2008 No.9 5/25~6/4
作者:宮部みゆき(文春文庫)
評価・・・★★★★ 4.0
最近、偶然にも2文字タイトルの作品が続いてます
悪い意味ではなく、宮部さんの作品にしては“後味が悪い”作品でした。
大企業の会長の娘婿で、その大企業の広報誌作成を担当している主人公が、不幸にも自転車にひき逃げされた父親の本を作りたいという娘達の依頼により、亡くなった男性の過去をたどっていくうちに、亡くなった男性の意外な過去とひき逃げ犯の正体が明らかになっていく・・・というあらすじなのですが、最も意外性のあったのは、ある登場人物2人の間に隠されていた暗い感情というかなんというか・・・それをずばり書いちゃうと思いっきりネタばれになるので書けません[E:bearing]途中で何となく予想していたものの、ラスト近くでその事実が明らかにされると、私には亡くなった男性の過去なんか吹っ飛んじゃうくらいの衝撃でした。
宮部さんの作品では、私の中では『模倣犯』に次ぐ“後味の悪い”というか、“毒のある”作品だったかも。