Take me out to the BLOG game

 
ただいま冷温停止中! d( ̄ ̄;)

新春いわほかるた (を)

2008-04-27 13:25:05 | いわほかるた
iwahokaruta13

岡田に金棒



私は何度も言ってきた。

岡田は名監督

だと。猫の目のように変わることを常としたタイガースの歴代監督にあって、5年目に突入した岡田タイガースは異例の「長期政権」であり、また、それに見合う成績を残していることも紛れもない事実だと。このことを「名監督」と呼ばずしてなんとする。
(ま、「岡田野球」が好みかどうかは別の話やけれどね。)

この長期政権を実現している最大の要因は、監督一年目から「金本」という堅牢で優れた回路が、すでにチームの核として組み込まれていたということだ。『金棒』なくして今の岡田タイガースは成り立たない。断言してもいい。このラッキーこそが岡田を"名"監督たらしめる正体に他ならない。そんなラッキーを身にまとうことも「名監督」「名選手」の条件なのだろうけど。
それゆえに、金本が「フルイニング出場」にこだわりすぎることを、岡田監督は極度に恐れているんじゃなかろうか。「フルイニ」にこだわるあまり、選手寿命を縮めやしないかと。金本の選手寿命こそが、岡田タイガース存命の鍵であることを、クレバー(異議ある人は挙手!)で先を読んでしまうことに長けた岡田監督は、十分理解しているはずだ。


最後にもう一度だけ言おう。
今後、二度と言わないから。
やっぱり岡田は「名監督」だ。(好みの野球かどうかは別にして…)


(追記)
『阪神タイガース金本知憲「40年目の果たし状」』(よみうりテレビ)

今夕、放送されたこの特番を観て、改めて感じたこと。
生物がエントロピーの法則に打ち勝って秩序を維持できるのは、エントロピーに先回りして自らが自己を壊して再生し続けるからなんだとか。金本のアンチエイジングの秘密も、確実に進行するエイジングを乗り越えるため、自らがエイジングに先回りして肉体を壊して、再生し続ける努力を惜しまないからではなかろうか。この努力たるや生半可じゃない。
そして、そこまでして彼がアンチエイジングにこだわり続ける本当の理由は、ある種のメンタリズムに走りがちな監督、コーチ、それにアナクロな精神論を振りかざしがちな日本のプロ野球に対して、自己のフィジカルを以って主張する彼なりの反駁ではあるまいか。

タイガース(日本のプロ野球界も?)は「金本前」と「金本後」で、時代を二分するような気がする。
もはや「岡田タイガース」は「金本タイガース」でいいではないか。


新春いわほかるた (る)

2008-04-22 02:18:13 | いわほかるた
iwahokaruta11


♪ルーールールルールー
 ルーールールルールー
 ルーールールルールー
 ルルルーールー



ガルルルルル~

カチャッ!

「お電話ありがとうございます。
 只今、電話に出ることができません。
 御用件は“ピー”という発信音の後に

 『ルーの耳はロバの耳』

 を三回唱えた後、15秒以内でお話しください。
 終わりましたら鼻をつまんで

 『アッチソンもボーグルソンもルルルルル~』

 と唱えて、“#”ボタンを押してください。」


ピーーーーッ!



♪夜(ナイター)は流れず
 (白)星も消えない
 愛の唄(六甲颪)
 ひびくだけ



新春いわほかるた (ぬ)

2008-03-23 21:53:44 | いわほかるた
iwahokaruta11

濡れ手に阿部

類義  棚から阿部かわ餅


その昔、ファミコン人気の絶頂期、人気ソフトには不人気のソフトと抱き合わせでないと売ってくれなかった時期があった。いわゆる「抱き合わせ商法」というやつだ。売る側からすれば客単価を上げ、不良在庫品を手早く現金化する上手い方法だ。不条理とは思いつつ、欲しくもないソフトとセットで買わされたものだった。その後、公正取引委員会の勧告もあり、鳴りを潜めた感はあるが。

複数トレードを「抱き合わせ商法」と一緒にするのはいささか乱暴かもしれないが、「主役におまけを付けました」的なトレードは時々見かける。今回の「濱中・吉野対平野・阿部」のトレードが、その範疇かどうかは意見が分かれるかもしれないが、あくまで濱中と平野が主役のトレードであり、吉野、阿部はお刺身の「ツマ」といった印象は拭えなかった。いや、オリは吉野に新天地での脱皮を、阪神は若い阿部の伸び代部分に可能性を、それぞれ感じて成り立ったトレードだと信じたい。でも、どこまでも「ツマ」の印象は拭えない。

しかし、抱き合わせのソフトに、たまに掘り出し物があったりするように、過去のトレードでも、意外な「ツマ」が存在感を発揮するケースは、ちょいちょいあった。古くは「 江夏・望月(阪神)- 江本・長谷川・池内・島野(南海) 」の世紀のトレードでの池内、島野(急逝されたあの島野さん)がそうだし、「田淵・古沢(阪神)- 真弓・若菜・竹之内・竹田(西武) 」の時は、真弓、若菜に混じって、一人異彩を放っていた竹之内がそうだった。
でも、中でもタイガースのトレード史上、最高の「ツマ」は、何といっても「大豊・矢野(中日)- 関川・久慈(阪神)」で、中日からやってきた矢野捕手ではあるまいか。当時、タイガースファンは主役である大豊対関川+久慈の構図で天秤にかけて、そして何度も溜息ついたことだろう。が、今にして思えば、何とありがたき「ツマ」だったことだろう。ま、ツマはツマでも正真正銘の「妻」だった訳だが。


来春、近鉄難波駅と阪神西九条駅の間がジョイントされる。それにより尼崎-奈良間に直通電車が走るらしい。それはそれで利用者には便利なんだろうけど、野球ファンにとって一番の関心ごとは、その沿線の途中駅に「京セラドーム」ができることである。これって案外知らない人も多かったりして。⇒阪神なんば線
近鉄と阪神の歴史的相互乗り入れを間近に控えて、近鉄-オリックスと渡り歩いてきた阿部健太投手が、今年タイガースにやってきたのは何かの因縁だろうか。

今シーズンの活躍を期待したいし、その期待に応える力は十分にありそうだ。


新春いわほかるた (り)

2008-03-09 14:51:07 | いわほかるた
iwahokaruta10

♪リンリンリリンリンリンリリンリンリンリンリリンリ~リリン
♪リンリンリリンリンリンリリンリンリンリンリリンリ~リリン……



リンリンリリーン~

「リリリリンです」
「あ、リンちゃん、どうもお疲れ様っす」
「は、どちらのお方?」
「ワシワシワシですわ。この声この喋りわかりませんか?マ・シ・ツ・タ。デイリーのマシツタです~」
「なんだマシツタさんか。ケータイに名前出ない、誰か思った」
「リンちゃん、まだケータイに登録してくれてへんの?登録しといてって言うてましたやん」
「あ、ボク、苦手な人、登録しないことにしてる」
「苦手苦手言わんといてよ。こんな頭してるけど、ハートはエエ奴なんよ」
「台湾でエエ奴は絶対、あんな頭しない」
「云っとくけど、ここは台湾ちゃうよ~、ここは日本よ~」
「台湾で眉毛ないと皆、心配してくれる。理髪店で剃られたんかって」
「ファッション、ファッション。眉毛ないのもファ~ッション」
「この前、マシツタさんにインタビューされてるニュース、台湾の母親が見て、電話してきた。日本のヤクザに脅されてるんちがうかって」
「いっぺん今度、台湾行くからお母さんに会わせてよ。そしたら、こんなにエエ奴やって分かってもらえるはずやから」
「ムリ!」
「このカルチャーショックを乗り越えんと、台湾もグローバライゼーションに乗り遅れるよ~」
「電話切っていいか?」
「あ、あかんあかん待って待って、アニキからのお誘い伝えんといかんねん」
「えっ、アニキって金本さん?」
「そう。いやね、アニキの術後の予後が順調なんを祝って、今度の日曜日に快気祝いしよかって話になったんやけど、同じ手術したリンちゃんも順調そうやから、アニキが是非、リンちゃんにもって話になって……」
「金本さんの誘いなら無理しても行くよ」
「ん、なら誰の誘いなら行かんかった?(笑)」
「電話切っていいか?」
「冗談冗談マイケル冗談。じゃ、また時間と場所は連絡しまっさかいに」


トゥルルルル~

「はい、マシツタです」
「オレやけれど。例の件、皆に連絡つけてくれたか?」
「え、え、ええもちろん……。広大、リンちゃん赤星さんはじめ、一軍クラスの外野手は皆、連絡しときましたから」
「そうか。で、皆来てくれるんか?」
「そ、そりゃあ、もう、皆、二つ返事で……」
「そうか。なら良かった。金本や他の外野手に顔利くジブンに頼んで正解やったな」
「もう、任して下さい」
「頼むで。またエエ記事書かしたるからな」
「ひとつ、またよろしくお願いしますわ」
「何ならこの前、カープに提出したプロテクトリスト見せたろか?」
「ありがとございます~」


ふう~っ、かなん相談引き受けたもんやから疲れたわ。
だいたいやでぇ、こんなん普通、自然発生的に立案・企画・開催されるもんちゃうん。
よっぽど人望がないんやな、ほんま。
んなもんやから本人が自ら立案・企画しといて、開催・運営だけこっちに押し付けられても困るっちゅうんねん。
「一軍チーフコーチ昇格記念パーティ」やのにタイガースの選手、一人も来んとカッコつかへんもんなあ。
かといって皆、この時期スケジュール詰まってるし。
その合間を縫って集めよう思たら、「伝家の宝刀」アニキの名前借りんと無理やもんなあ。
さ、今からアニキんとこ行って事情説明して謝ってこよっと。
なあに洒落の分かるアニキのこっちゃから、きっと堪忍してくれるやろ。


新春いわほかるた (ち)

2008-03-02 17:44:02 | いわほかるた
iwahokaruta09

チビも集えば面白(ヤバ)くなる


2007年ドラフト入団選手

187cm 白仁田寛和(投手)
184cm 石川俊介(投手)
190cm 黒田祐輔(投手)
182cm 高浜卓也(野手)
182cm 森田一成(野手)
180cm 清原大樹(投手)
181cm 田中慎太郎(野手) ※ 育成枠

いやあ、皆、立派な身体の持ち主ばかりだこって。
その昔、180cm以上の選手はみんな大型野手、大型投手と称した時代が嘘のようだ。
まさかスカウト担当は「身体能力至上主義」とばかり、体躯の優劣だけで選別しているわけではなかろうけど。たしかに技術は練習で補えても体躯はそうもいかない。スカウト陣の眼には、その部分が伸び代と評価できるのも理解できる。ただ、「身体能力至上主義」が行き過ぎると「パワーベースボール」一色の、味気ない野球になってしまいそうな不安を抱くわたし。



タイガースちびっ子ランキング(公式ページより)

169cm 平野惠一(5)
170cm 赤星憲広(53)
172cm 大城祐二(63)
174cm 藤本敦士(9)
174cm 前田忠節(32)
175cm 渡辺 亮(12)

数字の信憑性はともかく、タイガースの現役選手で175cm以下の選手をピックアップしてみたら、わずか6人と意外なほど少なかった。それだけで「スモールペースボール」衰退を口にするのは性急なんだろうけど。でも、もっと小兵選手がいてもよさそうな気がする。

体躯に恵まれた選手が、豪放磊落に暴れまわる野球も、それはそれで楽しいけれど、恵まれなさをスピード、センス、狡知に長けることで生き残りをはかろうとする彼等の存在も私にとって欠かせない。そう、塩コショウだけで調理した歯ごたえ十分の肉厚OG(オジン)ビーフには、ただ甘いだけでなく、素材の味わいを生かした繊細な調理のなされたキャロットグラッセ が欠かせないように、自らを存在感あるメインディッシュの添え物と諦観して、そこに生きる道を見出そうとする愛すべき小兵選手のいぶし銀のパフォーマンスが大好きだ。
それこそが「ジャパニーズベースボール」のわび、さび、彩りというもんなんじゃなかろうか。

新春いわほかるた (と)

2008-02-26 01:57:42 | いわほかるた
iwahokaruta08

トリーの関西弁

絶対にありえないことの喩え


【類義語】

  • 烏白馬角(カラスの頭が白くなり、馬に角が生じるということ)
  • ブルーローズ(遺伝子操作で実現したというけれど……)
  • ブラック魔王の優勝!(チキチキマシーン猛レースって分っかるかな?)
  • タブラン(田淵のランニングホームラン。法大時代に未遂が一度)
  • 今岡ゴールデングラブ賞(どさくさに紛れて過去に一度獲得している)
  • 赤松の思慮分別(結婚して移籍しても浮き足立ちキャラに変化なし)
  • 岡田の標準語(無理に標準語を意識すると必ず噛んでしまうのが悲しい)
  • やのっちかのっちのぐっち三人揃ってお立ち台(あったら楽しいが絶対ありえねえ~)




新春いわほかるた (へ)

2008-02-22 01:19:22 | いわほかるた
iwahokaruta07

下手の横手好き

一つお断りしておきますが、これからお話しするのは、あくまでボクの妄想の結果です。
事件そのものはすでに夢効ですから、例え彼等が犯人でもボクがどうすることでもありません。


伊「太陽は、まだ時期尚早でしたか葛西コーチ」
葛「そりゃあそうでしょう、伊藤コーチ。“横投げ三年下手(へた)八年”って言いますからね」
伊「サマータイムじゃあるまいし、そうそう日の出が早まるもんじゃありませんか」
葛「それに加えて“本格派右腕”のプライドが邪魔してますよね」
伊「まだ、割り切れてないんですかね」
葛「いきなり下手投げとはいかないですから、まずは横手投げの自覚をしっかり持ってもらいたいもんですなあ、遠山コーチ」
遠「えっ、下手投げ……にするんですか?」
葛「ええ、もちろん」
遠「モ・チ・ロ・ンって、そうなんすか?」
伊「彼のため、ボクらのためです」
遠「はぁ?」
葛「筒井も太陽も、いずれ下手投げ投手にと考えています」
伊「横手投げは、あくまで過渡期。それがために遠山コーチの力が必要なんです」
遠「あ、そうだったんですか……」
葛「このことは球団内でもトップシークレット。数人の人間だけしか知りません」
遠「数人というのは誰なんすか?」
伊「そ、それは……」
葛「いや、遠山コーチだけにはお話しましょう。ただし、今日から我々の正式メンバーに入ってもらいますけれど」
遠「え、ええ……」
葛「実はタイガースを“アンダースロー王国”にすることが、我々に与えられたミッションなんです」
伊「そのために僕らはコーチとして呼ばれたんです」
遠「それはいったい誰に……」
葛「球団マネージャの上田次朗部長をトップに、大町課長、御子柴広報を中心とした“秘密結社アンダースローメイソン”です」
伊「ご存知でしょうけど、うちの球団は、その“アンダースローメイソン”がハバを利かせているんです」
遠「言われてみると確かに」
伊「だからこそ、“アンダースローメイソン”がボクらを招聘してくれたんです。いずれボクらがコーチを退任した暁には、“アンダースローメイソン”の手引きで球団管理職の道が待っているという訳です」
遠「すげえ!」
葛「なのでボクらがコーチの間に、一人でも多くのアンダースローを一軍に送り込まなくてはならないんです。ところが近年、スカウト部の連中はアンダースロー投手を正当に評価してくれない。アンダースローの新人をなかなか獲ってくれない」
伊「ならば我々でアンダースロー投手を自前で育てるしかないんです。筒井、太陽に続いて3~4年経っても芽の出ない崖っぷち投手たちを、次々とアンダースロー投手を作り替える計画なんです。杉山、能見、辻本……。聞いた話、球児もあと一年、ブレイクが遅れたらアンダースロー投手になっていたらしいです。いずれ一軍投手枠の半分はアンダースローで固めることが我々の希望です」
遠「その手助けを僕らが……」
葛「そう。我々の手で一日でも早く“アンダースロー王国”を築くんです」
伊「われら“アンダースローメイソン”に栄光あれ!」
遠「……二人ともオカシイんちゃいますか?」

新春いわほかるた (ほ)

2008-02-10 03:54:37 | いわほかるた
iwahokaruta06

ボス憎けりゃ 貴様まで憎い

今、ファンの間で監督、コーチ陣の不人気投票を実施したら、岡田監督に次いで名前があがるのはこの人だろう。

『壊れた信号機』

いつからかファンは彼をそう呼んだ。ホームで憤死する場面を何度も目にするあまり、彼のサードコーチャーとしての資質に疑念が高まっていた。彼の不人気の要因のひとつだ。

でも、不人気の最大の要因は、彼のなんとも自信なさげなその表情にあるような気がして仕方ない。強面でもなく、やさしげでもなく、表情豊かでもない。要するに自信なさげなんだな、これが。まず、そこでファンの信任を損ねてしまっている。
その自信の無さが象徴する自己のカラーの希薄さが、吉竹コーチが他のコーチに抜きんでて岡田色に同化して見える要因だ。なんとも気の毒としか言いようがない。


今シーズン、彼の肩書きは「ヘッドコーチ」だ。これには多くのファンが驚いた。
策士でも参謀でも鬼軍曹でもムードメーカーでもない「ヘッドコーチ」というのも珍しい。
それって存在意義があるんだろうか?

そもそも、岡田監督はヘッドコーチを置くことに必要性を感じないタイプの監督と思われる。
ところが、昨シーズンの終わり、球団が来シーズンの「岡田政権」に突きつけた政権維持の取引条件が「木戸ヘッドコーチ」の入閣であり、それを拒む岡田監督との間で激しい綱引きがあったのではなかろうか。結局、「木戸入閣」を受けいれざるを得ないと判断した岡田監督が、ヘッドコーチのポジションに吉竹を立てることで、かろうじて「木戸ヘッドコーチ」を回避した。というのが私の推測である。

岡田監督と共にファンの不人気を背負わされている吉竹ではあるが、監督、コーチが選手の矢面に立って、批判されているうちはまだ健全だ。ま、いざとなったら監督、コーチはスケープゴートにすればいいのだから。ファンが監督、コーチではなく、選手に矛先を向けだしたら、これはかなりヤバイ。その昔、あまりのダメ虎の不甲斐なさに、ファンも応援団も応援エールをボイコットした時期があった。あの時の怒りは監督、コーチを飛び越えて、闘争心が表に出てこない選手に向けられていた。暗黒時代の終末期だった。

だから、今の成績で岡田はんや吉竹コーチが槍玉にあげられるうちは、私にとってまあまあ幸せな時代ではある。

新春いわほかるた (に)

2008-01-27 23:38:23 | いわほかるた
iwahokaruta05

二回から 胃ぐすり


「つかみはOK!」

とばかりに近頃のテレビは、ドラマも映画もお笑いも、開始早々からハイテンションで盛り上げんとばかり、急ぎ足で「おいしい」場面をてんこ盛りにしようとする。それはまるで食前酒からいきなりメインディッシュの趣だ。「絶叫マシン」的ともいえる。いかにすばやく劇的に、視聴者のアドレナリン分泌を促すかを競うようでもある。でも、それってなんだか作り手や演じ手の猜疑心が垣間見えて仕方ない。彼等は猜疑心で凝り固まっている。常に視聴者はリモコン片手にザッピングしまくる、心変わりの激しい人種に見えて仕方ないのだろう。ある意味、当たっているかもしれないが。

タイガースも、まさか同じ思いなのだろうか。
夜の帳が訪れる前だというのに、わが先発投手がアドレナリンを促してくれる。プレイボールのコールも鳴り止まぬうち、とんぼで綺麗にならされたままのマウンド上では、すでにこの日のゲームを決するかの山場が訪れようとしている。はやくもファンは、キリキリするような緊張感を引き受けなくてはいけなくなる。

クローザーは別にして、普通、後から出てくる投手ほど防御率は悪くなるものだ。ところがタイガースの場合、その常識は覆される。後から出てくる投手ほど、相手打者は打てる気がしなくなる。さすがに五回を過ぎたら、ちょっとやそっとじゃ打てないと観念しているのだろうか。相手打線は仕事をするのなら浅い回のうちだとばかり、先発投手の指(舌)の根も乾かぬうちにタイガースの先発投手に猛然と襲い掛かってくる。ゆえにファンの緊張感は、すでに二回でピークに達するのである。
かくして私は、急ぎ足で職場から自宅にたどり着き、テレビのスイッチを入れた時、山場はとうに過ぎ去って、朽ち果てた兵士の亡骸だけが映し出されたブラウン管に愕然とするのだ。
そして、きまってこうつぶやく。

「よっしゃ、JFKの休息日や!」



野球に小津安二郎映画のような淡々と流れる時空間はそぐわない。でも、せめて薄暮が闇のカーテンに覆われるまでは、小津映画のローアングルで「ちゃぶ台を囲む家族たち」のシーンのような、「ところで君に聞いておきたいんやけど……」で始まる夢路いとし喜味こいしの漫才のような、情感をスポイルしたギターのリフとボーノのボーカルで始まるU2の「With Or Without You」のような、こころ穏やかなフェードインをお願いしたいものだ。
心地よい「フェードアウト」は、間違いなくJFKが約束してくれるのだから。

新春いわほかるた (は)

2008-01-20 19:28:17 | いわほかるた
P1060052

濱から ぼたもち


浜中トレード、オリ平野恵&阿部健と

今オフ、私の「タイガース“サプライズ”ニュース」ベスト3をあげると。


1位 島野さん急逝
2位 浜中、オリックス平野らと2対2のトレード
3位 カープ、人的補償に赤松指名


濱ちゃんのトレードは堂々2位にランクイン。いや、トレード自体はサプライズでもなんでもない。かなりの確率で予想していたもの。サプライズだったのはトレード相手の面子のほう。まさか相手がオリックスの平野恵一とは意外だった。


えっ、オリはホンマにかまへんのん?


私は普段、テレビでパリーグの試合はあまり見ない。だから平野選手をつぶさに見てきたわけではない。それでも交流戦が始まってからは、少しずつ目にする機会が増えていった。その、わずかな機会にキラリと目に止まったパリーグの選手が何人かいて、その中の一人が平野選手だったわけだ。

『小兵ながらクレバーでガッツマンでセンスの塊』

私の好きなのは、こんなタイプの選手だ。過去には真弓あたりが最たる選手。現役では赤星なんかが近いが、今オフ、タイガースのユニフォームを脱ぐことになった上太郎も、このタイプの選手として結構、期待していたのだが、いかんせん彼には“クレバー”さが足りなかった。チームが自分に求めるものをしっかり見極める“クレバー”さが。(嗚呼、上太郎は何処に……)

で、平野選手である。
元は内野手ながら、外野もこなす器用さはセンスあってのこと。
ファールフライを深追いし一塁フェンスに激突して大怪我を負いながら、しかし握った打球を離さないプレーはガッツマンの証。
そして、スカイマークでのファンサービスの練習見学会で、練習終了後の挨拶で「こんな小さな身体のボクを見て、頑張れば自分もプロ野球の選手になれるんじゃないか、と思ってくれているチビッコたちにひとこと言いたいと思います。そんなに甘かねぇぞ!」のエピソードが、クレバーさを浮き彫りにしている。

平野選手がタイガースでどんなパフォーマンスを見せてくれるかが、今から待ち遠しい。
そして、それと同じくらい、パリーグという新天地で濱ちゃんが大暴れしてくれることも願っている。

トレードの効果は損得勘定ではなく、相互メリットであってほしいものだ。

新春いわほかるた (ろ)

2008-01-14 20:38:35 | いわほかるた
P1060052

論より 正田


チーム打率  .255 (12位セ・パ)
チーム得点  518点(12位セ・パ)
チーム本塁打 111本( 6位セリーグ)
チーム三振  1047 (11位セ・パ)
チーム残塁  1093 ( 1位セ・パ)

無残だ。
とりわけ「チーム残塁」セ・パ一位というのが眩しすぎる。この残塁数がファンの歯ぎしりの数に比例している。


原因は何処に?

川藤幸三に尋ねると、『皆、“ワシがどないかせんな……”ちゅう気持ちが強すぎて空回りしてるんですよ』という答えが返ってきそうだ。そりゃそうだ。“どないかしたろ”と思わん選手がいるなら、むしろその顔が見てみたい。“どないかしたろ”の場面で、“どないかできる”ことを「実力」と呼ぶんですよ。“どないかできない”のは、ただただ打撃陣の実力不足。


責任は誰に?

福本豊に尋ねると、『コーチは責められんね。ひとりひとりのコーチは一生懸命やってますよ。ただ、打撃コーチが二人というのは難しいと思うけどね』という答えが返ってきそうだ。その昔、一軍の投手コーチ、打撃コーチは一人だった。それだと40人学級では生徒ひとりひとりに目配りできない、という理屈だろうか。近年、コーチ二人制をとっている。ゆえに責任分担が難しい。以前、広沢コーチが「正田コーチに気を遣って控えてしまうことがある」旨のコメントをしていた。二人制の弱点だ。

私は主張する。
実はタイガースは打撃コーチ三人制である。私は断じてそう思っている。二人制でさえ難しいのに、三人制ではなおの事、役割分担をしっかりやらないと立ち行かない。球団は、この部分にメスを入れずに安易な「正田更迭」で手打ちとしたのではなかろうか。


(ど)んより 正田!

来シーズン、もうベンチによる打撃陣の建て直しは望み薄だ。
残るは個々の選手の自助努力に期待することにしよう。

新春いわほかるた (い) その2

2008-01-05 01:03:38 | いわほかるた
iwahokaruta02

石橋を 球児抜きで 渡る

『星野ジャパン』は野球ファンにとって、今オフ最大のトピックだった。
各球団の一流選手が同じチームで戦う姿はオールスターゲームのようでもあるが、所詮あちらは興行だ。プレーのひとつひとつには気合が入っても、どこかゆるゆるムードが漂っている。

しかしWBCもそうだが、お国を背負って戦うオールスターチームはやはり真剣さが違う。気合も勝気もガチガチだ。特にジャパンの場合、格から言っても「勝って当然」のムードが一層、選手にプレッシャーとしてのしかかる。我、百戦錬磨のベテラン矢野捕手でさえ、出場機会が訪れることに尻込みしたという。そんな重圧を背に結果を出した選手達には、あらためてリスペクトする。

だがしかし、そのジャパンチームを率いるスタッフ陣である。
長嶋、王が退いたあと、誰もがこの人しかいないと思う星野監督である。
そして脇を固めるのが田淵幸一コーチ、山本浩二コーチ、大野豊コーチである。
どっぷり星野一派で固められたスタッフ(大野コーチはNHKつながり)は、確かにネームバリューでオールスターの選手に引けを取らない。
でも、この顔ぶれに不安は感じなかっただろうか?
タイガースファンなら、誰もが薄々感じたんじゃなかろうか?
もしかすると長年のドラゴンズファンも同様かもしれない。
何とはなしの違和感である。

「何か」が違う、「何か」が足りない。

その足りない「何か」は、その後、悲しい知らせと共に白日にさらされた。



「島野前総合特命コーチ急死」



北京オリンピック予選を兼ねた野球アジア選手権の剣が峰といわれた韓国戦。
2点差にリードを広げた8回裏のジャパンの守り。誰もが球児の出番を疑わなかった。しかし、マウンドに上がったのは続投の岩瀬だった。後に星野監督は、あの場面での球児のストレートに対する不安を口にした。いつもは決して弱気な一面を見せない星野さんだが、あの五輪アジア予選では弱気の虫がやたら目に付いた。いつもの選手を叱咤して煽動することに長けている星野さんらしくなかった。正直、タイガースファンからすれば、少なくともあの場面、球児を信頼してマウンドを託して欲しかった。そうすることで、一皮むけた新生球児が生まれるチャンスだった。その経験が北京で、タイガースで球児の真価をいっそう輝かせるはずだったのに。星野監督のその決断は、タイガースSDという以前に、公人のジャパン監督の決断だとしても、決して私には納得できるものとは思えなかった。もはや、タイガースの球児ではなく、日本の球児ではないか?

星野さん自身も島野コーチをジャパンチームに連れて行きたかったと吐露していた。あの言葉は本音なのだろう。「星野野球」は、一方の端に「島野」というバランサーを置くことで安定する。そのことを一番、理解していたのは星野さん自身だったろう。つまりは「星野野球」の実体は「星野・島野野球」だったんだと思う。

もしも韓国戦のあのシーン、星野監督の傍らに島野コーチが控えていたのなら、怖気づく星野監督に「球児投入」を進言していたのではなかったか?星野の弱気に電気ショックを与え、星野を鼓舞していたのではなかろうか?であるとするなら、あのシーン、『石橋を球児抜きでは渡らなかった』かもしれない。そう思えて仕方ない。あくまで「たられば」の話だけれど。

その実、星野監督は見かけとは真逆に「弱気」な人なのかもしれない。島野ヘッドの触媒こそが、その「弱気」を「強気」に作り替える役割を担っていたのかもしれない。韓国戦で垣間見せた星野の弱気は、「島野」という触媒を失ったことの証明である気がして仕方ない。

「島野抜き」の、次なる星野ジャパンの行方が心配だ。

新春いわほかるた (い)

2008-01-03 23:26:12 | いわほかるた

2008年 明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願い申し上げます。



今年のタイガースの健闘を祈念して、「いわほかるた」シリーズ。
第一弾。

P1060052

いのち短し 鯉出よ 新井

今オフ、カープの新井がFA権を行使してタイガース入りしたことで、カープファン、タイガースファンの間に大きな波紋と動揺が広がった。
古巣のカープファンは新井の決断を裏切り行為と断罪し、次々とカープの主力を引き抜く「タイガースマネー」に不快感をあらわにする。
受け入れる側のタイガースファンにも動揺が走る。金本、シーツ、新井と、この5年間で立て続けにクリーンアップを引き抜いた行為に対する罪悪感めいたものが渦巻く。かつて、「金満ジャイアンツ」に異を唱えることがタイガースファンの証だと信じてきただけに。

でも、新井を取り巻くこれらの環境が、FA権の権利行使に対する向かい風となり、忌々しい雑音を生んだことは、彼にとって不幸だったにちがいない。カープファンにすれば、手塩に掛けて育てた「箱入り娘」が、成人した途端、恋人(金本)を慕って駆け落ちされた気持ちなのかもしれない。あるいは黒田のように、一年にわたって逡巡する姿を見せてほしかったのかもしれない。きっと逆の立場ならば、タイガースファンとて同じ感情を抱いてもおかしくなかろう。
しかし、その感情を新井にぶつけること自体、お門違いではなかろうか?

プロ野球選手を労働者、球団を雇用者と見立てた場合、労働者の権利をこれほど蹂躙した労使関係を私は知らない。それほどにプロ野球選手の場合、労働者の権利が制限されている。確かに「プロ野球」という職業が特殊が技能者のみ、従事できる特殊な世界であるには違いないが。
しかし、だからといって選手の権利がないがしろにされてよいはずもない。選手と球団の労使間にはMLBの『団体労働協約』に相当するものが存在しないため、選手は球団に個別の選手契約書のみで縛られてしまっている。そりゃもう球団の思惑ひとつで、どんな権利の制約も可能である。ドラフトで指名されて有頂天の選手にとって、選手契約書の中身など知ろうはずもない。ちなみにMLBは1968年、選手側の粘り強い交渉の末、『団体労働協約』を締結することに成功している。この『団体労働協約』という枠組みによって、ある程度の権利が保障されている。

ゆえにNPBのプロ野球選手にとって、FA権は唯一無二の貴重な権利である。
新井にとってもFA権は、彼のプロ野球人生で、わずか一、二度しか巡ってこない「チャンスカード」の切り札である。その権利を正当な方法で取得して、真摯な交渉をした結果、至った結論を、カープファンもタイガースファンも重く受け止めてやってもいいんじゃないか。あくまで問われるべきは両球団の品格でありビジョンだ。FA権を行使する選手に向けてはいけない。ポスティング制度というまやかしは許さないが、FA制度は断固、私は支持するぞ。その権利を支持する以上、タイガースの選手が権利を行使して移籍する決断を受け入れる覚悟はできているつもりだ。

新井よ、胸を張って甲子園の、そして広島のグラウンドで暴れまわってくれ!


そして球児よ、FA権を取得して正々堂々とメジャーに羽ばたいてくれないか。