京都のいぬぅ

I wanna be a master of life.

才能 ~一握りのものがもつ煌めき~ (2)

2006年03月16日 17時28分21秒 | 科学
前回は筋肉の質や量、種類、つき方が人によって違い、
それが運動能力の差となってあらわれることを紹介しました。

それらの差があるということは、遺伝子にも違いがあるということです。
今回はアスリートを生み出す遺伝子についてお話します。


ミオスタチンという遺伝子は筋肉の分裂・増殖を抑制するタンパク質をつくっており、
このミオスタチンがおかしくなると、トレーニングをしなくても筋肉が肥大化し、
ムキムキになります。

ミオスタチン変異のウシです↓
http://fig.cox.miami.edu/~cmallery/150/neuro/belgian.blue.jpg

ミオスタチン変異のマウスです↓
http://www.ast-ss.com/research/cribb/articles/images/myostatin_mice.jpg

2004年にこのミオスタチンが変異しているために筋肉量が2倍の赤ちゃんが報告され、
この子が将来オリンピック選手になるのではないかと、話題になりました。
(「グラップラー刃牙」で出てくる地上最強の生物、範馬勇次郎は変異した遺伝子の持ち主なんでしょう




また、筋持久力と遺伝子の関係も少し分かってきています。
アンギオテンシンⅠをⅡに変換するアンギオテンシン変換酵素(ACE)には
「II」、「ID」、「DD」の三種の遺伝子型があり、
「II」の遺伝子型の人はACEの活性が弱く、血管が拡張され、酸素運搬能力もあがり、
その結果持久力があがるのです。
II型の人の方が、DD型の人に比べ、
10倍以上も筋持久力のトレーニング効果が高いと言われています。


筋持久力の素質
http://www.kentai.co.jp/column/physiology/p016.html

遺伝子に負けないために
http://jacclimbingmed.hp.infoseek.co.jp/page-03-039.html


こういった研究が進み、
どの遺伝子の多型がどういう才能につながるかの指標ができれば、
誰が遺伝的素質をもっているのかが分かり
スポーツの名手や天才の発掘にも役立つことでしょう。

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