つばさ

平和な日々が楽しい

家族の力を生かす。前向きな発想で生きたい

2013年01月04日 | Weblog
春秋
2013/1/4
 「お母さん」。俳優の高倉健さんが亡き母親に呼びかける。雪山での厳しい撮影があった。気を張る役柄も多かった。それもこれも、すべては「あなたに褒められたくて、ただ、それだけで」頑張ってこられたのだと。かつてエッセー集で、そう真情を吐露していた。
▼年末年始の帰省で、しばらくぶりに老いた親と時間を共にした方も多かろう。ふだんは自身が子を持つ立場で、あるいは管理職や経営者として、弱みを見せず、身過ぎ世過ぎに肩ひじを張る。そんな大人たちも、親の前では「坊」や「××ちゃん」だ。健さんのように、親の目が自分の支えという人もいるかもしれない。
▼日本の「子供」は増えているか、減っているか。小さい子は減少の一途をたどる。しかし親と生きる人、と解釈するなら話は別だ。いま親が存命中の人は、大人から赤ん坊まで約8700万人。総人口の7割だという。試算をまとめた博報堂生活総合研究所は、少子高齢化とは見方を変えれば「総子化」だと位置づける。
▼「子供」の平均年齢は終戦直後こそ10代だったが現在33歳。20年後は40歳近い。存在感を増す大人の親子。一緒に旅を楽しんだり、起業したり。転職、子育てと、力を合わせて何かに挑戦したり、人生の困難を乗り切ったりという例が増えているそうだ。高齢化を嘆くより、家族の力を生かす。前向きな発想で生きたい。