意外と共演している天っちゃんと雷蔵さんだが、お互いを評した記事って見たことないなあ(当時の格差などを考えると、雷蔵さんが何か言ってた、ということはなさそうだけれど)と思っていたところに、うってつけの本が。
『対談:雷蔵をめぐって』(後援会報用の対談集)の中に、
「天知茂・市川小金吾さんに聞く」として、ちょうど明治座公演(S51)時のインタビューが入っていた(例の二役の話なんかもさりげなく宣伝)。
雷蔵さんとは直接会話を交わしたりという機会はあまりなかったものの、どことなく共通点があるように思うことや、時代劇臭くない人、という印象を持ったことなどを
結構饒舌に語っていて、雷蔵さんが生きていて、TVに出ていたら
『非情のライセンス』なんか演っていたかもしれないって気がするなんて言葉も飛び出していた。
他を読むと、雷蔵の伊右衛門で四谷怪談を撮る、という企画もあったそうで(まあ仮にそんなことになっていれば、今ごろ伊右衛門役者ナンバーワンの座は雷蔵さんのものだったろうが)、やはりそっち方向の雰囲気は似ているのかもしれない。