中島ブラザーズ ”弟”の「外で遊ぼう!」

近頃は日本海で、ヒラマサを追ってばかり。よって磯釣りや渓流釣りは休止状態ですが…。

ドラグの話 ~その2

2016-10-29 12:30:00 | 船釣りタックル&仕掛、戦略他
■フィネスの世界■

 ドラグの違いや仕組みについて調べていると、「フィネス・フィッシング」と呼ばれる、スピニング・リールを使って細糸で対象魚に挑む釣り人や、逆にジグやプラグで超大物を狙う「ソルト・ウォーター・フィッシング」界の、釣り人の記述に意味深い内容が記されていた。
 彼らの中には社外品のドラグ・ワッシャーを装着する人も居るが、純正品同士を組み替える人も居る。こういった人たちの要望にこたえるべく、ダイワでは一つ前のUTDから、最新のATDにバージョン・アップさせるキャンペーンを行っているから、ニーズは結構あるのだと思う。
 この辺りについての記述をもう少し詳しい段階まで読み進めてゆくと、ダイワ製リールのUTDとATDの差はグリスの違いであって、ドラグ・ワッシャーは同じだということが判明した。面白いと言うか、単純と言うか、ドラグ・グリスの違いは大きく、例えばダイワ製のドラグ・ワッシャーにシマノ製のドラグ・グリスを染み込ませるとシマノ・フィーリングに変わったという記述までもが見られたほどだ。
 ダイワではUTD用ドラグ・グリスは補修用として販売されているが、ATD用は販売されておらず、グリスだけの入れ替えはできなくて、あらかじめグリスを染み込ませたワッシャーへの、丸ごとの交換になる。と言うことは、グリスの成分には門外不出のノウハウが秘められているのかも知れない。
 「これらを電動リールに応用すれば…。」と思い立ったのだが、純正品のメーカーでの交換キャンペーンはスピニング・リールのみが対象であって、電動リールは対象外なので、メーカー任せでは実行できない。
 「だったら、UTDグリスを使って…。」と思っても、販売はスピニング用のみに絞られていて、メーカー確認をとってもこれを電動リールに流用はできないとのことだった。
 「何か、他に良い方法は無いものか?」と探してゆくうちに、CCM SALT WORKS社(http://www.oct.zaq.ne.jp/ccm/main.html)のH.P.に行き着きついた。ここでは電動リールに最適だという、「乾式カーボン・ドラグ・ディスク」なるものを販売しているが、質問をすると「ダイワの純正ドラグは引っかかるが、それが改善される」との返答があったから、期待値は大きい。しかし、もう少し純正にこだわってもみたいので、「失敗後に試せば良い」と後回しに…。
 そんなこんなで、今回の「ドラグ改良アプローチ」に至った次第だ。


■旧型シーボーグ750MTのドラグ■

 現在、ボクが所有する電動リールの中で、一番古いモデルは旧型シーボーグ750MTになる。これは、以前に記したように、今年度の玄達瀬への最終釣行近辺で、すったもんだの挙句に手に入れた。
 購入前に、このリールをレンタルしたこともこのブログで記したが、その時のドラグに関するイメージは、典型的な「ストップ&ゴー」状態の“デジタル・フィール”ドラグで、「間は無いんか~い!」と思うほどに極端な効き具合だったために、ヒラマサが掛かった際には、調整に、かなり苦労させられた。
 レンタル品だから使い込まれているには違いないが、それでもオーバーホールは定期的に何度か行ってきた状態だから、コンディションが悪いわけではなかった。従って、ボクのリールも、すぐにそうなりそうな気がするし、第一、保障期間はとっくに過ぎているため、「イジッたら保障が効かない」なんて思うこともない。で、あるから、まずはこのリールをドラグ改良の手始めとした。

●自己所有の旧型シーボーグ750MT●

 旧型シーボーグ750MTのドラグ・ワッシャーをメーカーH.P.内のパーツ検索で調べると、普通のフエルト仕様であろう、部品単価¥300のドラグ・ワッシャーが5枚使用されている。このモデルの後継機であるレオブリッツ750MTだと、部品単価¥600のドラグ・ワッシャー5枚構成だから、レオブリッツでUTD搭載と銘打ったのはカーボン・ドラグ・ワッシャーに変更された結果だと思われる。もしかすると、ドラグ・グリスも同時に変更されたのかも知れないが…。
 ’14年に発売の、赤いシーボーグ750MTは、当初はUTDと謳われていたのが、途中からATDと謳うようになった。もしかすると、その時点でATD仕様のドラグ・グリスに変更されたのかも知れない。


■いざ改良■

 改良は、「どうせなら、最新のシ-ボーグ用を」と、それを手に入れることから始まった。もっとも、これがそのまま旧型シーボーグのドラグ周りの径にぴったりと合うのかが心配だったが、よく見てみると、3代にわたって変遷していても、外観が変わっていないため「金型は同じなんだろう。」「ダメだったら、ハサミで切ってしまえば…。」と、見切り発車でのスタートだった。
 必要枚数は、5枚。上述したように単価が¥600だがら、¥3240(税込み)の出費だった。

●’14シーボーグ750MT用のドラグ・ワッシャー●

 到着後、確認してみると、見るからに、カーボン・クロス製のようだ。電動リールの向かって右側のサイドパネルを外してから、ドラグ周りに仮挿入してみると、無加工でピッタリと収まった。どうやら予測どおり、代を重ねても内部の変更はあまりされていないようだ。
 入ることが確認できたので、一旦ドラグ・ワッシャーを外してドラグ・グリスを塗りこむ作業に入る。ここで純正、しかも最新のATDグリスが手に入れば良いのだが、上述したようにスピニングでは販売されているUTDグリスすら手に入らないので、パスせざるを得なかった。
 「何か、イイ物は…。」と物色してみると、社外品が結構出ている他、シマノではスピニング~電動まで、各種のドラグ・グリスが販売されているようだった。
 少し迷ったが、元々はシマノのドラグ・フィールに好印象があって、この改良が始まったわけだから、「ここはシマノのドラグ・グリスを使って…。」と言うことで、同社サイト内にあるアフターサービス欄内の「グリス/オイル早見表」で電動リール用を探してみると、「サービス用グリス ACE-0(部品NO,DG01)」に行き着いた。このグリスは、同社の両軸受け&電動リール全般に使われているようなので、グリス単体での性能面では安心できそうだった。

●サービス用グリス ACE-0(部品NO,DG01)●


 このグリスをドラグ・ワッシャーの両面に指定量である米粒3個分ずつ乗せて、含浸させて組み込んでみた。
 装着後は、道糸を手で引き抜いて作動状況をチェックしてみる。結果はOKそうだったが、如何せん実際に魚を掛けてみないことには正確な答えは出せない。
 と、ここで、アホなことに気付かされた。よく考えてみると、このリールは、来年6月の玄達瀬の解禁日以降になるまで使わないのだ。荒天続きで釣りに行けず、ヒマに任せて道具をイジっていると、こんな結果に…。
 で、評価は来年6月半ば以降ということで…。


 ※分解した写真を載せていないのは、分解できる知識のない人にはオススメできないからで、その点は理解していただきたい。

 この手の話では毎回記しているが、「改良や改造は自己責任で!」これを忘れずに。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ドラグの話 ~その1

2016-10-22 12:30:00 | 船釣りタックル&仕掛、戦略他
■いろいろと使ううちに…■

 今まで、所有した電動リールを数えてみると、シマノ、ダイワの2大メーカー製の各モデルが16台だった。昔と違って、気に入らなないところがあると、すぐにヤフオクで売れるようになってからは、入れ代わりが激しいが、これらをサイズ分けするとシマノ3000番(ダイワ500番)クラスが11台で、それより小型が2台、大型が3台となっている。

 玄達瀬以外の釣りであれば、現在はダイワ製のシーボーグ500Jをメインに使用しているが、以前に記したように、これがベストだと思ってはいない。
 2大メーカーの各モデルを使った立場から感想を言うと、スプール・イン・システムの採用で強力なモーターを搭載できる、シマノ製の方がパワー、スピード共に上回っているし、ドラグ性能の差もフィーリングの違いも手伝って、かなり気になるところだ。
 パワーの差はリール任せにせず、“道糸の引き抜き”等で工夫すれば何とかなる場合もあるが、ドラグ性能の差を埋めるのは難しい。これまで締め具合の調整幅が広くて効きが正比例的なシマノ製を使い続けていた後に乗り換えた、最新のATD(オートマチック・ドラグシステム)を搭載した500Jだが、調整幅が狭く効き具合にピーキーな印象があるから、ボクにとっては非常に使い辛いのだ。
 500Jでもそんな感があるのだが、ダイワ製の安価なモデルや古いモデルは更にピーキーで、「締めると固着しやすく、緩めると出っ放しになる」という、極論すると、”ストップ&ゴー”状態のデジタル・フィーリングに、より感じられてしまうのだ。対してシマノ製は安価なモデルでも良い意味で印象はあまり変わらない。
 2大メーカーの差は信頼のおける各船長の意見でもあるから、ボクだけの意見ではない。ただし、同じメーカーの製品ばかりを使っていれば、調整のコツを掴めるので、致命的な障害になるとは限らないが…。

 効き具合を苦慮しているのか、ダイワ製はシマノ製よりもドラグのバージョンアップの回数が多く、近年だけでもトーナメント・ドラグ→アルティメット・トーナメント・ドラグ(UTD)→オートマチック・ドラグシステム(ATD)と変遷している。対するシマノは早くからカーボン・クロス・ワッシャーを採用して以降、その電動リールの目的に応じたサイズや枚数を使い分けることで対処しているようだ。
 メーカー発表の展開図で確認すると、高級から普及価格帯までに構成差が少ないのはやはりシマノ製の方で、廉価版のPLAYS3000クラスから、部品単価¥500クラスのカーボン・クロス・ワッシャーを5枚も使っているが、ダイワ製は、例えば500Feだと、非カーボン(恐らくフエルト)の、部品単価¥200のワッシャーが3枚しか入っていない。恐らくこの辺りが「安ければ安いほど」、「古ければ古いほど」差がついてしまう原因だと思われる。因みに、レオブリッツ・クラス以上の価格帯、もしくはUTD搭載以降の500番サイズには部品単価¥500~¥600のカーボン・ワッシャーが5~7枚程度搭載され、差別化されている。


■理想の完全フカセ用電動リールを求めて■

 もちろん、ドラグ性能だけで完全フカセ用電動リールは語れない。特にフリー回転性能は直接アタリの数に影響を与えるが、この面ではダイワ製の圧勝となる。
 要するに、2大メーカー製の電動リールは、「あちらを立てれば、こちらが立たず」になっていて、理想は、魚が掛かるまでが、ダイワ的性能、掛かってからがシマノ的性能になる電動リールとなるが、残念ながらそんな物は存在していない。
 「だったら、手持ちの電動リールを改良すれば…。」と思い立った次第である。

 ~その2へ続く


 どんな釣具でも、自分が気に入ればそれで良し。あくまでも今回のお話は、ボクが試した結果だ。「良い、悪い」を決め付けているわけではないので、その辺りを理解して読み進めて欲しい。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

休刊日

2016-10-15 12:30:00 | 船釣り・釣行記
 今週は釣行しておらず、更新もできません。よって休刊です。
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

’16 鷹巣沖釣行 ~4回目

2016-10-08 12:30:00 | 船釣り・釣行記
■激流は緩んで■

 今回も鷹巣沖から。いつものように晴海丸さんに乗船し、現地へと向かった。前回は急潮流に悩まされたが、それも止んで、落ち着いた流れの中でのスタートだった。

●いつものタックル・セッティング●

 100m流すのに7分強という、釣り易い潮流で、一見すると癖のない感があった。そこでサルカン部に発泡ウキ7番をひとつ装着して様子を伺ってみた。一回目の流しでは、180m流してみたが、サシエサが付いたままで帰ってきた。そして次の流しでは距離を伸ばして200mに。するとサシエサは盗られていた。
 「さてさて、次なる流しでは…。」と考えていったが、次の流し以降では、マキエサが効き始めるまではそうでもなかったエサ盗りが動き始め、やがて支配するようになっていった。
 浮力を上げてかわす方向で攻めてみたが、やがては発泡ウキのサイズを8番+8番にしても盗られっぱなしでお手上げ状態となった。恐らく、これまでが急潮流だったため、エサ盗りたちは飢えていたのだろう。
 ここではどうにもこうにも全く歯が立たないため、船長は移動を決意した。

■いつもどおりの「痛恨の…」■

 移動後はリセットのため、発泡ウキを8番を一つに戻した。このセッティングで流していると、早、隣の釣り人がアタリを捉えることに成功した。竿の曲がりからマダイのように思えたが、これまで「何にも無し」であり、「せめてマダイでも…。」と思っていたボクにはウラヤマシク思えてならなかった。
 そうこうしていると、リールの回転力の差から遅れて流れていたボクのリールの回転に変化が現れた。それは一気に走らず、「スルスルッ、スルスルッ」と断続的であり、マダイらしき相手を巻き上げている隣とほぼ同じタイミングであり、ましてや第一投の出来事であるため、「俺もマダイか…」と、高を括っていた。
 アワセを入れて巻き上げ体制に入る。最初は楽に巻き上げているように思えたし、竿の曲がりも大したことはなかった。しかし、次の瞬間、己の過ちに気付かされたのだった。
 魚を掛けた地点は120m。なんとなく違和感を感じたため、リールのカウンターに目を遣るとなんと140mを指していた。つまりはドラグが滑っていたのだった。
 慌ててドラグを締めこんだが、「ドスンッ!」と衝撃があった後に、竿がそれまで以上に深く回り込んでいった。どうやら本命のようだ。既に電動リールは巻上げを停止していたので、いつもの糸抜きで送り込んでやる。すると数メートルは巻き取ることはできたのだが、数秒間の攻防の後、フッと抵抗感が抜けてしまった。
 痛恨のバラシである。回収後チェックをすると、原因は対処遅れによる根ズレだった。魚自体はメーター級というほどではなかったが、今年最大級には違いなかった…。


■逆もまた真なり■

 バラした後はお決まりの、沈黙の時間が続いた。しかし、食わない原因はそのこと自体ではないような気がしていた。というのも、すぐにエサ盗りの動きが激しくなって、二投目以降は何をやってもサシエサが残らないという、一箇所目のポイントと同じ展開になったからだ。想像するにこの状態は、本命のヒラマサやオマケのマダイといった食物連鎖の上位にある魚の活性が全く上がらないため、恐れることなく「オキアミパーティ」を満喫していたからだと思うが、「だったら、本命は何処に?」という疑問が沸いてきた。
 流している最中にリールの回転具合の変化を凝視していると、どうやら上層部の流れが標準だとすると、中層部がやや速く、最低層部の流れが最も緩いという、3層構造になっているように思え、最低層部の流れが気に入らないがために本命魚たちの活性が上がらないのだという結論に達した。
 「中層に乗った大半のマキエサはエサ盗りたちの層に流れ、そこに仕掛けを合わせると、100%餌食になる。」
 「だったら、手前の最下層にもマキエサの“おこぼれ”が少しあるハズだから、それに合わせてみよう!」との考えの下、仕掛けから発泡ウキを外した状態で流してみることにした。そして、この読みが大当たりとなって、80mでリールの急速逆転が始まった。

●やっと、やっとのアタリを捉えた!●

 アワセを入れた瞬間にマダイとわかったが、“何にも無し”よりは嬉しく、気分は上々だった。そして難なくゲットする。

●食べて美味しい60cm弱の秋マダイ●

 無理やり食ってもらった感じだったため、時合い到来という感はなかったが、「おこぼれ拾い組」は、まだ居たようで、次の流しでも同寸ゲットに成功した。


■こうなりゃ…■

 マダイが続いた後は、食いが一旦停止。それでもお土産は確保できたので、一安心だったが、そうなると、欲が出て「本命が欲しい。」と、スケベ根性が沸いてくる。
 「このポイントの一投目でアタッた層が気になる。」と、発泡ウキ8番が一つの状態で流してみると、これまた読みが当たって120mでリールの急速逆転が始まった。
 引きは大したことはないが、下への突っ込み具合から早々にヒラマサと判って嬉しい限りだ。
 
●小さいけど…●

 そして、これも無事にゲットする。

●小マサ君●

 60cmほどだったが、この日の展開からすると、上出来だった。

 小マサの後は、リミットまで残すところ1時間ほどになっていた。
 「もう、冒険はできない。」とのことから、ここから先は一投ごとに、8番の発泡ウキの脱着を交互に繰り返すことにした。
 この作戦も当たって、着脱それぞれで各一回アタリをとることに成功した。

●後半の“読み”はすべて当たったが…●

 しかし、それらは小マサたちだった。
 そして、最後の数投での大逆転は無いままにこの日の釣りが終わった。

●当日の釣果●



■ヘボな結果を挽回せねば…■

 「居着き狙いはチャンスが少ない。」と、人に言っておきながら、せっかくの貴重なアタリを捉えた際にドラグの閉め忘れをやらかしてしまった。いつもなら掛かった瞬間に電動リールに目を遣り、巻き上げ具合を確認するのだが、それすら怠っていたのだ。バラしたのは当然の結果だった。
 この日は、こんなヘボなバラシがあって、大マサのゲットはなかったが、小マサその他とは言え、読みが当たった快感を得たことだけは救いだったように思う。これで今秋、大マサクラスのバラシは、ハリハズレ×1、根ズレ×2で3本目だ。なんとも情けない展開だが、残る釣行でどうにか修正したいと思っている。しかし、その前に大マサクラスが「残っているのかどうか?」これが心配だ。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

今週は休刊日

2016-10-01 12:30:00 | 船釣り・釣行記
前週に釣行はなく、休刊です。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする