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【実録】会計事務所(公認会計士・税理士)の経理・税金・経営相談

大阪市北区の築山公認会計士事務所(築山哲税理士事務所)です。
身近な疑問の解説と役立つ情報の提供をさせていただきます。

源泉所得税を「納付」した場合の勘定科目(租税公課=費用?)

2009-10-20 17:00:00 | 勘定科目と仕訳
理解できている人にとっては当たり前のことですが、理解できていない人は確実に理解しておく必要があります。特に、会計ソフトを購入し自身で経理処理をしている場合には、このことは複式簿記の第一歩といえるほど重要なことです。

★給料から源泉所得税を徴収した場合の仕訳は次のとおりです。

給料の総額は100、源泉所得税は5、手取りは95とします。また、源泉所得税以外に天引きはないとします。

≪借方≫給料100
≪貸方≫現金あるいは預金95+預り金5

出納帳形式で入力する場合には、出金欄(引出欄)に相手勘定科目を給料として100、入金欄(預入欄)に相手勘定科目を預り金5として入力します。

★源泉所得税を納付した場合の仕訳は次のとおりです。

≪借方≫預り金5
≪貸方≫現金あるいは預金5

出納帳形式で入力する場合には、出金欄(引出欄)に相手勘定科目を預り金として5と入力します。

★源泉所得税は誰の負担か?

このことを認識することが非常に大切です。源泉所得税は給料の支払いを受ける従業員が負担するものであり、事業主(会社と個人事業者)はこれを預っているだけです。ですから、源泉所得税を納付しても(支払っても)事業主に負担は生じず、したがって費用にもならないということです。

★費用としての給料の金額

費用としての給料の額は源泉徴収をする前の金額となります。上記の例では100です。給料を支払ったときには95の出金しかなく、従業員も95しか受け取っていません。しかし、源泉徴収した5は後に事業主が従業員に代わって納めますので、従業員としては100受け取った後に5は事業主に代わりに納めてもらうことになります。

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●「慣れ」と「真似」しかありません。
複式簿記の習得に挫折する人は非常に多いです。挫折する人の共通点の一つとして「理屈で考えすぎる」ということが挙げられます。複式簿記はいわば「言語」なのですから、とにかく覚えるしかありません。訳が分からないまま覚えているうちに少しずつ分かってくる、それが複式簿記というものなのです。