私の「認識台湾」

個人的な旅行(写真)の記録を主眼としつつも、実態は単なる「電子落書き帳」・・・・

備えあれば憂いなし(その1・・・・アジア安全保障会議)

2005年06月07日 | 極東情勢(日本とその周辺)
職業柄公的年金制度改革の中身を知ってしまうと、
「財政均衡期間は概ね100年と言っているけど、こりゃ5年後にまた何か言い出すぞ。結論は〝太く短く〟か、自助努力で金を貯めろということだな・・・・」
という思いを新たにいたします。まぁ、30年後はなるようにしかならんさぁという諦観もあれど、さりとて、近日中に死ぬ予定がさしあたってない以上、いきおい内憂外患な事象には関心を払わざるを得ない。そういう方々は多いのではないかと存じます。

中国に釣られた後ろ向きの議論や、あまつさえわざわざご機嫌取りに訪中するような〝熱心な〟政治家がいる一方、勤勉かつ実直に仕事してるなぁと感心するのが大野防衛庁長官です。(前任の石破防衛庁長官は軍事ヲタクっぽい風情でしたので、「え、何で変わったの?」と当初は思いましたが・・・・)
4日シンガポールで、アジア・太平洋地域の国防相らによる、「アジア安全保障会議」(英国際戦略研究所主催)が開催されました。米国のラムズフェルド国防長官は基調演説の中で、北朝鮮の各技術の拡散と、中国の軍事予算の異常な増大ぶりに対する強い懸念を表明し、他の参加各国(勿論中国以外ですが)も同様の見解を示した模様です。防衛費そのものに関しては、
「米国は中国以上に軍事に資金をつぎ込んでいる」
という中国側の抗弁は全く正しいのですが、その伸びと、透明性が論点になっているのでしょう。
豪州のヒル国防相は大野長官との会談の中で、
「中国が軍の近代化を進めているのは台湾をにらんでのことだ」
との見方を示しており、大野長官が、台湾海峡に加えて、マラッカ海峡の名を挙げているのも注目されます。

5月初旬に、インドネシア国軍と米海軍は、マラッカ海峡などでのテロや海賊行為を想定した合同軍事演習を行いました。それまで、最大沿岸国のインドネシアは、米太平洋軍司令官によるマラッカ海峡への米軍艦船の派遣提案を拒否するなど、マラッカ海峡の安全保障での第三国の関与を強く警戒してきましたが、昨年のスマトラ島沖地震と津波で米軍の大規模支援を受けたのを契機に、現実にはマラッカ海峡防衛での役割拡大を求める米軍の「間接的関与」を事実上受け入れる方向に転じつつあるようです。
大野長官は、5月の連休中に、サマーワに関する謝意を述べる形で豪州のヒル国防相を訪問し、自衛隊のP3C哨戒機を豪州に派遣し、親善訓練を行うことで合意していますが、こういう局面でそれが活きてきた(さらに言えば、イラクの復興支援に積極的に日本が関与してきたことが活きてきた)なぁと感心いたしました。
ワシントンでの日米安全保障協議委員会(「2+2」)以降は、海に出たい中国と、それを阻みたい米国の、〝詰め将棋〟を見るような思いがいたしますが、一歩誤ると米国のアジア・太平洋戦略はグアム付近まで後退を余儀なくされるだけに、緊迫した投手戦が今後も続けられるのでしょう。

一方、日米が共同で技術研究を進めてきたMDが、いよいよ開発段階に入ってきた模様です。
しかし、正直このMDってどうなんでしょうねぇ? 湾岸戦争の折は、
「おおっ! 花火みたいだなぁ」
と能天気にテレビを見てましたが、実際のところの〝打率〟は1割程度だったようですね。(さすがにその当時からは進歩しているでしょうが・・・・)
今回の構想では、上空で迎撃し損ねたミサイルを落下直前にPAC3が撃ち落すという二段構えのようですが、
「まさか、霞ヶ関に向かって飛んでくるのを、アルタの上空で撃ち落すということなのか? それで、タモリは笑ったまんまでいられるのか??」
・・・・何かそんなイメージを抱いているのですが、まぁ、空中を飛んでくるミサイルにミサイルをぶち当てるという〝神業〟には違いありません。

一昔前に、SDI構想という、何だかよく解りませんが宇宙を舞台にした夢のような防衛構想がありました。まぁ、さすがにそれは難しいというわけで、こういった局地防衛態勢に至ったのでしょう。

MDって、それで万全というわけではないが、やはりあった方がよいという点においては、〝がん保険〟のようなもんでしょうかね・・・・
勿論、老後資金の準備も、先細りする公的年金を見据え、自助努力で行っておくにこしたことはありませんが、他人様にそれらしい講釈は垂れるものの、これがなかなか・・・・
自らを省みて、過去の歴史を反省しないといけないところであります。

※写真・・・・航空自衛隊の〝patoriot〟

数撃ちゃ当たる・・・・という性質でもないんでしょうが、MDの導入に反対される筋合いはないですよね。

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