THE READING JOURNAL

読書日誌と雑文

「頭の中で生きている人々--失調型パーソナリティ障害」

2006-04-02 | Weblog
「パーソナリティ障害」 岡田尊司 著

第 II 部 パーソナリティ障害のタイプと対処 第八章 頭の中で生きている人々--失調型パーソナリティ障害

今日のところは、「失調型(スキゾタイバル)パーソナリティ障害」について。

[特徴と背景]
失調型(スキゾタイバル)パーソナリティ障害の特徴は、

頭の中で生きているという事である。奇妙でユニークな思考や直感が常に生活や行動に影響を及ぼしている。

これらの人たちの思考や直感は、独特で常識を超越しているため、しばしば、変人扱いされることがある。
失調型(スキゾタイバル)パーソナリティ障害は、他のパーソナリティ障害と違い、幼児期の問題が関わっているのではない。

失調型(スキゾタイバル)パーソナリティ障害は、統合失調症に近い、あるいは同じ遺伝 的素質を持ちながら、環境的因子や発病を抑制する他の素因によって、統合失調症を発病していない状態と考えるのが一般的である。したがって、他のパーソナ リティ障害と異なり、遺伝的要因の関与が比較的大きいといえる。

彼らは、どことなく異性人のような浮世離れした雰囲気をもち、服装などの外面的なことは頓着しない。ライフスタイルもマイペースである。

常識的な思考に囚われず、また直感にすぐれていることから、学者や研究者として画期的な業績をあげることもある。研究者、アーティスト、企画の仕事、精神科医、宗教家、占い師、霊能者などで活躍する人にこのタイプのパーソナリティを持つ人も多い。
しかし、これが障害のレベルになると、自己の主観的で、独り善がりな世界に埋没し、変人扱いされる事になる。

[接し方のコツ]
このタイプの人は、人と付き合うことが苦手で、空想的なことに興味を持ち、現実的なことが苦手である。しかし、

いくら身近なことを、きちんとやれと口を酸っぱくして説いても、なかなか改善は、望み難い。できないところばかりに目を向けても、本人の能力を引き出すことにはつながらない。いっそのこと、そういう難点は目をつむって、得意な面に目を向けるほうが生産的である。

つまり、このタイプの人の発想をうまく活かしてやることである。
このタイプの人はキチンと評価をすればすぐれた仕事をやってのける。しかし、とても繊細で敏感な所があるので、本人のペースを無視してプレッシャーを与えると結果が出せないばかりか壊れてしまう。プレッシャーよりも前向きな評価が大切である。

現実的な対処が不得手であるので、このタイプの人にはコーディネーター役の人が大切になる。

[克服のポイント]
まず、身近な事を有る程度こなせないとせっかく斬新なアイデアも現実の物にすることが出来ないので、日常的なこと現実的なことも積極的にやるようにしたい、園芸や料理、ペットの飼育、メンタルな要素の強いスポーツなどの趣味も抽象的なことへのバランスをとることとなる。
また、他人と協調して何かをすることが苦手であるから、日頃から、周囲の人の気持ちにも目を向けてコミュニケーションをとるようにしたい。

このタイプの人は、人生で一度か二度大きな危機を迎える。それは、発病の危機である。
その危機を乗り越えると、人生が開けてくる事が多い。
そのような危機を乗り越えるためには、
  1. 創作や自分を表現する事
  2. 引きこもる事
  3. 生き方を変える事
などがある、完全に引きこもるとイロイロは弊害があるが、社会とのつながりを最小限にすることが破綻を防ぐ。
また、人間関係が濃厚になってしまった場所を捨てて他に移ることも好都合な事が多い。



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1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
13年も前 (まりい)
2019-11-19 23:08:11
ずいぶん昔の記事にコメントしてすみません。
これはアスペルガーとADHDの併発症状と似ていると思うのですが。
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