私の「認識台湾」

個人的な旅行(写真)の記録を主眼としつつも、実態は単なる「電子落書き帳」・・・・

小泉首相、最後の打ち上げ花火

2006年05月26日 | 極東情勢(日本とその周辺)

課題を抱えつつも最終着陸態勢に入った小泉政権ですが、慶應卒の与野党党首が三人揃うというのも滅多にない事態かもしれません。後継総裁が早大卒の福田さんだったら橋本総理以降の「自民党総裁早慶戦」は継続ということになりますが、どうなりますことやら・・・・

◆日米同盟、「地球規模」に・共同声明に明記へ(日経)
◆日米共同声明、同盟「新段階」確認へ(日経)

24日の日経朝刊の一面で目を引いたのがこの記事ですが、NIKKEI NETに掲載されているイントロ部分だけでは、日米首脳会談で<地球防衛軍構想>が話し合われるかのように見えますね。
この共同声明の構想は先に訪米した額賀防衛庁長官(日本側)がラムズフェルド国防長官(米国側)に持ちかけたもので、同長官は打ち上げ花火のような共同宣言よりも確実な実効性の担保が欲しいとでも言いたげな反応でした。フォード政権から民間に転出してCEOを務めた氏らしいプラクティカルな思考だなと思いましたが、内憂外患に悩むブッシュ大統領は大歓迎なのかもしれませんね。
『具体的には日本有事の際の自衛隊と米軍の「共同作戦計画」や日本周辺有事の際の「相互協力計画」を前面刷新する方針を打ち出す。そのうえで、世界的なテロ対策や大災害、疾病などへの対応でも両国が協力を強化する方針を掲げる』とのことのようで、テロ対策特措法の恒久化と周辺事態法の改正に弾みをつける狙いもあるのでしょうが、最終的に集団的自衛権の解釈を巡ってクロスロードに立たされることは必至でしょう。
もっとも、「地球規模のテロ・災害対策」をうたう共同声明の構想の是非云々以前に「合衆国向けのミサイルを撃ち落すことは集団的自衛権に抵触云々・・・・」といった議論が「神学論争にも似た議論で、馬鹿げている」(国防総省ジョン・ヒル日本担当上級部長)のは疑う余地がなく(「東風:新大阪」とか「テポドン:博多」といった行き先がミサイルに表示されているわけではないのですから・・・・)、それをクリアしない限りミサイル防衛構想は絵に描いた餅で終わってしまいます。
その辺も含め「首相には同盟強化の意義について国内の理解を深めるため、説明を果たす責任が残っている」という三面での指摘は私自身も昨年来不満に思っておったところです。米軍再編に関しても、日本を取り巻く脅威が増大する一方であるにも関わらず、「負担の軽減」ばかりが強調され、「抑止力の維持」の重要性とそのための具体的措置について顧られることはほとんどありませんでした(自衛隊の正面装備の削減も疑問符が付きます。「切るべきときは切る」の是々非々の姿勢が求められるところです)が、それが「米国追随」といった感情的な反発を招いた一因であることは否めません。
「税金は払わない方が望ましいか。飛行機の騒音は聞こえない方がいいか。軍隊が不要になることは歓迎か。また日本は北朝鮮を懸念すべき対象と見るべきか。中国の急速な国防費の伸びは懸念対象か。さらに、日米同盟は継続されるべきか。日本人の多くはこれら六つの質問に何れも『イエス』と答えるだろう。だが、もし、質問が最初の三つだけであったら、日本の国民は日米同盟の強化に向けた変革には賛成しないだろう。逆に、もし後の三つだけを質問だけを質問されたとしたら、反対の結果が出るかもしれない」というジェームス・アワー氏(米バンダービルト大学教授・日米研究協力センター所長)の指摘は何とも示唆に富んでいます。

外交・通商面等で多少利害が衝突する局面があっても、国益を保障する軍事同盟を上位概念に位置づけ、それを維持していくべきであるという英国流の思考に個人的には共感しますし、東西冷戦というフレームワークから大禍を被ることなく復興・繁栄を遂げてきた戦後日本の歩みを顧みると、「今の(日米同盟の)システムから日本は多大な利益を得ている」というラムズフェルド長官の言葉はその通りだと思います。日経が在日米軍再編絡みの特集記事で、次の政権も基本的に選択の幅は広くないと指摘していましたが、温故知新の精神で日米同盟のあり方を演繹しつつ、将来像を主体的に展望する姿勢が後継政権には求められるところです。

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6 コメント

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小泉が悪人~ (大和(香港))
2006-05-26 22:55:00
私の意見で、小泉が悪人であること、彼は日本を中国による悪いコミュニケーション、韓国と他のアジア国にならせます。
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たまに見ますね、この議論 (やくも)
2006-05-29 01:26:46
>「合衆国向けのICBMを撃ち落すことは集団的自衛権に抵触云々・・・・」



ICBMがそもそも日本の真上を通るのかという話も・・・。

仮に通ったとしてもtsubamerailstarさんが仰られる通りご丁寧に行き先ラベルが貼ってあるならまだしも(爆)現状判別が難しいでしょうから、そこは万に一つの可能性も考えて対応していくのが国防ってものだと思うんですけどね。
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ドイツは本格的に対中投資をコントロールし始めたようです (蓬莱の島通信ブログ別館)
2006-05-29 17:32:47
今日、TBしていただいたドイツ通のかたの情報では、メルケル首相は、今回の訪中の前に、対中投資原則を財界に守らせることを条件にして、対中投資の会社を選んだようです。常任理事国入りを目指すなら、利を犠牲にしてもというこうした毅然とした態度が必要でしょうね。

日本の場合もはっきり日米同盟を対外関係の最上位に位置づけ、それに会わせて、他国(中国など)との経済関係をコントロールするのが今後の課題でしょうか。”自分の都合ばかりを言い立てる下劣な商人ばかり”と思われれば、信用を失いますね。対外関係でも、何でも自由なんだというような、似権派の論理は、最も悲惨な自滅だと思います。
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大和(香港)様 (tsubamerailstar)
2006-05-29 23:26:49
日本語でブログ開設とはすごいですね!

香港は一度行ってみたいと思ってはいるのですが、台北からだと便数も多いし、結構格安航空券安かったような!?



小泉首相は中華圏にはやっぱ人気ないようですね。(汗)

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やくも様、蓬莱の島通信ブログ別館様 (tsubamerailstar)
2006-05-29 23:34:53
>やくも様



>ICBMがそもそも日本の真上を通るのかという話も・・・。



この前そんな話をテレビでしていたので、ブースと段階での迎撃の話でもしてんのかと思ったのですが、どうなんでしょうね?

ハワイ沖で今迎撃実験やってますが、「ブルペンエース」みたいな話じゃないだろうなと。まぁ、ターミナル段階での迎撃は松井の打率くらいに考えておく方がよさそうですね。(汗)



>蓬莱の島通信ブログ別館



欧州勢の中国詣でも昨年来目立ちますが、温家宝とかはなかなかしたたかなエアバス商談をまとめてましたね。武器禁輸措置の解除が一つのポイントですが、スェーデン何かは立派だと思います。まぁ、ただ、一歩間違うと台湾海峡を舞台とする米欧の代理戦争という事態になりますから、そうそうは強行できないだろうかとは思いますけどね。



>日本の場合もはっきり日米同盟を対外関係の最上位に位置づけ、それに会わせて、他国(中国など)との経済関係をコントロールするのが今後の課題でしょうか。



最終的にはこれも米中関係という函数如何によると思いますが、レノボが国務省からマークされだしたのはやっぱりなという感じでした。

対中ココムのようなものは必要かと思います。

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いつの写真ですか? (yosiaki)
2006-05-30 00:13:39
この写真は小泉さんが山崎さんの応援に来たんですか? 昔は仲良かったみたいですけど今は微妙、どっちかというと反小泉何ですよね??

3兆円とかいきなり言われても困るんですけど安全保障でアメリカは切れないですもんね。結構多くの人が「どうせ日本を守るわけない」とか言ってますが、いざその時にならないとわからないのかなー。特亜があまり行っちゃうと核武装とかそういう話になるんでしょうか??
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