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Cosmos Factory

伊那谷の境界域から見えること、思ったことを遺します

ある「常会」の記録より①

2018-12-15 23:00:43 | 地域から学ぶ

 「常会」とは時期を決めて開く会合。定期的な会合。のことを言うらしい。しかし、団体として「常会」を使うところも多く、いわゆる町内会や自治会と同意とするところも多い。わたしはこれまで、「常会」という単位の組織に属した経験はない。生まれた地域は隣組の上はかつての「」、今で言う自治会だったし、今暮らしている地域でも、隣組の上は自治会と呼んでいる。おそらくこの自治会と同じ単位の団体になるのだろう、ある地域の「常会」の綴りが手元にあり、これを紐解いてみることにする。

 「記録簿」と表紙に記されたものは、ページ数にして200ページほどのもの。昭和43年3月に始まった記録は、昭和53年12月まで納めている。表紙には「常会」ではなく「通報区」と記されており、後にこれを「常会」と読み替えている。冒頭の日付は3月29日とあり、「42年度年度末総会」の記録から始まる。もちろん冒頭は「新年度役員改選の件」と始まる。選衡委員による協議の結果が記されているが、「通報区」と記しているようにその長は「通報委員長」と記されている。そのほかの役員は副通報委員長、会計、納税、副納税、調査、林野、防除、副防除、道路、副道路、健民、副健民、農協部長、養蚕部長、副養蚕部長、共済、農協生活部、婦人部(2名)が箇条書きされている。当時の役員のうち、現在も生存されているのは2名のみ。もちろん現在なお戸主をつとめている方は一人もいない。総会の記録は以上で、ほかの記録はない。

 続いて5月2日に「臨時常会」が開かれている。ここでは「通報区」ではなく、「常会」と記されている。議題はひとつとして通報区外の道路に関することで、買収するか否やについて問うもの、二つ目として「村衛生委員に関する件」、三つ目として「集団赤痢対策慰労並びにお花見の件」、四つ目として「消毒の件」、以上4件の議案が記されている。慰労並びにお花見については、5月13日に開催するとあり、費用は預金から支払うとされている。この時期のお花見が何を対象にしていたかといえば、おそらく「桜」ではなかっただろうか。また消毒については、「施行日は毎月、五日、十五日、二十五日とする」と記されている。何の消毒であったのかは、記録からは読み取れない。

続く

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