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『日暮らし』

2009-05-03 23:05:56 | 読書
2009 No.15  4/19~5/3

作者:宮部みゆき(講談社文庫)

評価・・・★★★☆ 3.5

時代小説です。『ぼんくら』の続編にあたります。
しかも、前作の登場人物たちやその背景が濃密に絡み込んでくるため、前作を読んでいないとかなりつらいかも。
私は登場人物になんとなく覚えはあるものの、前作の内容は全くと言ってもいいくらい覚えていないため、本来のおもしろさが激減してしまったような気がする・・・
まだ両方とも未読の場合は、ぜひ立て続けにお読みになることをお薦めします。

上・中・下巻と3分冊になっていて、長い! でも大長編というほどでもなく、2分冊で十分なんじゃ、というくらいの長さ。
最初は連作短編集なのかと思うような短編構成だったのが、途中で表題作の『日暮らし』の長い章が入ってきます。前半の短編作品群の方が良かったなぁ。この前半があるからこそ、後半『日暮らし』につながりおもしろいのですが。

今回はちょっと宮部さんの時代小説作品にしては、どうしようもない人間の業や、心の深い闇、というようなものがたくさん描かれていました。
でも、相変わらず中心人物たちは皆いい人もしくは馬鹿のつくほどお人好しばっかり。(いい人ばかり出てくるとイラッときてしまう最近の私…)

湊屋の長男や次男の設定なんてなくてもいいような気もしましたが、この人達を巻き込んだ続編の構成でもあったのかな? 
平四郎のセリフではないですが、これ以上、湊屋の家庭の事情に振り回されるのはご勘弁!という気持ちです

今回、「自身番」がどういう組織なのかということが良くわかったのは収穫でした。

最近宮部作品を読むたびに感じるのですが、あんまり凄惨な事件を描いた作品もつらいけど、もっと毒のある宮部作品が読みたいです。
『火車』『龍は眠る』を読んだときに感じた「あなたに一生ついて行きます!」というような思いが沸き立つ作品をお待ちしています。
 


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