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『悪の教典』

2012-10-23 01:06:15 | 読書
No.15  10/19~10/21

作者:貴志祐介(文春文庫)

評価・・・★★★★★★  5.0


★5をつけるのがためらわれるほど、陰惨な事件が起こる作品です。
11月10日(土)には伊藤英明さん主演で映画が公開されます。その原作ですが、怖かった!

作者の初期の頃の作品『黒い家』も相当怖かったけど、こちらは殺人者の心理を丁寧に描いているところが怖かった。なんせ、そいつは全く罪悪感もなく、まるで蚊をパチンとやるくらいの感覚で、次々に人を死に追いやっていくのだから・・・

『黒い家』は金めあてに保険金殺人を次々に行う殺人者が登場しましたが、こちらはそういう欲望とは別の理由から次々に人に手をかける…
ただ自分の思うように自由に生きるための手段の一つとして、その選択が最良である場合はなんの躊躇もなく殺人を選択できてしまうという人物が殺人者。この作品のメインの事件の前にも、数十人を手にかけたとサラリとほのめかされて(そしてその中のいくつかの殺人は回想として詳しく描かれます)、それだけで十分コワイ。
そいつにとって、人の感情というものは、自分が社会から浮かずに生活していくためと、周囲の人々を思うようにコントロールするためのツールでしかない。まれに、死んでしまった人に対して“同情した”とか感じたように書かれてたけど、きっと「こういうときは同情するものだ」と学習した結果、そう感じたフリをしているだけなんでしょ!?口先だけでしょ!?と、とても信じられなかった。
あと、何気なく出てきたブレイクダンスのエピソードが、後になって恐ろしい形で登場してきて、鳥肌ものでした。彼が身につけたスキルはなんでもかんでも●●に結びついているのかと…

共感性が欠如したがゆえの生まれついての殺人者…
こういう人物は現実にいてほしくない!!!!!!!!



解説は、映画化作品で監督を務める三池崇史監督によるものですが、タイトルからして「ちょっと…」って眉をひそめるようなもので、内容も(わざと狙って書いているのでしょうが)かなり不快に感じてしまいました・・・
映画は見る気がしないですね。小説だけでも十分怖いから、映画を見たらマジで気分悪くなりそうです


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