私の「認識台湾」

個人的な旅行(写真)の記録を主眼としつつも、実態は単なる「電子落書き帳」・・・・

今年の歳末商戦は「核関連」グッズ?

2006年11月09日 | 極東情勢(日本とその周辺)

先の連休中は(・・・・を過ぎても)趣味のヲタ活動で放浪しておったのですが、久々にこちらに戻りましたら駅のホームで身震いいたしました。冬至の日の昨日は北海道で痛ましい事故が起こるなど全国的にも荒天だったようですが、今年もこうして暮れ行くのでしょうか・・・・

◆核シェルター:北朝鮮の核実験で関心高まる 値段いろいろ(毎日)
◆【主張】「核」論議 理解に苦しむ二階氏発言(産経)
◆Remarks With Japanese Foreign Minister Taro Aso After Their Meeting(国務省HP)

11月2日付の『週刊文春』誌に<中川昭一「核論議」は絶対に撤回しない!>という独占インタビュー記事が掲載されていましたが、「非核三原則を前提にして、そういうこと(=周辺国が考えていること)を議論しましょうと言っているのに、なぜそれをしてはいけないのか。それを聞きたい」というのが氏の真情なのでしょう。核の問題も含め、安全保障の議論は不可欠であるという点に関しては同感であり、北朝鮮のミサイル乱射事件の際に額賀前防衛長官が策源地攻撃能力について言及したり、核という点では9月に中曽根元首相が会長を努める「世界平和研究所」が「将来における国際社会の大変動に備え、核問題の検討を行っていく」必要性を提言(産経)をしたりするなど、これまでも様々な伏線はありました。
私自身は「憲法解釈だけが残って国滅ぶ」(産経)というのは馬鹿げたことだと思いますが、それこそ「非武装中立論」から「完全自主国防論」まで広範に論じてみてはどうでしょうか。「非核三原則」に「議論せず」を暗黙の内に押し付けるような姿勢は民主主義国家として好ましくないと思いますし、北朝鮮の核を論じれば、必然的に我が国の脅威となっている中国の核もクローズアップされてくる(議論に反対する勢力はこれを恐れているんじゃないんですか?特に二階さんとか捨民の面々とか・・・・)、北朝鮮と対比する形で既成事実と化した印パの核、ひいては米露仏英の核のあり方を改めて問い直す機会にもなり、そういう中で「非核三原則」に新たな光を当てることにも繋がるのではないかと思います。(私自身は愛知万博の弁当宜しく「持ち込み」は公式にアリにしないと「核の傘」があるにせよ、いざという時に機能しない気がするのですが・・・・)

中川政調会長は日米安保を二階建ての家の二階に見立て、「まず、土台は日本にある」という認識の下に「まず初めに『日本の平和と安全を日本がどうやって守れるのか』というところから議論すべきでしょう。アメリカが日米同盟のもと、守ってくれているのだから、そういう議論もいらないという人がいれば、それはもうお笑いぐさです。アメリカはそこまでお人好しですか」とも述べていますが、日米安保が全ての局面で完全に機能するという確証があるわけではありません。例えば、ペンタゴンのQDR(Quadrennial Defense Review)で想定されていたような、「米軍介入妨害型」戦略で民兵に仕立てた人民解放軍勢力から尖閣や南西諸島、台湾領域に踏み込まれたら日本はどうするのか?日米安保が「領土問題不介入」という合衆国の原則の虚を突かれる形ともなりかねないと危惧いたします。日本の独立と主権を守る意味において、米軍に頼らない軍事力〝も〟必要であるというのは、「ポスト冷戦」の今日を概観すると自然な考えに位置づけられるのではないでしょうか。

<We are of course longstanding and very strong allies, and we have of course reaffirmed our commitments to one another and our commitments to this region.>
(勿論米日両国は長年にわたる強固な同盟国であり、両国の安保体制上、ならびに極東地域における合衆国のコミットメントを再確認するものです)

「中川発言」の波紋は英FT紙やら米ワシントン・ポスト紙でもいつだか見かけましたが、ライス国務長官からこの言葉を引き出しただけでも意義があったと評価できる向きもあるでしょう。私自身は同長官が前回来日した際の日米同盟をエンゲージメント戦略として活用(記事)する方向性について言及した講演が印象に残っているのですが、日本が持つ「付加価値」を武器として、非軍事的分野で地域への関与を強めることも安全保障の一つのあり方として重要であろう(本来のODAの役割の一つではあったんでしょうけど・・・・)と思います。もっとも「中川発言」に身内の自民党も狼狽し(合衆国の中間選挙の動向を注視するという名目で一端氏が引いたのは一つの見識かとも思います)、攻撃するエサとしか見えない野党という状況ではそうした論議の深化は望むべくもない(かつての民主党の鳩山幹事長の発言については記事中で中川氏も指摘していましたが、この壮絶なる自爆のいい訳を鳩山氏自身から是非聞いて見たい)のかもしれませんが・・・・

来年の『日経トレンディ』のヒット商品に「核関連グッズ」がランクインされる可能性は少ないでしょうが、毎日の記事を眺めておりましたら、「思考停止」状態の政治家と一般庶民のセンシティヴさのコントラストが鮮やかに思えたのも偽らざるところです。

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7 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
はじめまして。 (アラメイン伯)
2006-11-16 23:35:18
素晴らしいブログですね。
僕も台湾贔屓です。中共はナチスと同程度と認識しております。

私は日米安保は重要だと思いますが同時に日本もある程度の独自の軍事的なオプションを持つべきだと思います。
NATO諸国のように。


台湾に海上自衛隊の潜水艦を何隻か分けてあげて中国を牽制すへきだと思います。
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とどきました? (edaats)
2006-11-22 08:56:03
コメントではないのですが、DVDとどきましたか?破損していたら再送します。
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中川(酒)はすでに親台派ではない (むじな)
2006-11-22 15:20:30
>麻生外相も政調時代に訪台してますが、中川氏も台湾新幹線にかこつけて、今度は台北から「日台防共協定」でもぶち上げて下さいな!
>

甘い!
中川(酒)は、台湾には距離を置き始めている。
どうも最近の台湾訪問で、格下の議員と同等扱いされたことに立腹したのが原因らしい。
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アラメイン伯様、edaats様、むじな様 (tsubamerailstar)
2006-11-25 19:19:15
>アラメイン伯様

こちらこそ初めまして!しばらく放浪しておりまして国内のことはさっぱり?の浦島太郎状態になっておりますが、今後とも宜しくお願い申し上げます。

>edaats様

・・・・という次第で大変失礼いたしました。(礼)

>むじな様

中川(酒)って幹事長の方は中川何なんでしょうね?(笑)
古い自民党的体質の方は「親台派」と言うより「反共自由中国派」という感じですもんね。
森首相が陳総統に初めて蒋介石総統を会談した際のエピソードを話しているのは笑えました。このオッサンも空気読めない発言癖は中々・・・・(汗)
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Unknown (むじな)
2006-11-26 00:27:37
幹事長のほうは中川(女)w。

森喜朗は、それでも昔よりは大分まともになっていると思いますよ。てか、あれは私の地元選出で、頭が悪いことで有名だったんだが、小泉と安倍の後見役となった今は発言が以前とは違い、ずっとバランスが取れて見違えるようになっているよ。
「昔おバカだったが、今は見違えるようにしっかりしてきた」といえば、ほかに麻生太郎と秋篠宮が上げられるね。いずれも、「地位が人を造った」典型みたいw。
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陳水扁の媚びた発言も寒かったw (むじな)
2006-11-26 00:31:43
>このオッサンも空気読めない発言癖は中々・・・・(汗)

それをいうなら、陳水扁が今回森に対して「あなたは日本で最大の影響力を誇る森派を率いて来られましたが、私も台湾の森派です」と、例によってワケワカなこといっていました(爆)。あのなあ!
商売人民族台湾人の相手を持ち上げる技も、けっこう滑稽なことがある、と思う。

でも、台湾人って、日本人には「私たちは昔日本人で親日です!」といって媚を売ったと思えば、同じ人間が中国に行くときっと「同じ中華民族、中国人は一つ」とかいってテキトーなお愛想をいって、さらに米国に行くと「自由民主主義のために奮闘している!」というんだよなw。

まあ、商売人民族ってそういうもので、レバノン人出身でブラジル・フランス国籍も持っているカルロス・ゴーンだって、日本では日本人に媚ウリまくりだもんなw。
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むじな様 (tsubamerailstar)
2006-11-26 02:07:03
>てか、あれは私の地元選出で、頭が悪いことで有名だったんだが、小泉と安倍の後見役となった今は発言が以前とは違い、ずっとバランスが取れて見違えるようになっているよ。

そう言えば森さんって金沢&早大卒でしたねぇ。思いっきり先輩じゃないですか!(爆)
石川の工芸品展示会を開催出来て叙勲を受けた今回の訪台は氏にとって本当に嬉しかったのでしょう。

「台湾の森派」は吹きましたね!

>でも、台湾人って、日本人には「私たちは昔日本人で親日です!」といって媚を売ったと思えば、同じ人間が中国に行くときっと「同じ中華民族、中国人は一つ」とかいってテキトーなお愛想をいって、さらに米国に行くと「自由民主主義のために奮闘している!」というんだよなw。

昨年の李登輝氏の訪米の際にこの傾向はなるほどと思いました。まぁ、良し悪しという論評は別として氏何かはこうした「多面的」な面のリプリゼンタティヴなのかなと思いましたが、日本人には中々そういう局面は見えにくい嫌いがあるようですね。(汗)
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