今日の天っちゃん

天知茂関連作品の情報

母性本能を狙う

2009年11月27日 | 雑誌・新聞
デイリースポーツ (1967年・S42年・9月30日)より引用

“火曜夜9時”に火花 二つのアクション登場
「おせん捕物帳」(NET)〈3日から〉
「ローン・ウルフ」(日本)〈17日から〉

母性本能を狙う―天知茂
お色気でガッチリ対抗―重山規子


10月から火曜夜の9時から同じ時間にそれぞれ趣の異なるアクションものが放送される。一つは日本テレビ「ローン・ウルフ(一匹狼)」(17日から)他の一つはNET「おせん捕物帳」(3日から)ともに1時間番組で26回の連続もの。他局は“文芸もの”を並べているこの火曜夜の1時間、日本テレビとNETのアクションもののチャンネル争いが見ものである。

「ローン・ウルフ」の天知茂がテレビの連続ものに登場するのは「悪の紋章」(NET)以来1年半ぶり。「悪―」でもニヒルな役柄で売ったが、こんどもまた「すべてを失い、残っているものは命しかない」(鎌田・日本テレビプロデューサー)という元刑事の役。犯人にピストルを奪われ、懲戒免職となった刑事がピストルと裏切った妻を追って、事件の追跡者となるというサスペンス・アクション。

「1年ほど前から、こうしたサスペンスものをやりたいと企画を持っていたんですがね。日テレさんと話し合った結果、1話ずつ完結という形で実現したわけです」と、天知は“一匹狼”の弁を語る。原案構成は007を日本に紹介した作家都筑道夫。監督は東映のアクション映画監督深作欣二、小西通雄ら。

ライバルとなるアクションものはNETの「おせん捕物帳」だけ。もっともこの番組、重山規子が発散する“お色気”アクションだけに、本格的なアクションものは「ローン・ウルフ」だけということになる。

お色気と本格的の対決にもなるわけだが「男の視聴者っていうのは、かなり無責任ですからね。私としては、むしろ女性を対象にしています」と天知。女性視聴者のハートをつかむという作戦。妻に逃げられた元刑事のニヒルな事件追跡者という設定にも「女の母性本能をかきたてるアクション」という鎌田プロデューサーのねらいがあるようだ。

一方「おせん捕物帳」は、いわば重山の“お色気”が売り物。重山自慢の脚線美を生かした黒の網タイツ姿というのが彼女の捕り物スタイルだ。「時代劇、捕り物の主人公といえば男が多い。そこで外国テレビ映画“ハニーにおまかせ”の女探偵に、重山のムードを加えた新しい捕り物の主人公」とは吉津・NETプロデューサー。捕り物帳ばやりを逆手にとったお色気作戦。「ローン・ウルフ」とは反対に、男性視聴者が目当てだ。

「おせんが既成のものでなく、オリジナルに生み出された人物というところに魅力を感じた。自分にピッタリのおせんを」と、重山はもっともらしい出演の弁を語っているが、結局は脚線美で夜9時台の男の目を引こうという番組。どちらも同じ時間帯の番組だが「母性本能をかきたてる」天知か、脚線美で男の手を10チャンネルにひっぱろうとする重山か。この両アクションもの、どちらに軍配が上がるか。なかなかの見ものである。

母性本能をかきたてるアクションがはたしてどんなものなのか、(東映chでみた)1話だけでははっきりしないが、会田@非ライ以上だと思っていてよいのだろうか。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

鉄砲犬

2009年11月19日 | 大映with田宮二郎
記事は新ブログへ移動しました:
http://www.amachi.info/blog/index.php?e=17

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

怪塔伝

2009年11月07日 | プレ天知作品
記事は新ブログへ移動しました:
http://www.amachi.info/blog/index.php?e=4

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

梅田コマ劇場公演(S54年8月)

2009年11月04日 | 舞台公演
「演劇界」(1979年・S54年9月号)より引用

関西劇信
勉強芝居に挑む人々
大鋸時生

梅田コマ
天知茂公演


TVで放映中の『雲霧仁左衛門』(池波正太郎原作)を主演の天知茂が、劇化上演した。例によって誠実な舞台ぶりは快い。それを御木本伸介(兄蔵之助)、北町嘉朗(捕方の長官・安藤式部)らが例によって、よく主演者をかばいつづけていた。ストオリィは上層部の圧力から自決をせまられた兄をかばい浪人となった雲霧仁左衛門が、天下を騒がす大義賊となる物語だが、林成年(木鼠の吉五郎)、カルーセル麻紀(因果小僧六之助)、東てる美(おみつ)らの部下ぶりが快かったのに比し、西尾美栄子(黒塚のお松)、茶川一郎(山猫の三次)たちは今ひと息。高田美和の仁左衛門の恋人おりょうと女賊で仁左衛門を慕うお千代の二役も、なぜか目立たずじまい。また伊藤雄之助(家老・八木重右衛門)には例によって引っかかりつづけた。

テレビ作品の劇化とあっては視聴者の感銘保持が大事なのだろうかして、客席の反応は十分だったが、それにしても、劇場の表で仁左衛門とお千代が大鳥にのって江戸城の大屋根から昇天逃走すると解説していたそうだが、舞台にそれが実現しなかったのは淋しかった(三日目所見のせいかしら)

*舞台写真はこんな感じ

*大衆演劇には辛口批評が多い「演劇界」にあって、“例によって誠実な舞台ぶり”というのはかなりのほめ言葉だと思う。ところでスーパー歌舞伎もびっくりのクライマックス、ほんとに実現しなかったのだろうか?
コメント (3)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする