中島ブラザーズ ”弟”の「外で遊ぼう!」

近頃は日本海で、ヒラマサを追ってばかり。よって磯釣りや渓流釣りは休止状態ですが…。

空白の10年 ~その1

2010-11-27 12:30:00 | その他
■10年振りの新車■

 紆余曲折、色々あってウチにエクストレイルという車が新車でやってきたということは、以前このブログで紹介した。振り返れば、それ以前に乗っていたE50エルグランド・ディーゼルは5年落ちの中古車であり、新車となれば、それ以前のボンゴ・フレンディー以来であるから、約10年振りの新車である。
 基本設計から言えばE50エルグランドは1997年になるが、僕が乗っていたのは2000年のマイナーチェンジ直後のモデルだった。現在のエクストレイルは発売3年目にあたる今年、マイナーチェンジが入ったばかりなので、これまたちょうど10年の差がある。だから、時代差は当然ながら大きく、驚くことばかりだ。

                    
                           ●2010年式 X-TRAIL 20X●


■燃費計■

 最新?装備の中でも一番感心したモノが、燃費計だ。

                    
                                ●これが燃費計●

 上写真に写っているのがバーグラフが瞬間燃費計だが、この使いこなしが面白い。
 まず、この燃費計を常時点灯させる状態にして実際に車を走らせるのだが、バーグラフ上にある◆マークに注目して欲しい。上写真の状態であれば、この時点での平均燃費はバーグラフ右上にある8.2(km/L)で、バーグラフ上では◆マークの位置ががそれにあたる。走行時には、このバーグラフに時々目をやって、◆マークよりも右側にバーが伸びるようにアクセルワークをしていれば、自ずと燃費が伸びてゆくのだ。そして計器のモードを切り替えると、それまでの走り方であれば、航続距離=あと何km走ることが出来るかが示されるので、給油のタイミングが掴みやすくなるのだ。


■室内装備■

 内装はシンプルで好感が持てるものだが、スグレモノとしては、室内装備の中ではカップホルダーとシート・ヒーターが挙げられる。
 カップホルダーはフロント側に6箇所、リア側には2箇所設置されており、内フロント×2、リア×2はエアコンの風を利用した、保温&保冷機能付きだ。

                    
                       ●蓋の開いているところがカップホルダーの一つ●    

 カップホルダーの多さが意外に便利で、コーヒーを飲んだ後に、後口を良くしたいがために、ついついお茶を飲むボクのような人間には1人につき1個では足りない。だからこの複数装備は誠に好都合である。その他、保冷&保温機能はグローブボックス内にもあり、スイッチの操作で、保冷、保温そして常温?の切り替えが可能になっている。

 エクストレイルには防水シートの伝統がある。

                    
                               ●防水仕様のシート●

 文字通りこのシートは防水されているから、スキーなら志賀高原のように巨大なエリアを車で移送することもあるようなところでも気兼ねせず、雪が着いたままで運転できるし、夏場の渓流釣りでも濡れたウエーダーを着たままで移動できるのがウレシイ。帰る際、普段着に着替えた後にサッと拭いてしまえば水分を含んだシートでズボンのお尻が濡れる心配がないのだ。しかし反面蒸れるという心配が出てくるが、昔のビニールシートとは比べものにならないくらい高性能であり、クロス生地のシートよりやや蒸れるかな?という程度に収まっている。
 更に、フロアまでトレイ状の防水仕様になっているし、濡れることがあるかどうかは別にして、天井までが防水仕様なので、汚れれば簡単に拭き取ることができるようになっている。

 SUVもしくはクロカン4駆としては廉価な価格帯でありながらシートヒーターも装備されている。何しろ立ち上がりが早いので、冬場に暖機が済んでヒーターが効き始めるまで待たなくてもコレが素早く暖めてくれるから、この冬の活躍が期待できそうだ。

                    
                    ●ダイヤルの左側2列と、右端がシートヒーターのスイッチ●


■走行機能■

 ドライヴィング関連で言うと、定評のあるオールモード4×4システム(上写真中央のダイヤルが「オールモード4×4」のスイッチ)が装備されているが、それとABS(アンチ・ブロッキングブレーキ・システム)とを絡めたヒルディセント・コントロールという機能が特筆だ。
 この機能は雪道のような滑りやすい急坂を下りる際に、電子制御で低速にコントロールして無事に通過できるようにしてくれる機能だ。例えば、長野県の志賀高原にある、発哺のように2駆で降りたら帰りは上がれず、4駆で降りるのもLOWレンジのエンジンブレーキではスピードが出すぎ、さりとてブレーキを踏んだらABSでも滑りそうな、「恐怖の坂」(ピンポイント過ぎて伝わらないか?)を通過する時に役立つであろう。(上の写真、ダイヤルスイッチのすぐ右が「ヒルディセント・コントロール」のスイッチ)
 その他、4×4とABSとを組み合わせた機能としては、他にVDO(横滑り防止装置)が装備されている。
 
 エンジンは2000cc、137PSだが、トルクカーブは低回転寄りにチューンされているので、比較で試乗したディーゼル・ターボエンジン搭載車のパワー&トルクには全く及ばないが、必要にして充分ではある。

 2000ccガソリン・エンジン搭載車のミッションはCVT(無段変速)のみだ。今までCVT搭載車には発売直後のエスティマと、旧型(最終型)のセレナに各3週間ほど代車として乗ったが、その時に感じたタコメーターが低い回転数のまま、ゆっくりと車速のみが上がる気持ち悪さや、キックダウン時のレスポンスの悪さは最新のセンサー技術等によってかなり改善されており、加速時にはほとんど違和感を感じないようになっている。しかし、エンジンブレーキ等、減速時の違和感はマシにはなっているものの、まだ少し感じざるを得ない状態だ。

 足回りは専門メーカーのザックス社製ダンパーが装備されている。ボクが好きな硬く締まったサスペンションのセッティングで、揺れの収束も早く、この手の車にしては回頭性能も充分にシャープだ。だが、反面、路面の凹凸を拾ってゴツゴツと感じ易い部分もある。だが、装着しているタイヤがオールシーズンタイプなので、その影響も大きいとは思う。同時にこの手の大径タイヤ特有のロードノイズは割と大きく車内に入り込んでくる。


■その他の機能■

 その他の機能では、「スクラッチ・シールド」という、特殊な塗装を挙げておきたい。
 コレは、洗車機などを使用した際にどうしても着いてしまう細かなキズが、自己修復によって消えてしまう塗装だ。ボク自身は積極的に洗車はしない方であり、そのためにガンメタル系の塗装を選ぶほどなので、その面での御利益はあまり期待していない。しかし、渓流釣りでは河原に降りるスロープに藪草が出ていることが多く、これまでの通常塗装だと、どうしても細かな擦りキズが着けてしまいがちだったので、効果がうたい文句通りであれば消えてしまうことになるので非常に有り難い機能になる。


■良いところばかりではない■

 ここまで、10年の進化の中で主に良い点について書いてきたが、勿論そればかりではない。10年前と比べると退化して「チョッとな…。」という点も結構ある。次回はそれらについて書いてゆく。(~その2へ続く)
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福井県鷹巣沖の釣り ~その2

2010-11-20 12:30:50 | 船釣り・釣行記
■釣り座選び■

 乗船場に4人全員が揃ったところで、釣り座を決めるジャンケンが始まった。言い忘れていたが、ここ鷹巣の乗合船は船尾方向へ200m以上も仕掛を流す「完全フカセ釣り」を全員が楽しめるようにするため、人数が絞られている。今回乗り込んだヤマト丸はかなり大きな船だったために4人だったが、船によっては3人の場合もあるようだ。
 ジャンケンの弱いボクは完敗し、全員が選択した後の空きスペースに滑り込むことになった。アンカーを入れて船を固定する釣りの場合は船尾に潮が流れるため、最後尾が一番の釣り座だが、当然ボクの釣り座は前方になってしまった。
 乗船後はタックルをセットしながら
 「何とか持てるテクニックでカバーせねば…。」とアレコレ思案していたが、程なく船は鷹巣沖のポイントの一つである水深65mラインに到着した。

                   
                ●ボクの釣り座はこの位置の両舷だが、潮流を見て左右を選択する●


■実釣開始■

 アンカーが入り、船が落ち着くと船長から、開始の合図があった。潮流は結構早く、風向きと同じ真後ろの方向へと流れていた。
 道糸は当然フロロカーボン製の6号を使用し、時折来るという大型マダイに備えてハリスは6号(2本バリ)を選択してセットした。
 一流し目は150m。回収してエサの残り具合を見ると2箇所ともそのままの状態だ。次に210m先まで流してみた。コレだとエサが取られたので、発泡ウキの6番を追加して同じ距離を流してみた。
 この完全フカセ釣りでは「先バリのエサが取られて、枝バリのエサが残る状態」が魚のタナに合った状態だと言われている。だからそのような状態になるまで設定を繰り返すのだが、潮が速い日はマキエサの届く距離が当然伸びるので、流す距離も重要な要素になる。目安は普通の早さであれば、水深の2倍強、更に早ければ3倍、4倍と流してみる。逆に遅い潮の場合は根掛かりの可能性もあるので、2倍程度に抑えて調整してゆく。
 この日の場合だと、2倍強で残り、3倍付近でサシエサが取られたので、マキエサはそこまでの距離で効いていると予想された。しかし仕掛が深く入り過ぎたためにサシエサが取られたということになるので、発泡ウキで浮力を付けていったというワケだ。


■二枚潮■

 調節を繰り返していったが一向に本命のアタリはなく、エサが取られるままに、遂に装着するウキが大型の8号×2+6号までになっていた。
「いくら何でも65mの水深で、この浮力が必要なのは何かがオカシイ。」と感じている内に蛍光色の発泡ウキが囓られ始めた。
「コレはフグ系か、ウスバハギ系の魚の仕業だ。」と、やっとここで気付いたわけだが、船上から見た潮の速さでは、これらの魚はエサを取れないだろうから、恐らく上潮が速く底潮が遅い「二枚潮」の状態であることがコレで解ったのだ。
 二枚潮だとマキエサとサシエサを合わせることが困難になってくる。もし今回の船が自分たちのグループでチャーターしたものであるのなら、ここで船長に直訴して別のポイントに移動してもらうか、もしくは天秤仕掛(天秤ズボ)で狙えるよう、今の位置から船をズラしてもらうこともできるが、乗合船ではそうもいかない。
 そこで、マキエサの筋からズレて仕掛が手前に入ってしまうが、底側のあまり動いていない潮に早く入るようにガン玉Bを打っていった。
 2個目のBを打った時、何やら道糸を送り出すスプールの回転に変化が、というか、正確には何となくその気配を感じた。二枚潮の場合は糸フケが多く出てしまうので、まともなアタリが出ないのだ。
 すかさずアワセを入れると、軽快な青物の引きだ。低速で巻き上げ、難なく取り込んだのは予想通り、50cmオーバーのハマチであった。

                   
                               ●52cmのハマチ●

 実釣開始から2時間以上が経って、ようやくの1本は出たが、後が続かない。以後は仕掛を浮かせるとエサが全く持たず、沈めるとエサが残るという、通常ではあり得ない展開が続き、最終的に道糸までが囓られて切れてしまったので、コレを機に完全フカセ釣りを諦め、日没以降の釣りに対応したタックルの準備をすることにした。


■天秤ズボ釣り■

 日没を迎えると、青物を専門に狙うためにポイントを移動する。今度は水深50mラインだ。

                   
                 ●夜釣りでは、伸びが少なくてアタリのとり易い、PEラインを使う●

 通常、鷹巣沖でハマチサイズの青物を狙う場合、通常であれば5本バリの胴付き仕掛をメインに使用するが、魚の食いが良くてその効果が発揮されれば非常に効率の良い仕掛となる。「一船で450本!」という釣果が出るときは、モチロンこの仕掛を使用するが、今回は、それまでの展開から食いが悪いことが予想できていたし、何よりボクの釣り座は一番前方なのでハリスの短い胴付き仕掛では不利さが更に増す。そこで、仕掛の全長が長くてサシエサの動きが、より自然な動きになる天秤ズボの仕掛でチャレンジすることにした。
 天秤ズボとは関西での言い回しで、道糸の端に天秤を着け、天秤の次にクッションゴム、そしてハリスを連結させた仕掛で、カゴとオモリはモチロン天秤に装着する。
 ハリスの長さは、船尾にいる人達との距離と、遅い潮流とを考慮して8mとし、時折回っているというメジロ(ワラサ=70cm級以上)を想定して、号数は8号とした。


■夜釣り■

 水深が50mで、ハリスの長さが8mなので、底からハリス分の長さを切った42mのタナから攻め始めた。
 この日のマキエサの振り出しパターンは、一旦5m下の47mまで沈めて数秒待った後に一度大きくマキエサを振り出し、中間の44.5mで2度目、そして42mで3度目の振り出しを行うというものだ。

 マキエサが効いたのか2度目の投入が終わり、竿受けに竿をセットした直後にアタリがあった。久しぶりの引きを味わいつつ、無事に取り込んだのは再びの50cm級ハマチであった。
 その後はほぼ入れ食いの状態で、6連続ゲットしたが、突然ピタリとアタリが止まった。様子がおかしいので試しにオキアミを手で摘んで上から巻いてみると、そのままほぼ真下に沈んでゆくではないか。
 潮流に敏感な青物の場合は、潮が動かないと、もうお手上げで、全くアタリはなく、ハリに刺したサシエサはそのままの状態で帰ってくるようになった。時折、ピリピリと竿先を振るわせるようなアタリは小サバの仕業で、そんなモノが着いて上がってくるということは、食物連鎖上で考えると、近くに大型魚が居ない証拠にもなるのだ。
 そこで次なる作戦を採ることにした。


■作戦変更■

 作戦を採るといっても、船長がポイントを移動する気配がないので、タナの変更くらいしかない。そこで3m刻みで、様子を探ってゆくことにする。
 まず最初は39mだったが、様子は変わらない。次の36mも同じ。そして33mでの2投目で待望のアタリを捉えた。しかし、残念がらそこそこの引きではあるものの、「大したことはないなぁ」と思っている内に、ハリスが切られてしまった。こういうのは、歯が鋭い魚の仕業であることが多い。

 そして次の投入で答えが出た。「もしや?」と予想していたとおり、その正体は歯のある魚=サワラの若魚である、サゴシであった。

                   
                             ●60cmチョイのサゴシ●

 しかし、このサゴシが最期の一匹である事でないことを祈りつつ、投入を繰り返し懸命の努力を続けたが祈りは通じない。たまらず船長がポイント移動をしたものの、そこでも同様に、何も起こらないまま終了時間を迎えるに至った。

 魚が食う時間が限られる中、アレコレと策を練った結果、気付けばハマチ6本とサゴシ1本で、有利とされるトモ(船尾)の人達を少し上回る釣果になった。とは言え、好調時は3桁は当たり前のここでは何とも寂しい成績だったのは事実だ。
 ここ鷹巣沖の解禁は12月一杯までとなっている。これから季節風が強まることが多くなってくるが、乗合船の雰囲気も思った以上に良かったことでもあるし、もう一度くらいはチャレンジしてみたいと思った釣行であった。
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福井県鷹巣沖の釣り ~その1

2010-11-13 12:30:37 | 船釣り・釣行記
■福井県鷹巣沖■

 福井県に鷹巣沖という、地元を始め中部、関西方面では大変有名な沖釣りのポイント群がある。この地域では解禁期間があって、毎年5/1~12/31までの期間が遊漁者に解放されている。主な対象魚は、シーズンを通して釣れるマダイの他、秋口からはハマチ~メジロ(ワラサ)級の青物が釣れ盛り、「ハマチが一船450本!」なんて釣果が飛び出すようになる。更に年ごとにムラはあるものの、夏場以降にはヒラマサの中型が回遊することもある。
 鷹巣沖の釣りは、ほとんどの場合で釣具店の斡旋制になっており、釣具店の取り次ぎによって船とエサが手配されるので、船頭さんと直接予約のやり取りやエサの持ち込みが出来ない。
 出船は時間帯によって午前6時~12時までの朝便、午後3時~9時の半夜便、午後9時~午前3時の深夜便の3便体勢になっているが、今年の秋の場合、朝便はマダイ中心、半夜便はマダイ+青物、深夜便は青物専門に狙うことがほとんどだ。
 時間帯によって釣法や仕掛が違い、昼間は完全フカセ仕掛、夜間の青物狙いは胴付きもしくは天秤ズボ仕掛を使用するが、マダイと青物の両方を狙う半夜便では両方の仕掛が必要になることが多い。
 この一帯では主に仕立船(チャーター船)での運行が多いが、今回はボクは一人の単独釣行だったので、越前フイッシングセンター(http://www3.ocn.ne.jp/~echizenf/)が少数募集している乗合船を見付けてそれに乗船することになった。この地域では他に鷹巣釣船センター(http://homepage2.nifty.com/turifune/)も有名で、仕立て船を利用する場合にボクはこちらの方をよく利用している。


                       
                    ●プレジャーボートにも解放されているので「釣り船密度」は濃い●

■鷹巣沖の完全フカセ■

 ここでの釣りの特徴といえば「完全フカセ」仕掛けでの釣りがまず第一に挙げられる。
 完全フカセとは、外ガイド仕様の船竿に回転抵抗が少ない電動もしくは手巻きリールをセットしたタックルを使用し、フリーにしたスプールを逆転させて仕掛を送り込んでゆく釣りであるが、糸自体を海中に馴染ませ、仕掛をタナに送り込むために、糸自体の比重が重いフロロカーボン製の道糸がこの釣りには不可欠だ。ここ鷹巣では、マダイ、青物狙いの場合、道糸の太さは6号が標準になり、この太さのままで5~8号までのハリスを使用するが、ハリスの太さが道糸の太さを上回っても道糸が高切れすることはほとんど無い。
 仕掛はハリスの長さが6mの2本バリが標準だが、マダイだけを狙う場合は長さが9mの3本バリを使用することもあるが、このあたりは好みで選んでも構わない。しかし、同じ完全フカセでも舞鶴あたりだと船頭さんが「20m必要」と指示することもあるが、ボクの考えでは、より比重の軽くて沈みの遅いナイロン道糸を使用していた時代の名残であると思っている。実際、隣の人が長い仕掛を使っている横で、短い6mの仕掛を使って何度も上回るスコアを出しているので、全く問題はないものと考えている。
 アタリが出ると、スプールの回転が急加速するので回転の変化さえ判断できれば誰でもアタリがとれるだろう。以前にボクが雑誌に書いた記事では、この様子を「坂を登っていたジェットコースターが、下りに差し掛かって急加速する様子」に喩えていたが、正にその通りで、アタリが出た瞬間はスリル満点の気分が味わえる。

                     
                      ●フロロカーボン製の道糸を300m巻いた電動リール●

 鷹巣沖での完全フカセ釣りの最大の特徴は、「タナとり方法」にある。
 完全フカセ釣りを解説する際、本などには「道糸とハリスの継ぎ目にあるサルカンの数を増やしたり、より大きなモノに替えることで沈み具合を調整する」とよく書かれている。それは考えとしては間違ってはいないと思うが、それだけだと「エサ取りが多い場合はどうするのか?」ということに対しての答えは出てこない。その点、鷹巣沖の完全フカセではその答えが用意されているのだ。
 まず道糸の先端部分にチチワを作るのだが、この輪の長さが15cmほどになるよう長目にしておく。そのチチワにハリスの先端に結んだインターロックサルカン5号を引っかけて連結する。コレが標準の状態。仕掛を流して、エサを取られない場合はサルカン部分にガン玉Bを打つが、次の流しでもエサが取られなかった場合は、更にガン玉の数を増やしてゆく。まぁ、ここまでは言わば「当たり前の発想」だ。しかし、ここからが違う。
 逆に、エサが取られる場合はラグビーボール型の「発泡ウキ」をチチワの輪っか(二重になった部分)に通して浮力を付けてゆくのだ。
 使用するサイズは主に8、7、6番あたりで、標準仕掛でエサが取られたら、6番からサイズアップし、8番でもエサが取られるようだと8+6、8+7、8+8といった具合に浮力を上げてゆく。8番以上になると投入直後は仕掛が浮いたままなになるが、心配は要らない。道糸の重みでやがて沈んでゆく。
 このようにシステム化された「タナとり法」を駆使して釣り人が仕掛を潮流やエサ取りの状況にピッタリ合わせることができるようになれば、より正確にマダイや青物の口元にサシエサを届けることができようになって、アタリを集中して捉えることが可能になるのだ。

                     
                              ●発泡ウキのセッティング方法●


 さてさて、前置きが長くなったが、今回の釣りではどんなドラマが待っているのだろうか?。 ~その2へ続く。
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ハイキング ~杣谷から長峰山

2010-11-06 12:30:21 | アウトドア・スポーツ
■ハイキング再開■

 渓流釣りが禁漁となり、「何にもしない」ままでは、足腰に衰えが見えつつある我が身のためにならない。そこでハイキングの再開となったワケである。
 昨年から我が家のある西宮市内から順々に西へ移動しながら、六甲山のハイキングコースを裏表から登って来たが、今回は阪急六甲駅を起点に昇って行くルートだ。


                     
                                ●起点の阪急六甲駅●
                     
                                  ●本日のルート●


■護国神社■

 駅前から北上し、六甲登山口の交差点を左に折れて幹線道路沿いを進んで行くと、そこに護国神社がある。

                     
                                  ●護国神社●

 護国神社の境内に入り、本殿前でお賽銭を済ませて、この国を護ってくれた英霊達に対して祈りを捧げた後、更に西へと向かう。

                     
                                   ●本殿前●

 川を1本超すとそこから北上する道がついている。そこから先が杣谷(カスケードバレイ)になる。

                     
                                 ●杣谷への道標●

■杣谷(カスケードバレイ)■

 杣谷(カスケードバレイ)は別名「徳川道」の一部でもあるが、それが造られた経緯は何だか悲しいモノがある。
 この道は江戸時代末期、生麦事件(薩摩藩士による英国人殺傷事件)に懲りた江戸幕府が、開港された兵庫(神戸)で往来する日本人と異人とのトラブルを避けるために突貫工事で完成させたバイパスで、当初は西国往還付替道という名称だったのだが、完成後間もなく大政奉還へと向かったために、利用されることはほとんど無く、廃道になったということだ。そして、いつしか「徳川道」と呼ばれるようになったそうだ。
 諸外国のために国家予算を投入するが、効果なく無駄金に終わるという、今も昔も変わらぬ状態に苦笑しつつも、この道を進んで行く。

                     
                              ●徳川道に関する表示板●

■谷沿いを登る■

 コースに入ってしばらくすると、杣谷(カスケードバレイ)の名の通り、谷沿いのルートになる。まだ秋色にはなっていない木々を少々残念な気分で眺めながら歩いていたが、突然眼下に滝があったりするので、意外と景色に変化があって飽きない。

                     
                           ●渓谷はまだ色付いていなかった●

                     
                   ●デンマークだったら「人魚姫」だけど、これでは「トドオヤジ」だ。●

■イノシシ■

 この夏は全国各地でクマの出没情報が飛び交ったていた。ここ六甲ではまさかクマの出没情報はないものの、そこかしこに当たり前のように棲息しているイノシシがハイカーの弁当を狙うという事故が報道されていたので、効果があるかは知らないが、念のために「クマ除けの鈴」を装着して更に道を昇って行く。
 
                     
                         ●道沿いの到る所にある、イノシシの掘り跡●
                     
                               ●コレが「クマ除けの鈴」●

■登りの後半■

 登りも後半に差し掛かると、階段が多くなって疲れた足には堪える。

                   
                          ●ルートの折り返し点まであともう少し●

■折り返し点■

 階段地帯を抜けると、少し下りがあってその先に公衆トイレと東屋がある。このあたりがルートの折り返し点になる。

                     
                              ●コレが見えれば折り返し点●
                     
                             ●東屋でいつものコーヒータイム●

■穂高湖■

 このルートの頂点には穂高湖という湖があって、周囲には散策路も付いている。湖の規模は思っていた以上に大きく、景色もキレイだが、季節が進んで紅葉シーズンともなれば更に魅力が増しそうな感じするだけに、今回は少し残念。

                      
                                  ●穂高湖畔●

■長峰山へ■

 穂高湖近辺で折り返し、長峰山登山道を逆に降りて行くコースで阪急六甲駅を目指す。

                     
                               ●長峰山方向への道標●

■長峰山■

 栗や熊笹などが道沿いに生えるハイキング道を進んで行くと、そこに長峰山山頂の通称「天狗塚」へ到達する。
 この長峰山は、一応、四等三角点(「三角点=さんかくてん」とは三角測量に用いる際に経度・緯度・標高の基準になる点のこと)が設置されている山であるが、ここでは、それは山頂の天狗塚にある。


                              ●山頂の岩塊=天狗塚●
                     
                                  ●四等三角点●

■ハードな下り■

 長峰山頂から下って行くとコースはハードになってくる。勾配がかなり急であったり、途中で草木に覆われて「藪こぎ」に近い感覚で通過する区間もあった。

                     
                            ●かろうじて踏み跡が見えるが…●
                     
                          ●全周を草に覆われている穴を抜ける●


                        ●視界が広がる部分では神戸港が見下ろせる●


                     
                              ●コース終点はフラットになる●

                     
                           ●六甲学院前を抜けて阪急六甲駅へ●

■歩き終えて■

 今回のコースは往路(登り)が杣谷、復路(下り)が長峰山登山道というパターンであったが、長峰山登山道の方がよりハードであった。ボクのような軟弱者は今回のパターンを使った方が体の負担が少なくて助かるのだが、より健脚者の場合は逆パターンの方が登りがいがあるように感じる。もしこのブログを見ている人がチャレンジするのなら、自分の足に合わせて選ぶことが可能なコースだった。

 これから六甲山も紅葉の季節を迎えるが、渓谷や沢沿いの紅葉はコントラストがついて格別である。これからが楽しみなハイキングなのだ。
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