Cosmos Factory

伊那谷の境界域から見えること、思ったことを遺します

小さなジョレン

2017-06-22 23:47:49 | つぶやき

 かつて「農具・中編」において「ジョレンの規格外品が登場することはない」と述べた。先ごろある土地改良区を訪ねると「今は小さなジョレンが売られている」という。管理用に改良区で買われたジョレンを見せていただくと、確かに幅が狭い。そして小さい。ジョレンは面に隙間があるように作られているから、泥を掬う際に水を掬わずに済む。だからこそ側溝管理に欠かせない道具なのだが、このジョレン構造のもので小さいものを見たのは初めてだった。近くのJA資材センターに売っているというので、立ち寄ってみた。

 写真がその資材センターで売られていたジョレン3種である。左から幅は約23、22、18センチである。左端のものが通常のジョレン(少し狭いかもしれないが)、右端のものが改良区にあったジョレン。よく言われるのは側溝幅30センチのものなら通常のジョレンが入るが、25センチ幅では「入らない」という話。ところが通常の物でも23センチだから25センチ幅の水路に「入るじゃないか」と思われるが、側溝の場合底面にアールが入っている。ようは底の方が幅が狭いというわけだ。実際のところU字溝の場合30センチ幅のものでも底面の直接部は17センチ弱。ようは通常のジョレンでも底まで綺麗に掬おうとすると入らないというわけだ。とりわけ左端のものは爪部分がほぼ直線だからいっそう入りにくい。ところが真ん中のもの、そして右端のものは、爪の部分にアールが入っているからU字溝の底面の幅が狭くてもより底まで掬いやすく作られている。

 農業用水路によく使われているベンチフリュームというコンクリート二次製品は、底が浅いから底の直線部が幅30センチのもので19センチ弱、25センチのもので16センチとU字溝よりは広めだ。それでも右端の18センチタイプのものでいっぱいいっぱいというところ。まさに右端のジョレンはベンチフリュームの幅25センチ用に合わせて作られたようなジョレンなのである。

 ということで、コンクリート二次製品水路を改修するにあたって最低30センチ幅なければ「管理ができない」からダメだ、というのは理由にならなくなる。

 


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