会計ソフトを使い始めた当初、多くの人が戸惑うことのひとつが給料に関する仕訳です。交通機関の運賃(交通費)、携帯電話料金(通信費)、取引先との飲食代金(交際費)のように、出金額がそのまま勘定科目に直結しません。そこには、簿記独特の考え方と給与関連の事務手続に対する理解が必要とされます。
◆給料の支払いを簿記の要素に当てはめる
簿記においては取引を次の要素に分類して仕訳をします。
「資産」「負債」「資本(純資産)」「収益」「費用」
あらゆる取引はこれらの内のどれかに当てはめなければなりません(当てはまります)。
100万円の給料から源泉所得税2万円、住民税2万円、健康・厚生年金保険料5万円、雇用保険料1万円の合計10万円を差し引いた(徴収した、天引きした)90万円を普通預金から支払ったとします。
普通預金の出金額90万円が「資産の減少」であることは容易に理解できます。
「給料という費用」がいくらになるかを悩む人がいます。正解は100万円です。源泉所得税など10万円は「預り金という負債」なのです。源泉所得税などは給料を支払う雇用者(会社や個人事業者)が、給料を受け取る従業員などから「預かって」、後に税務署などに支払う「負債」なのです。
仕訳は次のとおりです。
≪借方≫給料(費用)100≪貸方≫普通預金(資産)90、預り金(負債)10
◆給与台帳(仕訳の基資料)
仕訳をするためには基資料が必要ですが、給料の仕訳に関しては給与台帳が必要です。給与台帳とは、給料を受け取る者ごとに作成する、毎月の給料や臨時の賞与の総額と控除(徴収、天引き)項目(源泉所得税など)を記録した書類です。
給料の支払いを全員分一括して振り込んでいる場合には、仕訳も全員分を一括してしますので、給与台帳も全員分合計したものを作成しておくと便利です。給与計算ソフトを利用している場合には全員分合計も作成されます。
◆預り金には「続きの仕訳」がある
給料の仕訳の「預り金」には「続き」があります。
〇源泉所得税と住民税
源泉所得税と住民税はそのままの金額を納付しなければなりません。税金を納付すれば、給料を支払った際に仕訳した預り金が消えます。
仕訳は次のとおりです(現金で払ったとします)。数値は上記の例のとおりです。
≪借方≫預り金4(2+2)≪貸方≫現金4
〇健康・厚生年金保険料と雇用保険料
健康・厚生年金保険料と雇用保険料はそれぞれの納付額から、従業員などの負担額である預り金を減額して雇用者負担額(費用)を計算しなければなりません。
数値は上記の例のとおりで、健康・厚生年金保険料10万円を納付する際に次の仕訳をします(普通預金から納付したとします)。
≪借方≫法定福利費10≪貸方≫普通預金10
≪借方≫預り金5≪貸方≫法定福利費5
雇用者負担額(費用)は、納付額10万円-給料から徴収した(預り金)5万円=5万円になります。
通常は2つの仕訳を一括して次のように仕訳します。
≪借方≫法定福利費5、預り金5≪貸方≫普通預金10
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★ボーナスの勘定科目
給料ではなく「賞与」などの勘定科目で処理することが一般的です。
★役員、従業員、パート・アルバイトの勘定科目
支給総額について、役員のみ「役員報酬」という勘定科目で処理することが一般的です。パート・アルバイトについては「雑給」で処理することがあります。
★通勤手当は旅費交通費勘定で処理
通勤手当は労働の対価である給料とは性格が異なるので、「旅費交通費」で処理することが一般的です。
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≪ご注意≫文中の仕訳は便宜上「万円単位」でしておりますが、実際には円単位でしなければなりません。
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◆給料の支払いを簿記の要素に当てはめる
簿記においては取引を次の要素に分類して仕訳をします。
「資産」「負債」「資本(純資産)」「収益」「費用」
あらゆる取引はこれらの内のどれかに当てはめなければなりません(当てはまります)。
100万円の給料から源泉所得税2万円、住民税2万円、健康・厚生年金保険料5万円、雇用保険料1万円の合計10万円を差し引いた(徴収した、天引きした)90万円を普通預金から支払ったとします。
普通預金の出金額90万円が「資産の減少」であることは容易に理解できます。
「給料という費用」がいくらになるかを悩む人がいます。正解は100万円です。源泉所得税など10万円は「預り金という負債」なのです。源泉所得税などは給料を支払う雇用者(会社や個人事業者)が、給料を受け取る従業員などから「預かって」、後に税務署などに支払う「負債」なのです。
仕訳は次のとおりです。
≪借方≫給料(費用)100≪貸方≫普通預金(資産)90、預り金(負債)10
◆給与台帳(仕訳の基資料)
仕訳をするためには基資料が必要ですが、給料の仕訳に関しては給与台帳が必要です。給与台帳とは、給料を受け取る者ごとに作成する、毎月の給料や臨時の賞与の総額と控除(徴収、天引き)項目(源泉所得税など)を記録した書類です。
給料の支払いを全員分一括して振り込んでいる場合には、仕訳も全員分を一括してしますので、給与台帳も全員分合計したものを作成しておくと便利です。給与計算ソフトを利用している場合には全員分合計も作成されます。
◆預り金には「続きの仕訳」がある
給料の仕訳の「預り金」には「続き」があります。
〇源泉所得税と住民税
源泉所得税と住民税はそのままの金額を納付しなければなりません。税金を納付すれば、給料を支払った際に仕訳した預り金が消えます。
仕訳は次のとおりです(現金で払ったとします)。数値は上記の例のとおりです。
≪借方≫預り金4(2+2)≪貸方≫現金4
〇健康・厚生年金保険料と雇用保険料
健康・厚生年金保険料と雇用保険料はそれぞれの納付額から、従業員などの負担額である預り金を減額して雇用者負担額(費用)を計算しなければなりません。
数値は上記の例のとおりで、健康・厚生年金保険料10万円を納付する際に次の仕訳をします(普通預金から納付したとします)。
≪借方≫法定福利費10≪貸方≫普通預金10
≪借方≫預り金5≪貸方≫法定福利費5
雇用者負担額(費用)は、納付額10万円-給料から徴収した(預り金)5万円=5万円になります。
通常は2つの仕訳を一括して次のように仕訳します。
≪借方≫法定福利費5、預り金5≪貸方≫普通預金10
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★ボーナスの勘定科目
給料ではなく「賞与」などの勘定科目で処理することが一般的です。
★役員、従業員、パート・アルバイトの勘定科目
支給総額について、役員のみ「役員報酬」という勘定科目で処理することが一般的です。パート・アルバイトについては「雑給」で処理することがあります。
★通勤手当は旅費交通費勘定で処理
通勤手当は労働の対価である給料とは性格が異なるので、「旅費交通費」で処理することが一般的です。
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≪ご注意≫文中の仕訳は便宜上「万円単位」でしておりますが、実際には円単位でしなければなりません。
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