金継ぎ、金繕い? いえ、陶磁器の繕いを楽しむ会「器再楽(きさら)」です!

「陶工房たつみ」が主催する「器再楽(きさら)」のブログ。金繕い、金継ぎと呼ばれる手法もオープン。繕いの依頼にも応じます。

依頼のあった大きな花器の繕い その1

2014-04-23 14:15:03 | 磁器の繕い例
姫路の方からの依頼のあった大きな花器。
いよいよ取り掛かりました。

先ずは、割れの部分を改めて確認。


まだくっついている箇所が1箇所あるが、これも剥がさないとね。



口部から中を覗くと、こんな形だ。
こういう形ゆえ、中心部が薄くなってしまっているのだ。
この花器、構造的に問題ありだな。
底の補強もお願いしますと翌日に電話があったが、ここをどのように補強するかは、課題だ。


もう1箇所剥がして。


破片を戻すとこんな感じ。


本格的な繕いのスタート。
錆び漆作り。
砥の粉に水を加えて、さらに生漆を、精密なはかりの上で取り出す。
私が本格的な繕いを教えていただいた高槻の豊島先生は、S化学の研究者(化学博士)だっただけに、この配合割合もとてもきちんとしている。


錆び漆を塗って、割れた破片をのせて接着させる。


すぐに錆び漆は色が変化しだす。
私はどうも漆にかぶれない体質のようで、有難いな。
こんな簡単な作業でも、結構指が錆び漆で汚れるのです。


そして、濡れぞうきんを入れた水分のある袋の中で漆の乾燥だ。
私は、ムロなんてもっていないので、こんなやり方で。


同時に作業を進めたものが3点。

先ずは、同じ姫路の方の湯のみ。
欠けた部分の他に、綺麗に漂白したので分かりにくいが、ニュウ(ヒビ)も1か所入っている。


そして、これはいつもお世話になっている「いこま酒店」のママから依頼のあったもの。
繕い方については、任せてもらっているが、同時並行できるので、本格的な繕いで。


それぞれ、錆び漆を置きます。


これらはこんなケースの中で漆を乾燥させます。
底には濡らした新聞紙が入っています。


それから、妻がヨガ教室の先生から依頼を頼まれてきました。
グッドタイミング、これも同じ作業で進めます。
今日で3日目、そろそろ次の工程に進めようかというところです。