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ただいま冷温停止中! d( ̄ ̄;)

最終章 スカイマークスタジアム

2008-10-13 19:43:40 | スポーツ
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スカイマークスタジアム最高!

グリーンスタジアム

今でもそう呼びたくなるくらい緑が映える野球場だ。
漆黒の闇の濃さと芝の青さのコントラストが美しく、その器のキャパも適当な大きさで、グラウンドとスタンドを遮る余計な金網がなく程よく密結合している。スタンドに隣接してブルペンがあるのも楽しい。身近にこんな素敵なボールパークがあるとは思わなかった。今ではオリックスが京セラドームに本拠を移したため、球場の主を失ってしまったというのが残念だ。タイガースも年間数試合はここで試合を組んだらいいのに。できればデーゲームでね。

「甲子園球場が日本一」

タイガースファンは、よくそういうけれど、阪神園芸が管理する整備の行き届いた天然芝とパティシエが繊細に仕上げたような芸術品のスイーツのごとき茶褐色のグラウンドの素晴らしさは、その褒め言葉に値するかもしれないが、観客席のアメニティーは、とても酷い球場だと思う。金網の多さ、見にくさ、鬱陶しさは格別だし、鉄塔も視認性を悪くする。そもそも外野席に至っては、我々にマスゲームでもさせようとしてるのか?と問い詰めたくなるような人権蹂躙な座席シートだ。

そんな甲子園も今、三年計画でリニューアル工事が進められている。去年、内野席の整備が行われ、今年は外野と銀傘、照明塔をやりかえるという。最終年の工事は球場の外の敷地の整備ということだから、球場自体ののリニューアルは今年度の工事で終わるらしい。今シーズンのタイガースの日程に少なからぬ影響を与え、ファンも選手も、そして岡田監督をも悲しませた大規模修繕工事なんだから、その出来上がり具合には期待せずにはいられない。せめて、すこしでもこのスカイマークスタジアムに近づいてもらいたい。そう思ってしまうほどアメニティー豊かなこの球場で、岡田監督のラスト・ファイトを観戦できたことは我が存外の喜びでした。(ふゆさん、スーさんありがとうね!)

G男を御伴に訪れた最終戦は、今度の週末にCS第一ステージで対戦するドラゴンズだ。CS睨みの調整ムードのドラゴンズに対して、CSは頭にあるものの岡田監督に最後のはなむけというムードも感じる、ほぼフルメンバーで戦う我がタイガース。それを横目にCS第ニステージでジャイアンツの相手がどちらになるのか、模様眺めする我がG男。試合中、改めてG男に問うてみた。ドラゴンズとタイガースのどちらが勝ち残って対戦したいか?即答で「やり易いのはタイガース」と答えたときには、息子でありながらもどついたろかと思ってしまった大人気ない私。まあ、たしかにドラよりもトラのほうが、奴らにゃ組みし易く感じんだろうな。ショックに言葉を失う私。


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試合は粛々とすすんでいく。両チームの試合に臨む意図と温度差をそのままに。
はるか一塁ベンチの指定席に鎮座する公式戦最後の指揮を執る岡田監督は確認できても、その表情までは窺うことは出来ない。後からテレビで見た時の印象は憑き物が取れたかのような穏やかな表情で、とてもリラックスしている風に見受けられた。それはまるで5年間の激務の余韻を楽しむかのように。

「岡田の時代」

この5年間をいつの日か、そう呼ぶ日が来るとしたら「岡田の時代」は、どう意味づけされるのだろう?
野村、星野の外部の血の野球を継承し、暗黒時代終焉に導いた中興の祖なのか?
金本を中心とした好選手に偶然恵まれたフロック監督なのか?
或いは野村、星野の残した遺産を食い潰してるだけの放蕩息子なのか?

どれも違う気がする。
ただ、今はまだ、それを語る言葉を持ち合わせていないんだ。
でも確かに「岡田の時代」と呼べる何かが息づいていた5年間だった。そして今、「岡田の時代」が幕を下ろす。「岡田野球」が好きではなかったタイガースファンも、「岡田の時代」の快進撃と急降下の振幅の前に一喜一憂し、狂喜乱舞の時間を共有できた歓びは否定できないだろう。

岡田にサヨナラを云う前に、まだクライマックスシリーズがあるではないか、という向きもあるだろう。でも、それは違う。岡田タイガースは、この日の最終戦で終わった。もはやクライマックスシリーズは、岡田タイガースではなく、岡田の手を離れたタイガースだ。岡田タイガースの集大成のお披露目の場。どんな偉大な演出家も舞台の幕が上がった瞬間、無力の一観衆でしかなくなるもの。そのとき岡田は舞台の袖で自ら手塩にかけて育て上げた我が子タイガースの一挙手一投足を見守るだけの演出家となるのだ。

聞くところ、タイガースの監督を辞めた後は評論家の道には進まないという。12球団のキャンプ巡りも興味ないらしい。日本の野球から離れて海外にでも住もうかとも語っているらしい。そもそも彼の中にある野球は阪神タイガースの野球しかありえない。解説者にでもなったら興味のないタイガース以外の野球を論評しなければならなくなるのは岡田にとって苦痛であろう。その阪神タイガースを離れるのだから、野球への執着、関心が失せることも分からなくもない。それだけに、そのまま彼が野球にも、そして阪神タイガースにも永遠に興味を失せてしまうことになりはしないか、それだけが気がかりだ。

いつの日か再びタイガースの監督に復帰する日を待ち望みつつ

岡田監督にしばしさよなら。


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岡田さんの顔に5年の苦悩が刻印されてしまったようだ
俺やっぱし岡田擁護派でよかったよ~(涙)