今日の天っちゃん

天知茂関連作品の情報

あなたが主役

2010年06月03日 | 雑誌・新聞
(1978年3月19日付読売新聞より引用)

【二枚目と共演☆あなたが主役よ】
フジテレビが4月3日からの「12時開演!」なる番組で週一回、一般女性を二枚目スターと共演させる「あなたが主役」という趣向を出す。二枚目の顔ぶれは石坂浩二、天知茂、竹脇無我、黒沢年男、志垣太郎、宝田明……ら。
これは司会の桂三枝が考えた。「今、カラオケブームで歌いたい人がいっぱいだが、一歩進めると芝居をしたい人が多いんじゃないか。それもあこがれの二枚目と」。この話に二枚目たちが飛びつき、石坂や天知は自分で脚本まで書いて来た。
「カラオケとうちゃんに負けてばかりいられない」という主婦やOLの方、美男と見つめ合う気分は悪くないですよ。応募してみてはいかがですか。宛先は(*略)。どんな役で出たいかを書き、上半身の写真を添えて。

(1978年6月9日付読売新聞より引用)

主婦がスターと共演
フジテレビ 「あなたが主役」
精神的な浮気してみたい
週300人も応募


茶の間の一般女性が本職の二枚目俳優を相手に思い入れ十分に演技するフジテレビ月曜の「あなたが主役」(「12時開演!」内)という番組が、なかなか好評。二枚目との芝居は5分30秒という短いものだが、しっかりしたミニ・ストーリーを作り、扮装を凝らしてロケ撮影するという本格的な“映画”だから、中身は濃い。番組を見て「あんなにきれいに撮ってくれるなら、私も」「一生の思い出に」と若い主婦層を主に、出演希望が局に殺到している。

☆宝田、石坂、天知が相手
ミニ映画の一編を紹介すると、宝田明と49歳の主婦木田幸枝さん共演の「春風のロンド」はこんな具合――。
新人モデルを捜すファッション界の有名カメラマン宝田の前に、美女のモデル、南ルリ(木田幸枝さん)が突然すい星のごとく現れた。宝田の撮る写真によって彼女は大評判になり、いつしか宝田に深い想いを寄せるようになるが、その彼には将来を約束した女性がいた!という悲恋ドラマ。49歳の木田さんが華麗なファッションで精一杯若返り、恋する人への熱くまた悲しい想いを懸命に演ずるのが見せどころだ。
応募者の相手をつとめる二枚目陣は、天知茂、石坂浩二、古谷一行、黒沢年男、志垣太郎……と、たくさん揃っている。
この趣向は、番組の司会者桂三枝が三宅恵介プロデューサーと話し合ううちに出てきた。「今カラオケ・ブームで男性は外で発散しているが、家庭の奥さんも何か発散したいものがあるのでは?いっそスターと芝居させたらこの潜在的欲求にこたえてあげられるのでは」というもの。

☆20代から30代の主婦
この考えを二枚目たちに話したら「面白い」と乗ってきて、石坂など自分で物語を作ってきた。
さっそく女性の出演者をテレビや新聞で呼びかけたら、番組を開始した4月初めこそパッとしなかったが、2、3回放送されるや、どっと出演希望者がふえ、今は1週に2-300通の応募が殺到するという人気。出演者は1カ月ごとに選ぶ。1000通あまりの応募から書類審査し、50人程度を集めて面接、この中から4人決定という狭き門である。
これまでの応募者を見渡すと、最年少は14歳の女子中学生、最年長は76歳のおばあちゃん。20代後半から30代の主婦層が中心で、応募の動機は「結婚して子供が出来、手を離せるようになったから、このへんで精神的浮気をしてみたい」というのが多い。
物語の注文についてもほとんどが「許されぬ不倫の恋をしたい」で、制作陣の予想は当たった。
望む役柄は「昔あこがれて、ついになれなかったスチュワーデス、看護婦、芸者」など。

☆ラブシーンもまとも
自分が演ずる役の性格については、自分と正反対のものを希望する人が多い。性格にピタリという場合でもユニークな設定を望む。
長門裕之の刑事に対し、不良少女役をすごいタンカを切って好演した33歳の久保道子さんは、本当はごくおしとやかな女性。
志垣太郎と共演した39歳の吉野アイ子さんはママさんバレーボールをやる人。はね回るのが大好きということで女忍者になり、敵の忍者志垣を愛しながら最後には決闘する大芝居をやった(この放送は19日)。
相手をする二枚目たちは、撮影にだいたい2日間のスケジュールをとるのだが、女性たちがあまり熱心なのでつい引き込まれ、日程を自分から延ばしてサービスする人もいる。志垣などは、台本打合せから撮影、音入れまで5日間もかけた。
志垣は「とにかく、吉野さんはラブシーンでも、目をまともに熱っぽく見つめてくるんで、こっちがドギマギしました。まさに“不倫の恋”にこちらも懸命にこたえちゃいました」と語っている。
こうして出来上がった番組を、出演した女性たちは親類、縁者、近所の人に大宣伝して、一緒に見るという。「主人が見て、ひやかしましたけど、ニコニコしてました。とてもうれしい思い出になりました」というお礼の手紙がスタッフの元へ来るそうである。


*天知回の映像(2本あるうちの1本。まだ倍率がそれほど高くなかったであろう1978年4月10日放送分?)をご厚意で拝見した(ありがとうございます>住田様)。桂三枝と水前寺清子がいるスタジオに、脚本・演出を手掛けた「非情のブルース」といういかにもなタイトル(でもあれは他局なので非ライという言葉は出ない)の台本を手にしてお相手と登場。お相手は芸者希望の37歳主婦の方。柔道初段・剣道三段の“猛者”であるためか、お辞儀の際の手のつき方が前でなく真横で「押忍!」ってな感じだった、なんていう裏話をスタジオで披露した後で映像が始まった。天知茂と37歳主婦共演の「非情のブルース」はこんな具合――(真似)。

ネオンきらめく夜の街にたたずむ刑事(ほぼ会田:天知茂)。とある料亭を見つめながら、内ポケットから取り出してデコピンしたのは指名手配犯・三枝五郎(=桂三枝)の写真。これから刑事は、逃亡中の彼がコンタクトを取ったであろう情婦の芸者に接触を図ろうとしているのだ。

部屋に来た芸者・豆奴(お相手)にお酌をしてもらい良い雰囲気になりながら、三枝の件をさらりと持ち出す刑事。驚く豆奴の耳元で、あの男には他に女がいる、君は利用されているだけなんだと囁く刑事に折れる豆奴。

そしてラスト、天っちゃん本人が歌っているっぽいブルース(「昭和ブルース」ではなかった)をバックに、空っぽの部屋で「生まれたときが悪いのか…」と脱力する豆奴と、外でタバコに火をつけながら「それとも俺が悪いのか…」と呟く刑事が映っておしまい。

ナレーションに北町嘉朗さんを配し、5分程度の映像ながら非ライ風に渋くまとめた作品に仕上がっていた。シロウト丸出しの豆奴さんを相手に会田演技をしてのけているところがさすがである。
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借金結婚

2010年05月29日 | 雑誌・新聞
別冊週刊明星(1969年・S44年6月号)より引用

全調査 三つの夫婦愛物語

モノグサ結婚 高松英郎夫妻
借金結婚 天知茂夫妻
食い気結婚 宇津井健夫妻

夫婦ゲンカは犬もくわない――ケンカしてるかと思うと仲直り、仲がいいと思うと大ゲンカ。まったく夫と妻だけのマル秘世界は、アカの他人が見てもわからない。しかし、家庭に直接潜入取材してみれば話は別。そこで、三組の人気タレント夫婦のエンの下にもぐりこんで、意外も意外なそのマル秘世界をのぞいてみると――。

(*高松・宇津井夫妻は省略)

【天知茂夫妻の場合】

200円で“買われた”花嫁?!


恋愛結婚、見合結婚、友情結婚など、世の中に結婚の形はさまざまだが、思い切って形やぶりな“借金結婚”で結ばれたのが天知茂夫妻、それも直接のきっかけは、たった200円のタバコ銭だった。

天知が新東宝の第1期ニューフェイスとして映画界入りしたのが、今から17年前の昭和27年4月、そのときの同期生だった森悠子が、いまの純代夫人である。

2人は同じ名古屋出身だったところから、同期生の中でも最初に親しくなった。

そのころの2人の給料は7千円ぐらい。だからデイトといえば、渋谷の50円劇場で映画を見るか、安いコーヒーかラーメンをすするのがせいぜい。それも金をはらうのはほとんど純代さんのほうだった。

「天知は計画性がなくって、お給料もらっても、2日ぐらいでもう財布がカラになっていました。それでいつも私から借金していたんです」
と、純代夫人はバクロする。

そんなことが重なるうちに、どうやら2人は(少なくとも天知のほうは)自分と相手の財布の区別がつかなくなってしまったらしい。

あるとき天知が、例によって「タバコ銭を貸してくれ」と、純代さんから200円を借りた。いつもなら、そのまま知らん顔なのだが、数日後、
「ああ、君に200円返さなくちゃいけないな」
と、彼が言い出した。

「めずらしわね。いま返してくれるの?」
純代さんがききかえすと、彼はしゃあしゃあとこういったものだ。

「いや、金はないんだ。どうだい、返すのはめんどうだから、いっそのこと結婚しちゃおうじゃないか」
これが天知のプロポーズだったわけで、すなわち“借金結婚”の由来である。

こうして、2人は昭和31年3月15日に結婚式を挙げ、たまりにたまった天知の借金は、永遠にうやむやになってしまった。

あやうく“花婿抜き”の結婚式に

結婚式は2人の故郷名古屋で行われたが、このとき天知は、嵐寛寿郎主演『暁の三十六人斬り』に出演中で、スケジュールの調整がつかず、はたして式に出られるかどうかわからないという心細い状態だった。

それでもようやくやりくりをつけて、彼が式場の『徳川園』(もと尾張徳川家の屋敷)にかけつけたのが式のはじまる寸前で、あやういところで、花婿ぬきの結婚式という珍事態はさけられた。

東京に帰って『新橋クラブ』で披露宴。さて、新婚旅行に出かける段になって、またまた撮影スケジュールが邪魔をする。旅先から毎日撮影所に電話を入れ、明日の撮影予定がないことをたしかめてから次の場所へ行くという有様で、どうやら京都、奈良、白浜と3日間のハネムーンをすごした。

「そんな調子だからちっとも落ち着かないんです。新婚気分を味わうなんてものじゃありませんでしたわ」
純代夫人は、いまでもそのときのことがうらめしそうだ。

新居は世田谷の経堂。家財道具はまるでなく、ただ勉強家の天知らしく、映画関係の本と雑誌だけが、部屋の中に大いばりで積みあげられてあった。

「まったくピーピーの新婚生活でしたね。ぼくは酒はやらないのですが、タバコはすごく吸うんです。でも、そのタバコを買う金がない。それで、灰皿の中から吸いガラを拾って吸うんです。そうすると、女房がいつのまにか出て行って1箱買ってきてくれましたね。女というものは、なんとかやりくりしてヘソくってるもんですなあ」
天知はそんなことをいってるが、純代夫人のそのころの苦労はひとかたでなかった。

「結婚してすぐ新東宝がつぶれかけたでしょう。給料は遅配つづきなんです。でも天知はああいう人だから“俳優は金なんか問題じゃないんだ”なんてカッコつけちゃって……たまにお給料が出ても自分じゃもらいに行かないんですよ。いつでも私が代わりに受け取りに行ってたんです」

結婚後13年。いまでは『キイハンター』(TBS)などで、テレビの人気スターとして活躍する彼(原文そのまま。ちなみにキイハンターには出演していないはず)。家庭では千景ちゃん(11歳)、慶クン(6歳)と2人の愛児にめぐまれ、貧乏時代の苦労は昔語りとなった。
「でも、無計画でのんきなところはちっとも変ってません。対外的なことはいまでもみんな私にまかせっぱなしですし……」
ダンディ天知茂も、純代夫人にとっては、いまだに恋愛時代の“借金魔”そのままであるようだ。

*退職金は奥様が取りにいかせなかったそうなので、案外お給料の受け取りも奥様主導だったのかもしれない。…しかしキイハンターはないだろう、キイハンターは(1969年といえば野際さんとの「さすらい」や小平太さん@ああ忠臣蔵だ)
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マダム・キラー

2010年05月01日 | 雑誌・新聞
プレイファイブ(1968年・S43・11月号)より引用
*ご本人のスクラップブックより(資料協力:住田忠久様)

主役の素顔 4
マダム・キラー
天知茂


影のある男。一人だけの世界に住む男。ソフトななかにも女心をしびれさせるニヒルなムードを持つ男。天知茂のタイトルはいくらでもつけられる。

日本テレビの『夜の主役』で満天下の女性ファンの心をつかみ、いままたフジテレビの『密会』が始まった。

ギラギラと乱反射するような派手さはないが、砂浜にキラリと光るダイヤのような輝きがある。それが天知茂の魅力だ。

いまはもうなくなってしまったが、かつての新東宝の屋台骨を背負い若手スター陣の一方の旗頭として売っていた頃は極悪非道のギャングが当たり役だった。彼がスクリーンに出てくると「こんどはどんな目茶苦茶なことをするだろうか」という期待でゾクゾクしてきたものだ。

ギャングスターの代名詞とまでいわれた天知茂が不遇時代をむかえたのは、前記、新東宝が倒産してから。すでに長女の千景ちゃん(現在小学校4年生)はかたことながら話もできるようになっていた。

役者としてのあせり、父親としての不安、そんなものが心の奥底で交錯していた数年間、その不遇時代をじっとこらえてきた気持ちが、現在の彼にとって十分な土壌となって見事に開花してきた。『夜の主役』がそれであり、『密会』がそれである。

「あのニヒルなムード。色でいえば黒。そのくせ人間的な暖かさを感じさせる。あの鋭い目でじっと見つめられるだけで失神しそうな魅力がある」多くの女性ファンは異口同音にそういう。

フジテレビの『密会』の初日、立稽古で初めて顔を合わせた共演者に深々と頭をさげて、「天知でございます。よろしくお願い致します」と挨拶をしていた。演劇界の大先輩・清水将夫氏も立ち上がって「こちらこそヨロシク」と挨拶をかえす。そんなところにこの世界には珍しい律儀さを感じさせる。苦しかった数年間が彼をしてすっかり人間的に大きく成長させたのだろう。

いまでは“天知ムード”という言葉さえある。スターダムにガッチリと根をおろした。それでも人として守るべきセオリーは、はっきりと守る――。そんなところに彼の人間性がキラリと光ってみえる。

37歳の二児の父親・天知茂にかえったとき、そこには意外と明るく善良な市民の顔がある。破顔一笑という言葉そのもの。相好をくずして大笑いをする。人をホッとさせる明るさがある。長男の慶クン(もうすぐ満5歳)にあえば、まことに権力のないパパになってしまう。オヤジとして慶クンや千景ちゃんとの時間をもう少し欲しいという天知茂の素顔はホットな顔だった。

写真キャプション:マダム・キラーといわれる 甘くソフトなくせに影を含んだ眼差しが女心をしびれさせる (「密会」写真

*その他、失神必須(?)の眼とか善良な市民の顔とか破顔一笑など(画像スキャンありがとうございます>住田様)

*ご本人スクラップより。「天知ムード」なんて言葉があるとは知らなかったがこれからガンガン使おうと思う(いいのか)

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非情のライセンス 再び登場

2010年04月26日 | 雑誌・新聞
週刊小説(1974年・S49年10月11日号)より引用

非情のライセンス 再び登場

本格的社会派ハードボイルドとして好評のうちに終了した「非情のライセンス」(生島治郎氏原作・NET系)が、10月3日から、同じ時間帯(午後10:00~)で、新番組として再びブラウン管に登場する。

犯罪を追い、社会悪に挑戦する刑事は、前シリーズ同様、天知茂。すでに10本ほど作品を撮り終えているが、続いて制作中で、先日、神宮でのロケに、原作者の生島氏が顔を出した。相変わらずシブい男くささを発揮する天知を、生島さんは満足そうに見やっていた。

写真:(シブい背広のツーショット)&(危険人物に手錠をかける生島先生

*些細な記事だが、ナマ生島先生が載っているので引用してみた。原作とドラマでは会田のイメージがずいぶん違うのだが、許容範囲だったんだなあ。
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天知茂 独立プロ結成

2010年04月24日 | 雑誌・新聞
日刊スポーツ(1965年・S40・6月12日号)より引用
*ご本人のスクラップブックより(資料協力:住田忠久様)

天知茂 独立プロ結成
中田プロの天知茂は、副業としてはじめた「ニュー・シネマ・コーポレーション」を軌道に乗せ近い将来、中田プロ離脱を正式に発表、天知プロを結成することになった。また彼が主演している関西テレビ放送(毎月曜後9:45-10:15)のテレビ・ドラマ「ミスター・シャネル」を、8月1日から9日間大劇の舞台で発表する。

【ミュージカルを開拓】大劇で「ミスター・シャネル」
天知はことしの2月に、PR映画製作の目的で設立した「ニュー・シネマ・コーポレーション」がその後順調な歩みをみせているところから、天知プロ結成に踏み切った。ゆくゆくはPR部門、テレビ映画部門と、個々の部門で企業として体制を確立していくが、来年2月にはアメリカテレビ映画「逃亡者」の時代劇版の制作に取りかかることになっており、いま五社英雄氏が執筆中である。今秋までには中田プロからの離脱を正式に発表するのと前後して天知プロ結成を表明することになろう。

また一方、天知茂は、彼が主演している「ミスター・シャネル」の舞台化については、テレビで描けなかった魅力を引き出し、その人気を不動のものにしようというねらい。

ミュージカルは天知にとって未知の世界。それだけに不安もないわけではないが、彼は「きっと面白いものにしてみせる」という。1日3回、1ステージ1時間半だから、この長い時間をどうこなすか注目される。

共演者陣には歌手の日野てる子を相手役に予定しており、日本歌劇団でまわりを固め、さらに関西喜劇人のメンバーを配して、笑いのムードいっぱいのステージ構成にしたいともくろんでいる。

天知茂の話
自分のやりたいものを企画し、それをこなすのが演技者の理想だし夢だ。「ニュー・シネマ・コーポレーション」は、CMだけでなく、将来の自分の演技の基礎にしようと思ってスタートしたが、順調なので、一つのメドができかかっている。

また「ミスター・シャネル」の舞台化については、輸入ミュージカルの高い線のものではなく大劇のお客さんを基礎にした、面白いものにしたい。これは私のワンマン・ショーといえるものですからいろいろな面をお見せしたいと思っている。何しろ長い時間なのでダレないように気をつけたい。

中田プロ東京事務所の話
天知さんの独立プロ結成の問題は、いまのところ、当方としては、はっきりといえない。ただそういうことはあり得るということです。

写真 キャプション:天知プロ結成、「ミスター・シャネル」大劇公演について語る天知茂(「主水之介・三番勝負」のセットで)

前回と同じくご本人スクラップ記事より。天知プロは1965年(S40)7月に正式に設立された模様(週刊テレビガイド誌より)だが、その前身の「ニュー・シネマ・コーポレーション」、さらに大劇(大阪劇場)でもシャネルの舞台(しかもミュージカル!)があった、というのは初耳だった。…というより、1/23~27の名鉄ホール公演「初笑い清水港」と2本立てとリストに書いてる「ミスター・シャネル 0番街の男」が実はこれなのか!(シャネルの放送はこの年の2月からなので辻褄もあっているし)。なお、アメリカテレビ映画「逃亡者」の時代劇版、というのは「無宿侍」のことらしい。

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天知茂が自作自演

2010年04月23日 | 雑誌・新聞
(新聞名不明、1964年・S39年2月18日号より引用)
*ご本人のスクラップブックより(資料協力:住田忠久様)

【天知茂が自作自演】 「虎の子作戦」で二役も

フジテレビ「虎の子作戦」=24日放送=の「死んでる俺は誰だ」でレギュラー・メンバーの一人、天知茂が自作自演する。

物語は虎の子一家が大阪の繁華街で男の変死体を発見するところからはじまる。たまたま被害者の風ぼうが虎の子一家のシャネル(天知茂)に似ているところから、かれが被害者になりすましておとり捜査を開始、やがてビルの地下室の秘密クラブを突き止めるといったもの。

生まれてはじめて脚本を書いた天知は「この“虎の子作戦”の魅力は警察手帳を持たない刑事が事件を追っかけるというところにある。そのうえスリルとサスペンス、それにちょっぴりお色気もあっておとなが楽しめるものになっている。僕は日ごろ台本には口うるさい方だが、いざ自分で書いてみると大変むずかしい」と語っていた。

なお天知は劇中、被害者とシャネルの二役を演じる。(写真

*「2月末の「虎の子作戦」では脚本も自分で書いて自作自演した」(週刊朝日)とされる回が確定(ちなみに記事は畏れ多くもご本人のスクラップより。有難うございます>住田様)。自作脚本というと、これと「日傘の女」、あと「あなたが主役」くらいしか把握していないので、台本だけでもいいから読んでみたいものである。2か月前に同じく脚本を担当したレギュラーの高松英郎さんは女っ気のないドラマを書かれたそうだが、こちらは新東宝仕込みのエンタメ路線っぽくて面白そうだ。
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母性本能を狙う

2009年11月27日 | 雑誌・新聞
デイリースポーツ (1967年・S42年・9月30日)より引用

“火曜夜9時”に火花 二つのアクション登場
「おせん捕物帳」(NET)〈3日から〉
「ローン・ウルフ」(日本)〈17日から〉

母性本能を狙う―天知茂
お色気でガッチリ対抗―重山規子


10月から火曜夜の9時から同じ時間にそれぞれ趣の異なるアクションものが放送される。一つは日本テレビ「ローン・ウルフ(一匹狼)」(17日から)他の一つはNET「おせん捕物帳」(3日から)ともに1時間番組で26回の連続もの。他局は“文芸もの”を並べているこの火曜夜の1時間、日本テレビとNETのアクションもののチャンネル争いが見ものである。

「ローン・ウルフ」の天知茂がテレビの連続ものに登場するのは「悪の紋章」(NET)以来1年半ぶり。「悪―」でもニヒルな役柄で売ったが、こんどもまた「すべてを失い、残っているものは命しかない」(鎌田・日本テレビプロデューサー)という元刑事の役。犯人にピストルを奪われ、懲戒免職となった刑事がピストルと裏切った妻を追って、事件の追跡者となるというサスペンス・アクション。

「1年ほど前から、こうしたサスペンスものをやりたいと企画を持っていたんですがね。日テレさんと話し合った結果、1話ずつ完結という形で実現したわけです」と、天知は“一匹狼”の弁を語る。原案構成は007を日本に紹介した作家都筑道夫。監督は東映のアクション映画監督深作欣二、小西通雄ら。

ライバルとなるアクションものはNETの「おせん捕物帳」だけ。もっともこの番組、重山規子が発散する“お色気”アクションだけに、本格的なアクションものは「ローン・ウルフ」だけということになる。

お色気と本格的の対決にもなるわけだが「男の視聴者っていうのは、かなり無責任ですからね。私としては、むしろ女性を対象にしています」と天知。女性視聴者のハートをつかむという作戦。妻に逃げられた元刑事のニヒルな事件追跡者という設定にも「女の母性本能をかきたてるアクション」という鎌田プロデューサーのねらいがあるようだ。

一方「おせん捕物帳」は、いわば重山の“お色気”が売り物。重山自慢の脚線美を生かした黒の網タイツ姿というのが彼女の捕り物スタイルだ。「時代劇、捕り物の主人公といえば男が多い。そこで外国テレビ映画“ハニーにおまかせ”の女探偵に、重山のムードを加えた新しい捕り物の主人公」とは吉津・NETプロデューサー。捕り物帳ばやりを逆手にとったお色気作戦。「ローン・ウルフ」とは反対に、男性視聴者が目当てだ。

「おせんが既成のものでなく、オリジナルに生み出された人物というところに魅力を感じた。自分にピッタリのおせんを」と、重山はもっともらしい出演の弁を語っているが、結局は脚線美で夜9時台の男の目を引こうという番組。どちらも同じ時間帯の番組だが「母性本能をかきたてる」天知か、脚線美で男の手を10チャンネルにひっぱろうとする重山か。この両アクションもの、どちらに軍配が上がるか。なかなかの見ものである。

母性本能をかきたてるアクションがはたしてどんなものなのか、(東映chでみた)1話だけでははっきりしないが、会田@非ライ以上だと思っていてよいのだろうか。

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“ホットな顔”も見せる天知茂

2009年10月22日 | 雑誌・新聞
(1973年・S48・4月19日付読売新聞より引用)

“ホットな顔”も見せる天知茂
「通りゃんせ」(フジ系)で子連れ医者に


「非情のライセンス」(NETテレビ系木曜午後10:00)で、久しぶりに“一匹狼(おおかみ)もの”の主役を演じている天知茂が、ガラリと“顔”を変えて、フジテレビ系のホーム・ドラマ「通りゃんせ」(21日から、土曜午後9:30)にレギュラー出演する。男やもめの内科・小児科医という役柄だが、彼にとってホーム・ドラマは初めて。いままでに見せたことのない“新しい顔”を披露することになりそうだ。クールな顔とホットな顔を使いわける彼に、インタビューしてみた。

【初のホームドラマ 非情からの変身に苦労】
クールなほうは「非情のライセンス」の刑事、会田健。警視庁特捜部所属、38歳の“はみ出し刑事”で、非情な手段で、悪に立ち向かう。

36年に「休日の断崖」で初めてこういう役を演じて以来、「孤独の賭け」「廃虚の唇」「悪の紋章」「一匹狼」「夜の主役」など、一連のドラマで彼のイメージができ上がった。

「やっぱり一匹狼ものって自分のキャラクターに最も合ったものだと思うんですよ。ただ、同じようなものばかりやってきたでしょ。どうしてもマンネリになっちゃうんです。だからしばらく休んだ。今回の“はみ出し刑事”役もこの種のものとしては3年ぶりなんですよ」静かに天知は語る。

同時に初めてのホーム・ドラマにとりかかるわけなのだが……。
「ホーム・ドラマねえ。ときどき家で『ありがとう』なんかを見るんですよ。ドラマチックじゃない。ストーリーも別段変ってるわけじゃない。だけど“何か”があるんです。茶の間の人が見てくれる“何か”がある。いまの私にはわからないけれど……。それが何であるかをつかみたくて、ホーム・ドラマを積極的にやってみる気になったんです」

「通りゃんせ」は養父(松村達雄)、義妹(坂口良子)、養父の孫(相吉賢一)と一緒に生活し、主婦代わりをしながら呉服店を切り回している小柳しのぶ(大空真弓)が、下町の隣人たちの祝福を受けて、近くに引っ越して来た男やもめで子連れの内科・小児科医の貝原比佐志(天知)と結ばれるまでを描いた26回の人情ドラマである。

「私にも中学3年と小学校4年の子供がいましてね。ホーム・ドラマは“地”でいけばいい、ってよく言われますけど、私はそうは思わない。ホーム・ドラマ的な生活をしていないんで、私の場合はやっぱり演技です。演技といっても“いかに自然にやるか”ってことじゃないでしょうか」

現在「非情のライセンス」が週に5日、「通りゃんせ」が週2日というスケジュール。うち1日は、午前中“非情な顔”を出し、午後からは“子連れ医師”に変身する。

「正直言って、これは苦労しますよ。役者ってのはいつでもすぐに頭の切り替えができなくちゃいけないんでしょうが、私はこれが苦手でして。家で同時に2本のセリフ覚えるなんてとてもできない。だから分けて覚えるようにしてる。ドラマやってるときはその役柄になり切っちゃってるからパッと変身できない。だけど不思議なものでしてねえ、この“非情のライセンス”用の背広を着てると、刑事みたいな顔でいられるし、これをぬいで、白衣着て子役と2人になると、こんな顔に自然になってくるんです」と口をへの字に結んでみたり、やさしい顔で目じりをさげてみたり。彼はやはり相当の役者である。

新東宝(26-36年)時代から、役者生活もう22年、自然に身についたものだそうだ。そういえば、テレビ出演も12年以上になる。

「最近は視聴率というのをかなり気にするようになりました。映画や舞台でいえば、観客数と同じですからねえ。“非情のライセンス”は15.7%とまずまずのスタートでしたが、“通りゃんせ”はどのくらい見てくれますか、低いとやっぱり責任感じちゃいますから」

役者に徹し、今度のホーム・ドラマもやる気十分。どんな新しい顔を見せてくれるか楽しみである。

*非ライ用“会田背広”を着ながら目じり下げてる写真(こんなの)つき。

*「ホーム・ドラマ」と名の付くものに出るのは初めてかもしれないが、それこそ新東宝時代からライトな役とハードな役を交互にこなしていた天っちゃんだけに、結構キマっていたかもしれない(けど、残ってないんだろうかフィルム…)。
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「事件もの」の主役たち

2009年10月16日 | 雑誌・新聞
(1976.9.27日付読売新聞より引用)

こんな気持ちで
「事件もの」の主役たち


刑事もの、記者ものなど、事件ドラマはいぜんテレビ番組の主流の一角を占めて健在である。今回は事件ものの主役に、番組について一言ずつ語ってもらった。

外へ出て活動したい
「太陽にほえろ!」(日本テレビ系)の石原裕次郎
視聴率が40%を超えたそうですが、出演者のチームプレーのリズムがすっかり出来上がり、それが画面に表れているからではないでしょうか。また出演者一人一人に明確なキャラクターを持たせたことも成功の原因でしょう。私自身のことを言えば、これまで机に座り指示することが多かったが、不自然にならない範囲で、外へも出たいと思っています。

演技の幅広げる好機
「いろはの“い”」(日本テレビ系)の竹脇無我
過去の私の出演作というと、メロドラマ調のものが多く、相手役は必ず女性でした。それが今回は男ばかり、かねて私が希望していた役柄で、演技者としての幅を広げる機会だと、大いに張りきっています。アクション場面も多く、イメージチェンジにもなるのではないでしょうか。ただ私はギャンブルが不得意。マージャンシーンが多いのですが手つきはでたらめです。

年相応のアクション
「夜明けの刑事」(TBS系)の坂上二郎
三年目に入り、ますます張り切っていますが、なにせテレビ五本、ラジオ一本のレギュラーがあるため、オーバーワークになりがち。四十二歳相応のアクションを考えねば、と思っています。私が変装する時や、コメディー・タッチの内容の時は、特に視聴者に受けているようなので、それも単調にならないよう、いろいろ工夫をこらしていくつもりです。お楽しみに。

“クリーン警察官”強調
「特別機動捜査隊」(NET系)の青木義朗
足かけ七年にもなる三船主任の役で、三船は私の分身というより、もう私自身だという思いです。ハワイでこの番組の人気が高いのですが、“警察官がクリーンである”というのが理由だそうです。外国の警察官は行動的ではあるが、批判的な面も多いようですね。こういう世の中ですから特に、警察官の原点ともいうべきクリーンさに今後も努めたいと思います。

事件通して生き方を
「非情のライセンス」(NET系)の天知茂
すでに百五十数本やってきましたが、それだけにマンネリに陥りがち、そうならないようスタッフ、私ともども努力しているつもりです。十月からの新シリーズでは、“どんな事件を扱うか”という発想ではなく、事件を通して生き方の違う“人間同士の触れ合い”をテーマに取り組みます。つまり天知対○○となるわけで、一層、身の引き締まる思いです。


*10月からの新シリーズというと、タイトルに「兇悪」が入らない、坂井も右田もいなくなって活気がなくなってしまった第2シリーズ後期。一方「太陽にほえろ!」はスコッチ(沖雅也)が登場したころ。差がつくなあ。

*二郎さん、42歳相応のアクションを考えねばって…すみません天っちゃんは45歳でバリバリ(←相対的)にアクションしておまけに脱いでたりします。というより、てっきり二郎さんの方が年上かと思ってました(裕次郎さんと同い年なのか次郎さん…)
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フリータイム

2009年09月12日 | 雑誌・新聞
(1980.5.16読売新聞夕刊より引用)

コーラなめなめカラオケ狂

天知茂はかなりのカラオケ狂だ。いま主演中のテレビ朝日系「非情のライセンス」の主題歌「昭和ブルース」は彼自身が歌い、レコードも出しているが、
「ボクはあくまでも俳優。歌は余技、ストレス解消のため」。
最初に歌ったのは、16年前に主演したドラマ「廃虚の唇」の主題歌。歌など全然だめと思っていたのが、共演の高城丈二にコツを教わって、自分でも何とか歌えたかなと思い、いつのまにか歌好きになっていた。
友だちとバーへ行っても、飲めないのでコーラをなめながら、それでも「マイウェイ」なんかを歌う。
「きらいじゃないですねえ」

*きらいじゃないどころか最高に好きそうな顔でマイク片手に歌を披露しているかなり大きめの写真つき(しかもマイク持ってる指にタバコ挟んでるあたりが通だ)
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