2008 No.5 4/23~5/5
作者:浅田次郎(講談社文庫)
評価・・・★★★☆ 3.5
「読みかけの本を読破する!」という連休中の目標が1つクリアできました。
中盤あたりで、一時は読むのを投げ出そうかとも思ったのですが、後半はおもしろく読めました。
地下鉄を介して、またあるときは夢の中で、現在と過去を行き来して・・・というファンタジー色の強い作品です。
一方、戦前・戦時中・戦争終了直後・東京オリンピックの時代を知っている読者にとっては、この物語は非常にノスタルジーを感じさせる作品だったんでしょうね。
私としては、主人公と恋人(実際には愛人)みち子の関係よりも、父親と亡くなった兄との関係の行方が気になるところでしたが、まさか終盤が近づくにつれてみち子があんなに深くストーリーに絡んでくるとは思いませんでした。
「すべてうまく収まって大団円♪」とならないところが大人テイストなのかもしれませんが、わたし的にこの作品には大甘でもハッピーエンドで終わってほしかったなぁ。