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民俗地図「道祖神の獅子舞」修正版

2024-07-15 23:20:38 | 民俗学

 

 先日“「かぶっつら石」とは”において、「かぶっつら石」について触れ、そこで「正月の獅子舞分布と限界線を載せてみた。糸魚川静岡線のラインを記入すればより分かりやすいのだろうが、いわゆるフォッサマグナエリアに特徴的に表れていることがわかる。」と指摘した。あらためてその地図を工夫してみた。もちろん先日も記したように、地図に中央構造線と糸魚川静岡構造線を追加した。そして地質図Naviのさまざまなデータを試作してみたが、最も利用価値のあるのは5万分の1地質図からシェープデータをダウンロードして利用すると、岩石名で表示でき、実際の自然石の石質の石が近在に無いか確認できる。ところがデータが多いのと、全ての地域のデータがオープンになっていないため、完全なものができない。したがってほかの地質図のどの地図が最もわかりやすいか、と思案したところ、20万分の1日本シームレス地質図にいきついた。そのデータを利用して作成した地図がここに示したものである。ここでは前回の図を少し修正している。ひとつは長野県民俗の会第239回例会において「民俗地図研究」の発表をした際に、長野市戸隠においても道祖神の獅子舞が行われているという情報を得たため、図に戸隠追通(おっかよう)の事例を追加した。もうひとつは、山梨県と神奈川県での実施例を追加した。したがって合計5地点の事例を追加している。獅子舞限界線については、戸隠の1事例だけで線を修正するのはどうかとも思い、戸隠の事例は限界線の外側のままにした。今後の課題である。神奈川県の事例は、いずれも秦野市の事例であるが、ほかの地域でも実施例が具体的に判明すれば追加していく予定だ。そもそも神奈川県下では「あくまっぱらい」と称して獅子舞ではなく仮面をつけて家々を回ったという事例もあったというし、獅子舞は広範囲で行われたという情報もある。

 さて、昨日同じ神奈川県の松田町の道祖神と五輪塔残欠の関係について触れた。実は獅子舞をしているという秦野市内にも五輪塔のかかわる道祖神は多い。今回事例を追加したのは、秦野市役所のホームページに公開されている「秦野の小正月」の中にある「あくまっぱらい」3例であった。そのうち菖蒲地区では道祖神に集合して「あくまっぱらい」が始まるという。その道祖神をグーグルストリートビューで確認すると、双体像の周囲に五輪塔残欠がたくさん並べられている。ほかの石造物がないことから、道祖神と五輪塔に強い関係性を抱く。このことについては、今後も神奈川県の道祖神に関する情報を集めてみたいと思っている。


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