盛り上がりを欠く五輪誘致

梅雨も明け西日本では連日猛暑が続いておりますが、昭和天皇のメモ（20日の朝は朝日が間違って配達されたかと思いました！）昨日の亀田戦の判定以外にも何かとすっきりしないことが多いような気がいたします。
安保理改革＆常任理事国入りが話題になっていた昨年のこの時期（記事）、国連という組織そのものに疑義を抱いたことがあったのですが、多国間主義という抑制原理を機能不全にさせている常任理事国の理不尽な既得権には改めてうんざりする思いです。

◆台湾、北京五輪共感１４％　台湾有力紙調査　「地位低下へ焦燥感」と分析（西日本）
◆ＪＯＣ、福岡と東京を視察　「どちらも一長一短」（朝日）

五輪の国内開催地候補を巡って福岡と東京がつばぜり合いを繰り広げているようですが、こちらでは「福田さんの総裁選出馬」宜しく（地元）マスコミが勝手に盛り上がっているだけのような印象（一時期の「石原新党」も似て非なる話かもですね）を受けます。福岡の場合、地下鉄七隈線や人工島事業（読売）など、大型公共事業の大コケが続いている影響も多分にあるように思うのですが、東京が盛り上がっているかというとそういう気配でもなさそうです。
東海道新幹線の新駅建設凍結が争点となった滋賀県知事選や（栗東新駅の構想自体は東海道新幹線の最高時速が270キロに揃っていない時代の退避駅候補という意味合いが強く、その意味では所期の目的は逸散してしまってはいたのですが・・・・）、九州新幹線長崎ルートの並行在来線経営分離問題が争点となった佐賀県の鹿島市長選でも反対候補が勝利を収めるなど、大型公共事業に対する厳しい、醒めた視線が随所で見受けられる昨今ですが、この辺の国民の意識も随分変化してきたのではないでしょうか。（これが20年前だったら「五輪誘致」も「新幹線新駅建設」もイケイケ派が大勢だったでしょうね・・・・）

福岡五輪に関して言えば、「北京と交流や協力を強め、北京の準備活動の力になるとともに、福岡も貴重な経験を積み上げていく」（山崎前副総裁）といった大アジア主義の亡霊に憑り付かれている人が何かと鬱陶しい（「アジア」「アジア」と煩いって！）ですね。ケチがついた人工島には中華街やら中国企業を誘致する思惑があるようですが、平成の出島ならぬ＜犯罪特区＞でも作る気かと・・・・
昨年の選挙では「韓国を国連常任理事国に」とのたまう奇想天外な民主党候補がお得意様のブログで話題になっていました（時期国連事務総長は韓国でなくタイに投票しましょうね！）が、五輪誘致で他国を応援しても別に売国奴認定はされないだろう（むしろゼネコン等日本企業にも恩恵は大きいでしょう）ということで、台湾には（2016年目標はともかく）是非五輪誘致を目指して頑張って欲しいなと個人的には思います。（ソウルが80年代の終わりに開催した位ですからねぇ・・・・）
台北市内を歩いていますとバブル前の日本のようなイケイケ感が何だか懐かしいような気もするのですが、「台湾版所得倍増計画」の計画もあるようですから、台湾新幹線というアイテムも活用しつつ是非先進国入りを目指していただければと思います。

個人的には「悪い冗談」としか思えない北京五輪ですが、台湾では「調査によると、６６％が北京五輪開催を知っていたが、「特別な感慨はない」が６６％、「意見なし」１７％、「反感を持つ」２％だったのに対し、共感する人は１４％。北京開催を知っていた人に限っても「共感し光栄に思う」は１８％にとどまった」（西日本）なのだそうです。北京開催を知っている割合は日本の方が多いように思うのですが、活躍している選手の数によるところも多いのでしょうね。（「卓球の愛ちゃんが云々・・・・」という報道を見れば、次は北京と認識しますしね）
一方、「五輪は中国経済を成長させる」と考えている台湾人は７０％に上るのだそうですが、その二年後の上海万博も含め「瞬間最大風速」的にはそうかもしれませんが、中・長期的かつ持続的な経済成長には疑義が残るところです。
東京五輪と同時期に開業した東海道新幹線の需要予測でさえ、五輪後を危惧する声は国鉄内部でもかなりありました。対中投資に熱を上げる台商は、かつての日本ですらそうした慎重な見方をしていたという点を銘記しておくべきでしょう。

見込まれる内需の拡大という点に関しては、中国は大国でも何でもなく、所詮「中国」に過ぎないと思う次第ですが、ホントに＆本気で08年に北京五輪を開催する＆開催出来るのでしょうかね？

PS：今週末の某資格試験対策と下らん仕事でいただいたコメントへのお返事が滞っておりまして申し訳ありません。（個人的にすっきりしない最大の元凶はこの二つが原因だったりでトホホでございます・・・・）

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