私の「認識台湾」

個人的な旅行(写真)の記録を主眼としつつも、実態は単なる「電子落書き帳」・・・・

チベット問題は世界の良心への挑戦:ペロシ米下院議長

2008年03月23日 | 極東情勢(日本とその周辺)

一昨日のローカルニュースで、「イラク侵略五年座り込み」(長崎新聞)なる運動を報じていました。

 戦争犠牲者に黙とうをささげる座り込みの参加者=長崎市、平和公園

イラクの戦争犠牲者に敬虔な気持ちで黙祷をささげる行為は立派なことですが、長崎ではリアルタイムなチベットでの犠牲者について報じられていないんですかね?
昨日乗車した博多のタク会社の運転手さんは、「北京とか、砂嵐の中でオリンピックとか出来るのでしょうか。チベットとかでも揉めてるようですが、仮に自国民であっても、このご時勢に弾圧はないでしょう・・・・」とタイムリーな話をされていましたが?

え?あれは戦争ではなく中国様の内政問題で、軍隊を使って弾圧している訳でもない・・・・そら、どうも失礼しました!

◆Nancy Pelosi challenges world over Tibet(Telegraph)

<She described the situation in Tibet as a "challenge to the conscience of the world." "If freedom-loving people throughout the world do not speak out against Chinese oppression and China and Tibet, we have lost all moral authority to speak on behalf of human rights anywhere in the world," Mrs Pelosi said. She also said she was not surprised "about the use of violence on the part of the Chinese government.">
(ペロシ議長は、チベットの状況を「世界の良心に対する挑戦」であるとし、「もし全世界の自由を愛する人々が、中国の圧制や中国、そしてチベットへ声をあげないなら、人権について語る道徳的権限を世界中で失うことになります」と言う。同議長は、「中国政府側が暴力行為に及んだ件」は驚くに値しないとも付け加えた)


人権に対して手厳しいN.ペロシ米下院議長の面目躍如たる素早い行動だな、と感心しました。彼女に言わせれば、KYな長崎の平和団体の面々は、人権について語る資格なしということになりますな。
CNNで30秒ほどの断片を見ただけですが、この言葉には奮い立たされる思いがいたします。メリケンの「二枚舌」も大概にせいよ、と辟易する向きもあるものの、反面感動を呼び起こすのもこの人たち。壁崩壊後のベルリンで、バーンスタインが東西混成の臨時オケを指揮した「第九」の演奏とかは今でも忘れられないですね・・・・
チベットの件ですが、全方位に罵詈雑言をぶちまけている中共(この姿見たら、毒餃子の件では連中なりに抑えていたのね、と「親中派」に転びそうですよ)に意見しても意味がないので、さしあたって私自身は、駐日米国大使館ならびに国務省に文句言いましたね。マコーマク報道官は、「それはそれ、これはこれ」みたいな物言いで、ブッシュ大統領の北京五輪参観を取り止める意向がない点をブリーフィングで述べていましたが、その拙速なる判断は、政権を去る大統領、ならびにアメリカ合衆国の歴史に汚点として刻まれるのは確実であろう──と。

あぁ、日本政府への苦言を忘れてましたね。ドイツなどは政府間協議を取り止める意向も示しているというのに、胡主席の来日に必死になってる連中だもんなぁ・・・・
そうこうするうちに、各国の〝空気〟が変わって、天安門後みたいに世界中の笑いものにならなきゃいいんですがね。否、世界各国の〝空気〟を変えないとどうにもならない。時間との闘いだと思います。

<A total of 400 trucks in western Sichuan province were seen heading towards Tibet. A specialist online magazine said elite troops from the Chinese People’s Liberation Army were among those operating under cover on the streets of Lhasa, even though martial law has not been declared. The magazine said the number plates, which would reveal whether the vehicles belonged to the PLA or the PAP, had been obscured, along with the red star on the sides. The significance of the claim is that the government, sensitive to reminders of the Tiananmen Square massacre in 1989 and the declaration of martial law in Tibet that preceded it, insists that only police and paramilitary police were used to quell the violence.>
(西四川省からチベットに向かう合計400台のトラックが目撃されている。あるオンラインマガジンの専門家は、仮に戒厳令が宣言されなかったとしても、ラサの中心部に潜んでいる治安警察の中には、中国人民解放軍の精鋭部隊が含まれていると指摘する。同誌は、車両側面の赤色星やナンバープレートが覆い隠されている(車両がPLA所属かPAP所属かが判る)点にも言及しているが、ここで重要なのは、1989年の天安門広場での大虐殺とその前年のチベットにおける戒厳令宣言を想起させることに敏感になっている政府側が、暴動の鎮圧にあたっているのは警察とそれに準じる治安警察だけであると印象付けようとしている点である)

「治安警察」という言葉がTV報道で繰り返される点に注視していましたが、要は中共の隠蔽工作は明白だということですね。
北京五輪を控えた中共としては、一刻も早い〝原状回復〟が白眉なのでしょうが、中共が「鎮圧宣言」のようなものを行った段以降も、戦慄の光景が繰り広げられるのは間違いありません。
中共は「暴動」に関与した者の〝自首〟を促していますが、住民からの密告を奨励する様などは、まさに228事件以降の台湾です。「白色恐怖」ならぬ「赤色恐怖」という陰惨なj時代の到来は、チベットの人々をお互い疑心暗鬼にし、その精神をズタズタにしてしまうことでしょう。

ダライラマ現法王は、巷間言われるほどの有難い方なのか何なのか──勉強不足の私は正直存じません。むしろ、「この人がボーっとしていたから中国に攻め込まれたという落ち度はないのかね?」という疑念がある位なのですが、何れにせよ、氏がちらつかせた「法王退任」のカードが、事態の解決に有効に作用する可能性はないでしょう。結果的にダライラマ氏が、自らの責任or関与を放棄するという象徴的意味合いに過ぎず、氏が望む「自制」のメッセージが、チベット側に伝わるとすら思えません。

チベットの現況を阻止するのは、国際的な監視の目以外にないと考えますが、このまま「猫の首に鈴」を付けられない事態が推移するのではないかと私自身強く懸念する次第です。


中国はジャーナリストにとって世界最大の監獄 国境なき記者団  



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