■タテ釣り■
ボクがよく入る川の周辺に関して言うと、今年の夏は雨がほとんど降らなかった。例年だと、9月に入れば、オロロ(吸血アブ)の脅威も減り、「そろそろ行こうか?」と、なるところなのだが、この渇水傾向が続く中では期待薄であり、一雨降ってからの釣行にした方が賢明だろう。
さりとて、海は真夏であり、エサ取りの天国になっているので、大好きなフカセ釣りは期待薄。もっとも、いつも乗る船はもっぱら好調のイカ釣りに傾注しているようであり、ハナから魚をメインに狙っていない。だが、こんなこともあろうかと「中途半端なこの時期に何か狙いモノは…。」と以前から目をつけていた釣りがあった。その名を「タテ釣り」と言う。
タテ釣りとは、太目のハリスを使ったサビキ仕掛けを使って、小型のイワシやアジを掛け、エサとなる小魚がハリに着いたままの状態で下層へと落とし込み、フィッシュイーターであるところの本命魚を狙う釣りで、九州で「落とし込み釣り」と呼ぶスタイルと基本的に同じ、和歌山の「チョクリ釣り」とは親戚のような釣りだ。
この釣りの北陸地方での呼び名がタテ釣りというワケだ。「たて釣り・立て釣り・縦釣り」とも書くが、どれが本当かは判断がつかない。
狙う魚は、メジロ&ハマチ、ヒラマサ、ヒラメ、マダイ、といった沖釣りではお馴染みの魚種と、アコウ、ソイ、ガシラといった根魚。顔触れを見て解るよう、ほとんど全てが高級魚と言われる魚たちだ。これらが普段は忌み嫌うエサ取り達を釣ることでゲットできるワケであり、その流れから「わらしべ長者の釣り」とも言われている。従って、普段の釣りなら避けるであろう、夏の終わり~秋の半ばまでのエサ取りが多い時期にはベストの釣りの一つだと言っても過言ではない。
■タテ釣りの予備知識■
この釣りは流し釣りという、アンカーで船を固定せずにエンジンを掛けたままで潮上から潮下へと流すことを繰り返すスタイルだ。このため、キャビンをのぞき込むと、いつもの遊漁船で見かける魚群探知機やGPSの他に、真下ではなくソナーという船の前方の魚群を探し出す装置が取り付けられているし、船尾には海上を渡る風向きに馴染むよう、スパンカーという帆が広げられている。
これらの装備によって小魚の群れを探し出し、正確な船の位置取りが可能になるので、これらを標準装備していることの多い、ジギング船が客の要望に応じて出船することが多いようだ。
使用するサビキ仕掛けはその日の状況によって変化するそうだが、基本的にはカラバリという、軸の部分を平らにして金・銀のメッキを施したハリだけが着いたタイプと、ハゲやサバの皮等を使ったタイプなどを使い分ける。

例えば、釣り入門に最適と言われている内湾の防波堤や岸壁でのサビキ釣りでは、一般に上述のハゲ皮等の魚皮や、“スキン”と呼ばれるラテックス系のゴムが装着されている仕掛けがほとんどなので、初めてカラバリ仕掛けを使用する際には不安があると思う。しかし、沖合の現場での実績は別物だから、自信を持って現場で使用して欲しい。
使用するハリスは、4~10号以上とワイドだが、狙い物がヒラメ中心の晩夏~初秋であれば5号前後を、青物の回遊が多くなる秋中盤以降は8号以上が必要になる。
ハリのサイズは、思った以上に大きくても小魚たちに掛かってくれるが、それも程度問題だろうから、エサの小魚を想定した選択が必要になると思う。

オモリは標準が50号だが、潮の状態によって使い分ける必要があることは勿論なので、その前後は用意しておかなくてはならない。
ここまでは仕掛けについての、ボクなりの解説だが、後述する、今回乗船した海祐丸(かいゆうまる)さんでは、各種サビキ仕掛けやオモリを船内で販売しているので、迷うくらいなら、船長任せでセレクトしてらう方がイイかも知れない。現地価格で割高にするような”ケチなマネ”はしていないから、安心して利用できる点が有り難い。
竿に関してはシーズン初期と後期では掛かる小魚のサイズや種類が変わるので違ってくるし、狙いモノによっても変化する。これについては次週の「実体験編」で詳しく書く。
リールはPE4号が200~300m巻けるクラスが最適だろう。マキエサの類は一切行わないので、船長が指示する小魚(ベイト)が泳ぐタナを正確に攻めなくてはならない。従って、素早くかつ頻繁にタナを上げ下げすることになるので、正確なカウンターの着いた電動リールを選んだ方が無難であると思う。
道糸はPE2~4号といったところだが、この先に、クッションゴム代わりの先糸8~14号を結びつける。当然これらも狙いモノによって使い分けることが必要になるが、あまり太すぎる道糸は潮流の抵抗を受け易く、糸フケの量が多くなって周囲とのオマツリの原因になるので、使用を控えた方がよいと思う。
■鷹巣沖へ■
さて、実際の釣行だが、向かった先は、いつもは完全フカセで攻めている福井県鷹巣沖~三国沖だ。利用したのは海祐丸(かいゆうまる)さんという、ジギングとタテ釣りをメインに出漁している船で、今回初めての利用だったが、電話での対応は物腰が柔らかく好印象。その実、そんなイメージのままの船長が一日の案内を務めてくれた。http://kaiyu-maru.com/

久方ぶりの”初めての釣り”だけに不安と期待が入り交じってのスタートになった。
こういった場合、ボクは悪い方のパターンに陥ることが多いが、案の定、実釣が始まると、頭で想定していたこととは随分と勝手が違い、苦労をする羽目になった。「見ると聞くとでは大違い」という言葉があるが、当日は正に「想像と実践の違い」に振り回されることになるのだが…。
と、今回はここまで。以下、その2(実釣編に続く)
追伸
上述の解説は、ボクが過去の様々な釣り経験から導いたモノと、当日、実際に経験したことの両方を加味して記述したモノだが、勿論、初心者のボクでは説明し切れるモノではない。だから、釣行を思い立ったら海祐丸さんのホームページを参照してもらえると有り難い。是非一読を。
ボクがよく入る川の周辺に関して言うと、今年の夏は雨がほとんど降らなかった。例年だと、9月に入れば、オロロ(吸血アブ)の脅威も減り、「そろそろ行こうか?」と、なるところなのだが、この渇水傾向が続く中では期待薄であり、一雨降ってからの釣行にした方が賢明だろう。
さりとて、海は真夏であり、エサ取りの天国になっているので、大好きなフカセ釣りは期待薄。もっとも、いつも乗る船はもっぱら好調のイカ釣りに傾注しているようであり、ハナから魚をメインに狙っていない。だが、こんなこともあろうかと「中途半端なこの時期に何か狙いモノは…。」と以前から目をつけていた釣りがあった。その名を「タテ釣り」と言う。
タテ釣りとは、太目のハリスを使ったサビキ仕掛けを使って、小型のイワシやアジを掛け、エサとなる小魚がハリに着いたままの状態で下層へと落とし込み、フィッシュイーターであるところの本命魚を狙う釣りで、九州で「落とし込み釣り」と呼ぶスタイルと基本的に同じ、和歌山の「チョクリ釣り」とは親戚のような釣りだ。
この釣りの北陸地方での呼び名がタテ釣りというワケだ。「たて釣り・立て釣り・縦釣り」とも書くが、どれが本当かは判断がつかない。
狙う魚は、メジロ&ハマチ、ヒラマサ、ヒラメ、マダイ、といった沖釣りではお馴染みの魚種と、アコウ、ソイ、ガシラといった根魚。顔触れを見て解るよう、ほとんど全てが高級魚と言われる魚たちだ。これらが普段は忌み嫌うエサ取り達を釣ることでゲットできるワケであり、その流れから「わらしべ長者の釣り」とも言われている。従って、普段の釣りなら避けるであろう、夏の終わり~秋の半ばまでのエサ取りが多い時期にはベストの釣りの一つだと言っても過言ではない。
■タテ釣りの予備知識■
この釣りは流し釣りという、アンカーで船を固定せずにエンジンを掛けたままで潮上から潮下へと流すことを繰り返すスタイルだ。このため、キャビンをのぞき込むと、いつもの遊漁船で見かける魚群探知機やGPSの他に、真下ではなくソナーという船の前方の魚群を探し出す装置が取り付けられているし、船尾には海上を渡る風向きに馴染むよう、スパンカーという帆が広げられている。
これらの装備によって小魚の群れを探し出し、正確な船の位置取りが可能になるので、これらを標準装備していることの多い、ジギング船が客の要望に応じて出船することが多いようだ。
使用するサビキ仕掛けはその日の状況によって変化するそうだが、基本的にはカラバリという、軸の部分を平らにして金・銀のメッキを施したハリだけが着いたタイプと、ハゲやサバの皮等を使ったタイプなどを使い分ける。

●使用するサビキ仕掛けの数々●
例えば、釣り入門に最適と言われている内湾の防波堤や岸壁でのサビキ釣りでは、一般に上述のハゲ皮等の魚皮や、“スキン”と呼ばれるラテックス系のゴムが装着されている仕掛けがほとんどなので、初めてカラバリ仕掛けを使用する際には不安があると思う。しかし、沖合の現場での実績は別物だから、自信を持って現場で使用して欲しい。
使用するハリスは、4~10号以上とワイドだが、狙い物がヒラメ中心の晩夏~初秋であれば5号前後を、青物の回遊が多くなる秋中盤以降は8号以上が必要になる。
ハリのサイズは、思った以上に大きくても小魚たちに掛かってくれるが、それも程度問題だろうから、エサの小魚を想定した選択が必要になると思う。

●当日のベイト(餌魚)=ウルメイワシ●
オモリは標準が50号だが、潮の状態によって使い分ける必要があることは勿論なので、その前後は用意しておかなくてはならない。
ここまでは仕掛けについての、ボクなりの解説だが、後述する、今回乗船した海祐丸(かいゆうまる)さんでは、各種サビキ仕掛けやオモリを船内で販売しているので、迷うくらいなら、船長任せでセレクトしてらう方がイイかも知れない。現地価格で割高にするような”ケチなマネ”はしていないから、安心して利用できる点が有り難い。
竿に関してはシーズン初期と後期では掛かる小魚のサイズや種類が変わるので違ってくるし、狙いモノによっても変化する。これについては次週の「実体験編」で詳しく書く。
リールはPE4号が200~300m巻けるクラスが最適だろう。マキエサの類は一切行わないので、船長が指示する小魚(ベイト)が泳ぐタナを正確に攻めなくてはならない。従って、素早くかつ頻繁にタナを上げ下げすることになるので、正確なカウンターの着いた電動リールを選んだ方が無難であると思う。
道糸はPE2~4号といったところだが、この先に、クッションゴム代わりの先糸8~14号を結びつける。当然これらも狙いモノによって使い分けることが必要になるが、あまり太すぎる道糸は潮流の抵抗を受け易く、糸フケの量が多くなって周囲とのオマツリの原因になるので、使用を控えた方がよいと思う。
■鷹巣沖へ■
さて、実際の釣行だが、向かった先は、いつもは完全フカセで攻めている福井県鷹巣沖~三国沖だ。利用したのは海祐丸(かいゆうまる)さんという、ジギングとタテ釣りをメインに出漁している船で、今回初めての利用だったが、電話での対応は物腰が柔らかく好印象。その実、そんなイメージのままの船長が一日の案内を務めてくれた。http://kaiyu-maru.com/

●福井新港に停泊中の海祐丸●
久方ぶりの”初めての釣り”だけに不安と期待が入り交じってのスタートになった。
こういった場合、ボクは悪い方のパターンに陥ることが多いが、案の定、実釣が始まると、頭で想定していたこととは随分と勝手が違い、苦労をする羽目になった。「見ると聞くとでは大違い」という言葉があるが、当日は正に「想像と実践の違い」に振り回されることになるのだが…。
と、今回はここまで。以下、その2(実釣編に続く)
追伸
上述の解説は、ボクが過去の様々な釣り経験から導いたモノと、当日、実際に経験したことの両方を加味して記述したモノだが、勿論、初心者のボクでは説明し切れるモノではない。だから、釣行を思い立ったら海祐丸さんのホームページを参照してもらえると有り難い。是非一読を。
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