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【実録】会計事務所(公認会計士・税理士)の経理・税金・経営相談

大阪市北区の築山公認会計士事務所(築山哲税理士事務所)です。
身近な疑問の解説と役立つ情報の提供をさせていただきます。

固定資産の計上基準(少額減価償却資産)の変遷

2007-11-01 15:47:25 | 勘定科目と仕訳
建物、機械、車両、備品などは固定資産としてその取得価額を資産に計上し、減価償却することによって複数の事業年度の費用としなければなりません。つまり、購入した事業年度にその購入価額(取得価額)の全額が費用とはならないということです。
しかし、すべての固定資産が減価償却の対象になるのではなく、一定の金額に満たない場合(少額減価償却資産)は購入価額(取得価額)の全額を購入した事業年度の費用とすることができます。

この一定の金額に満たない場合の「その金額の基準」はめまぐるしく改正されており、処理に迷うことがあります。そこで、ここ30年間ほどの変遷をまとめてみます。

【昭和49年】
5万円未満から10万円未満に引き上げられる。
【平成元年】
10万円未満から20万円未満に引き上げられる。
【平成10年】
20万円未満から10万円未満に引き下げられる。★
ただし、10万円以上20万円未満については、「一括償却」といって3年間で償却するという新たな減価償却の方法が設けられる。★
【平成15年】
中小企業者等(要件にご注意ください)が30万円未満で購入した場合には、全額を購入した事業年度の費用とすることができるようになる。
【平成18年】
中小企業者等が30万円未満で購入した場合には、全額を購入した事業年度の費用とすることができるが、「購入した複数の資産の取得価額の合計」が300万円未満という限度額が設けられるようになった(平成20年3月31日までに購入した場合に限られる)。★

現行の基準は、「★」です。
10万円、20万円、30万円、300万円と、ややこしいです!

「元」経理担当者に教えてもらう場合には、いつ頃に経理担当者をしていたかに注意する必要があります(笑)。

■10、20、30万円未満を判定する単位
資産として機能する単位で判定します。例えば、パソコンならば一台で判定します。しかし、判定の単位を決めるのが難しい場合もあります。