先日、大祓の様子をと思って訪れた坂下神社。既に前週に行われていて、茅の輪の写真だけ撮って帰ったのだが、せっかく伊那まで行って空振りも残念と思い、拝殿の前にあった絵馬を調べてみた。祈願の現状を絵馬や短冊からうかがい知る、という方法は、小原稔さんに教えてもらったこと。祈願対象として、何が願い事として書かれているかを、人と接することなく知る方法として、確かに多くのデータを収集することができる手法である。ということで、坂下神社に掲げられていた絵馬の内容を調べてみた。
掲げられていた絵馬の総数は69枚。そのうち①「厄除祈願」と印刷された厚紙の絵馬が39枚と最も多い。ほかに②「初宮詣」と印刷された木の絵馬が12枚。③「安産祈願」と印刷された木の絵馬が8枚。④「開運」あるいは「開運招福」と印刷された木の絵馬が8枚。あと2枚のひとつは⑤「災難除祈願」と印刷された厚紙の絵馬、⑥表に「祈」と印刷された紙が貼られた木の絵馬、以上である。そもそも坂下神社の絵馬を総覧した際に、①の記名欄がすでに消えていてはっきりしないものがあったりして、だいぶ時を経ていると思われる絵馬が目立った。木の絵馬には背面に祈願日が記されていて、それで確認すると、最も古いものが令和4年3月23日の「初宮詣」のものであった。さらに祈願された日かはっきりしないが、令和3年11月6日生まれの方の「初宮詣」のものがあり(参拝日が未記載)、おそらく令和4年の元旦以降に奉納されたものが掛けられていると思われる。
①「厄除祈願」についてはみな同じ既成の絵馬であり、名前と年齢が記載されているが、前述したようにすでに消滅しているものが多く、判明するもの22枚(56%)は男性3、女性17、不明2であり、女性の厄除け祈願が8割近い。その年齢は、男性3の内訳が、34、36、60歳。女性17の内訳が、6、8、19、31、32、33(5)、34(4)、41、61、65歳となり、33、34歳の祈願者が多い。不明の2例は23、34歳である。
現代でも当たり前に①②③といった祈願は多いと言え、とりわけ「厄除」に対しての意識は高いと考えられる。厄除祈願の絵馬の背面には一切願い事が書かれておらず、木の絵馬には総じて背面に祈願が書かれている。それらを下記にとりあげてみる。
1.私が最善を尽くせるように、大切な人達が平穏でありますように。(開運)
2.健康一番 勉強を一生懸命できるように。(祈)
3.日本を守れますように。(開運)
4.商売繁盛! 家族4人健康!(開運)
5.○○ちゃんといっしょにあそべますように(開運)
6.これからも家族みんな健康で仲良くくらせますように。これからも幸運でありますように。(開運)
7.第一志望先に就職できますように(開運)
8.第一志望の大学に合格できますように。(開運)
9.成績が良くなり、志望校に合格できますように(開運)
なお、②③については意図が同じのため省略した。
絵馬のほかに扇が1個掛けられていて、意図は初宮参りのものであった。
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