戻し、そのリサイルには花子や名を上げた中野兄弟も駈けつけてきた。
七色のスポットの中で唄うカオルの晴れ姿、意地を捨てて駈けつけた八千代の頬には熱い涙が流れていった。
キャスティングは、藤田に吉田輝雄、タップの中野兄弟はもちろん「中野ブラザーズ」さんです。
スター誕生関連の記事は...
http://blog.goo.ne.jp/udebu60827/s/%A5%B9%A5%BF%A1%BC%C3%C2%C0%B8
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ここにまとめてあります。
※どんどろ大師の話...とは...
「傾城阿波の鳴門 お弓・おつる別れの場」のことです。
阿波の徳島藩 玉木家 家老桜井主膳は、預かっていた主家の名刀国次の宝刀を悪人に盗まれ追放となる。主膳にゆかりのある十郎兵衛は名刀を取り返へさんと名を銀十郎とあらため、妻お弓と共に大阪玉造に仮住居をして刀をさがしている。
チエミさんが、連獅子の扮装でおどったり、チエミさんと清川さんが舞台ですれ違ったりするシーンが記憶にあります。
それに「鼻のお六」もNHKでやったはず。
NHKにないんですかね?この貴重な舞台の録画が。
NHK大阪のライブラリーとかにないんですかね??
鼻の...は、本当に再生不能なんでしょうかね?
52年1月の土曜日の夜に総合テレビで放送されたですよね!