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中島ブラザーズ ”弟”の「外で遊ぼう!」

近頃は日本海で、ヒラマサを追ってばかり。よって磯釣りや渓流釣りは休止状態ですが…。

渓流釣り~今期最終釣行

2009-10-03 12:35:16 | 渓流&管理釣り場での釣り
 今年3月1日の初チャレンジ以来、長々と続けてきた「渓流釣り」だが、10月1日をもち、一部地域を除いたほぼ全国で禁漁の時期を迎えるに至った。

 長野県中信地方では、稲穂がすっかり実り、刈り入れの時期を迎えていた。農村で忙しく人々が働く姿を見ると、実際には農村経験が無くとも、心のどこで懐かしさを感じてしまう。そして、移りゆく季節を目の当たりにし、「もうこれで今シーズン最後の釣行だ…。」と思うと、ついつい各地の川での体験を振り返ってしまい、一人「哀愁オジサン」になってしまいそうだ。

                   

 さてさて、もう後がなくなって「どこに行こうか?」と悩んだが、ご存じの通り9月に入って雨はほとんど降らず、車で行けそうな範囲=私の場合は車中泊を含んだ日帰りというか、1.5泊、片道4時間程度で行ける範囲の河川はどこも渇水状態だ。「それならば湧水の豊富なところだと、少しはマシか?」との判断で、3週間ぶりにもう一度安曇野地区にやってきたのであった。

 今日一日でオシマイは動かしようのない事実なので、アレコレ悩んでいる時間もない。従って前回入ってソコソコ気配のあった「穂高川」の下流に車を止めて、夜明けを待つことにした。

 第一投はこのポイントからだ。

                   

 やはり、水位は前回よりも更に下がっており、アチコチと探ってゆくが、出るアタリは非常に渋い。そんな中、ようやく掛かってくれたのは豆ヤマメのみだった。

                   

 少し移動して石の裏を丹念に探ってニジマスの22cm

                   

を追加したが、ニジマスにしても豆ヤマメにしても、いつもに状況なら「我先に」と食いつくサイズのハズであっても食いが悪い状況は、この日の行く末を物語っているようであった。

 そのまま釣り下り、3週間前に良型をハリハズレで逃したポイントにも差し掛かったが、全くアタリすらなく、河原に咲く花

                   

に見送られながら早々にこの地区を諦める決意を固めた。


 次に向かったのは前回調子の良かったこの川のやや上流部であったが、ここでもほとんどの区間で全くヤマメの気配がしない。諦めずにそのまま釣り下がってゆくが、何もないまま前回ヤマメを数匹上げたポイントに差し掛かった。
 前回良かった流芯の脇をシツコク探るが、無反応。次いで流芯の泡が消える辺りをミミズの餌で

                   

探ってみると、この日初めての良型らしいアタリが目印の動きを止めた。
 結構な締め込みをイナして竿先で誘導してやると、魚が姿を現し、それと同時に水面からジャンプ…。正体は期待されたヤマメではなくニジマスであった。

                   

 サイズは34cmあり、良く引いてコチラを楽しませてはくれたが、本命ではない外来魚であり、喜びは半減だ。

 続いて投入すると、またもや同じ位置でアタリがあった。今度は先程よりもスピード&パワーが一層強烈で、浮上せずに底層をグングンと走ってゆく。かなり時間を掛けてやり取りをしつつ、徐々に上層へと導いてやったが、その途中で背中向きに見えた相手は体高があり色が白いので一瞬「本命か?」とも思われた。しかし更に誘導を繰り返して相手がこちらに顔を向けた瞬間に正体がバレてしまった。その後はやや強引に寄せて無事に玉網に収めることに成功した。

                   

 モチロン正体はニジマスだったが、サイズは39cmしかないものの、体高は驚くほど高く、釣った本人と同じメタボな体型だった。

                   

 ヤマメの大型に対処するためのウォーミングアップにはなったが、目指すは本命あるのみだ。
 その後も気合いを入れてこの区間を攻め続け、上流にある堰堤下までやって来たが、小さなニジマスがポツポツとアタるくらいで、本命は唯一あった18cmクラスが一匹以外はアタリすらなかった。空回りばかりの展開で2度目の退渓を決意した頃には「もうマトモなサイズのヤマメには出会えないかも?…。」と、意気消沈気味になっていた。

                       

 駐車している場所まで川沿いを歩いている途中で出会ったルアーマンと情報交換するが、そちらもあまり良い状況ではなく、苦戦しているようだ。「どこか他の川の状況を知らないか?」と聞けば、「最近、木曽方面の奈良井川の調子が良い。」との返答があった。前からその川が気になっていたこともあり、来年のことも考えて様子を見に行くことをここで決意した。


 車を走らせ途中のコンビニで遊漁証を購入した時点で午後4時前を指しており、残り時間は2時間ほどになっていた。川沿いに立つと、先程の砂底ばかりだった穂高川とは全く違う、素晴らしい渓相が広がっており、盛期であればかなり有望そうな感がある。

                   
                   
 とりあえず竿を出してみるが、終盤なので釣り切られているのか、ここぞという場所では全く反応がない。徐々に釣り上がっていくが、状況は変わらない。「こういう場合はポイントのタイプを変えた方が得策か?」との判断で、やや上流にある、小型ダムのバックウォーター付近まで車で向かい、試しに竿を出してみた。

                   

 ここでようやく小型のヤマメをゲットし、

                   

続く釣果を期待したが、その後はこのサイズを上回る釣果はなく、不完全燃焼のまま、やがて日没を迎えて今シーズンの最終釣行が終了した。


 渓流初体験の今シーズンだったが、シーズンを振り返ってみると、自分に甘くキープサイズを18cm(6寸)とするのなら、ボーズはゼロ。大物?としてはイワナが約38cm~34cmまでを2匹、ヤマメは最大が28.5cm、アマゴは28cm、外道ながらニジマスは41~34cmを4匹という結果だったので、初年度としてはマズマズの結果ではあったと思う。
 ただし、「自分には何かが足らなかった」というのは紛れもない事実だ。冷静になった今になっては理解出来ているが、それは「季節や水況によって違う魚の着き場所に関して絞り込みが甘かった。」ということだ。これは昔やっていたバス釣りで言うところの「シーズナル・パターン」というヤツだが、各ポイントでの攻めはソコソコだったものの、大型を狙うのなら本流から支流に遡上してくるタイミングを狙うだとか、産卵期には産卵に適した上流部を狙うだとか、河川全体からエリアを絞り込む判断力が必要なのだ。やはりこの辺は経験とデータが不足しているということだろうから、この点が来年に向けての課題となるだろう。


 昔は「延べ竿で狙う淡水魚なんて…」と思っていたワタシであったが、今では冬場のグレ釣りに負けず劣らず楽しい釣りだと感じている。
 必然的に”歩き”を伴う釣りなので健康にも貢献するだろうし、夏場の暑さに弱いワタシにとっては、山深い渓谷にそよぐ風の涼しさは、とても喜ばしい自然からの恵みだ。それに、山に入ることによって「環境破壊」についても、より身近になって思いを巡らせるようにもなった。色んな意味で楽しめ、感じた7ヶ月間であった。



                               ……オマケ映像……
                   
鳩に友愛…。ここ以外にも村内には何カ所か立っており、看板(標識?)の焼け具合からすると8月30日の選挙よりも前からあったのは確実だから、旧楢川村は以前から隠れ民主党支持者の村だったのだろうか?
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秋の久婦須川

2009-09-26 10:52:27 | 渓流&管理釣り場での釣り
 10月1日にやって来る禁漁日までの残り僅かな時間に、目標の「ヤマメもしくはアマゴで30cm越え」を果たしていないワタシにとっては、アセリばかりが募る毎日だ。

 そんな中、向かったのが、久しぶりになるが富山県の久婦須川(くぶすがわ)だった。お盆の前後から始まった恐怖のオロロ(吸血アブ)の猛威は、この時期になると治まっているだろうし、ワタシにとっては「アベレージサイズが揃う川」との印象があるので秋の産卵を控えた大型も出易いだろうとの予想があった。

 現地に着き、以前入渓した地点で車を止めるが、ビックリだ。この地区は前述したオロロの大発生を避けるため、盆休み以降は訪れる釣り人が極端に減るようだ。そのせいで雑草を踏みしめる人の数が極端に減り、以前に訪れた際には確かにあった河原まで降りる道筋は、勢いを盛り返した雑草がジャングルのように生い茂って全く解らない。しかしそこはワタシも釣りバカの端くれだ。普段なら絶対に降りないだろうけど、釣りとなると話は別で、キタナイだのコワイだのという感覚がマヒするのだ。意を決し、右手に持ったナタを振り回して慎重に降りて行くが「クモの巣まみれ」「雑草の青汁まみれ」なった末、ようやく河原までたどり着くことができたのであった。

 大石が複数入った「イカニモ」というポイントが目に入り、そこへの第一投から、この日の釣りが始まった。

                   

 流れる筋の脇を狙った一投目はそのまま仕掛が帰ってきたが、続く二投目は大石と大石の間にある、やや流れがたるむところを狙って仕掛を打ち込む。「大石の脇で仕掛が綺麗にトレースできている。」と思った瞬間に目印の動きが止まって「ゴンッ!」という良型のアタリが出た。
 竿先を操作しながら誘導して行くが、回りに岩やコンクリート片がゴロゴロと転がっているので取り込みには手こずりそうだ。締め込む相手をなだめつつ、やり取りを繰り返していくと、ようやく観念したのか、なんとか無事に玉網に収まった。

                    

 魚を確認すると、鼻がやや曲がり始め、婚姻色の出た立派なオスのヤマメだが、目標の30cmには到達してはいないようだ。メジャーをあててみるが、やはり28.5cmしかなかった。

                    

 同じエリアに仕掛を打ち続けてゆくが、もうアタリは出ない。少し移動した先にある堰堤下でも

                    

粘ってみたが、このポイントは誰もが攻める当たり前のポイントだから、前日の土曜日に叩かれていいたようで、22cmクラスが1匹に留まった。

                    

 徐々に移動しながらめぼしいポイントを攻めてゆくが、この時期は魚も釣り切られて減っているうえ、産卵前で神経質になっているだろうから、1ポイント1ヤマメ、それもポツリポツリでもアタリ出ればイイ方かも知れない。従って移動の距離の割には数が出ないのだ。

 それでも「ここは!?」というポイント

                    

で粘っていると、25cm前後のヤマメ

                    

を拾うことが出来、気付けば区間の終了時点では18cmクラスを含めると結構な数が出ていた。

                    
                    (今回はアユ用の引き船を使用し、撮影後に大半をリリースした。)

 ここから一旦退渓しようと、河原を歩いていると、左手に「チクッ!」とした軽い痛みが走った。見れば左手の小指をオロロがカジっているではないか!。季節が進んで全く無警戒だっただけにビックリだ。慌てて払い除け、刺したあたりを口で吸って処理をしたが、その甲斐あってか痒くも何ともない。「もしかしてワタシには耐性か免疫があるのでは」とも思ってこの日一日を快適?に過ごしたが、それはアマイ判断だった。その翌日からは軽い腫れが伴って痛痒さが5日間も続くハメになってしまったのだ。たった一匹でも相当痒いのに、盛期にこんなモノにたかりまくられると、気が変になるのはよく理解できた。やはりオロロは「恐るべし」だ。

 その後、やや下流にある、雑誌で紹介されていた区間に入り、各ポイントを攻めていく。

                    
ここでも25cmを一匹追加できたが、

                    


秋の日落ちは早い。この魚をゲットした後は、すぐにあたりが薄暗くなり始め、引き返すには心細くなってきたので、この日はここで釣りを終えることにした。

 この日の釣果は25cm~最大の28.5cmまでの粒ぞろいが四匹、その他大勢という結果だったので結構楽しめはしたが、目標には届かなかったので思いは複雑だ。本来ならこの日で今シーズンが終わるところであったのが「泣きの一回」を家族に頼み込んだ結果、残る釣行回数があと一回に増えた。ラストに賭けるつもりだが、ほとんどの河川では雨が降らず、渇水傾向にあり、苦戦は必至だろう。もうこうなったらヤケクソだ。
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穂高川のヤマメ

2009-09-12 13:18:33 | 渓流&管理釣り場での釣り
 季節は進み、里山に麓には秋の気配が漂い始め…

                 

と書きたいところだったが、この日は日差しがジリジリと照りつけ、昼間路上で見かけたデジタル温度計は33℃を表示していた。そして数日来、照り込みが続いた結果、川は渇水状況になっており、お昼を前にした時点では天気に反してワタシの心には暗雲立ちこめるという状況だった…。


 「長野県安曇野地区」ここはウチの嫁さんや息子を含めて我が家のみんなが大好きなところで、子供が低学年の頃にはよくここを訪れていた。釣りが目的なので観光する気なんてさらさら無いとは言え、所用のある二人を残してやって来たことに後ろめたさを感じながらの釣行だった。(来年はみんなで行こうなっ!)
 この安曇野一帯は、水郷地帯と言っても過言でないほど数多くの川が網の目のように流れている。そして、そのほとんどが清流と呼ぶにふさわしいのは、わさび園の多さで理解が出来る。中でも規模が大きいのは犀川、穂高川、高瀬川といったあたりだが、その流れにはヤマメやイワナを始め、川によってはニジマスやブラウントラウト、そしてイトウまで、「いったいココはどこの国の川なんだ?」と思えるほどの種類の渓魚、それもBIGサイズ達が生息しているという。中でもヤマメ、それも30cmオーバーがどうしても欲しい今のワタシにとってニジマス以下の魚はどうでも良い話だが、ネットの情報だと穂高川では大型のヤマメも好調に釣れているということだった。今回の釣行先は当然その穂高川だ。

 まずは、穂高川では下流域にあたる位置に降り立った。このあたりの川底は意外にも砂質の部分が多く、ヒドいところでは一面全部が砂に埋まっていることもあったが、それが逆にポイントが絞りやすくするという利点もあり、あらかたの見当がつけ易かった。
 そして第一投はこのポイントからだった。

                 

 この日の釣りが始まった。狙いは大きめの底石の周辺に出来る水流の変化だが、まずはミミズをハリに着けて手前から探っていく。
 手前では早くも豆ヤマメのアタリが有る。しかしそのアタリも頻繁ではない。ならば向こう岸のアシ際に流れ込むように竿先で操作してやると、明確なアタリが出て、本日の初ヤマメをゲット!と思った瞬間にハリハズレでバラしてしまう。
 何とか粘ってこの周囲を探りきったが、豆ヤマメしか手にしていない状況で、キビシいスタートになった。

                 

 そのまま釣り上がって別のポイントを攻めてみるが、前述したように砂で埋まっているところが多く、移動距離の割にポイント数が少ない。だから自ずと移動のスピードがハイペースになってくる。それも、誰もが狙いそうなポイントばかりなので、前日の土曜に叩かれているのかアタリはほとんど出ない。そうこうしているうちに他の釣り人を発見。その後ろに更にもう一人。どうやら上流から釣り下って来ているようだ。ルアーの人ならよく見る光景だが、その二人はエサ釣りの渓流師だ。
 上流からの釣り人とクロスしても仕方がないので、慌ててスタート地点に戻り、そこからワタシも釣り下ることにした。とは言っても、またもやいつもの良型バラシを演じた他は豆サイズのみで、この時点で一度川から上がることを決意した。

 川の様子を見ながら移動しつつ、気付いたことだが、この地域では見る人と見る人みんなが釣り下っている。「もしかして、長野県では他県とはルールが違うのか?」とも思ってしまうほどだった。

 恐らくこのあたりは地方都市である松本市にも近いので、常に人が入っていることは簡単に予想できる。そのうえにこの暑さなので、プレッシャーを感じる魚が多いのは仕方のないことだ。そこで「人が入りにくいところ」をキーワードに川沿いをウロついている内に発見したのがこのポイントだった。

                 

 ここに入るには道路から背丈以上もあるアシやイバラ、その他ワケの解らん雑草の中をクモの巣を払いつつ藪コキして行かねばならず、どうやら他人は入っていないようだ。
 ミミズのエサを着けて第一投。すぐにアタリがあり一匹目の豆ヤマメをゲット。二投目には大きなアタリがあって、本日初めてのややマシなサイズ=20cmのヤマメが続いた。

                 

 この地域のしきたり?に従って徐々に釣り下ってゆくが、やはりプレッシャーが低く、頻繁にアタリが出る。特にこのポイント

                 

周辺は好調で、次々とゲットしてゆく内に本日最長寸の25cm

                 

に続き、28cmのニジマス

                 

もゲットし、やがて気付けば、釣果が二ケタに届くまでになっていた。

 その後も釣り下っていったが、さっきまでは「まずはソコソコのサイズを…。」と思っていたのが、こうなってくると現金なもので、サイズに不満が残ってくる。いわゆる「スケベ根性」というヤツだ。
 「このまま釣り下っても同じサイズが続くだろう。」と判断して、この川からの離脱を決意した。

 次に向かったのは大物場として雑誌で紹介されている高瀬川の本流域だ。

                 

 しかし、この川は所々で途切れんばかりに渇水しており、水も濁って少しイヤな臭いも発生していた。まるでコイ釣り場のようになっているところでは竿を出す気にもなれず、見回しただけでまたもや移動を開始した。
 その後、穂高川に戻りその最下流部周辺を攻めてみたが、夕まずめであるにも関わらず、全くアタリがないまま寂しい気分の中、この日の釣りが終わった。

 個人的には大好きな安曇野だが、釣り下りの釣り人が多くてやや戸惑ってしまい、印象はそんなに良いものではなかった。しかしながら、大型渓魚の実績が高いのは紛れもない事実で、その点では捨てがたい。
 でも、気になることがあった。それは、この日の穂高川を見る限りでは川底の石が、やがて砂に埋め尽くされてしまう気配が濃厚であり、こんな様子を見ていると、周囲にある山の保水力の低下を疑わざるを得ないことだ。せっかくの風景と豊富な水源に恵まれていながら、残念な方向に向かうことだけは避けたいものだ。


                              …オマケ画像…
                 
                      (田んぼの合間に何故か突然D51が…。)
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荒城川~小八賀川

2009-08-29 17:35:09 | 渓流&管理釣り場での釣り
 都会に暮らすと、エアコンの発達し過ぎた環境下にどっぷりと浸かっているせいか、季節内の微妙な変化、例えば初秋、中秋、晩秋といった細かな違いに年々鈍感になってゆく。だが、渓流域ではもう初秋を迎えつつあり、見上げる夜明けの空は、残暑キビシイ都会からやって来た者に、忘れかけていたもの感じさせてくれる風景であった。

                    


 終盤を迎えた’09年の渓流釣り。「そろそろ結果を出さなくては」と釣行を重ねてはいるものの、タイムアップ(禁漁日)までのカウントダウンが始まり、かなり焦っている今日この頃だ。
 そんな中、前回、前々回とマズマズ調子の良かった岐阜県、丹生川村漁協管内の荒城川へと向かった。
 
 ひとまず前回の釣行時に川沿いの道路からチェックしていた場所に入ってみた。ここは田んぼの脇を通った先にあるのだが、このあたりの田畑には害獣除けに、触れると電撃が走る伝線が張り巡らされているので「手持ちの超伝導体(集雷針?)」といわれるほど電気をよく通すカーボンロッドを持つ手に緊張が走り、鉄条網を越えて敵陣地へ向かう兵士のように、慎重に慎重を重ねて河原へと向かう。
 河原へと降りた後は敵地?の状況判断だ。前々日に雨が降ったというが、ソレまでが晴天続きだったせいか、かなり水が減っており、随分と川の様子が変わっていた。

 期待と不安が渦巻く中、実釣開始。自分の見立てが正解ならばすぐに答えが出るハズだが、この時期=終盤になると、いわゆる釣りごろのサイズは多くの釣り人に抜かれて、極端に数が減っているのか、水深に変化があって誰もが良さそうに感じるようなポイントからは豆サイズのヤマメが出る程度だ。ただ、そのサイズであっても以前に比べると活性が低く、頻繁にアタるわけではないところがこの日の状況を現しているように思えた。

 開始後2時間が経ち、当たり前のポイントでは答えが出そうにないので、発想を変えて、人が釣り残していそうな場所を探して仕掛を打ち込んでいく。
 辺りを見回すと、浅瀬の中にある少し掘れ込んだところにブッシュが被っているところが目についたので、オモリを軽めにし、竿先で流れる方向をコントロールしながら流していった。

                    

 テンションや投入点を調整しながら何投かする内、底石の裏にできた流れの筋に入った仕掛は後にブッシュ際へと狙い通りに流れていった。そして狙い通り、目印がブッシュの方向へと引っ張られていく。

 すかさずアワセを入れると、グングンと良い引きで竿先を絞り込む。大型ではなさそうだが、気持ちの良い引きだ。手前の瀬を越えて無事に玉網に収まったのは23cmのヤマメだった。

                    

 同じポイントでは、もう一度アタリがあったものの、食い込みが浅かったのか、ハリハズレで逃してしまった。
 徐々に釣り上がり、少し上流にあったポイントでは作戦を変更。重めのオモリを仕掛に打ち、白泡の直下で仕掛の動きを止めてみた。

                    

すると、小型のイワナが飛びついてきた。

                    

 その後も車で走り回って荒城川の各ポイントを攻め続けていくが、前回に良かった場所を含めてほとんど魚の気配がない。昼近くになり天候がド・ピーカンになってからは更に条件が悪化し、ほとんど何もアタらない状況になってしまった。そしてキープサイズが一匹のまま、この川を後にする決意をした。


 次に向かったのは荒城川と同じ入漁証が使える丹生川村漁協管内の小八賀川だ。この川は荒城川に比べてやや川幅が狭く、この日の状況を見る限りでは流量が豊富なので「押しの強い流れ」という印象を受ける川だった。

                    

 実釣開始直後はド・ピーカンが続いていたせいか、通常ではアタリがあってもよさそうなポイントでは答えが全く出なかった。そこで、河原まで木々が迫り、日陰になっている条件のポイントを探して川を遡行していく。そして「いかにも」というポイントを発見したので、じっくりと腰を据えて攻め始めた。

                    

 まず、オモリをかなり重くして流芯の底をコツコツとオモリが当たるように流していくが、この方法で何度か念入りにアプローチするものの、反応がない。そこでオモリをやや軽くして流芯の脇を流す方法に切り替えてみると、目印動きに変化が出た。すかさず合わせると20cmアマゴの登場だ。

                    

 続いて数匹手にするが、サイズは18~20cmばかりで良型が出ないので、また遡行を開始する。ここからはドンドン移動をしながら、同じようなロケーションを探しては仕掛を打ち続けていった。
 結局この区間ではサイズアップはしなかったものの、二桁釣果に納得しながら、一旦脱渓をした。そして最後に前回釣行時にマークしていた大堰堤に車で移動し、夕マズメの時合いに備えた。
 この大堰堤は下流から上がってきた魚が一旦立ち止まる位置にあるので、魚が入ってくるタイミングに遭遇できれば釣果が期待できそうなポイントだった。

                    

 ココでは大型のウグイを避けながらヤマメを釣り続けたが、20cmの壁を越えるのにも必死な状況は変わらず、ついには大型はおろか良型と呼べるサイズですら手にすることが出来ず、失意の内にこの日の釣りが終わった。

                    



 今期の残りの釣行回数から考えても、もう諦めはつきつつあるけど、最終のドラマは待っているのだろうか…。次回以降の釣行は「数よりも型」という、一発狙いの河川に向かう予定だ。こうなったら男らしく?ボーズ覚悟のチャレンジなのだ!。
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荒城川での釣り

2009-08-15 11:24:11 | 渓流&管理釣り場での釣り
 「過ぎたるは及ばざるがごとし」とはよく言ったものだ。梅雨入り初期の頃は空梅雨傾向から「雨待ち」をしていたような状況だったのが、一転し始めたのは中期頃からだった。その後はご存じのように不明瞭な梅雨明けが象徴するように雨が多い今夏だ。
 結果、現状では各河川では増水傾向が続いて、なかなか落ち着かないようだ。中には鮎釣りが出来ずに困っているところや、鮎そのものの放流が延期が続きで、予定の放流量に到達したのが8月上旬というところもあったようだ。
 そんな中、その長雨傾向の間を狙って、岐阜県宮川水系の荒城川へ今期2度目の釣行を果たしたのは、先週のことだった。


 荒城川は上流部こそ、本格渓流の趣があるが、大部分が里川の様相
                        
をしており、開けたところが多い。どちらかというと、渓谷部での短い竿を駆使する釣りよりも、開けた里川で長い竿をブン回す方が性に合っているワタシにとっては好都合な川である。

 まず最初に入ったのが、前回の訪問時に成績の良かったところのパターンを考慮してセレクトしたポイントであった。
                        
 しかしながら、この手のポイントは増水時には流れの押しが強すぎるのか、はたまた避難した魚が戻ってきていないだけなのかは解らないが、全く反応がない。念のため移動して似たような傾向のところ↓
                        
でも仕掛を打ってみるが、答えは同じで、せいぜい流れの石裏の流れの影になった部分で豆サイズが出るのみだった。
 世間では夏期の長期休暇が始まる頃なので「こんなポイトは一目瞭然だから、釣り荒れのせいかもしれない」との思いが頭をよぎる。そこで、人目に付きにくいところから進入し、その先にあった雰囲気のありそうなところ
                        
で竿を出してみると、2投目で目印の動きに変化が出た。
 すかさず合わせると、これまでの「ブルブル」と震えるだけの"豆さん”の手応えとは違う「ドンッ」といった手応えが竿を通して伝わり、その小気味よい引きから、そこそこのサイズとの予想がついた。
 無事玉網に収まったのは前回お目にかかれなかった、豆サイズではない22cmのヤマメ
                        
だった。
 見れば尾ビレも綺麗な天然もしくは準天然もののようだ。
                        

 答えが出たので、このポイントに居座って気合いの入った投入を繰り返したが、期待に反して続く魚はゲット出来なかった。

 再び移動をして、試しに流れがもっと緩やかな淵にも仕掛を投入したが、そこで出るのはウグイのみだった。ココまでのトータルの印象から、この日の傾向が何となく読めたような気がした。キーワードは「流れが高活性時の着き場よりもやや遅く、人目に付きにくい箇所」だ。
 そんなところを探して車での移動を繰り返していた。しかし当たり前の話だが、車で見える=目につくということなので、そんな場所はなかなか見つからない。そこで、あたりの地形から想像して良さそうに感じるところで車を止めてしばらく河原を歩いていくことにした。その途中で足が止まったのがこんな所だった。
                        
 ここは誰でも目につきそうな部分から、しばらく遡行したところにあった。魚が居る"ポイント"だと解ったのは「一目瞭然」な話で、やや大きめのサイズの渓魚が水面のエサを採るために「ライズ」するところを見た瞬間だった。
 この箇所だけに絞って見ていると、水深が浅く、メリハリもないことからイマイチの感があるが、やや上流部にある淵のところからカケ上がった位置にあるので、淵に巻き込まれたエサが、丁度良いスピードで浮上する位置らしい。そんな場所でこの日の渓魚はエサを採っていたのだ。

 早速仕掛をライズした部分に流れ込む筋に打ち込んでみた。そうすると、いとも簡単に1投目からアタリが出た。しかも結構なサイズである。しかし、ライズを見て慌てて結んだ仕掛のハリが小さかったのか、ココでの1匹目はハリハズレに終わる。
 それでもここは日頃からノーマークだったのか、魚が残っていた。そして答えが出たのは更に2、3投した後だった。

 ソレまで川の流れに合わせて下流へ向かっていた目印の動きが、底石の脇でピタッと止まった。すかさず合わせてみると、この日一番の引きがワタシの8mの本流竿を絞り込んだ。
 何度かの締め込みをかわし、いつものように横からのプレッシャーを魚にかけつつ、ゆっくりと足元に引き寄せてくると、型の良い渓魚が玉網に収まった。今度はアマゴだ。
                        
サイズは27cm
                        
で、尾ビレまで伸びきった
                        
綺麗な魚体だ。しかもコイツはオスらしいイカつい顔つきだ。
                        

 その後同じポイントを攻め続けたが、次の23cmをゲットするまでに、食い込みが浅いのか?ハリハズレの連発で3匹ほどロストしてしまう。こうなると魚の反応が消えてしまうのは仕方のないところだ。
 ここでこのポイントを諦める決意をし、更に釣り上がって次なるポイント↓
                        
を見つけ出して竿を振ってみる。雰囲気は良さそうだ。

 予想は当たっていた。だが、このポイントはニジマスの巣だったらしく28cmまでのサイズ↓
                        
を4連発でゲットできた。しかしながら「日本の渓流で何故ニジマスなのか?」という思いも募り、気分は複雑だった。

 このポイントを一通り攻めた時点で、予定の退渓時間までの残り時間は1時間半。夕マズメ狙いの釣り人が土手を走る車の中に何台か見えたので「もう荒城川には良いポイントは残っていないだろう」との判断から、峰一つ超えた先にある、同じ遊漁証で入れる川=小八賀川への移動を行った。しかしながら、荒城川以上の増水↓
                        
を目の当たりにしたワタシは、諦めがつき、次回の釣行のための入渓地探しをしただけで竿を出すことはもう無かった。

 渓流の禁漁までは、あと1~1ヶ月半ほど。したがって残るチャンスは4回程度だ。今までのアマゴ、ヤマメの最大は28cmで、目標の30cm越えは達成できていない。そのチャンスはいつ来るのだろうか?益々不安な今日この頃なのである。


追伸

 前回、あれほど怖がって対策を立てていたオロロだが、この日一日、お目にかかることはなかった。コレは私の虫除け対策が完璧だったためなのか?この河川に生息する数が少ないためなのか?、それとも当日が雨模様だったためなのか?ということがイマイチ判断できない。いずれにせよワタシが吸血されてボコボコにされるのを期待していた人達の期待を裏切ることになったことをお詫び?したい。
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恐怖のオロロ

2009-08-08 11:33:57 | 渓流&管理釣り場での釣り
 コレまでに何度かこのブログでも触れてきた「オロロ」。コレは富山県周辺の地方名だ。他の地方では「ウルル」だとか「ウルリ」だとか言い、正式名は「イヨシロオビアブ」という。でも「オロロ」というのが一番恐ろしそうで何となくワタシのイメージにピッタリと合う。

          イヨシロオビアブ(通称オロロ)

多分、東北や北関東でいう「メジロアブ」も恐らく同じモノだと思うのだが…。

 このオロロは梅雨明けの時期に羽化し、盛夏に二度産卵する。一度目の産卵はそのまま行うが、二度目の産卵準備の際、メスは体力回復のために群れになって、ほ乳類を襲い、その血を吸う。吸血の方法は対象物の皮膚をかみ切って染み出る血をすするらしいが、噛まれると人によって程度は違いはあるが、腫れを伴った激しいかゆみに見舞われる。これはアブが出すタンパク質の一種が炎症を引き起こす原因ということらしい。
 普段は渓流域にあるる苔類の生えた石裏などに潜み、近くを通る動物を襲うが、その群れの数は50匹程度は当たり前で、多い場合は数百という単位になるというから驚きだ。
 ほ乳類の吐き出す二酸化炭素に反応して近付いてくるので、自動車の排ガスにも反応するらしい。エンジンを掛けたままで仮眠していると、後部バンパーのマフラー周辺にびっしりと集まり、朝起きてトランクを開けようとしたドライバーを卒倒させることもあるそうだ。また、スズメバチと同じように黒いモノにも反応するそうだ。

 コレについてホームページやブログ上に掲載されているモノを読むと、「身の毛がよだつ」ようなモノばかりだ。
例をあげると、
・黒に反応するするので、人の髪の毛の上部で旋回し「蚊柱」ならぬ「アブ柱」が立っていた。
・「ドライブ中に急な腹痛を催したので、車外に出て慌ててパンツを降ろしたが、その途端に襲われた。半ばパニックになりながらもオシリを振り回して防戦しつつ用を足したが間に合わず、露出部をボコボコにされた。」
・「川沿いの道を自転車で走行中、上り坂でスピードが落ちたところを襲われて、転倒後に負傷し、動けなくなったところを執拗に攻撃された。」
・「ルアー釣り中に上に羽織ったシャツがめくれ上がり、下に着ていた黒のTシャツ部分に集まったオロロが巣に集まる蜜蜂のようにうごめいていた。」
・「耳なし芳一」の中で、芳一が唯一お札を張り忘れた耳を持っていかれたように、虫除けスプレーを塗り忘れた所だけを集中攻撃された。
等があったが、まだこの辺は序の口で、あまりのオロロ被害に悩まされ続けた結果、廃村に追い込まれた村があるというから驚きだ。
 昔「鳥」というパニック映画があったが、もしその監督のアルフレッド・ヒッチコックがオロロの存在を知ったのなら、ヒッチコックの「アブ」が撮影されてもおかしくない状況なのだ。

 そんな「恐怖のオロロ」だから、実のところ真夏は渓流から遠ざかろうと心に決めていたのだが、雨にたたられて、釣行計画がたたず、フラストレーションが溜まったままでは中断することが出来ない。そこでワタシなりに研究し、対策を練ってみたのだ。
 まずは身につける服装から。

                     

 最近、釣具メーカーを中心に販売されている夏用ウエアの中に「防蚊ウエア」というのがある。コレは主に蚊に対して効果があるとうたわれているが、小さく注釈付きで「他の吸血害虫に対する効果があったとの報告がされています。」とも書いてある。コレはアブへの効果は実証されていないが全くないワケでもないということだが、全く無防備なモノよりはマシだということで、写真のモノを揃えてみた。モチロン下半身はウェーダーで防御されているから不要なので、上半身の防御を狙っている。
 左列はFREE KNOT=HASYABUSA製の防蚊クールシャツ、真ん中上はシマノ製防蚊メッシュ生地の帽子、右列上は防虫ネット(帽子の上から被る、顔面用の蚊帳=かや)、右列下はシマノ製防蚊メッシュ生地のベストだ。

 続いては防御グッズ、撃退グッズ、そして噛まれた後のケア・グッズだ。

                     
                     (ケミカル兵器?の数々で、左から順に
                    「寄せ付けず→撃退し→噛まれたら吸い出して治療」の意図だ。)

 写真内の左から個別に説明しよう。
 「虫除けは効かない」という説があるが、唯一効くのが「ディート」という成分が入ったモノらしい。虫除けといっても製品によって成分配合量がまちまちだが、ディートが一番濃いのは写真の「ムシペール(100ml中12g)」ということだ。(他に「サラテクト」の一部製品にも成分の濃いモノがある。)しかし、このディートは皮膚炎を起こしたり、ヒドイ場合は呼吸器障害を起こしたりする成分なので、アレルギー体質の人は避けた方がイイらしい。その隣の小瓶は「ハッカ油」というモノだが、アブが嫌うニオイらしく、効果は高いとされている。コレを帽子のつば等に塗布するのだが、顔面に直接使用すると目が開けられなくなるので注意が必要だ。そして次は室内に設置するタイプ虫除け剤の「虫よけゲル」だが、コレをメッシュ袋に入れて腰から吊り下げて携行する。ココまでが防御系で次は攻撃系の殺虫剤だ。コレは噴射距離の長い「アースジェット」を選んだ。その右となりからは事後の対策用グッズで、白い筒状のモノは「ポイズンリムーバー」というシロモノだ。原理は逆注射器というべき構造でアブが出す毒性液を吸い出すのに使用する。そして最後は噛まれた後に塗る「ムヒアルファEX」という、最強のかゆみ止めだ。
 他にも色々と調べてみたが、「蚊に効く」とうたわれているモノよりもアブはハエに近い仲間だから「ハエにも効く」とうたわれているものの方が概ね効果が高いようだ。そこで、もう一つ思いついたのがキンチョウから販売されている「ハエも落ちる蚊取り線香」というモノだったが、ある報告によると、線香が燃える時に出る二酸化炭素に反応して逆に寄ってきたという例があるので、コレは慌てて除外した。

 これだけ揃えると、準備は万端なハズで、あとは現地に向かうだけだ。
 釣りをしない人からは「そんな事までして行きたいのか?」といわれてしまいそうだが、そんな事をしてまで行きたいバカな人種が”釣り人”であり、「そんな対策をしてまで釣りたい」のが”大バカなワタシ”なのである。
 で、「オマエはコレを持って釣りに行ったのか?」と聞かれると、それはまだなのである。実は先週末に自宅を出発し、飛騨方面に向かったのだが、途中の大雨にハイドロ・プレーニングで何度もタイヤを浮かされつつ飛騨高山市まで到達したが、そこで見た川を流れる水量の異常さに引き返すことを決意するに至ったのだ。コレまた「そんな事までしてソコへ行ったのか?」とツッ込まれてしまいそうだが、こんなことをするのが大バカ釣り師のワタシなのである?!。
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巡り巡って荒城川

2009-07-18 11:05:58 | 渓流&管理釣り場での釣り
 そろそろ暑さがヒドくなるし、オロロ(アブ)の襲来も怖い。そこで三回目の久婦須川釣行を計画し、ここは一発、尺越え(30cmオーバー)のヤマメを釣って一旦竿を置くつもりだったのだが…。

 金曜日まで降り続いた雨も土曜日には止み、丁度良い濁りになっているだろうし、当日も曇り~小雨の予報だったので期待をしていたのだが、到着してみると上流のダムからの出水が増えているのか、懐中電灯で照らしても判るほどの大濁りと水量にビックリだ。
 念のため周囲が明るくなるまで待ってみたが、
                      
                      
↑ご覧のようにやや薄めのカフェオレ・カラーになっているのを確認して早々に転進を決意した。

 転身の地は尾根一つ超えたところにある久婦須川とは同じ井田川水系で共通の入漁証で入れる野積川(のぞみがわ)だった。↓
                       
 この川はほとんど濁っておらず、水量もイイ感じで期待が持てそうではあったが、意に反して豆ヤマメ↓
                      
ばかりで、一向にキープサイズが当たる気配がない。
 典型的に見える場所↓
                      
を攻めても答えは同じで、弱い者イジメを繰り返していても仕方がないので、ココで2度目の転進を決意した。

 「ココは大きく川筋を変えた方が得策か?」と一旦神通川沿いに出て南下をして行き、岐阜県に入って高原川沿いへと車を走らせたが、車窓から見る川は白濁しており、釣りが出来る状況ではなさそうだった。ココで考えられるのが普段から透明度が高い支流の双六川だったが、時間は朝10時を回っているし「誰もが考えることは同じだろう」から、「入渓しても人が叩いた後では…。」との思いから更に峠を越えた先にある森茂川(もりもがわ?)↓
                       
に行って様子をうかがった。川沿いの花↓
                       
                       
をめでながら進んでいった先にこんなモノを発見した。↓
                       
そう言えば、このあたりは熊の目撃情報が多い地区でもあり、こんな防御策をとっているということは、それが現実でもあるわけで、なおかつ魚も小さくて…。要するにイヤ~な予感と共に何となく恐怖心が湧いてきたので、この川からの撤退を決意したのであった。

 「もう昼も近いし、今日はボーズかも?」という予感が漂い始める。そこで「何か家族へのお土産を買わなくては…。」との思いから途中にある山之村牧場の直売所↓
                       
に立ち寄った。
 ココでジャージー牛乳、牛乳プリン等の、言わば牧場の定番土産を買った後に目が行ったのが、生キャラメルで超有名になった北海道の花畑牧場でも売られているチーズ=カチョカバロだった…。↓
                       

     ----------------------------------------------------------------------------

※カチョカバロは帰宅後に早速食したが、濃厚な牛乳ベースの味がするチーズで、少しフライパンで焼いて食べるとなかなかにオイシイ。こういった牧場土産は家族に喜ばれる確率がかなり高いので、日頃の釣行に対する家族への罪滅ぼしの意味を込めてよく購入している。話は横に逸れるが、今年の春に通った岡山県周辺では米子道の蒜山サービスエリアで売られている「蒜山ジャージー牛乳」と「朝焼チーズケーキ」が、わが家ではかなり好評だ。↓
                       

     ----------------------------------------------------------------------------

 話を元に戻そう。

 牧場を出た後は正直「家に帰ろうか?」との思いもあったが、こと釣りに関しては転んでもタダでは起きない=要するにシツコイ性格なので、最後に以前から気になっていた飛騨高山市の北部を流れる「荒城川」を視察し、状況が悪ければそこで諦めようと、ここでこの日3度目の転進を決意した。

 荒城川は高原川から山一つ(峠一つ)越えた位置にあるのだが、いざ現地に着いてみると、全く増水の悪影響は見られず、逆にベストの水量で、水質は食いがイイとされる笹濁りだった。
 早速近くのコンビニまで行って入漁証(1日券)を購入する。渓流釣り先進国の岐阜県北部ではこれが出来るので、突然の移動時に販売店を探してウロウロする必要がないので助かるのだ。

 早速ポイントを探して川沿いを走るが、ふと目についたのがこんな所↓
                        
だった。車から降りて辺りを見回すが、近辺に誰も入っていなかったのでとりあえず竿を出してみることにした。

 ポイントは2本の流れの流芯がぶつかる部分とその延長線に繋がるカケ上がりあたりだろうと予測をした。その流れの下層で仕掛が馴染むようにキヂ(ミミズ)をハリに指した仕掛を投入するが、軽い仕掛では上層の流れにはじけ飛ばされて乗ってス~ッと流れ去ってしまう。そこで重めのガン玉=2Bを打って投入し直すと上層の流れに引っ張られず、底の流れを捉えてゆっくりと流れるようになった。
 この仕掛での2投目、底層の流れに乗って移動していた目印がピタッと止まった。すかさずアワセると相手は力強い引きと抵抗を繰り返す。それをササッとかわして無事玉網に収める。本日のキープサイズ第1号は22cmのアマゴだった。↓
                        
 この川は日本海に流れる宮川水系になるので、本来はヤマメが生息する川だ。なのにアマゴが釣れるのは、数年前まで漁協がアマゴを放流していたからだ。今では気を使って?ヤマメを放流するようになっているが、既に生き残ったアマゴたちの繁殖サイクルが確立しているらしく、この川では天然化したアマゴが食ってきた。その証拠に、この日釣ったアマゴの全てがピンッと伸びきった尾ビレを持つ個体で、引きも強い。↓
                        
生態系のことを考えると複雑な気分になってしまうが、釣って楽しいことは間違いなく、外来魚であるニジマスが釣れてしまうよりはマシだと捉えるしかないのが現実だろう。(下流ではニジマスが釣れるらしいが…。)

 1匹目を釣って気分を良くした後の2投目、またもや目印の動きが止まり、アワセを入れたが、その瞬間に先程とは違う「ゴンッ」と衝撃が竿先に伝わった。
 手応えからして良型には間違いない。慌てず竿を絞り込んでプレッシャーをかけてやるが、相手は全然動じてはいないようだ。その証拠に掛けた当初は意に介さずほとんど本流の流芯から動こうとしなかった。そうこうしているうちに、ワタシのチョッカイ?に対して怒ったのか、急に動き始め、スピードを増しながら流芯の向こう側へと疾走を始めた。それをなだめて何とか動きを止めたが、今度は相手を手前へ引き寄せる作業をしなくてはならない。白く泡立つ流芯部分を越えさせようと慎重に竿を操作していたが、流芯に入った途端にまたもや猛然とラッシュを始め、今度は流れに乗って下流へと向かいだした。こちらが動かずにジッとしていると、糸強度の限界を超えて切られてしまうだろうと思い、魚の動きに合わせてワタシも下流へ向かって走り出した。そして走りながら横からのプレッシャーをかけてやると、手前にある流れのたるんだ部分へと相手を導くことに成功した。
 魚の姿が見えた。ヤマメかアマゴで間違いはないのだが、どちらか判断し辛い。だが30cmを越えているようだ。そして「そろそろか?」と興奮を抑えつつ、腰の玉網に手を掛けた瞬間、相手の反転と最後の抵抗が…。
 次の瞬間ハリを伸ばされた仕掛を持って呆然と立ちつくすワタシが居たのであった…。

 気を取り直し、ハリのサイズを1ランク上げての再チャレンジ。普通はバラすとしばらくは食いが悪くなるのだが、よほど魚が濃かったのか、このポイントはワタシの期待に応え続けてくれた。
 程なく22cm級をゲット。↓
                         
エサをブドウ虫に変えて石の裏にできた流れのタルミを狙うと、サイズは大きくはないがイワナが登場する。↓
                         

 その後はアタリが途絶えたので、一旦車に乗り込んで、下流へと向かい、適当と思われる箇所から入渓して釣り上がってみたが、豆ヤマメ(何故か小さいのはアマゴではなくヤマメだった。)ばかりでキープサイズは全く無反応だった。

 しばらくポイントを休ませたので「もう一度先程のポイントを攻め直してみようか?」と「2匹目のドジョウ」ではなく、「5匹目以降のアマゴ」を狙いに車を元の位置に戻した。
 予想は的中し、以降もアマゴを追加していく↓
                         
 その後もポツリポツリとアタリがあり、気が付けばこの日の合計釣果がアマゴ、イワナを含めて最大が24cm、数が9匹(ヤマメはゼロ)になっていた。そして夕暮れが近付き、どこからともなくホタル↓
                         
のお迎えがやって来た。そしてこれを機に、この日の釣りが終わった。

 またもやチャンスを逃してしまったので、今年の目標である「ヤマメ(もしくはアマゴ)の尺オーバーをゲット」達成には暗雲がたちこめてきたようだ。次回の釣行は7月後半の予定だが、梅雨明けの晴天が続いているようだと、状況はキビシくなるようなので、かなり期待薄である。冒頭でも書いたように暑いしアブが怖い。やはり「9月になるまで一旦休止しようかな?」という気もないではないが…。でも、気が付けば河原に立っているんだろうナ…。
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久婦須川のヤマメ~その2

2009-07-04 11:34:44 | 渓流&管理釣り場での釣り
 今回が2回目になる富山県久婦須川釣行だ。

 前回同様、兵庫県西宮市の自宅から約4時間の道のりを経て現地に向かう。到着後は川沿いを上流に向かいつつ、入渓場所を探すが、よく考えてみるとこの川のオイシイ部分は限られており、一人一人がゆっくりと釣ろうと思えば5組前後しか入れない。以前に雑誌で紹介された部分への入り方は判っていたが、そこはそれこそ入れ替わり立ち替わり状態だろうし、他に思いつく場所も大したことはなさそうだった。思惑が色々とあって散々迷った挙げ句、前回と同じ場所からやや下流から入り、前回と同じエリアを含めて釣り上がって行こうと思い、車を止めてしばしの仮眠をとった。

 僅かな仮眠の後、蜘蛛の巣を払いながら藪の中を降りて行き、河原へと降り立ったが、空梅雨気味の天候が続き、水量が減っているせいか前回とは川の様子が若干違い、水色もどことなくどんよりとしており、苦戦しそうな雰囲気の中でのスタートになった。

 以前にも書いたが、同じ場所で同じことをするのはキライな性分なので、スタート地点の下流部に期待をしていたのだが、ソコでは何の反応も無くややガックリしながら移動していく。その内に前回と同じポイントにたどり着く。魚が出そうな場所は同じだろうから、前回と同じことやってみる。するとすぐにアタリがあったのだが、状況が魚を不活性化させているのか、掛かりが浅くてハリハズレでバラしてしまう。何だかこの先を予想させる展開だ。

 ココで問題が発生。移動している間に上部にある道路でドアの開け閉めをする音が聞こえていたのだが、何と目の前にルアー竿を抱えた3人が降りてきたのだ。コッチは早い時間から来て他の釣り人が居ないことを確認しながら降りる場所を考えた結果、今この河原にいるのだが、明らかに釣り人の乗り付けた車がある場所から降りてくる神経は理解出来ない。そんなヤツらには先手必勝だ。リーダーらしき人物に向かって「ワタシはここから釣り上がっていくので上流には向かわないように。」と釘を刺してやった。しかし、反応は意外に素直で「じゃぁ、ここから下ります。」という答えが返ってきたのだが…。
 モチロン下る分にはワタシの邪魔にはならない。しかしながら、下流から他の釣り人が釣り上がってきらどうするのだろうか?。ルアー釣りとエサ釣りでは釣りのスタイルは違うが、川を利用するという点は同じでソコにはルールが存在する。モチロン渓流では「和式のエサ釣り」の方が歴史が古いからソレに従うのが道理だろう。その基本は「先行者優先」と「釣り上がり」だ。だから、この場合は「ワタシの車を見た時点で降りてこない」というのが正解だ。もし先行者を避けて入渓したいのなら、更に上流に入る場合は最低でも2~3km空けて入るか、逆に下流に向かってから釣り上がる以外に選択の余地はなく、もしそのような条件の入渓点がなければ「先行者に一声掛けてから、後ろから決して追い越さずについていく」か、ソレがイヤなら「その川は諦めるしかない」というのを心得ておいて欲しい。
 「ルール知らず」や「ルール無視」によるトラブルは色々なホームページやブログでも書かれており、各地でも起こっているようだ。無用なトラブルを避けるためにも、川を利用する基本ルールだけは各ルアーショップなんかで教えていって欲しいものだ。もっとも、この釣りの先輩や指導者を持たないワタシは誰にこのルールを聞いたのでもない。始める前にチョッと本やインターネットで下調べをすればこんなルールはどこにでも載っているのだ。だから誰でも知る気になれば頭に入るハズだと思うのだが…。

 と、オジサンのボヤキを挟みながら釣りのレポートは進んでいく…。

 しばらく上流に行くと良さそうに見えるのだが、前回は反応がなかった場所↓
                     
をシツコク攻めてみる。奥にある岩盤際の一番深い部分を慎重に流して行くと何投目かにようやく目印が反応して本日1匹目をゲット。↓
                     
ボーズは逃れたのでほっと一息だ。
 続いてを目論むが、もうオシマイで後が続かなく、移動を続けて各ポイント↓
                     
稀に来る貴重なアタリを取っていく。しかしながら撮影のための手に取った瞬間に落としてしまうトラブル↓
                     
                             (この直後に手を滑らせてサヨウナラ)
もあり、キープ数が伸びない。
 苦心惨憺しながら仕掛を打ち返しつつ更に上流を目指すが、朝方はやや曇り気味だった空から光が差し込んでくるようになるとキープサイズ以下の豆ヤマメ↓
                     
ばかりになって閉口してしまう。

 とうとう前回の脱渓地点だった堰↓
                     
にたどり着いたがココまでのキープ数は3匹止まり。しかしながら最初の思惑通り、水量が前回より減っているので堰の周辺を攻めることが出来そうだ。

 堰の周辺でも相変わらず豆さんの攻撃が激しくて、せっかく苦労して集めた川虫=クロカワムシがドンドン消耗して行く。それに耐えつつ果敢に攻めているとそれまでとは違う重々しいアタリがあり、すかさず合わせると「ズドンッ」という衝撃がワタシのロッドを襲った。実はここに来る前にあまりの食いの悪さからそれまでの常用ハリスである0.3号から0.25号に落としていたのだ。それを悔やみつつ慎重にやり取りを繰り返すが、相手はスピードはそう速くはなく、移動距離が少ないいものの、ヘビーにズンズンと締め込んでくる。前回このエリアの手前ではイワナを2匹ゲットしているので「もしかして大型のイワナかも?」と思ったり「いや、クロカワムシがエサだから大ヤマメかも?」と思ったりしていた矢先、「フッ」と軽くなり竿先が跳ね上がった…。結果は痛恨の大バラシであった。
 戻った仕掛を点検すると、アワセのタイミングが遅れたのか、どうやらハリを飲まれながらの長時間?のやり取りの末、歯で擦り切れてしまったのが原因のようだ。
 「たら、れば」を自問自答しながら、更にこの堰の手前で粘っては見たものの、その後は元の豆さん地獄に戻り、失意の内に脱渓を決意することになった。

 脱渓を期に前回調査していなかった上流部を覗いてみる。良さそうに見える渓相であっても、やたらと堰が多い風景↓
                     
が広がっていた。しかも魚道が見えないことから「ズタズタに寸断された川では期待が出来ない」と判断し、反転して下流へ向かうことになったが、チョッとその前に、この区間にある名水「ガット出の水」↓
                     
に立ち寄ることにした。何ともユニークなネーミングだが、由来は単純で、源流で水が「ガーッ!」と湧きだしているから「ガット出の水」ということらしい。このような擬音が由来のネーミングは富山県というよりも、どことなく大阪っぽくてオモシロい。しかし、その味はさすがに名水の宝庫である富山県らしく、確かにウマイ!。そこで以降の釣りの合間に飲み、味わおうと早速ペットボトルに詰め込んだ。

 ガット出の水でUターンして下流部に向かい、前回に上から攻めた橋の横から河原に降りて釣り上がることにした。
 この区間には岩盤が浸食によって彫られた溝のようなところがあったり、大岩があったりで変化に富み、かなり良さそうな渓相ではあったが、天候のせいか?、水質のせいか?はたまた本人の腕前のせいか豆ヤマメとウグイしか反応がない。結構ハードな区間もあって運動不足解消にはもってこいだが、魚が出ないと苦行にも近い。その苦労が実ったのはこんなロケーション内↓
                     
にあった、石と石の間に掘れ込んだ溝のような部分だった。
 ココでようやくアタリがあって、この日最大である24cmのヤマメ↓
                     
を手にすることができた。

 その後は更に釣り上がるものの、またもや豆&ウグイ地獄に逆戻りだ。更に夕暮れが迫り、脱渓地点が判らないので少々アセッてくる。このまま先へ進んでから脱渓するか、逆戻りするかの判断に迫られたが、距離感から推測すると、戻るよりも進んだ方が良さそうだ。それに逆戻りは「猪突猛進・突撃体質」の性格が許さない。前進あるのみだ。そんな状況下であっても未練がましくも、めぼしいポイントを見付けると仕掛を打ち込んでしまう「釣り師の性(さが)」に苦笑しつつ、足早に上流へ進んだが、結局状況は改善されないまま、この日の釣りが終わった。

 もうすぐ真夏がやってくる。これから先は以前にも書いた「オロロ」の発生と灼熱が待っているし、釣果自体も期待薄になってくるだろう。残るチャンスはあと1、2回といったところだろうか?。それまでに、この久婦須川にはもう1度くらいは釣行するだろうが、前期の「有終の美」を飾ることが出来るのだろうか?。
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久婦須川のヤマメ

2009-06-20 12:14:04 | 渓流&管理釣り場での釣り
 今年三度も通った高原川は岐阜県の最奥、最北にあり、富山県境にほど近い。ここへは往路は東海北陸道を経由し、復路は岐阜一宮辺りでよく起こる停滞を避けようと、一旦富山市内に出てから北陸道を経由して自宅のある兵庫県西宮市から訪問していた。しかしその高原川も稚魚放流や鮎の放流が始まり、しばらくは釣果も望み薄の感が出てきたので、次なるフィールドを探していたのだが、「どうせ富山を抜けるのなら、いっそのこと富山で探そう。」と考え、的を絞ったのが、今回の訪問先である井田川水系の久婦須川(くぶすがわ)だ。
 前回の高原川釣行の帰りに富山市内を通過した際、この川の入漁証を買っておいたから、あとは行動あるのみ。「行けば何とかなるだろう」の精神で早速のアプローチだ。

 この川について触れている数少ない本やホーム・ページでの事前の調べでは地形が河岸段丘になっているので降り口が判り辛く、入渓場所が少ないと聞いていたので苦労するかと思ったが、この釣りにも慣れ始めたのか?それとも野生の勘が働いたのか?意外に見付けるのが早く、辺りをウロついているうちに四ヶ所ほど見付けてしまった。その一つに車を止めて仮眠をするが、この時期は夜明けが早く、少ししか時間がない。初めての川でもあるし、ここの魚は天然、準天然が多く、引きが強い魚が多いだとか。想像ばかりが膨らみ、やや興奮気味だったこともあり、ウトウトしたと思ったら、もう目覚ましが鳴る。早速着替えを済ませた頃には外は小雨というか、こぬか雨というか、そのような雨が降り始めていた。

 降りてすぐのところはあまり変化が無く「どうかな~」といった感じだが、何となく気になる岩が水中に見えており、まずはソコに向けて仕掛を打つ。エサはブドウ虫だ。目印がようやく見える明るさの中、まさかと思っていたが、僅か2投目で当たりが出て23cmクラス↓
                      
をゲット。ヒレがピンッと伸びきった天然もしくは準天然らしく、噂通りで引きが強い。
 続いて2匹が連発し、↓
                      
                      
合計3連発と幸先の良いスタートが切れた。

 ゆっくりと釣り上がりながら、ここぞと思ったポイントに仕掛を打ってゆくが、前日の土曜日にさんざん叩かれた後なのか、しばらくはアタリが出ない。そこで人が見逃しそうなポイント=竿抜けの部分を探して攻める作戦に切り替える。
 その甲斐あってか、ポツリ、ポツリとアタリが復活し始めた。↓
                      
そうこうしているうちに誰もが攻めそうな大場所↓
                      
を発見。たとえみんなに叩かれていようと釣り残しがあるだろうと、腰を据えてじっくりとピンスポットの一つ一つを潰していくように攻めてみる。
 出るまでに結構時間がかかったが、ココで本日の最長寸である28cm↓
                      
をゲット。コイツは引くには引いたがサイズの割には大したことがないような…。それもそのはずで、よく見ればヒレの端が傷付いており、成魚放流の生き残りだということが判明した。

 その後も釣り上がりと共に徐々にだが釣果も増え、脱渓の目安にしていた堰堤↓
                      
が見え始める。この辺りは当日の天候条件では水量が多すぎ、川沿いを歩くことが出来ない。そこで藪の中を歩いたのだが、その途中でこんなモノ↓
                      
を発見した。多分ヘビイチゴの一種だろうとは思うが、魚とは違って植物には全く疎い私の知識では判断できず、口にしてアタる確率も低くはないだろうから、見るだけにして先を急いだ。

この辺りでも数匹ゲットし↓
                                            
ついに堰堤のすぐ近くへとやって来た。ココでアタり始めたのはイワナ↓
                      
で、これを2匹追加した。しかしながら水量が多すぎて↓
                      
堰堤直下へ近づくことは出来ず、ここで一旦退渓することになった。

 次なる入渓点はやや下流にある橋の袂(たもと)だった。↓
                      
 ここから徒歩で少し下ってから釣り始めたが、チビヤマメとウグイのオンパレードで閉口してしまう。早々と諦め、移動しようと思って道路まで上がったが、後ろを振り返り何気なく橋の下を覗き込むとナニヤラ気配を感じる淵があった。↓
                      

 この中心を抜ける本流とそれに引かれる流れ=IC(アイ・シー)パターンと言われる部分に沿わせて、横着にも橋の上から流していると、何匹かのチビヤマメとウグイを釣った後にコンッと特有の当たりが出て、25cm級のヤマメをゲット。↓
                      
しばらく粘ると続いて同級を再び手にすることができた。
 気をよくして更に粘ってみたが、続く反応はなく、次なる移動に相成った。

 次なる入渓場所を探していると見たくはなかったが、こんなモノ↓
                      
を発見してしまう。そしてここから先は「熊除けの鈴」を取り出して装着し、辺りの物音を敏感にキャッチして「もしも」の時に備える体勢をとっていた。
 そんな矢先、この日最後の入渓点だった桐谷地区にほど近い部分で釣りをしている際、真後ろに急に何かの気配を感じて振り返ろうとした寸前に「どうですか~?」との声が掛かったのだ。その瞬間は正直そのまま川にハマってしまいそうになるほどのビックリ仰天状態になった。そして「口から心臓が出る」とは正にこのことであると痛感させられた。もちろん声を掛けたのは人間で地元の釣り人だったが、本人とすれば釣りの邪魔にならないように静かに近づいたつもりだろうけど、コッチにしてみればイイ迷惑だ。
 気を落ち着かせたあとに、その「ご迷惑釣り師」と情報交換をすると、この日は低調気味だそうで、この時点で20~28cmのヤマメを12匹と20cm前後のイワナを2匹釣っているワタシの成績は結構イケてるということらしい。
 その後もしばらくの間、釣りを続けたが、結局最後の入渓点では何も釣果はなかった。しかしながら他人との答え合わせができた結果、自分の上達度が理解できたこともあり、気分を良くしつつこの川を後にした。

 さてさて、この久婦須川は魚体がキレイでよく引く魚が多く、平均サイズも大きい評判通りの川だった。しかも、最初の一匹はブドウ虫で釣れたが、その後使ったミミズや現地採取したクロカワムシであっても釣果の差がなく、素直に釣れてくれるのでエサ選びに神経を使うことがないのはウレシイ限りだ。したがってワタシのホームグラウンドに登録は間違いのないところだが、残念ながらこれから先、梅雨が明けると同時にこの地方の渓谷部では「オロロ」という吸血性アブの大量発生が待っているという。元来、蚊に刺されても10分以内でかゆみが無くなるという、アウトドア体質のワタシであっても、50~60匹のアブに一斉にタカられては堪ったもんじゃない。聞くところによると、この種のアブに襲われると、その、気の遠くなるような数に対してパニックになり「オロオロするしかない」ということで「オロロ」という名が付いたらしいから世にもオソロシイ話だ。(信越方面では「ウルル」というらしいが、これは「泣くしかないから」なのか?)だから残された釣行機会は2回以内になるだろうけど、次回の訪問以降でも更なるイイ釣りが待っているように願う今日この頃なのである。
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またまた高原川へ

2009-06-06 15:30:56 | 渓流&管理釣り場での釣り
 コレで今期三度目になる高原川への釣行だ。

 5月30日夜に自宅を出発後。名神高速~東海北陸道を乗り継いで飛騨高山方面へ向かったが、郡上八幡の手前あたりから雷雨?のような大雨に見舞われ、先行きが心配された。しかし飛騨地区に入ると、雨はほとんど降っておらず一安心。自宅を出た4時間後には高原川の河川敷に到着していた。
 仮眠中に急に大きくなった雨音に目をさますが、土砂降りという程ではなく、釣りに影響はなさそうだった。しかし、この判断はアマかった。着替えを済ませて河原に降りるとビックリだ。予想に反してかなり増水しており、濁りも出始めて↓
                     
ポイントらしき部分のほとんどが潰れているではないか!。
 文句を言っても天に届くはずはない。「こういう時は勝手が判るところに入るのが一番」なので、前々回に入ったところと同じ吊り橋のやや上流から入渓した。

 実釣開始後は流れの影々を狙うが、そういう場所が少ないので苦労をする。「あそこがオイシソウだ!」と思っても、川を横切って対岸に出ることは危険な状況なので、手が出せない。結局この地区では2時間ほど釣り上がってみたが、キープサイズ以下の山女魚が1匹と、キープ・サイズにギリギリ到達するイワナ↓
                     
1匹に終わり、移動を決意した。

 「どこかに水の澄んだところはないものか?」と思案してみる。「そう言えば支流の双六川は水が澄み過ぎて逆に釣り辛い時がある。」と何かの本で見たことがあった。「この日の状況なら丁度イイかも?」と思い、車を走らせた。
 着いてみると、なるほど濁り具合は丁度良いような気がする。↓
                     
しかしながら、高台から見回すと何人か先攻している人=先行者が居て、簡単には釣れなさそうな状況でもあった。

 双六テント村のやや手前から入渓し、釣り上がっていくが、ありきたりの場所では反応が無い。そこで他者が見逃しそうなポイント=竿抜けしている部分を探して仕掛を打っていくと、ようやく反応があり、滝の手前↓
                     
にあった見付けにくい底石の影から2匹引っ張り出すことに成功したが、先行者に追いつきそうになった時点で次の移動を決意した。

 次に向かったのは浅井田ダムの直下周辺だったが、ココに狙いをつけたのはダム上はドンドン増水傾向にあるが、ダムがある程度受け止めてくれる↓
                     
ハズなので、「その下なら影響は少ないのでは?」との予想があったからだ。
 かくして予想は当たった。軽度に増水はしているが、釣りに困るような状況ではないようだ。↓
                     
 ココで釣りを再開し、何度か流してみるが、ココにも先行者が居たようで、当たり前のところからはアタリが出ない。そこでまた双六川と同じように「人の裏をかく戦法」でなんとかアタリをとっていくが、欲しかったヤマメではなく、イワナを2匹ゲット↓
                     
                             (この日の最大サイズ=23cm)
するに留まる。
 ここから更にダムに向かって釣り上がって行き「この日の状況だとこのエリアがベストな感じかな?」と思っていた矢先、ここで何と大トラブルの発生だ。
 「ウ~ッ」と辺りに設置されているスピーカーから一斉にサイレンが鳴り始め、「こちらは北陸電力です。」「只今より浅井田ダムの放水が始まりますので、川の周辺から退去してください。」との放送が始まったのだ。

 トホホな気分で川から上がり、またまた思案の開始だ。「今度は逆に支流の上流部だと水が引き始めているのでは?」との予想で車を走らせたが、コレは失敗で、車窓から見える、支流の上流部は濁りが出ていて、とても釣りが出来るようには見えなかった。
 竿を出す間もなく、またまた山を下り、今度は前回に訪れた神岡町の下流部へと向かった。車を止めたのは前回の割石より更に下流の「二ツ屋」というところで、そこから入渓した。
 「ダメ元」気分できた割りには水量、水質共に落ち着いており、期待が持てそうだ。だが、こんな風に1級場所とも思える淵↓
                     
                     
とソコへの流れ込み、それに続く瀬、淵尻のカケ上がりを散々攻めたが、ウグイがポツンとアタるのみで、ヤマメ、イワナは元より、下流域では多いといわれるニジマスすら反応無し。それでも諦めずに釣り上がっていくと前回でも入った「割石橋」にたどり着いた。ココでは前回はあれほど簡単に釣れてウザかった?ニジマスをようやくの思いで1匹↓
                     
をゲットした時点であきらめがつき、この日の釣りが終わった。

 何ともマァ~不完全燃焼な状態の釣りであり「何をやっても天候には勝てない。」と、つくづく感じた一日だった。こういう場合、長年やってきた海釣りならば「潮が悪かった。」と言い訳するところだが、淡水の場合だと「”水が悪かった”と言い訳が出来るのだろうか?」そんな事を考えながら家路に就く車を走らせていた。
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