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中島ブラザーズ ”弟”の「外で遊ぼう!」

近頃は日本海で、ヒラマサを追ってばかり。よって磯釣りや渓流釣りは休止状態ですが…。

スタートを切れず、ロッド・リビルド

2025-04-26 12:30:00 | 船釣りタックル&仕掛、戦略他
 出来過ぎだった2023~2024年の白石グリの、春ヒラマサの釣果が一転して、今春以来パッとせず、煮えきらない感のままで釣果が停滞している。
 4月の半ばに入ってから、小マサの釣果は主に中浜方面で出ているそうだが、「小マサの数釣りは…?。」なので、いつもならソワソワしながら各船の空き状況を確認しているこの時期であっても、家でどっしり座ったままになっていた。

 とは言え、釣りに関わっていないとストレスが溜まるので、以前にクエ釣り用ロッドで紹介した「ロッド・リビルド」で時を過ごしていた。
 前回のクエ用に続いて、今回は完全フカセ用の制作に入ったのだが、まずはベースになるロッド探しから入った。

■ベイリア完全フカセ■

 以前にも何度か触れたが、完全フカセ専用用ロッドは絶滅して久しい。2大メーカーだと、シマノはリアランサー・シリーズで、ダイワはリーオマスター・シリーズでラストになるが、2本共にHタイプの所有歴がある。内、リーオマスーは手放していて、リアランサーは現在でも8号ハリス装着時に使用中だが、もう少し胴に張りが欲しいと思っていた。
 中古市場を色々と物色している内に思いついたのが、リアランサーの一つ前のモデルでベイリア・完全フカセ H300というロッドだった。

●ベイリア・完全フカセ H300●

 リアランサーとの相違点は、先径は同じだが、元径が2.6mm太く、重量が35g重い。この差の意味と、年を追うごとに胴にかかるロッドが多くなったシマノ船竿の傾向から、「一つ旧モデルなら、恐らく胴の張りはあるはず。」と予想していた。しかもカラーが赤系でリールとのコーディネートもぴったりである事から、これに的を絞り、幸いにも今春、入手するに至った。因みに中古相場は¥10,000前後で、かなりこなれていた。

 入手後に新旧2点を手に取って比較したが、ベイリアは元部のガイドが一つ少なく、リールシートから10cm遠い位置に取り付けられている。これは胴の張りがある証しで、実際の曲げ込みテストでも実証されたので狙い通りだった。

●上=ベイリア、下=リアランサー●

■パーツ選び■

 今回はリビルドが前提なので、次いでパーツの購入に入った。交換してグレードアップさせるのはリールシートとバット・エンドなので、ロッド・パーツ販売では大手のイシグロさん他の通販でALPS社のアルミ・リールシート(CAH-17PG)と、AFTCO(アフコ)社のアルミ・ギンバル(#2)を入手した。

●ALPS社のCAHリールシート●
●AFTCO社のアルミ・ギンバル●

 バットエンドをギンバル仕様にした理由は、デカアテが装着可能になる事だ。魚が斜め沖から上がって来る完全フカセでは、脇挟みではなく、竿尻を骨盤に当てるのがやりとりの基本なので、ボクの場合は基本的に装着出来る方が有り難いからだ。

●デカアテ●

■リビルド開始■

 まずは既存のリールシートグラインダーで割れ目を入れて除去。

●削り過ぎに注意●

●マイナスドライバーでこじる●

●バラバラに●
 次いでEVAグリップをカッターで削ぎ落とす。

●極力ブランクスを削らないように●

 アルミリールシートは径が太くなるとシート全体が太くなって、ロッドの径とのバランスが悪くなるので、ロッド径に合った17サイズを購入したが、そのままでは内径が合わないので、バットを切断してカーボンパイプで繋ぐ方法を採用した。

●フォアグリップの直前でカット●

●ここにリールシートが入る●

 各部の内外径に差があって、そのままではガタが出るので、調整に入る。

●カーボンパイプをtesaテープで嵩上げ●

 全てノガタが取れたら、カーボンパイプ部にリールシートを通した後にエポキシ接着剤で固定する。

 次いでグリップの制作に入る。バットの経にあった内径のストレート・グリップが発売されているので、それを購入した。

●ジャストエースのEVAグリップ●

 成形法は、カッターで荒削りした後にサンドペーパーの240番を使用して、手のひらで回しながら削る。作業は以外に簡単で、1個あたり10分もあれば整形が完了する。
 今回はフォアグリップはそのままなので、リールシートの後端部とギンバルの前端部に通すグリップを制作した。


●左がリールシート側、右がギンバル側●

 最後に別途購入したアルミ製の飾りリング=ワインディングチェックを入れつつバット部の全てのパーツを通しながらエポキシ接着剤で固定する。

●補強を兼ねたクランプ固定部の飾り巻き● 


●ギンバル部●

 リールシート直後のグリップは短めにした方が、リールがロッドキーパーの前受部に触れなくなるのでオススメだ。(ノーマル状態では必ずリールが擦れる。)

●リールがロッドキーパーに当たらない長さ●

 飾り巻きのスレッドを入れてコーティング剤で固める場合はフィニッシング・モーター等の専用器具が必要になるが、それ以外は基本的にエポキシ接着剤で事足りる。
 投資金額は¥7,000ほど。ロッドの金額に迫る額だが、オリジナル(風?)を手に入れた喜びは大きい。


●トータルコーディネート!●

 完成したロッドをを眺めつつ、「大マサゲット!」を夢見ているが、それは次回以降の話。果たしてこのロッドを曲げこむヤツに遭遇出来るだろうか?。次回から春のヒラマサチャレンジ・レポートが始まる。
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始動の前に ~その2

2025-03-22 12:30:00 | 船釣りタックル&仕掛、戦略他
■折れたクエ用ロッド■

 クエ用ロッドの穂先をこれまでにボクは2度も折っている。「タフなロッドがなぜ?」と思うかも知れないが、1本目は手巻きリールの使用時に起こった。これはトップガイドにリーダーの結び目が何度もぶつかる内に、衝撃が金属疲労的に蓄積してあっさりと折れてしまった。
 2本目は電動リールで仕掛けを回収した際に起こった。いつもならリーダーがトップガイドに入る前の位置で0設定をするのを、怠っていたためだ。

 ラインとリーダーをボクは「なるべくコンパクトに」と心がけて、そうなるようにPRノットで接続している。だがそれが、しばらくの間、スムースにトップガイドを通過していたハズなのに、突然引っかかる事がある。それは恐らくロッドの、トップガイドの口径が8mmだった事が原因だと思われる。
 だからメーカーさんには「クエ釣りユースを想定しているのなら、口径が10mm以上のトップガイドを採用して欲しい。」と伝えたい。
 だが、僕の場合は後述するように、過去にロッド制作を何度も経験しているので、原価の安いグラスのブランクスで作られたロッドが高価な事には納得出来ず、クエ用ロッドに関しては「中古を含めて5万円以下しか投資しない」と決めているから、トップガイドの仕様までは選べないのが現実だ。だから、「現場で気をつける。」しか対策はないのだが…。

 折れたロッドはワンピース構造なので、再生は難しい。それでも1本目は折れた位置がトップガイドと1番ガイドの中間だったので、調子は硬くなってしまうが、いちばん簡単な、「1番ガイドの位置にトップガイドを装着して」という方法で再生した。

●補修した穂先●

 だが、2本目は派手に折れたので再生は不可となって放置していた。

●折れたゼニス製ロッド●


■ロッド・リビルド■

 「ZEALOT NEW スタンディングファイター パワー15-190 」という、「わずか¥10000台前半の投資で済むクエ(スタンディング)用ロッド!」というのがあって、ボクもクエ釣りチャレンジの初期に予備竿として購入していた。

●NEW スタンディングファイター15●

 パーツ類も殆どが信頼性の高いFuji製品であるし、勿論謳い文句通りに、そのままでも使用できるのだが、各スペックはそれ相応になる。
 例えばガイドリングはSiCではないタイプがシングルラッピングで装着されいるし、リールシートもエンジニアプラスチック製のDPSタイプが装着されている。
 また、ブランクスは総巻仕上げされておらず、直接塗装タイプになる。だが、調べたところ、「総巻は強度アップには関係せず、反発スピードの低減に関わる」そうだから、折れに対する心配が不要なのは有り難いが…。
 これらは廉価版のため、仕方のない選択だと思うが、一番の気がかりは190cmという長さだ。その長さだと大型クエを相手に手持ちでは厳しそうなので、ほとんど使用する事なく今日に至っていた。

 しかし、いつまでも折れたり使用頻度が低かったりのロッドを放置するワケにもいかなかった。そこで今冬のシーズンオフに、このスタンディングファイターに折れた2本目に装着されていたSiCガイド他の上級パーツを移植し、ついでに後端から10cm縮めてやる事を思いつき、久しぶりのロッド・ビルド、ではなくリビルドを開始した。

 ロッド制作自体は約30年前にバスロッドの制作に凝っていた頃に何度も経験があって、その時に使用していたフィニッシング・モーター
https://www.fujitackle.com/plus/tools/rod_craft_tools/
や、スレッド等も揃っていた。

●スレッド類●

 作業自体は単純なので、順調に進んでいったが、一番困難だったのはアルミリールシートやサポートパイプ(ロッド・キーパー用のクランプを装着する部分)をバット・ブランクから抜くところだった。何しろロッドパーツ外しの王道である「ライターやヒートガンで熱して」は全く通用せず、結局はアウトドア用のバーナーで炙る事でようやく取り外しに成功した次第だった。

●取り外しに苦労したアルミパーツ類●

 制作手順についての詳しい動画はジャストエースさんの動画
や、イシグロさんのサイト
https://shop.ishiguro-gr.com/Page/movie_parts.aspx
が詳しいので、そちらに譲るが、多少の素人細工感は漂うものの、そこそこ満足の行く結果となったので、今秋の投入が楽しみだ。

●制作したスタンディングファイター改●

●ガイドはダブルラッピングで装着●

 ここまでやっての投資額は¥3000ほど。もちろん元々のロッドの経費は含まれていないが、1軍ロッドがもう1本増えた事は「いざ」という時に助かるのは確かだ。

 そんなこんなで2週にわたって、シーズンオフの出来事を綴ったが、3月も半ばを過ぎ、そろそろ実釣が始動する。差し当たっては完全フカセでヒラマサやメダイを狙って舞鶴方面に出撃するが、今シーズンはどんな展開が待ち構えているのか?。ワクワク・ソワソワな今日このごろなのだ。


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始動の前に ~その1

2025-03-15 12:30:00 | 船釣りタックル&仕掛、戦略他
■冬ごもりの間に■

 2ヶ月半にわたった冬ごもりの時期には、例年通りに8~12号の完全フカセ用(6m✕2本バリ)の仕掛を50本程度制作し、道具の補修や整備、補充を行っていた。

■グリップテープ・チューン(?)■

 完全フカセ用のロッドについては、近頃はダイワ・マッドバイパー・スティング265Mがハリス10号以上、シマノ・リアランサー完全フカセH300もしくはダイワ・ゴウイン青物M-260他をハリス8号で併用中なのだが、いずれも、ロッドのグリップはEVA製なので、オキアミにまみれた手で握っていると、そんなに酷使していなくても、テカテカになって滑るようになる。それが気持ち悪いので数年前から、いわゆる「グリップテープ」を巻くようになっている。
 グリップテープの効果は絶大で、雨が降ろうが、オキアミの汁が付こうが「手に吸い付くような感覚」が味わえる。

●スティング(上)、リアランサー(下)●

 グリップテープには種類があるが、テニス&バトミントン用と釣具用に素材等の違いを見つけることは難しい。そもそも共用としているメーカーも有るほどなので、専用品を探す必要はないと思う。中には抗菌タイプも販売されているが、それは何故か釣具用ではなく、テニス&バトミントン用に存在する。

●GOSENの抗菌タイプ●

 形状は数タイプあって、一枚物のプレーンなタイプと中芯が入っていて卷くと中央が膨らんでより力を込め易いコブ入り(太~細あり)とが存在する。
 また、表面処理は主に、ツルっとした平面なタイプと、細かな穴が空いたメッシュ・タイプとに分かれている。
 形状の選択は個人の好みになるが、ボクの場合は最近、細目のコブ・メッシュタイプを使用する機会が増えている。

●コブメッシュ·タイプ●

 カラーについてはテニス&バトミントン用では種類が豊富なのだが、単色展開が多い。

●単色の赤●

 柄物は主にGOSENから数種類発売されているが、全体の割合では少ない。

●GOSENの迷彩カラー●

 どうせ巻くのなら、「ロッドのカラーとコーディネート出来るような柄物は無いのか?」と探して行く内に見つけたのが、Winnというロッド用を謳うブランドと、野球で有名なRawlingsの製品群だった。

●Winnの製品●

 ボクの現時点でのお気に入りは、Rawlingsの、野球のバット用で、コチラは柄物に展開がかなり多く、選ぶのが楽しくなるほどだ。ただし、厚めのしっかりしたタイプが多いので、細めのグリップが好みの人には向かないのかも知れない。

●Rawlingsのバット用●

 グリップテープ全体に話を戻せば、単価の安い中華製であっても品質の差異は感じられないので、「5本入で¥1000以下」であっても、耐久性に大きな違いはないと思われるし、傷んだり臭ったりしたらドンドン交換する物なので、機能面で考えると、むしろオススメとなる。
 尚、グリップテープは、Amazon他の通販サイトで検索する他、スポーツ用品店でも入手可能だ。

 ~その2へ続く
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タテ釣りの仕掛 ~その2

2012-10-20 12:30:00 | 船釣りタックル&仕掛、戦略他
■「カラバリ仕掛」作りの手順■

 ここからは実際の手順を紹介しよう。

 まずはハリ結びから。ボクの場合は、渓流の極細はリスを結ぶ時を例外として、仕掛け作りを覚えた時から一貫して外掛け結びで結んでいる。(結び方は「http://www.seaguar.ne.jp/knot/page.jsp?mode=cover/harris/page/1」を参照)
 この結び方でいわゆるスッポ抜けを起こした記憶は皆無だが、それには少々コツがあって、それは「三段に分けて締める」ということになる。
 その流れは、「あまり耳の際ではない位置でハリに結び付けて一回目の締めは、端糸を歯でくわえたあと、右手で掴んだ本線を引きながら軽く締める。」→「締めた形に変な箇所がなければ、つば等でしめらせた後に耳の部分までズラして持って行く。」→「本線が耳の表側の定位置にあることが確認できたら、端糸を口で咥えたら右手で本線、左手でハリのフトコロを持ち、ハリを軸に対して90度方向に、摘んだフトコロを前後にねじりながら本締めをする。」→「最後に耳の裏側にある、結び目の際に爪を立ててハリを固定し、本線だけを強く引っ張って更に締める。(この時、端糸がクニュッと動くのを確認する。)=下写真を参照」これで結びが終わるのだが、この方法だと、ハリスが強く引かれても、巻き付けた部分が耳の部分にほとんどズリ上がってこないようになる。
 尚、馴れない人ほどハリの軸に巻く回数を増やしてしまうようだが、あまり巻き付け過ぎると締まり具合が悪くなって強度のバランスが崩れたりする他、耳上の本線に縮れが起きることがある。だから、ボクの場合は0.8号の細仕掛から、20号のマグロ仕掛まで全て4回しか巻かないようにしている。

●耳の裏側で爪を立てて、本線を引っ張っている様子●


●端糸を切れば完成●


 市販の仕掛けを調べてみると、枝ハリスの長さは7~15cm、枝ハリス同士の間隔(枝間)は25~35cm程度の範囲に収まっているようだ。制作するに当たっては好みのサイズを選べば良いが、今回は中庸な、枝ハリスが10cm、枝ハリス同士の間隔を30cmとして制作した。

 ハリの軸長が2cm、結びで縮む部分を考慮すると、先端が0になっている定規の場合であれば、先端にハリを掛けて15cmのところがベストの長さになるから、その位置でハリスに折り目をつける。

●定規に掛けて、折り目をつけた様子●

 そして、その折り目を頂点として8の字結びをするのだが、ここは一番負担の掛かるところなので、2回ひねりとした。

●2回ひねりの8の字結び●

 これが8本で1セット分。後は必要セット数分だけ作業を繰り返す。

●左=銀4本、右=金4本●


 次に幹糸部分の制作に入る。
 今回はハリスが8号だから、幹糸は1サイズ太い10号を使う。
 上端のサルカンから下端のサルカンまでの長さは30cmなので、サルカンを結節使用と思う部分に折り目を入れて、そこから30cm付近に大まかな目安をつけておく。折り目から先はサルカンに結ぶ際の結びしろになるので、少し余裕をとっておく必要がある。

●上端に折り目をつけて、大まかな間隔を見ておく●

 目安をつけた折り目から30cm付近に、添え糸として幹糸と平行にハリスで使っていた8号を添える。そしてその2本を一緒に8の字結び1回ひねりで結ぶ。

●添え糸と共に、8の字に軽く結んだ様子●

 最初は軽く締めるだけにしておいてから定規にあて、上から一つ目の結び目が29~28cmに来るように調節してから本締めをし、この段階では添え糸は切らないままでおく。

●本締めの前の計測●

 一つ目の結びから2~4cmの位置に同じ要領で、もう一カ所結び目を作る。そして、2つの結び目の中心が、最初に着けたサルカンを結ぶ目印の折り目から30cmの位置になるように調節してから添え糸と共に本締めをする。この段階で、二つの結び目の間が、10号の幹糸と8号の添え糸が平行になっていれば正解で、それが確認できれば両方の結び目から外側にある添え糸をカットする。

●結び目同士の間隔は2~4cmでOK●

 この段階で上から、サルカンの結びしろ(7~8cm)→折り目→幹糸のみの28~29cmの間→一つ目の結び目→添え糸との平行部(2~4cm)→二つ目の結び目→幹糸のみになっていれば良い。

 そして次の添え糸を添えた結び目の制作に取りかかる。ここも上部の2個の結び目と同じ要領で、8の字結びで挟まれた添え糸との平行部が2~4cmとし、その中心が、上部の結び目間の中心から30cmのところになるように調節しながら締め込んでゆく。

●結び目間の、中心同士の距離が30cm●

 同じ要領で、二つの8の字結びで挟まれた”二重線”の区間が8カ所できたら、オモリを装着するためのサルカンを結ぶ位置=最後の8の字結びから30cmの位置に折り目をつけ、結びしろを7~8cmとって、カットする。
 そして最後に上下のサルカンを結び終えると、幹糸の区間が完成する。

 因みにボクは、PEライン以外の糸をサルカンに結ぶ際には、その昔、釣りサンデーでよく紹介されていた”中井戸式最強結び”で結んでいる。この結びで、あらゆる太さの糸を30年以上に渡ってサルカンに結び続けてきたが、スッポ抜けた記憶はない。従って、非常に信頼性の高い結びとしてお勧めしておく。
 なお、結び方については下記ホームページを参照のこと。
http://blog.livedoor.jp/gonta48b/archives/2010-06.html?p=2

●最強結びで結んだ上下のサルカン●



 続いて枝ハリスを取り付ける。
 二つの8の字結びで挟まれた”二重線”の区間に、あらかじめ制作しておいた枝ハリスのチチワの部分にハリをくぐらせて通す。

●チチワにハリをくぐらせた様子●

 そしてゆっくりと枝ハリスを引っ張って、締めこんでゆく。

●締め込む寸前の様子●

 チチワの根本が十分に締まれば取り付けが完了。後はこれを計8カ所取り付けると仕掛け全体が完成する。

●枝ハリスを締め込んだ様子●

●ハリを金銀に分けている場合は交互に取り付ける●


 そして、輪にして巻き取り、防水パックに入れ、号数を書き込んで現地へ持ち込む。

●パック詰め後●

 「ハリスが短いので、絡みはすぐとれる」との判断で、ボクの場合はそのまま巻き取っているが、気になる場合は、仕掛け巻等で巻きとってからパックに入れても良いだろう。


■この仕掛けのメリット■

 この仕掛けのメリットの第一はコスト面であろう。概算ではあるが、1本あたり¥250程度に収まっているハズだ。
 また、強度面でもメリットは大きく、その点をあげてみると、
 1.チチワ結びは比較的強度が高いが、それが枝ハリスの付け根に使われている。
 2.結び目があれば、糸はそこから切れることが多いが、幹糸は添え糸を使って結ぶことで補強されている。
 3.ハリスを取り付ける部分が二重ラインで補強されている。
 4.グレードの高いハリスが使用できる。
といったところだろう。
 その他のメリットとしては、
 1.枝ハリスの付け根周りが二重ラインになっているので仕掛けが絡みにくい。
 2.後端をチチワにした枝ハリスを別に制作しておけば、トラブル時の交換が速攻でできる。
 3.小魚の大きさや活性に合わせたハリの選択も容易になる。
 4.枝ハリスの付け根がある程度フリーなので、ヨレが少しは緩和される。
という点もあげられる。
 と、理屈の上では”イイことずくめ”だが、肝心の魚が釣れなくてはどうにもならない。次回は久しぶりのたて釣りレポート共に、この仕掛の実釣での使用感をレポートする予定だ。「乞うご期待!」と言っておこう。
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タテ釣りの仕掛 ~その1

2012-10-13 12:30:00 | 船釣りタックル&仕掛、戦略他
■シケ続き■

 今秋始めたばかりの「タテ釣り」。一度の経験でその魅力にとりつかれ、二回目以降の釣行を楽しみにしていたのだが、いかんせんボクが予約を入れた週末を狙うかのように台風が到来し、それが収まったと思ったら今度は北からの強風が吹くという、荒天のサークルにはまり込んで、出船は中止続きだ。
 しかし、釣りに行けないからと言っても、悶々と過ごすのはもったいないから、ボクは、”来たる日”のために、自作の仕掛けを補充しておくことが多い。そこで今回はその仕掛け作りの話をするとしよう。


■市販仕掛けの現実■

 タテ釣りでは購入したエサをハリに刺すことはなく、エサ代はかからないが、エサとなる小魚をハリに乗せるために使う、サビキ仕掛けの消耗が結構激しい。
 その原因は「根掛かり・大型魚を掛けた際の過負荷・臨席する釣り人との”オマツリ”・魚が暴れて仕掛け自体が絡む」等、多岐にわたるから、損失数が「気付けば二桁」なんてこともあるようだ。サビキ仕掛けは1セットあたり¥500~¥700だから、一日の総額は¥5000~¥7000にものぼる。これでは、オキアミを丸一日撒いて釣る”完全フカセ釣り”よりも、結果的にコストが同等か、それ以上になってしまうのだ。
 仕掛けのコストを下げるには自作が一番。ボクの場合は小学校高学年から釣りを始めて以来、基本的に仕掛けは自作し続けてきたから、そうすれば良いのだが、ことサビキ仕掛けに関してはハリ数が多く、ハゲ皮等を装着する等、手間もかかるので、これまで二の足を踏んでいたのが現実だ。もっともこれまでであればサビキ=小物釣りであり、苦労の末に得るものが、アジ・サバ・イワシではヤル気自体が沸いてこなかったことも大きな理由だ。
 だが、初めて体験した、タテ釣りでは、ハゲ皮付き等は言わば小魚が食い渋った際のバリエーションであり、”カラバリ”という、キラキラと光るハリだけが着いた小魚を誘う仕掛けが基本だということを知った。当然、パーツの点数が減れば自作時の作業が楽になるし、当たり前のことだが、本命魚は大物が多く、こうなると俄然創作意欲が沸いてくる。
 また、実釣では大型魚に仕掛けを切られることが数回あったのだが、その際に仕掛けをチェックすると、ほとんどの場合で幹糸と枝ハリスの結び目から切られていた。どんな仕掛けであっても枝ハリスの結び目は弱点となるので、昔からその部分には様々な対策が施されているのだが、市販仕掛けの場合はコストの関係から使える結びが限られているようだ。また、コスト削減という面から言うと、グレードの低いハリスしか使えないのもボクには気に入らない点だった。
 そんなこんながあって、思い切って自作へと踏み切ることにしたワケである。


■タテ釣り仕掛けのパーツ■

 市販仕掛けを観察すると、タテ釣りで使用するハリは、軸がやや長めで、軸の部分が一~二段で平打ちされているモノが採用されているようだ。

●軸の平打ち部分が小魚を誘う●

 各社から販売されている、その手のハリを探していると、見つけたのがハヤブサ社の「喰わせW胴打」と、まるふじ社の「青物・ヒラメ」というハリだった。

●前段がまるふじ社製(左=銀、右=金)、後段がハヤブサ社製●

 市販の仕掛の7割程度は金銀を交互に結んでいるので、それに倣いたいところだが、まるふじ社製は両色が販売されているのに対して、ハヤブサ社製は銀(白とも言う)の一色展開になっているようだ。だが、銀一色の市販仕掛けも3割程度は存在するのだから、実用面では、これにこだわる必要はないのかも知れない。
 サイズは今のところ、ハヤブサは12号と14号、まるふじはS/M/Lの展開になっているようで、両社とも太いハリスを結んででもスッポ抜けないように、大きめの耳になっているが、溝を切ってハリスが廻らないよう工夫しているのはハヤブサのみだ。
 現在のところ現地で使用するハリスは8号がメインになっているようなので、8号ハリスで制作する場合、その号数を採用する市販仕掛けと観察した結果では、ハヤブサなら14号、まるふじならMサイズが適当と言えると思う。このあたりを標準として、結ぶハリスの太さや小魚の大きさに合わせるのがベストの選択になると思う。
 因みに、1本あたりの価格は¥17~¥25程度で、金バリの方が価格が高い。また、1本あたりの単価が下がる徳用パックも販売されているが、使用本数から考えれば、そちらを選ぶべきだと思う。

 枝ハリスはシーズン初期は5号前後、中期以降が8号前後で、大型の青物が回遊していれば10号以上を使用するということだから、今回は現況でメインになるであろう、8号の枝ハリスで制作してみた。
 枝ハリスが8号の場合、幹糸は一回り太い10号を使用する。よく考えてみるとこの辺りの号数は、リールに3号前後のPEラインを巻いた場合にクッション役として結ぶ、ショック・リーダーに使うので、それと共用すればよいだけのことだから、買い足す必要が無くて助かる。

●左が幹糸用の10号、右がハリス用の8号●


 仕掛け全体の上下端には接続のためにスナップ付きのサルカンを結ぶが、小魚が掛かった際には、ヨレることが多いし、本命が掛かかれば高負荷が予想されるから、上端にはよく回るタイプで、スナップが強力なモノを使用する。ボクの場合は仕掛けの上端にWタイプのインターロック・サルカンを使用するが、更によく回るように、道糸(リーダー)の先にボールベアリングを封入したサルカンを結んで、それに接続させている。そして下端は逆に、根掛かりの際に外れてくれるよう、普通のスナップ・サルカンを使用している。これらは通常の胴付仕掛から得たノウハウだが、恐らくたて釣りにも有効なハズだ。

●左が下端用、右が上端用●


 また、ダイワから販売されている「速攻8の字結び」
http://all.daiwa21.com/fishing/item/terminal_tackle/keiryu_te/sokkou8/index.html
というのがあれば、結び目の大きさが簡単に調整できるので、あると便利な小物として紹介しておく。使用法はホームページを参照して欲しいが、他社製の「八の字結び機」も販売されているから、この商品に限った話ではく、勿論、手指でも結べるから、必須というワケでもない。

●ダイワ社製「速攻8の字結び」●



以下、~その2に続く
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初めてのタテ釣り ~その1

2012-09-08 12:30:00 | 船釣りタックル&仕掛、戦略他
■タテ釣り■

 ボクがよく入る川の周辺に関して言うと、今年の夏は雨がほとんど降らなかった。例年だと、9月に入れば、オロロ(吸血アブ)の脅威も減り、「そろそろ行こうか?」と、なるところなのだが、この渇水傾向が続く中では期待薄であり、一雨降ってからの釣行にした方が賢明だろう。
 さりとて、海は真夏であり、エサ取りの天国になっているので、大好きなフカセ釣りは期待薄。もっとも、いつも乗る船はもっぱら好調のイカ釣りに傾注しているようであり、ハナから魚をメインに狙っていない。だが、こんなこともあろうかと「中途半端なこの時期に何か狙いモノは…。」と以前から目をつけていた釣りがあった。その名を「タテ釣り」と言う。

 タテ釣りとは、太目のハリスを使ったサビキ仕掛けを使って、小型のイワシやアジを掛け、エサとなる小魚がハリに着いたままの状態で下層へと落とし込み、フィッシュイーターであるところの本命魚を狙う釣りで、九州で「落とし込み釣り」と呼ぶスタイルと基本的に同じ、和歌山の「チョクリ釣り」とは親戚のような釣りだ。
 この釣りの北陸地方での呼び名がタテ釣りというワケだ。「たて釣り・立て釣り・縦釣り」とも書くが、どれが本当かは判断がつかない。
 狙う魚は、メジロ&ハマチ、ヒラマサ、ヒラメ、マダイ、といった沖釣りではお馴染みの魚種と、アコウ、ソイ、ガシラといった根魚。顔触れを見て解るよう、ほとんど全てが高級魚と言われる魚たちだ。これらが普段は忌み嫌うエサ取り達を釣ることでゲットできるワケであり、その流れから「わらしべ長者の釣り」とも言われている。従って、普段の釣りなら避けるであろう、夏の終わり~秋の半ばまでのエサ取りが多い時期にはベストの釣りの一つだと言っても過言ではない。


■タテ釣りの予備知識■

 この釣りは流し釣りという、アンカーで船を固定せずにエンジンを掛けたままで潮上から潮下へと流すことを繰り返すスタイルだ。このため、キャビンをのぞき込むと、いつもの遊漁船で見かける魚群探知機やGPSの他に、真下ではなくソナーという船の前方の魚群を探し出す装置が取り付けられているし、船尾には海上を渡る風向きに馴染むよう、スパンカーという帆が広げられている。
 これらの装備によって小魚の群れを探し出し、正確な船の位置取りが可能になるので、これらを標準装備していることの多い、ジギング船が客の要望に応じて出船することが多いようだ。

 使用するサビキ仕掛けはその日の状況によって変化するそうだが、基本的にはカラバリという、軸の部分を平らにして金・銀のメッキを施したハリだけが着いたタイプと、ハゲやサバの皮等を使ったタイプなどを使い分ける。

●使用するサビキ仕掛けの数々●

 例えば、釣り入門に最適と言われている内湾の防波堤や岸壁でのサビキ釣りでは、一般に上述のハゲ皮等の魚皮や、“スキン”と呼ばれるラテックス系のゴムが装着されている仕掛けがほとんどなので、初めてカラバリ仕掛けを使用する際には不安があると思う。しかし、沖合の現場での実績は別物だから、自信を持って現場で使用して欲しい。

 使用するハリスは、4~10号以上とワイドだが、狙い物がヒラメ中心の晩夏~初秋であれば5号前後を、青物の回遊が多くなる秋中盤以降は8号以上が必要になる。
 ハリのサイズは、思った以上に大きくても小魚たちに掛かってくれるが、それも程度問題だろうから、エサの小魚を想定した選択が必要になると思う。

●当日のベイト(餌魚)=ウルメイワシ●

 オモリは標準が50号だが、潮の状態によって使い分ける必要があることは勿論なので、その前後は用意しておかなくてはならない。

 ここまでは仕掛けについての、ボクなりの解説だが、後述する、今回乗船した海祐丸(かいゆうまる)さんでは、各種サビキ仕掛けやオモリを船内で販売しているので、迷うくらいなら、船長任せでセレクトしてらう方がイイかも知れない。現地価格で割高にするような”ケチなマネ”はしていないから、安心して利用できる点が有り難い。

 竿に関してはシーズン初期と後期では掛かる小魚のサイズや種類が変わるので違ってくるし、狙いモノによっても変化する。これについては次週の「実体験編」で詳しく書く。
 リールはPE4号が200~300m巻けるクラスが最適だろう。マキエサの類は一切行わないので、船長が指示する小魚(ベイト)が泳ぐタナを正確に攻めなくてはならない。従って、素早くかつ頻繁にタナを上げ下げすることになるので、正確なカウンターの着いた電動リールを選んだ方が無難であると思う。
 道糸はPE2~4号といったところだが、この先に、クッションゴム代わりの先糸8~14号を結びつける。当然これらも狙いモノによって使い分けることが必要になるが、あまり太すぎる道糸は潮流の抵抗を受け易く、糸フケの量が多くなって周囲とのオマツリの原因になるので、使用を控えた方がよいと思う。


■鷹巣沖へ■

 さて、実際の釣行だが、向かった先は、いつもは完全フカセで攻めている福井県鷹巣沖~三国沖だ。利用したのは海祐丸(かいゆうまる)さんという、ジギングとタテ釣りをメインに出漁している船で、今回初めての利用だったが、電話での対応は物腰が柔らかく好印象。その実、そんなイメージのままの船長が一日の案内を務めてくれた。http://kaiyu-maru.com/

●福井新港に停泊中の海祐丸●


 久方ぶりの”初めての釣り”だけに不安と期待が入り交じってのスタートになった。
 こういった場合、ボクは悪い方のパターンに陥ることが多いが、案の定、実釣が始まると、頭で想定していたこととは随分と勝手が違い、苦労をする羽目になった。「見ると聞くとでは大違い」という言葉があるが、当日は正に「想像と実践の違い」に振り回されることになるのだが…。
 と、今回はここまで。以下、その2(実釣編に続く)


追伸
 上述の解説は、ボクが過去の様々な釣り経験から導いたモノと、当日、実際に経験したことの両方を加味して記述したモノだが、勿論、初心者のボクでは説明し切れるモノではない。だから、釣行を思い立ったら海祐丸さんのホームページを参照してもらえると有り難い。是非一読を。



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