つばさ

平和な日々が楽しい

刑法81条は、「外国と通謀(共謀)して日本国に対し武力を行使させた者は、死刑に処する」とある。

2013年01月19日 | Weblog
【産経抄】1月19日
 世界はひとつ、なのはディズニーランドの中だけの話である。アルジェリアの事件は、いまだ全容がはっきりしないが、確かな事実を改めて思い知らされた。世界は、とくに中東は、「ヒトの命は地球より重い」と信じていた戦後の日本人が思い描いてきた「世界」とは違うことを。
 ▼アルジェリア軍は、日本はむろん米英にも事前通告せず、テロリストたちを急襲した。拘束されていた人質にも多数の死傷者が出たとの報を受け、安倍晋三首相は電話で抗議したが、後の祭りだった。
 ▼攻撃前に電話していたところで、結論は同じだったはずだ。食うか食われるか。テロリストに譲歩すれば、国そのものが危うくなりかねないかの国の首相の耳には、「人命第一」を訴える安倍首相の言葉は、まったく残らなかったことだろう。
 ▼「命を守りたい」と国会演説で大見えをきったあのヒトならどうしただろう、と夢想していたらなんと隣の国にいた。しかも防衛相から「国賊」呼ばわりされたというから穏やかでない。
 ▼他人に「国賊」だの、「売国奴」などという汚いレッテルを貼るのは、好みでないし、貼る方の品性を疑わせる。鳩山由紀夫元首相も気の毒に、とよくよく中国での言動を追ってみると、国賊もはだしで逃げるひどさだった。
 ▼尖閣諸島を「日中間の係争地」と日本の足を引っ張ったばかりか、でっち上げ展示物満載の「南京大虐殺記念館」を訪れて謝り続けた。共産党支配下にある北京の新聞が1面トップで扱ったのは言うまでもない。刑法81条は、「外国と通謀(共謀)して日本国に対し武力を行使させた者は、死刑に処する」とある。中国が尖閣に刃(やいば)を向けたときは即、自首するようお勧めしたい。

「一人の生命は地球より重い」。人質の安全か、法秩序の維持とテロの制圧か。

2013年01月19日 | Weblog
春秋
2013/1/19
 ある人は「ミスター・マールボロ」と名づけた。サハラ砂漠の南部一帯でたばこの密輸ネットワークを築きあげたからだ。フランスの当局者は「アンキャッチャブル」つまり「捕まえられない男」と呼んだそうだ。数々の誘拐事件を起こしながら逃れ続けてきたからだ。
▼アルジェリア東部のガス関連施設に対するテロを首謀したとされる男には、いろいろ異名がつけられてきた。密輸にしろ身代金目当ての誘拐にしろ、卑劣な手段でテロ資金をかき集める能力の高いことが、うかがえよう。長らく属していたアルカイダ系の組織を昨年末に離脱したのも、汚い手口が不評を買ったためという。
▼テロリストたちが人質の一部を連れて脱出しようとしたので、軍事作戦を発動せざるを得なくなった――。アルジェリア軍がヘリコプターや特殊部隊を投入して早々と鎮圧に乗り出した理由について、同国の高官はこう語ったと伝えられている。テロリストたちが新たな資金源を手にするのを最も警戒したのかもしれない。
▼とはいえ釈然としない気持ちは拭えない。もっと人質の安全に配慮してもよかったのでは、と。1977年、日本赤軍によるハイジャック事件に直面した福田赳夫首相の言葉が思い浮かぶ。「一人の生命は地球より重い」。人質の安全か、法秩序の維持とテロの制圧か。恐ろしいまでに難しい判断。テロを憎む思いが募る。