【14】 週刊明星/昭35.10.9号

＞最近久々の舞台出演で素晴らしい人気を沸騰させた江利チエミが、小さいころから兄弟同様の仲良し中村八大と、一夜、ハタの見る目もうらやましい歓談のひと時を過ごした...

こう始まるこの「対談」...
興味深い箇所を...

＞チエミ：…遅くなってゴメンナサイね。車が途中でエンコしちゃったの。
中村：車といえば、ガレージみたいな玄関どうした？
チエミ：相変わらず口が悪いのネ。みんなガレージと勘違いして、お隣の玄関へいっちゃうの...

----＞ガレージみたいな玄関？？？
これは表の公道に面したエントランスのこと...でしょうね。
先般発売されたＣＤ/ＢＯＸ「江利チエミ・歌の宝石箱」をお持ちの方ならそれが確認できます。
そのライナーノーツp91.下段/左の写真...　そのモダンなデザインのエントランスが、当時、斬新すぎて「ガレージ」と勘違いされたものと思われます。

車のエンコ
----＞これも　時代　を感じます。
当時、箱根の山を何事もなく登りきれる国産車は「相当な高級車であって、且つよっぽど手をかけてる車以外ムリだった」...これはよく昔親からドライブの度、聞かされたものです。

＞サントリーオールドをチビチビやりながら「アメリカへ行ってこうしたいああしたい」と6年くらい前に話ながら1瓶あけちゃった...といった話のあと...

中村：いつか、体の具合が悪いと聞いたけど、もういいの？
チエミ：まだダメ！半月ばかり前、胃酸過多と胃下垂ですごく苦しんじゃった。それ以来アルコールは、ビールを少々たしなむ程度にしようと思ってネ。

----＞この体調...おそらくは「お子さんを流してしまった」ことに由縁するもの...と想像します。チエミさんがお子さんを流してしまったことはこれから数年経って30年代後半の週刊誌のインタビューに自ら応えています。
このとき、体調も完璧ではなかった...　
それでも明るく元気に復帰して「私はこんなに元気！大丈夫！」と、辛いことはおくびにもださない江利チエミさんがそこに居ます。

サントリーオールド１瓶...　これは、量ではなしに庶民の立場にたって「もったいない飲み方をした」という意味合いも含まれているか？...とも想像できます。
庶民はホワイト・ニッカ...　オールドはこの当時「重役の飲むウィスキー」＝高級酒であったのです。

八大さんもチエミさんも「お酒さえ飲まなかったら」...という部分があります。
それは今でもとても残念なことではありますが...
お酒が呑める---＞それで世界も世間も広がる...のも事実です。
この件では「同じく呑んべい」の私はなんともいえない気持ち...です。