＜毒餃子騒動＞の着地点

福田首相は、首相として初めて華人向けに春節（旧正月）のあいさつを行ったのだそうですが、＜日泊交流年＞にあたって全世界の日系人に向けたメッセージを発した（こちらは新正月でしょうけど）のでしょうか？我が国にとって日系移民開始から百周年という歴史の節目とその重みは、形骸化している日中平和友好条約三十年云々の比ではないと思いますし、＜毒餃子テロ＞で国内が騒然としている最中に、中国様に「新年快楽」というのは議論を呼びそうだ、いや、呼ぶべきだろうと・・・・
暫定税率を巡るつなぎ法案騒動はひとまず鎮静化しましたが、この〝つなぎ総理〟はいつまでやるつもりなのやら。こういう愚鈍で空気が読めない総理と共に日本丸沈没というのは本当に勘弁願いたいところであります。

◆捜査協力に前向き　ギョーザ事件で中国政府　報道は冷静に（産経）
◆餃子事件、日本メディアに冷静で客観的な報道を望む（人民網）
◆ギョーザ薬物、人為的な毒物混入示唆　中国検疫幹部（朝日）
◆福田首相、華人に向けて春節のあいさつ（朝日）

「大量報道することは理解できるが、科学的態度が必要だ。中国側に汚水をまくような報道は無責任な態度だ」（劉建超報道官）というのは、中国の不透明な軍拡を指摘したペンタゴンの年次報告書や、日本の防衛白書に対する「何の根拠もなく無責任だ」という例の逆切れコメントと同義ですが、こやつらは昨年十二月にも日中ハイレベル経済対話のプレス・コミュニケの一部を削除して公表した問題に関して、日本メディアの報道姿勢にいちゃもんを付けていましたね。
日本側の〝過熱〟報道を客観的かつ科学的でないと批判する一方で、『中国製冷凍ギョーザによる中毒事件について、中国国家品質監督検査検疫総局の魏伝忠副総局長は６日、「人為的に行われた事件だ」とした上で、「中国での製造過程で毒物が混入された可能性はきわめて低い」とし、「中日関係の発展を望まない極端な分子によって引き起こされた可能性がある」と述べた』（産経）といった「一つの可能性」（王大寧輸出入食品安全局長）をいけしゃあしゃあと述べている訳ですが、〝矛盾〟というのはこやつらの生息地域が由来の故事ではなかったでしょうか？？？
「やっぱ中共はこうでなくっちゃ！」、とその相も変わらぬ面目躍如ぶりにはかえって清々しさを覚えるような気もいたしますが、この件今朝のワイドショーやらでもぎゃんぎゃんやってましたし、まさに〝火に油〟。〝Responsible Stakeholder〟たるには、火力の強さを中華料理だけに止めておく方が無難かとは思いますけどね・・・・

それにしても、「魏副総局長が話したのは。極端分子は日本側かもしれないし中国側かもしれない」（王大寧輸出入食品安全局長）というのは示唆に富んだ釈明です。北京五輪を控えた中国が、食の安全性に関して威信が傷つくことを何よりも恐れていることは明らかですが、生産・製造・工程管理や労務管理といった段階に介在する中国固有の問題である可能性を徹底的に否定しつつ、日中両国の歴史的経緯に端を発する固有の問題がたまたま顕在化したに過ぎないといった形で事を矮小化し、あまつさえ＜中日友好の発展を望まない日本極右勢力＞が加担した可能性を匂わせている訳ですから・・・・
中共が＜毒餃子騒動＞の着地点を何処に持っていきたいのかが透けて見えるような一言であり、「中日友好の観点からお互い深追いを避けよう」とでも言って、適当に継続捜査への協力と今後の日中協力を確認して〝手打ち〟し、「人の噂も七十五日」へと持っていきたいのでしょう。捜査の壁という言葉をたまに耳にしますが、現段階では捜査はおろか、調査という段でもないお体裁ですから、今後の進展も推して知るべしでしょうね・・・・

一時意識不明の重体となっていた千葉の女の子が順調に回復しているのが何よりですが、餃子そのものの人気は健在ということで、国内では餃子の皮が随分な売れ行きなのだとか。その報道を見て私自身も今は亡き母親が台所に立っている姿を懐かしく思い出したりもしたのですが、中国側、さらには福田政権の断固たる姿勢に期待を寄せるのは無い物ねだりというもの。惰性になりがちな日々の食生活等を改めて見直してみるいい契機として私自身捉えたいものだと考えております。

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